小説 のアーカイブ
森口織人の陰陽道
おかゆまさき・著、とりしも・イラスト、電撃文庫。
11月19日(水)未明読了。
吝華高校生徒会副会長、遥奈原初雪《はるなばらはつき》には秘密があった。
折しも二年生の新学期に転校してきた森口織人はその秘密を知ってしまう。
それを切っ掛けに、彼は陰陽道の世界に足を踏み入れることになって......
『撲殺天使ドクロちゃん』に続く第二シリーズ開始!
今回は、コンプレックスと妄想の御華詩でしょうか? 初雪が秘密の為に悩んでそれを織人と共に乗り越えていく、そういう流れ...... なのかなぁ。
全体的に異様に丁寧な地の文が独特の雰囲気を出していてよい感じです。登場人物基本的に『様』付けとは...... でも、誰なんだろう、この視点? とか穿って考えてみたりもしました。意味ない気もしますが(;^^)
ああ、あと、今回は『蒟蒻』です(謎
とまぁ、そんなところで次は『とらドラ!2』です。
灼眼のシャナ XⅦ
灼眼のシャナ XⅦ
高橋弥七郎・著、いとうのいぢ・イラスト、電撃文庫。
11月17日(月)読了。
遂に姿を現した[仮装舞踏会] の盟主に破れ、囚われの身となったシャナ。
武器も防具も神器も奪われ、ただ一人の少女として敵陣の中に身を置いていた。
それは期せず、彼女の在り方を問う機会ともなった。
[仮装舞踏会]の念願が達せられるときが近づく中、彼女はかつて育ての親が残した言葉の意味を知る......
前回の展開を受け、シャナを取り巻く人々が何を思い、感じ、実行に移すのか? その過程が描かれた御華詩と言えますな。
いつもの如く、番外で明かされた情報を搦めつつ、描き出されるそれぞれの心理描写が美事でした。また、今まで大人しかったあのキャラも今回は珍しく大暴れでしたねぇ。まぁ、その理由は推して知るべしというべきか。
今回で各々向かうべきに向かい始めたので、次からは総力戦の体を為してきそうです。その中で、一体全体彼が何を目指してあのような手段を取ったのか? その行く末が楽しみです。
とまぁ、そんなところで次は『森口織人の陰陽道』です。
とらドラ!
竹宮ゆゆこ・著、ヤス・イラスト、電撃文庫。
11月14日(金)読了。
目つきが悪いために誤解されがちな善良な高校生、高須竜次《たかすりゅうじ》。
高校二年生になって憧れの実乃梨と同じクラスになって喜ぶも、ある意味運命的な出会いが待っていた。
それは『手乗りタイガー』の異名を持つ見た目は美少女の逢坂大河《あいさかたいが》
見かけだけでなく実際の凶暴性で悪評高い彼女と奇妙な縁が出来、その恋路の手助けをすることになったのだが......
むむむ、今更ながらアニメにつられて読んだのですがこれはよい日常の物語ですな。タイトルと手乗りタイガーのイラストからてっきり異能バトルモノだと思いこんでたのは内緒(;^^) まぁ、嬉しい誤算でしたが。
心理描写がしっかりしていて非常に心地よいもどかしさというか、甘くて苦くて単純明快で複雑怪奇な、そんな恋心を感じさせる内容でした。これは、すぐには無理ですがどうにか追いつきたいと思います。
とまぁ、そんなところで次は『灼眼のシャナXⅦ』です。
灼眼のシャナ SⅡ
高橋弥七郎・著、いとうのいぢ・イラスト、電撃文庫。
11月13日(木)未明読了。
ヴィルヘルミナがシャナと平井家で共に過ごすこととなって一月余り。
規則正しい生活の中、シャナの帰宅時間が遅いという綻びが生じていた。
理由を訪ねてもはぐらかされるばかりで不審に思い、不本意ながらも悠二と共にその原因を探り始める。
そうして、彼女が辿り着いた真相は......
今回はヴィルヘルミナが主体ですね。上記の日常を描いた『ドミサイル』、ヴィルヘルミナとその掛け替えのない友である『永遠の恋人《エンゲージ・リンク》』との出会いを描いた『ヤーニング』、そして『天道宮』を出て間もない駆け出しの頃のシャナと熟練のフレイムヘイズ、ゾフィーとの交流を小説とコミックで描いた『ゾートロープ』の三本、及び、いつものQ&Aコーナー『狩人のフリアグネⅢ』という構成でした。
大分長らく積んでしまって気がつけば前を読んでから1年近く間が空いてたりしますが、覚えているモノですね。今回は、ヴィルヘルミナの心理描写もいいんですが、何より、『ゾートロープ』のアラストールの叩かれっぷりがいいですねぇ。
とまぁ、そんなところで次は本編の最新刊...... と言いたいところですが現在アニメ放映中の『とらドラ!』です。
ANGEL+DIVE 1.STARFAKE
十文字青・著、青稀シン・イラスト、一迅社文庫。
11月11日(火)未明読了。
頼まれたら断らないそんな他人本意とも言える少年、日比野夏彦はある日考え事をしていて辿り着いたあばら屋で、不思議な少女と出会う。よくも悪くもありのままを受け入れて疑問を持たない性格の彼は、しかし、その少女のことだけは気になってしまって仕方なかった。
だが、彼女は出会ってまもなく、姿を消してしまった。
どうしても、彼女に会いたい。
今までに無かったそんな衝動に突き動かされ、彼は幼馴染みと友だちと共に、少女の行方を追い始める。
そして、やがて。
自身の運命と向き合うこととなる......
ふむ、不思議と引き込まれるものがある御華詩でした。やはり、主人公である夏彦のキャラクターがよかったのだと思います。純粋培養というか天然というか。本当に「ありのままを当たり前に受け入れる」という言葉にすると簡単だけれど実行するのは難しい、そんなことを素でしてしまうキャラです。匙加減一つでうざいだけのキャラになりそうなところがよい案配に描かれていたと思います。
女性キャラも色々出てますが、やはり、一番印象的だったのは夏彦ですねぇ。
端からシリーズ物の1冊目ということで投げっぱなしというか舞台設定の提示のような感のある内容でしたが、これはこれで楽しめたというか続きが気になります。既に2巻が出ているのでタイミングを観て読みたいと思います。
てなところで次は『灼眼のシャナSⅡ』です。
ギロチンマシン中村奈々子~大人社会編~
日日日・著、大出長介・イラスト、徳間デュアル文庫。
11月6日(木)読了。
<王国>の事件の後、<獣の森>をさまよう"中村奈々子"ご一行。
まだこの世界の真実を知らない彼女達。
当ても無く、行きがかり上で何を考えているかわからない原住民達と行動を共にする中、突如として彼らは一行に一つの要求を突きつける。
そうして、遂に"中村奈々子"達は核心に近づくのだった......
うむむ...... 非常に扱いの難しい作品でありますなぁ。基本は童話のメタファ。それと、端々に潜む「大人」というものの負うべき責任というモノのありかた。隠喩だらけで相当に脳味噌に負担が掛かるので、正直、どうにも娯楽として読むには重たい内容ではありますな。でもまぁ、直前に読んだ同作者の『ジャンクガール・ジグ』にも同じようなテーマの内容も合ったり、思えば『魔女の生徒会長』のあとがきでも似たようなこといってましたし、作者の思想が見え隠れしているとも言えますな。とはいえ、記号的装飾が少ない分、やはり、このシリーズは他と毛色が違うというか実験的というか、生々しいものを感じます。
今回のタイトルと落ちからして次でラストっぽいと思いますが、どう締めるのか楽しみにしたいと思います。
てなところで、次は『 ANGEL+DIVE 1.STARFAKE 』です。
ジャンクガール・ジグ 1 あたしの飼い主
日日日・著、エナミカツミ・イラスト、角川スニーカー文庫。
11月4日(火)読了。
現代の言うなればRPGの召喚魔法のような技術『怪造』。
しかし、人間、便利な存在を召喚して使役できるとなれば平和利用ばかりとは当然ならない。
様々な犯罪行為にも利用され一般市民を脅かすことも当然考えられるわけで、そうなればそれを取り締まるような役割も必要となってくる。
怪造学会執行部は、正にそのような役割を担う組織であった。
そんな組織の第一班の責任者である空井滅作《すかいいめっさく》は、ある任務の際に人体実験の被害者となっていた少女を助けることになって......
そんな訳で、『アンダカの怪造学』の主人公である空井伊依の父、滅作がまだ存命の頃の御華詩。
なんか、色々とその後に関わる人物が出てきたりして楽しい作品でした。まぁ、タイトルになってるキャラは一応まだ明言されてないので控えますが、章立ての演出でバレバレという悲しい罠(謎
『アンダカの怪造学』でも、口は悪いし娘にも相当に嫌われながらも何かと娘を助けていましたが、やっぱりそんな人なんですな、滅作さん。つか、読めば読むほど似たもの親子と思わせられるという点も見所ですねぇ。それと、若かりし宇宙木《うつぎ》校長...... なんでこんな典型的ツンデレキャラなんだ? 確かに原型とどめてますが、そうか、だから、本編ああなんですねぇ。でも、一番の見所は中学時代の宇宙木ちゃんでしょう。個人的にかなりツボでした。
とまぁ、内容に触れずと言うかメインの筈のジグに一切触れてませんが、まぁ、こんな感じのお話でしたと言うことで次は日日日が続いて『ギロチンマシン中村奈々子~大人社会編~』です。
ライトノベルの楽しい書き方 2
本田透・著、桐野霞・イラスト、 GA 文庫。
11月3日(月)読了。
家庭の事情により覆面女子高生ライトノベル作家をしている流鏑馬剣は、恋愛を描くための取材と称して担当編集の従弟でありクラスメートでもある与八雲と期間限定の彼氏彼女ごっこをして、どうにかデビュー二作目を世に出し好調な成果を収めることに成功した。
その二作目はシリーズ化が決定し、続刊はシリーズの方向性を決める大切な巻となる。
今度のテーマは担当のお達しにより『三角関係』。
しかし、古風で純粋な剣はどうしても三角関係をイメージできない。
そこで、担当編集の心夏は一手を講じて......
本田透の描く揺るぎない王道ラブコメ第二弾!
今回はラブコメの華とも言える『三角関係』がテーマということで、前巻では思わせ振りながら余り出番の無かった隣のクラスの市古さんを巻き込んでの一夏の思い出でした。
コンプレックスの描き方とか、ここぞという場面での市古さんのキャラとか、本当に勉強になる作品でもあります。ああ、確かに、このキャラ用意してないと剣崩壊するよなぁ...... 八雲も鈍感ながら実のところ揺るぎないですし、剣の自虐的な妄想癖がこのシリーズの肝ですな。
あとがきで示唆された次が無茶苦茶楽しみになってしまったんですが年内は出なさそうなので残念です。いや、1巻発売と同時に買っておきながら積んで今頃読んだ身でこんなこというのはお門違いですが(;^^) あ、でも今まで読まなかったのはそれだけ待たされる時間は減ると言うことでそれはそれで正解だったのか!
......あ、第二部出揃ってから買おうと思って第一部完結で買うの中断したら16年以上経ってる内にレーベルも変わって未だに出そろっていないシリーズとかあるんで一概に正解とは言えないですが。「こいつに絵を描かせるぞ!」「ナ●サスさま、それはカバですか?」
とまぁ最後脱線しまくってますが次は『ジャンクガール・ジグ 1 あたしの飼い主』です。
神曲奏界ポリフォニカ アイソレーション・ブラック
大迫純一・著、BUNBUN・イラスト、GA文庫。
10月31日(金)読了。
シェリカの誘いで南海のリゾートを訪れるマティア。
マナガは残念ながら仕事でルシャゼリウスに居残りだった。
原生林に囲まれたビーチで海遊びを満喫し、豪華な食事に舌鼓を打つ、そんな休日の筈だった。
しかし、謝恩会の最中に突如響いた悲鳴から事態は一転する。
パーティー中の変死事件。
マナガは居ない。
嵐で応援も来ることが出来ない。
そうしてマティアは、一人、いや、親友のシェリカと共に、事件に立ち向かうこととなる......
もう、最高です。最後の方はゾクゾクしっぱなしでした。マティア格好良すぎます。そして、シェリカも。
タイトルからして某定番パターンですが、マナガがいないことでより本格ミステリ色の強い内容でした。って、そうか! ネタバレるから詳細は控えますが、今回は本当に本格なんですね。書いてて気付きました。うわぁ、やっぱりポリフォニカは黒が一番好きです。ここまで来るとシェリカレギュラー化は必然以外の何者でもないですね。
とまぁ、そんなところで次は『ライトノベルの楽しい書き方 2』です。
ライトノベルの楽しい書き方
本田透・著、桐野霞・イラスト、 GA 文庫。
10月30日(木)読了。
外見は目を見張る美人ながら文武両道、入学早々不良グループを蹴散らした最強を誇る女子高生、流鏑馬剣《やぶさめつるぎ》。
周囲がその活躍から畏怖の念を持って扱う中、彼女のクラスメートであり、海の生物大好きな与八雲《あたえやくも》は、その姿を『美しい生き物』として憧れを抱いていた。
そんな八雲がある日、従姉であり出版社の編集を勤める心夏《ここな》から、〆切ギリギリの担当作家の原稿受け取りのお使いを頼まれることになった。
受け取った地図を見ながら辿り着いた先は、高級住宅街の一角の豪邸だった。
呼び鈴を鳴らしても中々出てこないが心夏の指示通り何度も鳴らす内に、開かれる扉。
その向こうに居たのは、中学生にしてデビューを果たした女子高生ライトノベル作家、姫宮美桜《ひめみやみお》だったのだが......
いやぁ、本気で王道の学園ラブコメですねぇ。この作者の作品って『アストロ乙女塾』しか読んでなかったんで何かしら破天荒なモノを想像してたんですが、余りの王道さに感動を覚えました。何より、流鏑馬剣と与八雲の造形は美事です。剣は、ともすればわざとらしくなりそうな強さと弱さの対比が絶妙ですし、八雲の素朴なキャラさも上手くそれにマッチしていました。こんだけ魅力的なキャラが書けるのは技ですねぇ。本当、剣はよいヒロインです。思わず、読んでる途中で続刊も買ったので近いうちに読みたいと思います。
てなところで、次は『神曲奏界ポリフォニカ~アイソレーション・ブラック~』です。
ミサキの一発逆転!
石川ユウヤ・著、 CARNELIAN ・イラスト、 MF 文庫 J 。
10月28日(月)読了。
第四回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞審査員特別賞受賞作。
お嬢様学校であるファネス音楽学院に通う庶民の犬吠《いぬぼう》ミサキはその出自から何かと周りと悶着を起こしていた。
故に生まれた格言、曰く『犬吠《いぬぼう》ミサキに噛みつかれるな!』。
だが、そんな彼女には優等生の親友、門奈キリカが居た。
ある日、学院中の肖像画が切り裂かれるという事件が起きたとき、その疑いが親友のキリカに向けられる。
ミサキは吠えた。自分がその疑いを晴らしてやると!
しかし、彼女は予想だにしていなかった。それから巻き込まれる、運命の波を......
『音楽』をネタにしつつ、主人公の『犬』に始まり登場人物を様々な動物に例えた言い回しなど、雰囲気のある文章でした。物語全体は、音楽学院のドタバタ劇のように見せて大きな力の関わる内容になっていくんですが、それでも、庶民的であるミサキの感覚が更にいい雰囲気を持たせていたように感じました。結構癖が強いので、好みは分かれるところでしょうが。
また、作中の音楽ネタはそれなりに専門的な部分を学んだ身としては全て既知の内容で抵抗なく読めましたが、専門知識の無い方相手だと結構ギリギリの線を行ってる感じでした。オチ近くのとある場面は、それなりのフォローはありますが理解しづらい人も多いんじゃないかなぁ、と思います。まぁ、その辺りは専門知識を使う上でここまでは許される例として一つの限界値分析として勉強になりました。
まだシリーズは続くようなので当面は追って見ようと思います。って第一回以降の受賞作家の作品は全部読んでるんですがね。
とまぁ、そんなところでようやく MF 文庫 J の積み本が終わったので次は『ライトノベルの楽しい書き方』です。
やってきたよ、ドルイドさん!
志瑞祐・著、絶叫・イラスト、 MF 文庫 J 。
10月27日(月)読了。
第四回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞佳作受賞作。
転校生の名前はホリン・シャレイリア。
彼女は、ごく普通に超絶美少女で、ごく普通にアイルランド出身でした。
ただ一つ、違ったのは、彼女はドルイドさんだったのです......
って、最後の一言の為に思いっきり脈絡の無いパロディのパロディをしてしまいました、ある日クラスにやってきた謎の美少女転校生との日々をクラス委員長の少女の一人称で描く友情物語的コメディです。基本は『ドルイド』という特殊な出自に起因するヒロインの奇行に周りが振り回されるドタバタ喜劇ってとこですね。でも『ドルイド』って設定が中々に興味深い。ローブはグレーで壁を壊しそうでマトックいらず(謎 軽いノリながらサラッとドルイドに関してはそれなりにちゃんとした考証をしてますし、特に誓約《ゲッシュ》の使い方は上手いです。話もツボを押さえてそつなくまとめられた感じで安心して読めますな。その辺りが評価されたところかなぁ、と勝手に想像したり。うん、次出たら読もう。
とまぁ、そんなところで次は『ミサキの一発逆転!』です。これで、積んだ MF 文庫 J 最後になります。まぁ、来月また色々買う予定ですが(;^^)
えむえむっ! 6
松野秋鳴・著、 QP:flapper ・イラスト、 MF 文庫 J 。
10月26日(日)読了。
今日は二学期の終業式。
その日は石動先輩が用事があるということで部活が急遽休みになり、太郎は嵐子と帰り道を共にする。
寝不足気味な嵐子はそわそわとしつつも、太郎は何故かその日に限ってバイトが少ないために長時間のバイトに入ることになっていた。
何やら残念そうにする嵐子の目の前で、太郎は突如拉致されて......
うん、相変わらずいい変態です。
前巻で増強されたラブコメ分がいい味を出し始めています。各キャラともルート決定に肉薄するイベントまではこなしているといった進行状況。メインヒロインは嵐子、次が美緒様。まさかがかつてのシホリ姫、といったところでしょうかねぇ?(←駄目な例え)
変態的性癖が折りに触れて発動する太郎視点の語り口が絶妙なんですが、今回はなんと言って砂戸太郎VS日村雪之丞が見せ場です。何がどう見せ場かは読んでのお楽しみ。このシーンは相当ツボに嵌りました。いいなぁ、このノリ。
とまぁ、そんなところで次は『やってきたよ、ドルイドさん!』です。
オウガにズームUP!
穂史賀雅也・著、シコルスキー・イラスト、MF文庫J。
10月25日(土)読了。
昨今の少子化に伴い、中高一貫の男子校が女子校と合併して共学となった!
中学からエスカレーター式で高校へと入った特に男子達は女子の居る風景に憧れと妄想を抱き浮き足立っていた。
そんな中、他の男子と違い、犬伏ユージは思い悩んでいることがあった。
......ロリコンになりたい。
プロットはそんなに真新しくは無いんですが、相変わらず不思議と雰囲気のある文章を書く人ですなぁ。この辺りは MF 文庫 J の方針もあるのかもしれんですが。クラスメートの女子一覧があったりキャラの幅も万全です。
ひょんなことで、クラスメートながら見た目小学生な井上ククルの夫となり同棲することになった犬伏ユージという少年の御華詩。これが『ロリコンになりたい』という言葉に秘めた意味で、『ロリコン』というものに対する禁忌性と恋愛感情のせめぎあいのようなものがこの作品テーマでもあるんですかねぇ。深読みすればそれなりに掘り下げられそうな内容です。まぁ、さらっと読めばさらっと読める内容でもありますが。
ある程度パターンに嵌った作品ではありますがそれだけに安心して読めるので続けて読んでいきたいと思います。
で、次は『えむえむっ!6』です。
もふもふっ珠枝さま!
内山靖二郎・著、真田茸人・イラスト、MF文庫J。
10月24日(金)読了。
稲葉家には代々家神さまがおられました。
時に『座敷童』とも呼ばれる幸福をもたらす神様は、見た目は幼い少女の姿をしていました。
しかし、元は山神のその力は絶大で見た目に騙されると痛い目に遭います。
そんな、稲葉家の長男、稲葉智宏はその神様から妖怪を見極める眼力を賜って、それが元で様々な事件に遭遇して......
と、前作の要約を導入的にまとめてみたりしましたが、主人公の幼なじみが眼鏡娘な『神様のおきにいり』のテコ入...... 失礼、噛みました。新装開店オープンの続編です。新装開店ということで、今までの設定は残しながらも、方向性が大きく変わって、学園ラブコメといった様相になっています。緩いようで妖怪に関する考察はしっかりしているので、安心して読める作品ですな。
で、出だしで使ったネタが妖怪繋がりってどれだけの人が気づくやら(謎
まぁ、色々言いながら、続きを楽しみにしていたシリーズなので、こうやって読めるのは普通に嬉しいのです。
てなところで MF 文庫 J 続きますが次は『オウガにズームUP!』です。
丸鍋ねこ改造計画(仮)
七位連一・著、ぱこ・イラスト、 MF 文庫 J 。
10月23日(木)読了。
無表情だが可憐な容姿に男子人気の高い丸鍋ねこという変わった名前の少女が居た。
今日もまた、無謀な男子が無碍にその告白をはね除けられた。
そんな彼女の異名はそのガードの堅さから『要塞』。
しかし、だからこそ燃える男も居た。
そんな彼女の在り方を変えたい。
春田リクは、だから『丸鍋ねこ改造計画』を発動したのだった!
前作とのギャップが激しいと見せて根っこの部分は通じてる、そんな気がするコメディでした。
なんでしょう、人間の嫌な部分がよく見えてる人って印象ですね、この作者。
今回は、だからこそいい部分を描こうってところが好感が持てました。
プロット自体はありがちなんですが、色んな意味で容赦のない心理描写で登場人物達に感情移入しやすかったですねぇ。特に、春田リクのいい意味での馬鹿さは好ましいです。ああ、確かに、こういう奴は世の中に必要だよなぁ、と思ったり。まだ続きそうなんで追いかけていきたいと思います。
とまぁ、そんなところで次は『もふもふっ珠枝さま!』です。って、実質『神様のおきにいり』の続きなんじゃないかと思うんですが(;^^)
緋弾のアリア
赤松中学・著、こぶいち・イラスト、 MF 文庫 J 。
10月22日(水)読了。
凶悪化の一途を辿る犯罪に対抗すべく、生まれた武装探偵、通称『武偵』。
その警察にも匹敵する権限を持つ武偵を養成する東京武偵高校に通う遠山キンジは、通学バスに乗り遅れたある朝、衝撃的な出会いを経験する。
空から舞い降りた少女。
『武偵殺し』と呼ばれる事件に巻き込まれた彼を救ったのは、神崎・H・アリア。
その事件を通じて、キンジはその特異体質もあって彼女に目を付けられることになって......
『アストロノト!』の作者の新シリーズ!
いやはや、期待通りの楽しい作品でした。『武偵』という設定に古今東西のミステリやら何やらをミックスして面白い世界観になってます。その辺りの配置も上手いですねぇ。まぁ、アリアに関する一つの謎はミステリ好きで語学が得意な身では目次がネタバレになるという悲しいオチですが、本来この読者層に濃いミステリ読みは少ないからこのぐらいが丁度いいんでしょうね(;^^) そういうバランス感覚でも興味深い作品でした。
今回は導入としてキンジとアリアの立ち位置を明らかにしつつ、次に繋がる内容でした。引きもよかったので否応なく次巻が楽しみになります。
そんなところで、次は『丸鍋ねこ改造計画(仮)』です。
魔女ルミカの赤い糸4~白き雪の愛~
田口一・著、カズオキ・イラスト、MF文庫J。
10月22日(水)未明読了。
屋敷に一人となった留美華を気遣い、お互いの家を行き来しながら琴也はこれまでよりも多くの時間を共に過ごしていた。
だが、彼は悪夢に悩まされていた。目の前で留美華がバラバラにされる悪夢。
また、留美華の側にいると何故か原因不明の体調不良に見舞われるようにもなっていた。
そうして、一見平穏な日々は徐々に綻びを見せ始め、やがてはメルリスが言い残した『魔女の王』を巡る事件へと発展する......
これにて完結。文字通りの『魔女』を扱ってインモラルな雰囲気が持ち味の御華詩でした。
若干、急ぎ足にも感じられましたが広げた風呂敷はおおよそ綺麗に畳まれたと思います。反面、小さくまとまって大きな盛り上がりには欠ける感じでしたが、魔女絡みの設定は非常に印象的なモノでした。この巻のとある場面で由奈が魔女について語ったことは非常に端的にこの作品世界における魔女の在り方を表していたと思います。オカルトとは性的なモノと結びつきやすいですからね。
まぁ、終わり方は基本に忠実って感じでしたがね。作品の雰囲気は好きだったので次回作に期待です。
そんなところで次は『緋弾のアリア』です。
ゼロの使い魔15~忘却の夢迷宮~
ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、MF文庫J。
10月20日(月)読了。
遂に"聖戦"が発動し、ロマリアはブリミルの名の下にガリアへの進軍を続けていた。
度重なる"無能王"ジョゼフの凶行にガリアは内部崩壊を始め、軍の実に半数がロマリアに寝返る。
それでも、大国ガリアは士気は低いモノの兵力では未だに優位。
そのため、戦局は膠着しカルカソンヌ北方のリネン川を挟み両軍の睨み合いとなっていた。
ロマリア軍と行を共にしていた才人達一行も足止めとなるが、その戦局を動かす陰謀が蠢いて......
いやぁ、これはこれは面白くなってきました。盛り上がりますねぇ。
前巻の一件で絆を深めたサイトとルイズの予定調和なドタバタはあるモノの、世界情勢は大きく動いています。
特に、"聖戦"と止めるべく取ったアンリエッタの外交策はよいですねぇ。本当に立派な女王ですな。
でもまぁ、今回は舞台と状況から主役は彼女です。その人生の大きな節目となり、今までよりも大きな存在感を今後は出してきそうですね。何はともあれ、もうこれからの展開は目が離せないです、はい。
とまぁ、そんなところで次は『魔女ルミカの赤い糸4~白き雪の愛~』です。
かのこん11~アイはぼくらをすくう!~
西野かつみ・著、弧印・イラスト、MF文庫J。
10月19日(日)読了。
美乃里の奸計により、遂にすべての<八龍>を目覚めさせたちずる。
丁度時を同じくして、耕太はちずるが囚われた薫風高校に到着する。
果たして、耕太は数々の敵が待ち受ける中、ちずるの元へとたどり着けるのか......
うむうむ、広げた風呂敷が美事に畳まれましたねぇ。今回は立派に少年漫画的な燃えだったと思うのですが、世間的にはどうなのでしょうねぇ。アニメとかでもデフォルメされてエロ部分がクローズアップされたりしてますが、日本神話を下敷きにしながらそれにエロネタを交えつつも世界観にあった解釈を成立させてしまう勢いがこの作品の魅力だと思います。まぁ、作者がシリアスよりの話をしてしまってフラストレーションを爆発させてるとかいうのもまた持ち味(;^^)
今回で仄めかされてきた大きな謎はすべて答えが与えられましたが、次からはまた日常に戻るようなので楽しみです。というか、妖怪サイドの話だと、人間サイドの出番が減りますからね。朝比奈さんとたゆらの純愛路線はどうなるのか? 今後の見所はきっとそこに違いありません。
とまぁ、そんなところで次は『ゼロの使い魔15~忘却の夢迷宮《ラビリンス》~』です。
聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス) 3
三浦勇雄・著、屡那・イラスト、MF文庫J。
10月18日(金)読了。
三人の魔剣の使い手との戦いも乗り越え、傷も癒えた頃。
セシリーが守るべき独立交易都市に災厄としか言いようのない事件が発生する。
正体不明の人外が街を突っ切ったのだ。
多数の死傷者を出し、無力感に苛まれつつも魔剣を持って追うセシリーは灰かぶり森まで至る。
先方に捉えた人外に魔剣が生み出した一閃を浴びせるのだが、なんとその先には......
熱い。本当に熱い御華詩ですねぇ。世界観も違って当然人のあり方もそれに合わせた形なんですが、その根底にある熱さってのは変わらんのですな。また、主人公が女であることも最大限に武器にしていますな。本人は大変ですが。挫折と超越。そうして人は更に先に進んでいける。セシリーのそんな姿勢に周りが感化されていくノリは非常に心地よいです。
それと、一方ではルークの成長というかその閉ざした心が開かれていく物語でもありますな。少しずつ少しずつ厭世的な部分が抜けてきて。前回の事件で過去と向き合って、また、セシリーに感化されて。今回、最後の方の彼は本当に格好いいですなぁ。
少しずつ世界の仕組みが明かされて徐々に物語は核心に迫っていますが、ここからどこへ進んでいくのか? セシリーはその道を貫けるのか? また、ルークは? リサは? アリアは? もう本当に目が離せないシリーズであります。
とまぁ、そんなところで次は『かのこん11~アイはぼくらをすくう!~』です。
レンズと悪魔 6 魔神応報
六塚光・著、カズアキ・イラスト、角川スニーカー文庫。
10月17日(金)未明読了。
バルヒーヨの奸計により博物館を追われたエルバ達。
だが、バルヒーヨの狙いはかつて一つの村を破滅へと追いやった『しろがねの悪竜』を現代に甦らせる鍵となる竜人のエイジだった。
エルバ達は帰るべき場所の奪還し、悲劇の再来を防ぐべく、地下に潜って力を蓄えていたが......
第一部、完。『しろがねの悪竜』という一つの大ネタの終結点で、元々そういった位置づけで書かれた内容でした。
また、区切りに相応しく、今までバラバラと出てきた人物のミッシング・リンクが繋がって八眼争覇の謎についても少し明らかにされてきました。この辺りは世界観がしっかりしてるんで安心して読めました。
ただ、今回、色々決着はついてはいるんですが何だか、間が抜けてる気がするのはどうしてでしょうか(;^^)
どうも、このシリーズは周囲の人間が盛り上がりすぎて中心となるべき人物が霞んでしまう傾向があるように思います。何というか、起きてしまった事件の解決は綺麗にまとまっているんですが、そもそも重大な事件の発端が「そりゃないだろう」ってお粗末さ。反則気味のミステリを読んだときの気分に似ていますねぇ。流石に他の部分はキッチリ締めてるのに、あの部分だけエルバ達は事件を起こすために行動していたようにしか読み取れなくて残念でした。そうでないと解釈しようとするとただの自殺願望にしか見えないですし...... う~ん、本当に周囲の人物が魅力的なだけに逆にそこが目立ってしまいますねぇ。クラヴリー、リデル、デイジーといった面々は大活躍なんですが、なぜに渦中の人物だけ......
まぁ、そんな感じではありますが続きも買ってあるので頃合を見て読みたいと思います。
そんなところで次は『聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス) 3』です。
ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート
森田季節・著、文倉十・イラスト、 MF 文庫 J 。
10月14日(火)読了。
第四回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞優秀賞受賞作。
佐女牛明海《さめうしあけみ》はある日、同学年の神野真国《こうのまくに》に呼び出された。
何事かと思う彼女に彼が語ったのは、自分が人殺しであることだった。
明海は、その話を聞いて、直ぐに動き出す。
そう、彼女もかつて......
『イケニエビト』と呼ばれる殺されるためにこの世に紛れ込んだ存在を巡る御華詩。
その運命に音楽で立ち向かう少年と少女の物語は構成も面白く引き込まれるモノで、納得の受賞作ですねぇ。
『人間の存在の拠り所』というモノを揺るがす事件に『イケニエビト』というルールが加わって、その中でどうやって生き残るか? 激しいバトルは無く、いっそ淡々としているとも言えるんですがそれがまた、タイトル通りのビターな味わいでよいですねぇ。甘さ控え目ですが、控え目なだけで、それはそれであったり。
若干、オチが微妙な気もしましたが、総じて印象的な御華詩でした。
とまぁ、そんなところで次は『レンズと悪魔 Ⅵ~魔神応報~』です。
生徒会の日常~碧陽学園生徒会黙示録
- 2008年10月13日 10:57
- 2008 | 富士見ファンタジア文庫 | 小説
葵せきな・著、狗神煌・イラスト、富士見ファンタジア文庫。
10月13日(月)読了。
杉崎達のクラスに転校生がやってきた。
初対面の筈だが、どうしても、杉崎と深夏はついついその名前に反応してしまう。
いったい、何が彼らの気を引いたのか解らず引っかかるモノがありながらも、杉崎を中心に次第にうち解けていく転校生の男子。
こうして、杉崎とどんどん親密になっていった彼の名前は......
相変わらずメタというか、他社作品も巻き込んだりとか。まさかポリフォ●カが出てくるとは思いませんでした。
そんな生徒会シリーズ番外編。まぁ、やってることは同じ気もしますが、本編ではあり得ないシチュエーション(=生徒会室以外が舞台となる)ということで番外編ということすな。いやぁ、ここでこんな方向性で本編の伏線を拾うとは、真冬大喜びですね。
ともあれ、裏設定っぽいのも明かされつつ大きな流れのようなモノには乗っかっているように思えたりもします。番外は番外で今後も続くようなので、本編と共に追いかけてみたいと思います。
そんなところで次は『ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート』です。
狼と香辛料 Ⅸ~対立の町<下>~
支倉凍砂・著、文倉十・イラスト、電撃文庫。
10月10日(金)読了。
『狼の骨』を追って港町ケルーベを訪れたロレンス達一行。
しかし、彼はそこで今まで経験したこともない大きな『商売』に巻き込まれる。
いや、それは『商戦』。
一介の行商人として、状況に対応しきれず途方に暮れるロレンスだったが......
そんな訳でケルーベでの物語完結編。
いやぁ、やっぱり心地よいですなぁ、この舌戦は。
商売を軸に展開される人間模様、そこに行商と町商人との見方の違いやらが絡んで非常に楽しい言葉の押収でした。
なんか、最後の方はもう痛快としかいいようが無いです。
孤独から、仲間を得て、ロレンスが今後どう進んでいくのか? そういった部分にも少しばかり道を示す御華詩でもありましたな。次は予想通りあっちへいくようですし、これからも楽しみです。
そんなところで次は『生徒会の日常 碧陽学園生徒会黙示録1』です。
神曲奏界ポリフォニカ ダン・サリエルと白銀の虎
あざの耕平・著、カズアキ・イラスト、GA文庫。
10月8日(水)読了。
新進気鋭の音楽家にして神曲楽士、ダン・サリエル。
数々の輝かしい実績を持つ彼は、ある日出会った白銀の虎の姿をした精霊を痛く気に入り、前代未聞の楽士から精霊契約を持ちかけた。
その精霊には契約相手として心に決めた者がいると言うが、自信家のサリエルはそれでもめげず、契約主の座を奪い取るべくその相手のいるその相手のいる田舎町を訪ねた。
そして、彼がそこで出会ったのは......
かつて、
『神曲奏界ポリフォニカ Palette 』
http://www.ktrmagician.com/archives/2007/08/palette.html
で、
>彼の活躍を普通に長編で読んでみたいとまで思うぐらい気に入ってしまいましたが、望み薄ですかねぇ。
とか書いてたんですが、実現するとは。いや、本当に嬉しいです。それだけ魅力的なキャラということですな、ダン・サリエルは。
このシリーズは他と違って連作短編としての構成となるようですが、それはそれでいいですねぇ。また、他シリーズが神曲楽士の活動がメインのところで、こっちは音楽家としての活動がメインってのも面白いです。彼の音楽性には非常に共感できるのです。
最初の話は上述のアンソロジーに収録された短編そのままですが、他の話と組み合わせてこの一冊でダン・サリエルという人間が掘り下げられています。ああ、あと、ユフィンリーも。壊れたようで、確かであんなだよな、ユフィンリー。この二人、確かに似てるんですよね。方や神曲楽士として、方や音楽家として、古い慣習にとらわれず現在のニーズに合わせた形態を模索するって点では。でも、それだけに、ああなるんですな(;^^)
そして、早い段階でこういった話が出たのが素晴らしいと思ったのが第三話『ダン・サリエルと孤高の老楽士』。これで、ダン・サリエルという人間の音楽性がより明確になりました。ただ、傲慢なだけではなく、純粋に音楽を愛する彼の本質がよく出た御華詩でした。
とまぁ、そんなところでポリフォニカは消化したので次は『狼と香辛料 Ⅸ~対立の町<下>~』です。
神曲奏界ポリフォニカ エイディング・クリムゾン
榊一郎・著、神無月昇・イラスト、GA文庫。
10月6日(月)読了。
トルバス・スピリット・フェスタを控えたメガ・フロート<ホライズン>。
そこは今や、荒れ狂う嵐に翻弄される孤島と化していた。
強制的に操られた精霊達の破壊活動がもたらした状況に、事情を知らない人間達は、少なからず彼らへの不審を募らせる。
そんな中、状況は悪化の一途を辿りやがて<ホライズン>自体の崩壊の危機を迎え......
いいですねぇ、崩壊寸前の孤立した巨大建造物での攻防。人間ドラマ。
読んでて感じたのは映画的なテンションってことですな。まぁ、どう映画性があるのかは直観的なので説明しづらいんですが(;^^) しかしまぁ、クガノ・リュネアという精霊を憎む少女の目を通して、精霊と人間の関係をより掘り下げることになったと思います。今回の主役は彼女でしょうね。また、まさかのあのシリーズとの接点も驚かされました。いや、そう来るとはねぇ。告げたのが彼というのも憎い演出です。こういうのがシェアード・ワールドの面白いところですね。
とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ ダン・サリエルと白銀の虎』です。
神曲奏界ポリフォニカ エンシェント・ホワイト
高殿円・著、凪かすみ・イラスト、GA文庫。
10月3日(金)、絶賛読了。
ギリギリながら無事に皆と共に二年生に進級したスノウ。
新入生を迎え、新たな日々が始まると一大イベントの学園祭へと突入する。
スノウはお嬢様やジョッシュ達と組になって音楽カフェをすることとなった。
その準備中、カフェを開く場所探しに訪れた古い聖堂を一行は訪れる。
なぜかブランカは嫌なモノを感じていたが構わず聖堂内を調べるスノウ達は突然光に包まれて......
進級して新章突入と言うことで過去と関わる一大事件の幕開けですね。
まぁ、読んでて既視感があると思ったら途中まで読んでいたキネティック・ノベル版の内容だった訳ですが、本で読めるのは有り難いです。確かに、あの時間軸だとどうしても本編と絡みますしね。何より、一つの核心に触れる内容になりそうで先が気になるのでキネティックを再開しようかと思ったりもしました。
あと、やはりキネティック版だけではということでプリムローズお嬢様とスノウの出会いを書く短編が合わせて収録されているのは嬉しいです。お嬢様は昔から黒かったという御華詩。でも、ええ御華詩でした。今後も、今の話が続く間はそういった短編なり中編なりが併せて収録されると言うことでそちらも楽しみです。
とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ エイディング・クリムゾン』です。
神曲奏界ポリフォニカ リライアンス・ブラック
大迫純一・著、BUNBUN・イラスト、GA文庫。
10月2日(木)読了。
トルバス・インディーズ音楽祭の前日、舞台で起きた悲劇。
神曲を芸術として飽くまで演奏を主体とした一人の青年が、単身楽団の漏電により感電死したのだった。
事件の捜査を進めるマティア達は、意外な容疑者に辿り着くことになった。
なんと、それはかつての冤罪事件で二人が救い、今では掛け替えのない友人でもある、シェリカだった......
いやぁ、シェリカを本編に出した途端にこういう話を持ってくるのは凄いですねぇ。
シェリカとマティアの関係が一気に掘り下げられました。シェリカが、彼女にとってどれほど特別な存在であるのか。マティアのこれから描かれるであろう部分にとって、非常に大きなファクターなのでしょう。
ミステリという性質上、内容に詳しくは触れませんが相変わらずフーダニットは直ぐ解けます。が、だからこそどうやって追い詰めていくのかが楽しみでもあります。やっぱりいいですねぇ、こうやって犯人を理詰めで追い詰めていくのは。王道です。
とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ エンシェント・ホワイト』です。暫くポリフォニカが続きます。
くうそうノンフィク日和
小柳粒男・著、長月みそか・イラスト、講談社BOX。
9月21日(日)読了。
第一回流水大賞優秀賞受賞作。
田舎町のバーレストランの雇われ店長の撒井は、退屈ながらも常連客たちと適当に日々を過ごしていた。
だがある日、特に親しくしていた高校生3人組の中の一人、篠木が魔女となったことから平穏な日々は終わりを告げる。
その後を追って、一人は騎士に、一人は残りの行方を追うこととなった。
そんな彼らを、撒井は見守ることとなり......
ふむ、なんか雰囲気のある御華詩でした。正直、すっきりしないけれども、それも納得できる、そんな印象でした。確かに、昨今のライトノベル系では出てこないタイプの御華詩だったのは間違いありません。
日常と非日常の交錯があり、高校生が命のやりとりをするようになって、それに気を揉む年長者が居て。視点キャラとしての撒井が傍観者であることを自覚しながらも出来る範囲でもどかしいなりに何かをしてやろうとする、でも、素直じゃなくて、その辺の描写に味がありました。ラッキーストライクの煙に巻かれたような、そんな言葉の数々は表現も若干奇を衒ったような言い回しもありますが、捻っていて雰囲気を出すのに一躍買っていますな。また、作者の意図かどうかはともかく、深読みすると、色んなメタファが読み取れます。まぁ、そこまで考えると相当疲れそうですが。
何でしょうね、確かに流水大賞というモノに相応しい内容であったというのは間違いないと感じました。
とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ リライアンス・ブラック』です。
が、先日完結し"文学少女"シリーズの読み返しも考えてるので並行して読み進めることになりそうです。
この広い世界にふたりぼっち
葉村哲・著、七草・イラスト、 MF 文庫 J 。
9月17日(水)読了。
第四回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞佳作賞受賞作。
孤独な少女は、街と森の境界で狼と出会う。
人語を解する狼をおそれることなく、少女はその求婚を受け入れる。
人と狼の夫婦。
それは、互いに人と狼の稜線を侵す行為でもあった。
かくして、少女と狼の世界はバランスを崩し始める......
全体的に暗い雰囲気の御華詩なんですが、暗いからこそ微かな明かりが目立つというか、そういう趣のある作品でした。
細かい部分では唐突に感じられる部分も多いのですが、そんな中にあって狼と人間の夫婦という部分がしっかり描けているのがよいですねぇ。人と狼だからこそある葛藤というか、そういったモノが自然に感じられれました。『憎しみ』という感情を軸にして世界と距離を置く視点で語られるのですが、そこここに色々と考えさせるモノがあって神話的なメタファが多用されていたようにも感じます。しかし、こんな性格で、ヒロインの名前が咲希(さき)というのは、その名前自体が痛烈な皮肉な気もします。
新鮮なモノを感じさせる作品ではありましたが、シリーズとなるのかどうか、微妙な感じもします。ただ、次回作も読んでみたいと感じさせる内容ではありました。
とまぁ、そんなところで次は『くうそうノンフィク日和』です。