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≪神曲奏界ポリフォニカ スパイラル・ホワイト メインunder2 ~異界イニシエイション~≫

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!

 田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
 2月1日(日)読了。
 第10回ファミ通文庫えんため大賞優秀賞受賞作。

 ある日届いた見覚えの無いメール。
 ......あなたの世界を変えてみませんか?
 胡散臭いにもほどがある内容だ。
 当然、何かのネタだろう。
 そう思いながらも微かに期待を抱きつつ、指示に従って事細かな設定を進めていった。
 結果、奇跡は起こった。
 居なかったはずの幼馴染みが、義理の姉と妹が、学園のアイドルが、彼の日常に当たり前に入り込んでいた。
 そう、彼、都筑武紀はこの現実を塗り替え、彼の大好きなギャルゲーの主人公の立場を手に入れたのだった。

 これは、非常に面白く興味深い作品でした。
 先ずなんと言っても、タイトルがよいですね。これしかないってぐらい嵌ってます。
 また、ギャルゲー的世界観は様々な作品で利用されていますが、その使い方もありそうでない感じで新鮮でした。
 ギャルゲーの世界に入り込んでしまうか、現実でギャルゲーの方法論を用いるか、そう言った使われ方がポピュラーな気がするのですが、この作品ではタイトルの通り「ギャルゲーの世界が現実にやってきてしまう」という構図があります。その構図がこの御華詩の肝になっています。

 主人公はそのゲームを繰り返しプレイしており、ヒロインの裏事情など攻略に至までのイベントを全て理解しています。その為、主人公はメタな視点でヒロイン達に接することになりますが、そこで、ギャルゲーの文法を用いつつ、そんなご都合主義のない現実との齟齬に晒されるなど、面白い状況が出来上がっています。詳しくはネタバレますが、その辺りの描き方が良かったと思います。期待通りに進まないのが結果としてサプライズになっていたり。伏線もキッチリ回収して綺麗に物語が収束しているのも良いですね。

 一つ気になった点を挙げるとすれば、その構図上、主人公のゲーム絡みの一人語りが説明的になりすぎるってところでしょうか。簡潔に整理された雑誌記事のゲームの紹介のような説明は非常に解りやすいのですが、若干淡泊な印象も受けました。ただ、立場的に他のキャラと話題に出来ない以上、地の文で書くしかないところはあるようにも思いますし、敢えて本来のゲームの主人公を見えなくしているのだとは思いますが、個人的には説明で済ますのではなく、ゲームの場面を主人公が回想しながら元のゲームのシーン再現などで描くようなところがあってもよかったかなぁ、と思わないでもないです。そうすれば、主人公が本来のゲームの主人公とのギャップで悩むところがもう少し掘り下げられたんじゃないかなぁと思ったりもしました。前述の通り、本来の主人公を余り見せるのは、読者によっては嫌がる人も居そうなんで難しいだろうなぁとも思うのですが、個人的にはもう少し元ゲームの主人公の人物像を知りたかったなぁと感じます(;^^)

 あともう一つ難を言うなら、サブにはいるのですがメインヒロインに眼鏡っ娘がいないこと。これは非常に残念です。そんな訳で、次回は●●ルートが実装されて続編が出ると嬉しいとか言ってみたりします。って、これは完全に個人的趣味ですね、済みません。

 総じて、優秀賞受賞も納得の作品と感じました。本当に、受賞おめでとうございます。
 本職との兼ね合いで大変とは思いますが、次回作も楽しみにしています。

 とまぁ、そんなところで次は『 under2 ~異界イニシエーション~ 』です。

≪神曲奏界ポリフォニカ スパイラル・ホワイト メインunder2 ~異界イニシエイション~≫

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[感想][★★★☆☆][田尾典丈]「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!」 from ただ、それじゃ終われないでしょ! 2009-02-01 (日) 22:07
「……理恵。お前、なんか、変わったな」 「当たり前だよ。女の子だって、変わっていくんだから」 「理恵。俺はまだ、お前の主人公か?」 「もちろん!」 「で...

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