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≪狼と香辛料 ⅩⅡメイン神曲奏界ポリフォニカ プロミスト・ブラック≫

鷲見ヶ原うぐいすの論証

 久住四季・著、カツキ・イラスト、電撃文庫。
 9月14日(日)読了。

 学年最下位を突っ走る麻生丹譲。
 図書館に引きこもり授業に出ないが常に追試で満点を取り成績は最上位という鷲見ヶ原うぐいす。
 二人はとある事件が切っ掛けで親交があった。
 ある日、譲は生徒会長であり、うぐいすの親戚でもある薬歌玲からうぐいすと共にとあるパーティーに代理で出席することを頼まれる。
 何でも、自分は都合が悪く出席できないが、その主催者である天才数学者、霧生賽馬にどうしても聞きたいことがあるので代わりに聞いてほしいというのだ。
 こうして、霧生博士の住まう麒麟館に赴いた二人は、他の参加者と共にゲームに参加することになる。
 しかし、翌朝、霧生博士は首無し死体として発見される......
 奇しくも『ゲーム』のために外部との連絡を経たれ施錠もなされた麒麟館は完全な密室。
 その謎に、うぐいすは科学的手法によって挑むが......


 ミステリ仕立てのライトノベル。色々気になるところもありながら、勉強になる一冊でした。
 うぐいすが探偵、語り部の僕、譲がワトスン役という、ミステリとしては非常に分かり易い構成ですね。事件も、特殊な素質を持った人を中心に集められた閉ざされた館での首切り殺人と、これも分かり易いクローズドサークルですな。まぁ、天才ばかり集まったわけでもなければ双子のメイドさんとかはいないので安心です。

 しかし、非常にバランスが難しいですねぇ、ライトノベルに本格テイストを持たせるのは、と。
 『科学の徒』を自認するうぐいすは『不完全性定理』やらを持ち出して状況を理路整然と分析します。そこに『魔術』が絡んでちょっとばかり自体は階層化されるのですが、まぁ、『魔術』も『術』である以上は科学的アプローチが出来る訳で、そういった部分の論理はきちんとしていたように思います。
 ただ、全体的に本格になり過ぎないように、ヒロインの魅力やら恋愛要素でライトノベル的演出をしようとしているのが感じられた訳ですが...... 何でしょうね、こんなに『ヴァン・ダインの二十則』に納得いったのも珍しいです。特に3番。確かに、それを意図して破るというか逆にこれはライトノベルではほぼ必須要素なんでそちらに倒すには入れるにこしたことはないですが、それで話が盛り上がるかはなんともいえないというか。まぁ、分かる人だけ分かればいい表現ですが。

 とはいえ、キャラクタは魅力的でしたし、まだまだ明かされていない話があるのでその辺りが語られるのなら出れば読んでみたいと思います。

 てなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ プロミスト・ブラック』です。

≪狼と香辛料 ⅩⅡメイン神曲奏界ポリフォニカ プロミスト・ブラック≫

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