ホーム > 読書 > 小説 のアーカイブ

小説 のアーカイブ

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! Fandisc

 田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
 9月2日(木)読了。

 武紀達の通う高校では、文化祭が近づいていた。
 そんなある日、夏海のクラスメートである拓海がクラスの出し物で悩んでいる場面に遭遇する。
 話しを聞いてみると、比較的おおらかな武紀のクラスと違い、どうやら夏海のクラスは熱心に取り組んでいるようだった。
 そこで、武紀が自分のクラスの出来事を語ったことで、拓海は出し物のアイデアを得る。
 それから数日後。
 武紀のクラスに、四阿ちゃんが現れる。
 珍しいこともあるものだと思ったら、武紀「責任を取ってください」と迫られて......

 なるほど、こりゃ、確かに Fandisc ですねぇ。本編の隙間を埋めるような短編集。各短編のタイトルは、もしかしたらエ...... もとい、ギャルゲのタイトルのパロディなのかと思いますがどうなのか。まぁ、二つしか解りませんが(;^^) 短編集ということで、個別に簡単にまとめます。


・梅雨が明けるころに

 1巻終盤の御華詩。1巻のラストに説得力を持たせる面もありますが、唯一の理解者として、ゆうきが如何に頼りになる存在かが見える御華詩ですな。


・いつか花咲く、愛もある

 タイトルに絡められているように、咲と高橋さんの和解の切っ掛け。
 高橋さんの語られなかった重要なエピソードが語られてたり、清々しい御華詩でした。


・姉のちときどき胸さわぎ

 春姉の悩みの御華詩。なんというか、お色気分補強ですな。これも、まぁ、 Fandisc らしい御華詩ですね。
 でも、そんな悩みは不要だと思うのです、うん。

・俺の妹のばあい

 夏海と大変なことになる御華詩。色んな意味で成長したんですね。


・すくぅ~るメイド

 今 Fandisc の本編です。表紙にも出てたから間違いありません。
 四阿ちゃんが攻略対象じゃないのが間違ってたんです。致命的なバグです。
 そのデバッグの成果が込められたパッチがこの御華詩。

 とある事情で四阿ちゃんと秋葉に行くことになってしまう武紀。カップルと間違われる定番のイベントをこなしながら、最後に辿りつくのは......

 四阿ちゃんが補完されたことで話にも広がりが出そうで、今後の四阿ちゃんの活躍が楽しみです。

  
・攻略仕様のアンチノミー

 これは、作品の構造を活かした非常に面白い趣向の御華詩でした。
 ゲーム内の存在が現実の存在となったことで生じる様々な齟齬が根底にありますが、その構図から導かれるメタな展開がいいですねぇ。

 そして、通して読んでみると、 Fandisc と言いながら、何気に重要な情報もあったりして本編にも絡んできそうな予感がします。

 何はともあれ、ここのところの立て続けの発売、おめでとうございます。もう、7冊なのですねぇ。

 てなところで次は『理の守護神さま。 三.血塗れの統率者』です。

ライトノベルの楽しい書き方6

 本田透・著、桐野霞・イラスト、 GA 文庫。
 8月29日(日)読了。

 お互い素直になれない剣と八雲は相変わらずの『暫定』を言い訳にした煮え切らない関係を続けていた。
 そんな二人に訪れる試練。
 剣の書いたライトノベルがなんと実写映画化されるという。
 そこで現れる八雲の恋のライバル!
 それでも、素直になれない剣に業を煮やしたゆうなも八雲の暫定彼女を宣言して......

 剣と八雲は微妙な距離で安定している感が出てきてましたが、恋愛模様がようやく大きな一歩を踏み出す、そんな御華詩ですな。ずっともどかしい思いをしてきたので、ここからの展開が楽しみです。
 そして、何気に妻夫木さんと小栗さんがコンスタントに出てたりでクラスメートも賑やかになってきました。今後の小栗さんの活躍に期待です。(多分、本編には全く関係ない)

 てなところで次は『ギャルゲヱのセカイよ、ようこそ! Fandisc 』です。

りーち☆えんげーじ!2 -子孫繁栄! 国立栄華学園中等部-

 海堂崇・著、 CH@R ・イラスト、GA文庫。
 8月27日(金)読了。

 国立栄華学園中等部二年生一同は、臨海学校に訪れていた。
 平太は渚と美紀に挟まれる形で周囲ににらまれつつも、曖昧な態度をとり続ける。
 一方、そんな様子を見せつけられて龍馬はこの臨海学校こそは! と奮い立つ。
 またいつものように失敗すると思いきや、文句なく可愛い千歳司と仲良くなることに成功していた。
 それが面白くないアリスは......

 人口減少に対する対策としての不純異性交遊が奨励される学園を舞台としたラブコメ第二弾。
 今回は、平太の親友、龍馬とアリスを巡る御華詩、ですね。まぁ、ベタもいいところというか初っぱなから最後まで予想通り過ぎる展開ですが、それはまぁ、王道ということでしょうな。ただ、それを軸に話が展開するので、いっそ龍馬を主役にして平太と渚、美紀のトライアングルは裏に回してしまっても良かったように思います。正直、平太の鈍さがちょっとウザイですし(;^^)
 最後の最後も1巻からの予想通り過ぎる展開ですが、次はどうなるのか? 楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『ライトノベルの楽しい書き方6』です。

生徒会の八方

 葵せきな・著、狗神煌・イラスト、富士見ファンタジア文庫。
 8月24日(火)読了。

 会長達の卒業式を明日に控えた夜。
 杉崎鍵は、しかし、幼馴染みと共に温泉旅館に居た。
 かつての関係を修復するためか、二人っきりで一夜を過ごすことに。
 果たして、鍵は生徒会と決別して幼馴染みを選ぶのか......

 とまぁ、シリアスな部分もありつつ、基本はいつも通りでした(;^^) ただ、色々と趣向は凝らされていましたねぇ。
 今回は特に、知弦さんと深夏の内面が楽しいですねぇ。大詰めも近いと言うことか。最後は会長、ってことなんですかね。
 鍵も色々とぶっちゃけて無茶苦茶言ってはいますが憎めないキャラでもありますな。

 てなところで次は『りーち☆えんげーじ -子孫繁栄! 国立栄華学園中等部-』です。

とある魔術の禁書目録《インデックス》21

 鎌池和馬・著、灰村キヨタカ・イラスト、電撃文庫。
 8月22日(日)未明読了。
 
 第三次世界大戦が始まって10日余りが過ぎた。
 それぞれの守るべきモノのためにロシアに訪れた三人の主人公達は未だ目的を果たせずに居た。
 そんな中、右方にフィアンマはその目的に着実に近付きつつあった。
 その結果生まれたのは大天使の力を持つ存在で......

 主人公三人が同じ地に立ち、互いに微妙に絡み合いながらも、それぞれの目的に邁進しています。
 何というか、上条さんはいつも通りですが、巻を重ねる毎に狡いぐらい浜面が主人公になっている気がしますね。
 あと、裏表から三者三様になったら悪党はどこにいったのやら(;^^) でも、こういう奴だからいいんですよね、一方通行《アクセラレータ》は。でも、何気に今回一番格好良かったのは、ローマ教皇な気もします。
 まぁ、細かい内容に触れないとこんなところですな。正直、3視点プラスαを並行に描いてるために話が余り進んでないですし(;^^)

 てなところで次は『生徒会の八方』です。

森口織人の陰陽道 巻ノよん

 おかゆまさき・著、とりしも・イラスト、電撃文庫。
 8月19日(木)読了。

 初雪と同じ所に立つために、陰陽道を歩むことを決めた織人。
 そして、日頃世話になったお礼として、式神達と共に手作りした手套を初雪にプレゼントしようとする。
 だが、何故か邪魔が入り上手く行かないでいると、次第に状況はこんがらがってしまう。
 あれよあれよと言う間に衝撃の事実が次々明かされ、最大の危機を迎える織人。
 果たして、彼の運命や如何に?

 完結、ですな。
 どうにも、慌てて店じまいした感は否めませんが、細々とした所にもきちんと伏線があってそれらをどうにか収拾させて着地させたのはよかったと思います。正直、部分部分が1冊でいいようなところもあって、本当に勿体ない印象もありますが、これも仕方のないことですな。次回作に期待、ということで。

 てなところで次は『とある魔術の禁書目録《インデックス》21』です。

最強彼女黒髪めがね

 終倉敷・著、鳴見なる・イラスト、ガンガンノベルス。
 8月16日(月)読了。
 第六回スクウェア・エニックス小説大賞佳作受賞作。

 人類の敵、ブルーマンデーの怪物。
 通常兵器では太刀打ち出来ないその存在に勝てるのは、ただ一人。
 風紀委員長、、黒髪めがね。
 そんな彼女に、僕はある日告白され、付き合い始める事になる。
 こうして、僕の日常は大きく変化して......

 これは、徹底して黒髪めがねという素直クールなヒロインの魅力を描く御華詩、ですな。
 世界か、僕か? を問われるヒロイン。
 世界を守るために唯一無二のヒロインに対する自分の無力さに葛藤する僕。
 そんな手垢のついたプロットを上手く活かして、めがねの可愛さを表現しています。
 色々と小技を使っていて、ちょっとばかり混乱を招く部分もありますが、そこはめがねの素晴らしさでカバー。
 何というか、仕掛けが色々合って細かいところを語るとネタバレるので語りませんが、本当、眼鏡最強という御華詩でした。

 そんなところで次は『森口織人の陰陽道 巻ノよん』です。

ともだち同盟

 森田季節・著、角川文庫。
 8月16日(月)読了。

 弥刀は自身が女性的であることにコンプレックスを持ち、上手く人付き合いが出来ず、友達と呼べる存在が居なかった。
 そんな彼が、高校に入って千里《ちさと》と出会い『ともだち同盟』を結んだことで初めて友達と呼べる存在を得ることが出来た。
 元々千里と『ともだち同盟』を結んでおり、弥刀と同じ部活に所属する朝日《あさひ》も交えた三人の関係を、弥刀は大切にする。
 だが、そんな三人の関係がある日突然朝日が弥刀に告白したことで、大きく揺らぎ始めて......

 ダークでありながら、純粋な物語、ですかね。千里、弥刀、朝日。男一人に女二人、という状況。単純な三角関係には堕ちず、その関係に自称『魔女』である千里の呪いが染み渡るとどうなるか? という御華詩。

 これは、人を選びますが可成りいいですねぇ。ダークだけど、悪くない読後感。正直、読みにくい部分もあるのですが、その全てをひっくり返すように鮮やかな解決は、それまでモヤモヤしたものを綺麗に洗い流してくれました。『ベネズエラ・ビター・マイ・スイート』で感じたモノを更に突き詰めたような、恐らくは森田季節らしい作品、ということなのでしょう。今後は、一般文芸の方もチェックしてみようと思います。

 てなところで次は『最強彼女黒髪めがね』です。

難民探偵

 西尾維新・著、講談社。
 8月12日(木)読了。

 優秀な学生だからといいところに就職出来るとは限らない。
 窓居証子は、就職先の選り好みの末に家族にも譲歩せず、進退窮まっていた。
 そうして泣きついた祖母から、就職活動を続けるチャンスを得る。
 それは、多忙な推理作家である叔父の雑用の手伝いを代償に、半年の期限付きで世話になることだった。
 大金持ちの叔父の側に居ると就職に対する危機感を失うという危機感を持ちつつ、エントリーシートを書く日々を送る証子だったが、ある日、叔父の知人である根深陽義と出会ったことで一つの事件に巻き込まれることとなる......

 就職難やらネカフェ難民やらの時事ネタを交えたミステリのようなそうでないような、そんな探偵小説。ミステリとしては定番とも言える道具立てをここまでいじり倒すのも一興ですな。ネタバレるので、内容には触れませんが、ミステリの虚構と現実の対立項のようなモノが描かれる、そんな御華詩でした。うん、こういうのも楽しいですな。

 てなところで次は『ともだち同盟』です。

私の優しくない先輩

 日日日・著、碧天舎。
 8月11日(水)上京の徒の新幹線車中にて読了。

 西表耶麻子は、南愛次君の事が大大大好きだった。
 だが、彼女は身も心も弱かった。
 何度も、ラブレターを書いては捨てる日々。
 そんな13回目のラブレターを『優しくない先輩』である不破風和に見られ、自分の愛治への秘めた想いを知られてしまう。
 こうして、半ば強引に耶麻子の恋の手助けを申し出る不破先輩だったが......

 長い時間が空いてしまいましたが、未読だった日日日受賞作最後の一本を遂に読了。
 人によっては好みが分かれるところですが、私はこういったお話は大好きです。ああ、日日日に嵌った時点で読めていれば、と思う切なくも素敵な御華詩でした。このセンスは素晴らしいというか、やっぱり日日日は一般文芸の方が好みだなぁ、と思ったり。『ちーちゃんは悠久の向こう』と甲乙付け難いですな。

 てなところでハードカバーをやっつけるターンなので次は『難民探偵』です。

第2回GA文庫大賞受賞作家アンソロジー ふれっしゅ!!

 九辺ケンジ、海空りく、冬木冬樹、裕時悠示・著、鶴崎貴大、純珪一、すまき俊悟、たかや Ki ・イラスト、GA文庫(GAマガジン VOL.4 付録)。
 8月10日(火)読了。

 目が覚めると、柔らかい感触に包まれたと思ったらそこにはサブリナが......
 バランスを気にする妹の許可が得られた日に何故か拉致られるように山奥につれられて......
 下駄箱の前でうろうろする少女に声を掛けずには居られなくて......
 ある日、弟子から急にほっぺにちゅーを迫られて......

 強引にダイジェストですが、第二回GA文庫受賞作の既刊『ふぁみまっ!』『踊る星降るレネシクル』と今秋発売予定の『精......』じゃなくて『断罪のイクシード』『かんなぎ家へようこそ!』の企画短編集。前者二作はともかく、後者二作は本編未発売という無茶振りですな(;^^)
 以下、作品毎に。

『ふぁみまっ! パーティ×パーティ』

 1巻の直後、出来る人だけどサブリナが絡むと駄目になるソフィアさんを巡る御華詩。
 笑いの中に少しいい話が交じっている、そんな感じですな。
 まぁ、やっぱりいずなさんみたいなキャラが個人的にはいいというのが結論。

『断罪のイクシード―黒金の鍛冶屋と白の魔女―』

 本編発売前からタイトルを弄られてる海空りくさんのデビュー作。
 短い中に世界設定をちりばめつつバトルも交えて濃い内容になっていたと思います。こういう師匠はよいですねぇ。
 が、こんな中二病的設定の伝奇モノを本編発売前にというのは世界観を掴むには少し無理があったような(;^^) まぁ、気になって本編にっていうのが狙いな気もしますが(;^^) まぁ、そんなの無くても私は買いますが。

『かんなぎ家へようこそ! ヒナちゃんのラブレター』

 これも、本編発売前なのでキャラが掴めてませんが、主人公の座敷童の為人は分かったような気がします。
 全体的に軽妙で、会話劇としてよく出来ているという印象ですな。ただ、よくあるパターンと言えばよくあるパターンなんで、他のキャラも絡んでくる本編がどんなものか楽しみにしたいと思います。

『踊る星降るレネシクル あなたが触りたいのは可愛いほっぺですか? それともメロンなあべしですか?』

 すまるとレンヤの日常の一幕。ただし、乾の入れ知恵付き、というそんな御華詩。
 なんでしょう、本来すまるの魅力をどうこうというべきなんでしょうが、乾が期待を裏切らなさすぎてもう乾の印象しかありません。まぁ、手堅い印象ですな。


 とまぁ、本当ざっとですがこんなところで次は碧天舎版を先日ゲットした『私の優しくない先輩』です。

灼眼のシャナⅩⅩ

 遂に復活を遂げた"祭礼の蛇"。
 そして為される『大命宣布』。
 それはフレイムヘイズ陣営に多大なる衝撃をもたらした。
 かくして追い詰められたフレイムヘイズ兵団は体制を立て直すべく、撤退を開始するのだが......

 ここにきて"蛇"の真意が見え、いよいよラストが見えてきましたねぇ。
 立場が違えば見えるモノが違う、そんなことが描かれていた御華詩でもあったように思えます。
 長い長い戦いも、恐らくは次のエピソードで恐らくラスト。
 果たしてどういう結末を迎えるのか、楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『第2回GA文庫大賞受賞作家アンソロジー ふれっしゅ!!』です。

とらドラ・スピンオフ3! 俺の弁当を見てくれ

 竹宮ゆゆこ・著、ヤス・イラスト、電撃文庫。
 8月6日(金)未明読了。

 高須竜児には野望があった。
 ひょんなことから家政夫のごとく家事を代行することとなった大河の家。
 そこには、竜児の家では想像も付かない最新式の斜めドラム式洗濯機があった。
 その洗濯機でお気に入りのパンツを洗ってやろうという野望だ。
 かくして、チャンスが訪れる。
 バレたらどうなるか知れたものではない。
 果たして、竜児は無事にパンツの洗濯を終えることができるのか......

 表題作は単体で別記事として上げたので二本目の短編『とらとら!』から。
 そんな訳で、今までの未収録短編を網羅した最後の『とらドラ・スピンオフ』でした。
 大分間は開いてますが、やっぱり、いい空気のある作品世界ですねぇ。
 色々なコンセプトモノもあってパラレルワールドやらファンタジーやらが介入してたりもしますが、それはそれで。
 特に『不幸のバッドエンド大全』の亜実がバッドエンドといいながら「あれ? 土俵に上がれてるからこれってハッピーエンドじゃ?」と突っ込んでみたり、よく考えたら気まずいままだった能登と麻耶の後日譚『ラーメン喰いたい透明人間』の二本が印象的でした。

 てなところで次は『灼眼のシャナⅩⅩ』です。

バッカーノ! 1710 Crack Flag

 成田良悟・著、エナミカツミ・イラスト、電撃文庫。
 8月4日(水)未明読了。

 ロットバレンティーノの街に、一人の詩人にして劇作家、ジャンピエールという男が居た。
 彼は、様々な縁によって後に『不死者』となる者達と出会う。
 特に、その中の一人と出会ったことで彼の名声は一気に上がることとなる。
 だが、それが後に贖えぬ罪となることに、彼はまだ気付いていなかった......

 ジャンピエールの残した手記の形で紡がれる、ロットバレンティーノ時代のヒューイとエルマーを中心とした物語。
 この頃のヒューイは興味深いですねぇ。まだまだ不死者になっていませんが、この経験がヒューイがあんな風になった大きな要因でもあるようですな。まぁ、こんな風に過去の話ながら、現代の黒幕の御華詩とも取れるのですがね。
 また、彼らが不死者になる、あのアドウェナ・アウィス号の事件は次で語られるようなので楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『とらドラ・スピンオフ3! 俺の弁当を見てくれ』です。

前略。ねこと天使と同居はじめました。

 緋月薙・著、明星かがよ・イラスト、HJ文庫。
 8月1日(日)読了。
 第四回ノベルジャパン大賞銀賞受賞作。

 五月連休の前日。
 高校教師の水上悟は残業を終えて帰路の途中、ダンボールに入った『ソレ』を拾った。
 白、黒、白黒、三匹の子猫と。
 白いTシャツ姿の、女の子。
 こうして、悟に家族が増えることになったのだが......

 ふむふむ、比較的ありがちな御華詩ではあるのですが、エンターテインメントらしい、笑いあり涙ありのええ御華詩って感じですな。ちょっとばかし前半エ●ネタに頼りすぎてる嫌いはありますが、まぁ、掴みとしては已むを得ない部分かもしれませんね。それでいて、最後には提示された伏線が綺麗に収束させて、綺麗なオチが付いてるのはいいですねぇ。その辺りが評価されての受賞、でしょうか。それとも、エ●枠?
 とまぁ、最後の冗談はさておき、デビューおめでとうございます。

 てなところで次は『バッカーノ! 1710 Crack Flag 』です。

狂乱家族日記 拾参さつめ

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 7月31日(土)読了。

 第七天獄《セブンスヘブン》の決着の後、『鬼ヶ島』は群雄割拠の体を示していた。
 そんな中、家族と離れ離れとなった凰火は、優歌、小紅、死神三番と狭いながらも領地を確保して暮らしていた。
 平穏に日々を過ごしながらも情報を集め各勢力の配置を掴んだ頃、離れ離れとなった家族を捜すため、凰火は動き始めることを決める。
 そうして動き出した彼らが最初に向かったのは......


 『裏社会編』完結! これは、狂乱家族の中で唯一過去との柵が解決していなかった銀夏の物語でもありました。
 銀夏を捉えていた過去は現在に追いつきます。これで、ようやく彼も狂乱家族の一員となった、そんな御華詩。
 詳細を語るは無粋ですが、本当、今まで積み上げた家族の絆が美事に繋がった、そんな御華詩でもありました。こういうところに日日日らしさを感じます。何気に『鬼ヶ島』の理念も深いですしねぇ。悪とは何か? 悪はどう世界と向き合えばよいのか? そんな問いに平和な解決を付けようという試みでした。
 これで、家族全員が過去を乗り越えたことになり、次回からいよいよラストエピソード『地下帝国編』の開幕。もう、最後まで目を離さず読み続けたいと思います。

 てなところで次は『前略。ねこと天使と同居はじめました。』です。

退出ゲーム

 初野晴・著、角川文庫。
 7月28日(水)読了。

 わたしはこんな三角関係を絶対認めない。
 高校生になって九年ぶりに幼馴染みのハルタと再会したチカ。
 とある事情で引きこもるハルタを引きずり出したのは、彼の明晰な頭脳を借りるため。
 時は文化祭前。
 毎年ジョークで届く文化祭中止を求める脅迫状が、今年は洒落にならない自体となっているようで......

 久々にミステリに回帰。青春ミステリという煽りに引かれて読んでみましたが、これは大当たり。
 根底には、吹奏学部の部員を増やしてコンクールの大舞台を目指すという分かり易い目的があり、事件が解決すると部員が増えるという全体を通してのテーマを持つ、連作短編。学園モノとして取り扱われるのは一癖も二癖もある学生達が繰り広げる事件の数々であり殺人事件は起こりませんが、基本は本格。日常に紛れ込んだ謎が意外性を持って解決されるカタルシス。特に、最後の『エレファンツ・ブレス』の後半はぞくっとしましたねぇ。こういう驚きがミステリの醍醐味ですな。

 と、やっぱりミステリが好きと確認しながらラノベに戻り次は『狂乱家族日記 拾参さつめ』です。

ささみさん@がんばらない2

 日日日・著、左・イラスト、ガガガ文庫。
 7月27日(火)未明、読了。

 諸々の乱痴気騒ぎを経て引きこもりを卒業し、学校へと通い出した月読鎖々美。
 だが、少し疲れが出てきていた。
 そうして帰宅した自宅の兄の部屋で見付けた謎のDVD。
 好奇心に釣られて再生したそのDVDには、覚えの無い自分の姿が......

 何だか緩いようなシリアスなような日本神話をベースとした御華詩第二弾。
 三部構成でどれもテイストが違うという実験的な御華詩でもありますが、このラストは良いですねぇ。日日日はやっぱりこういうノリじゃないと。第二部以降はシリアスな感じですが、物凄い重いテーマをオブラートに包んでさらっと描いてるのは美事。まぁ、これでもキツイと感じる人もいるかもしれませんが(;^^) やっぱり日日日作品の魅力は人と人の絆だなぁ、と再確認した気分でした。

 てなところで次は突発的に購入した『退出ゲーム』を先にやっつけます。

末代まで! LAP2.丑三つトライアングル

 猫砂一平・著/イラスト、角川スニーカー文庫。
 7月24日(土)読了。

 見えるということが切っ掛けとなり、老婆走の世界に足を踏み入れた『心霊研究院三号童子』。
 だが、彼には自分の老婆が居なかった!
 本格的に老婆走を始めるに当たって、先ずは老婆を手に入れなければならない。
 そうして、三号は夜の寂れた道を訪れる。
 そこには、タクシー運転手を震え上がらせたババアが居るという......

 レースの道具立てを上手く幽霊やらに置き換えた御華詩第二弾。作者が一番祟られそうですが、幽霊達と人間の価値観の違いやらが面白いですな。今回、三号は老婆走の道を大きく踏み出すことになりますが、そこにお岩と花子の悪霊心(?)が絡んだりしてきます。ちょっとばかり語り部の三号の鈍さ加減が青臭く感じたりもしつつ、それはそれで楽しめました。次も、そろそろ出る頃ですな。
 てなところで次は『ささみさん@がんばらない2』です。

全死大戦2~少女覚醒~

 元長柾木・著、 BUNBUN ・イラスト、角川文庫。
 7月18日(日)読了。

 『敗北鑑定』の能力を持つ荻浦嬢瑠璃は飛鳥井全死の奴隷である。
 出会いの後、行方不明扱いとなっていた彼女は、主の命により復学する。
 主の意図を把握できずに戸惑いながらも、勝利者の王国を気付くべく日常を過ごす嬢瑠璃。
 そうして、彼女が辿り着いたのは......

 単行本『荻浦嬢瑠璃は敗北しない』の加筆修正による文庫化。
 この世界観に触れるのは、やはり刺激的でした。自走性システム、内面化の否定、可能性マトリクスなどなど、登場する概念も前巻に比べて更に分かり易くなっていますし。まぁ、相変わらず大仰な表現なだけで大したことないんですがね、嬢瑠璃の言ってることって(;^^)
 こうして、文庫化されたのを機に続刊が出ると期待しつつ、続きを待ちます。

 てなところで次は『末代まで!  LAP2.丑三つトライアングル』です。

全死大戦1~サイレント・プロローグ~

 元長柾木・著、 BUNBUN ・イラスト、角川文庫。
 7月13日(水)読了。

 平穏を重んじ、日々のルーティンをこなすことを幸福とする香織甲介。
 彼のルーティンには、しかし、殺人が含まれていた。
 特に理由無く、習慣としての殺人を繰り返す。
 そんな彼に、安全な対象を提示する飛鳥井全死。
 ある日のルーティンの帰り道。
 電車に乗り合わせ全死に見初められた為に、一人の少女が塗り替えられ......

 『飛鳥井全死は間違えない』の加筆修正を加えた文庫化。
 既に、単行本は既読ですが大分記憶が古くなっていたのでここで補完できたのは有り難いことです。
 やはり、私の性分には合いますねぇ。物語でもキャラクターでもなく、正にこの作品の文脈《コンテクスト》が。
 恐らく、この場合のコンテクストは文脈という字義よりも、 Web アプリケーションなんかの Context に近いんでしょうねぇ。
 そう捉えれば、システマティックに解釈も可能でしょう。まぁ、メタテキストの書き換えをインジェクションのすり替えのように捉えたりとかはちょっと格好を付け過ぎて微妙なんでしょうが、そういった思考実験的な楽しみがありますな。
 まぁ、そんな内容であるが故に、可成り人を選ぶ作品だとは思いますが、私は存分に楽しめる作品でありました。

 てなところで引き続き『全死大戦2~少女覚醒~』です。

無限のリンケージ3~レディ・フェンサー~

 あわむら赤光・著、せんむ・イラスト、GA文庫。
 7月10日(土)読了。

 強豪ディナイスとの闘いを通して調子を上げたラーベルトは、一部リーグで快進撃を続けていた。
 そんな折り、次の対戦相手が突如変更となった。
 何とその相手はラーベルト同様、飛び道具を用いずに機動性を重視した近接戦闘型の剣士だった。
 しかも、その相手は、ラーベルトのチームのメンバーとなにやら因縁があるようで......

 いやいや、1巻1戦という形、良いですな。試合を軸にしつつも、それに絡む人間関係が面白い。それを通して、サクヤの成長が描かれてますし。今回の彼女の活躍は、やっぱり今までの積み上げの結果なのでしょうねぇ。
 そして、本編に絡まなくても存在感のありすぎるディナイス。流石です。こういう魅力的なおっさんキャラがいるのはいい。今後も、活躍してくれそうですし。次も確定しているようですし、発売を楽しみにします。

 てなところで次は『全死大戦1~サイレント・プロローグ~』です。

月見月理解の探偵殺人2

 明月千里・著、 mebae・イラスト、GA文庫。
 7月9日(金)未明読了。

 都築初の所属する放送部に突如現れた新入部員。
 星霧交喙というその下級生は、親友の仇を追っているという。
 そして、その仇『ドッペルゲンガー』と呼ばれるスパイが他ならぬ姉の花鶏であるらしい。
 奇しくも『ドッペルゲンガー』を月見月理解も追っていた。
 彼女に逆らえない初は交喙に協力しつつ情報を得ようとしていたのだが......

 ふむ、相変わらず評価が難しいというか、しんどい作品ですな(;^^) まぁ、ミステリとしては露骨にアンフェアなんですが、そこは本格として読もうとする我が身の持病とも言えましょう。真相は予想の範疇というかバレバレなのを、アンフェアな方法で覆い隠していて、最後までその確認作業って印象でした(;^^)

 ただまぁ、大がかりな舞台装置を用いた殺人ゲームも、その解決の顛末も、結局は新ヒロインの星霧交喙を活かすためだけの舞台装置に過ぎないと考えればまぁ、理解(字義通りの意味です)は出来るんですがね。読者に推理させる気はあんまりないんでしょうねぇ......

 まぁ、なんだかんだ言いながら続きが出たら読むんですがね(;^^)

 てなところで次は『無限のリンケージ3~レディ・フェンサー~』です。

神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS 6

 榊一郎・著、神無月昇・イラスト、GA文庫。
 7月5日(月)読了。

 世界に危機が迫っていた。
 〈嘆きの異邦人〉は遂にその悲願を達成するための道具を手に入れた。
 そんな危機に立ち向かうのは、若き神曲楽士達。
 ユフィンリー、レンバルト、フォロン、ウォルフィス、ミゼルドリット、そして、コーティカルテ。
 三人と三柱は〈嘆きの異邦人〉の本拠地へと向かう......

 学生編、完結! まぁ、後日譚がキネティックで出てますが、おまけの短編で社会人編に突入、ということでしょう。
 エンターテインメントらしい王道展開でラストを迎えましたねぇ。キネティック読んでりゃもっと早くに辿り着いた結末ですが、こうして本で読んだのだからそれでよし。ただ、全部読んでる別シリーズの絡みで偶然見たサイトでこのラスト近くのサプライズを知っていたのだけが残念...... 知らなかったら狂喜乱舞だったのですが、色んな意味で(;^^)
 まぁ、ポリフォニカ世界はまだまだ続くので今後も楽しんで行きたいと思います。

 てなところで次は『月見月理解の探偵殺人2』です。

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! addon シルバーブレット1

 田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
 7月4日(日)読了。

 年頃の妹に日々いいように弄られる秀之。
 彼は人知れずこの世界に秘められた仕掛け『フェアリーテールシステム』について探っていた。
 いつも通り、ピンチに陥ったヒロインを救いに駆けつけたとき、驚愕の事態に直面する。
 なんと、そのヒロインの手を取り、共に追ってから逃げていたのは、秀之の妹、愛子で......

 二ヶ月連続刊行おめでとうございます。そんな好調な『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!』外伝開幕、ですな。

 『ゲーム世界の現実への投影』という思考実験的な内容に、根拠を与えるための外伝シリーズ、といったところですね。高橋兄の視点のもと、本編では描かれない舞台裏に注力した、そんな御華詩。
 『ゲーム世界の現実化』という部分をヒロインの投影に注力してギャルゲー的な展開とその先を描くのが本編なら、こちらは、そういったギャルゲーで登場する様々な異能を利用しての能力バトル的な外伝、とも言えますね。時々、本編に登場した名前がちらほら出てきたりして、ニヤリとさせられるサービスもあったり。もう一つの見方としては、本編では中々活躍出来なかった高橋さんに脚光を浴びせる御華詩とも言えますな。彼女の背負っているモノも描かれたり、今後の伏線は色々と登場しています。

 恐らく、このシリーズと本編が合流した所で世界の謎もはっきりしそうなんで、どう落とすか? 双方の続きを楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS 6』です。

純愛を探せ!4

 速水秋水・著、玲衣・イラスト、 GA 文庫。
 6月30日(水)読了。

 魔界に紛れ込んだ一人の人間。
 記憶を失った彼に語りかける謎の魔族。
 『語り手』と名乗り、人間に語り聞かせるのは一人の魔神を巡る物語。
 そう、魔族でありながら、しかも、虚言と姦淫を司る身でありながら、純愛を求めた魔神の物語。
 その魔神は、カルマと言って......

 タイトルに偽りなくエロゲ風味のテイストも交えつつ魔神と純愛のミスマッチを描く今作も遂に完結! 魔神カルマが最終的にどうなったのか? それは読んでのお楽しみです。
 連作短編形式での最終巻ってどうなんだろう? と思ってたんですが、色々と描けなかった部分を補足しつつ綺麗に話を纏めていてすっきりした読後感でした。まぁ、何か、カルマ以外の魔神達がよく動いていてそいつらの活躍をもっと見たくなったのは悩ましい所ですが(;^^) でも、この心地よい読後感はよいですな。

 てなところで次は『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! addon シルバーブレット1』です。

ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚 魔法の材料ございます3

 葵東・著、蔓木鋼音・イラスト、 GA 文庫。
 6月29日(火)読了。

 赤熱病の際に手助けを貰ったリリアーナ王女の成人の儀にモーリアの町に招かれたシャルト。
 サシャも連れて二人訪れたその町は水の都。
 出迎えたリア=メイに引っ張られる形で海にいったりバカンスとなるかと思いきや、不穏な空気を察知する。
 なにやら、この町を舞台に悪しきことを企てる輩がいるようで......

 何か今回は仕入れに苦労はしていない気がするんですが、そんなシリーズ第三弾。
 ファンタジーの世界設定に現実世界の設定を上手いこと融合させてたり、魔法使いと一般人の対立やら世界観もしっかりしてて、話も面白いんですが、やっぱり前巻同様、面白かったけれど何か違和感があるような、そんな読後感。個人的な趣味嗜好の問題ですが、どうにもすっきりしませんねぇ...... まぁ、次に期待です。

 てなところで次は『純愛をさがせ!4』です。

爆熱天使Xサン 見さらせ正義の一番星!!

 日日日・著、 TNSK ・イラスト、角川スニーカー文庫。
 6月26日(土)読了。

 かつて、世界は圧倒的な力を持つ<正義の味方>に侵略されていた。
 だが、彼らを統べる<正義機関>が崩壊した時、悲劇は幕を開ける。
 機関の崩壊は、機関から供給されていた<正義の味方>の命の源である<聖氣>の枯渇を意味する。
 そうなれば、<聖氣>を得る術はただ一つ。
 他の<正義の味方>から奪う。
 かくして、地球上では<正義の味方>同士の共食いが始まった......

 日日日の新作のテーマは<正義の味方>。
 お約束を交えつつも、破滅的な世界観で破滅的な闘いを繰り広げる痛快アクションでありますな。余り難しいことは考えず、細かいことは突っ込まず、そういうものだと受け入れてどっぷり浸かって楽しむのが吉、そんな作品でした。
 でも、タイトルキャラのXさんよりも、婦警さんが格好良すぎて困ります。なんだ、この懐かしいヒーローの匂いは。ある種のノスタルジーとも言えるカタルシスを感じます。もう、2作目も企画に入ってるようなんで次も楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚 魔法の材料ございます3』です。

"文学少女"と恋する挿話集《エピソード》3

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 6月23日(水)読了。

 "文学少女"天野遠子に思いを寄せる柔道部の牛園。
 遠子先輩から逃れようと画策する心葉は牛園と遠子先輩の仲を取り持つことに。
 果たして、『牛魔王』と呼ばれた牛園に賞賛はあるのか?
 どうにか遠子先輩の好きな本を牛園に読ませて話の端緒としようとするのだが......

 牛園先輩再びな御華詩に、メイドの御華詩、夕歌と毬谷先生の御華詩、そして、その後の竹田さんの御華詩。
 時間が行ったり来たりしていますが、この世界を味わえることが素直に嬉しいですねぇ。特に夕歌と毬谷先生に絡んだ御華詩は歌に携わっているだけにより身近に感じられる部分もあったり、竹田さんは個人的に物凄い感情移入できるキャラなんで心に染みたり、400ページ近いボリュームで楽しませて貰いました。次は見習いですねぇ。そちらも楽しみです。

 てなところで次は『爆熱天使Xサン』です。

オルキヌス4 稲朽深弦の調停生活

 鳥羽徹・著、戸部淑・イラスト、 GA 文庫。
 6月20日(日)読了。

 オルキヌスに配属された新人だった深弦も自力で実績を重ねつつあった。
 だが、師匠である秋永壱里の不在がバレると強制的に任を解かれる状況に変化は無い。
 協会をどうにか誤魔化して事務所に戻った深弦は、突然の来訪者に唖然とする。
 彼女が開いた扉の前に立っていた女声。
 それは、秋永壱里に他ならなかった......

 神獣住まう島での血なまぐささのかけらもないゆるい調停の物語、これにて完結。
 いやはや、この緩い空気は読んでて癒されるのでちょっと寂しいモノがありますねぇ。
 全体としては、深弦の成長が上手く描かれていたと思います。特に、今回のラストエピソードはいいですねぇ。定番とは言え、心地よいラストでした。
 この物語の根幹をなす調停=会話のテンポは大好きだったので、この作者が次にどんな御華詩を書くか楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『"文学少女"と恋する挿話集《エピソード》3』です。

狂乱家族日記 番外そのろく

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 6月18日(金)未明読了。

 山口聖は焦っていた。
 それは、些細な事件。
 弟の清が、急に友人の恋の相談をしてきたのだ。
 微笑ましいことだと見守るかと思いきや、聖は狂乱する。
 そう、彼女は弟を溺愛していて......

 とまぁ、こんな感じで千花の学友達の御華詩メインでした。
 何でしょう、それぞれの視点で語られる聖と静の話は中々新鮮でした。しかし、すっかり黒いのが当たり前になった優歌とか親バカというかバカ親が板についてきた凰火とか...... 短編集だと時間軸も行ったり来たりなので発見もありますな。
 でも、それでも変わらない凶華様はやっぱり最強なんでしょうね。

 てなところで次は『オルキヌス4 稲朽深弦の調停生活』です。

生徒会の火種~碧陽学園生徒会黙示録

 葵せきな・著、狗神煌・イラスト、富士見ファンタジア文庫。
 6月16日(水)未明読了。

 碧陽学園の生徒会。
 その、特殊なシステムの成り立ちにも理由があった。
 それは、かつて碧陽学園にくすぶった一つの火種の末路。
 偶然、その秘密を知ってしまった知弦と鍵は......

 まぁ、多分、間違ってはいない。
 番外編と言うことで鍵のクラスメート達の活躍ありの御華詩。
 中目黒君はどんどん真冬好みになっていたり守の扱いはどんどん悪化したりする中、巡はちょっと良い感じの役回りでしたねぇ。そして、生徒会のシステム誕生秘話はよい御華詩でした。こういうのがあるのが侮れませんな。それと、真冬の話も内容はともかく真冬にとってはちょっといい御華詩。残念な子から少しは持ち直した...... かは別問題ですね。

 てなところで次は『狂乱家族日記 番外そのろく』です。

破小路ねるのと堕天列車事件

 木戸実験・著、山本ケイジ・イラスト、スマッシュ文庫。
 6月14日(月)読了。

 妄想癖のある文学少女の破小路ねるのに告白し、彼氏彼女の関係となった砂島直也。
 ぎこちなくも、休日の初デートを終えた夜、二人の学校に不可解な事件が起こる。
 校舎に電車が突っ込んだのだ。
 それだけなら、脱線事故とも思えるが、学校は最寄りの線路から1キロ以上離れている。
 それ以前に、その電車はまるで天から降ってきたように屋上からまっすぐ校舎に突き刺さっていたのだった......

 ライトノベル的なミステリを意識的に書いた作品と言うことで興味深く読みました。
 まぁ、なんというか、ちょっと詰め込み過ぎな気もしますが、話としてはどうにか辻褄はあっていたように思います。ミステリの定番とも言える素人達の推理合戦とかもツッコミ所が多過ぎでしたし、そもそも真相がアンフェアもいいところですが、それ故のライトノベルなのでしょうね(;^^)

 てなところで次は『生徒会の火種~碧陽学園生徒会黙示録3』です。

プシュケープリンセス3

 刈野ミカタ・著、萩原音泉・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月14日(月)読了。

 幻想世界《プシュケー》の『王位争奪戦』を大詰めを迎えていた。
 火ノ見はテュエッラの意見を受けて遊園地を訪れる
 人が多い場所であれば敵を見付けられる可能性が高いということだった。
 だが、当然本音はそんなところには無かったのだが、空気を読まない火ノ見は舞やセレネも同行させる。
 機嫌の悪いテュエッラと二人で話そうと舞とセレネと分かれたのだが、そこでテュエッラは妙な『縁《イデア》』を感じ取る。
 その発生源である学校へ二人は向かったのだが......

 『幻想世界』の代理戦争を『現象世界』にて行うシリーズ三作目にて無事完結。
 舞台を限定して可成り小さく纏めた感はありますが、急ぎ足ながら決着は付けられたように感じます。まぁ、特に急いだと感じたのは火ノ見のデレだと思いますが(;^^) 女性キャラより、この主人公の設定が面白かったなぁ、と個人的には思います。
 まぁ、プラトンをまともに勉強した人間にはこのギリシャ哲学に登場する用語の使い方に違和感があったりするんですが、そこを突っ込むのは無粋でしょうな(;^^)

 てなところでようやくMFのストックが終了したので次は『破小路ねるのと堕天列車事件』です。

ラグナ・クラウン3

 三門鉄狼・著、白田太・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月12日(土)読了。

 『ベイカー』でのマリアを巡る事件解決後、唐突にマキアート学院に転入生が現れた。
 それは、なんと王女、セヴィリアだった
 『ベイカー』での一件を受けての潜入調査を目的ということだがどうにも行動は微妙だ。
 そうしてロック達との学院生活を始めたセヴィリアではあったが、程なく、新たな転入生が現れる。
 誰有ろう、薔薇の女王。
 かつて、セヴィリアが滅ぼした筈の彼女が何故現れたのか?
 敵対する意志はないようなのだが......

 王道ファンタジー、これにて完結、ですな。面白くなってきた所だったのでちょっと残念な気もします。
 馬鹿だからこそ、余計なことに惑わされず間違えないロックや、恋心と王女の間で揺れるセヴィリア、そして、『ベイカー』の一件でロックを意識し始めたマリア、とキャラ配置が整ったところでしたからねぇ。でも、その辺りの関係を一冊で可成り強引ではありますが派手に消化して終わったのは良かったと思います。その傍らで、ベタながら人間の業とか、結構深いテーマもあったようにも思います。まぁ、次回作に期待、ですかねぇ。

 てなところで次は『プシュケープリンセス3』です。

みにくいあひるの恋3~ロボットは待ちくたびれた~

 日日日・著、みことあけみ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月11日(金)未明読了。

 『人魚島』での事件の後、陀衣はあひると距離を置き、『妹』の茜子の側にいることにしていた。
 茜子は映画研究会で文化祭に向けて制作する映画の脚本を担当していた。
 かつて、閏高校であった悲劇を元にしたその映画の撮影を巡り、映研副部長の黄梨花は『三大美少女』の投入を考える。
 そうして、半ば強制的に再びあひると近付いた陀衣は......

 恋が現実に死に至る病だったらどうなるか? そんな思考実験とも言える『恋の病』を巡る物語第三弾。
 今回は、陀衣とあひるを絡めつつも、茜子の親友吟とその兄である風太を中心とする御華詩でした。ただ、そのもって生き方が壮絶というか何というか、可成りえぐい展開でした。まぁ、それも日日日の持ち味の気もしますが、今回はラストがラストだったんで、これをどうハッピーエンドに持って行くのか、楽しみなような怖いような、そんな感じです。

 てなところで次は『ラグナ・クラウン3』です。

ゴミ箱から失礼いたします3

 岩波零・著、異識・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月9日(水)読了。

 『妖怪ゴミ箱男』となった小山萌太は人間に戻るチャンスを掴むも、諸々の事情により戻れないでいた。
 そんな彼が彩音とデートをすることになったところ、何故かそこに現れる氷柱と沙紀。
 なし崩し的に四人で行動することになるが、そんな女性陣の行動の意味を計りかねる萌太。
 そんな彼の鈍さが、やがて取り返しの付かない方向に向かって......

 ゴミ箱に入った少年を巡るラブコメ、第三弾。うん、多分これで間違っていないはず。
 何というか、彩音が不憫であったりしますが、今回は表紙にも登場して大分キャラに勢いが付いてきましたねぇ。
 一方では氷柱も色々と分かり易くなってきてたりしつつ、今回の一件で何がどうなるのか、楽しみなところですな。まぁ、その氷柱を巡るあれこれは、可成りばかばか強い展開ですがそれが通るのは持ち味ですねぇ。

 てなところで次は『みにくいあひるの恋3~ロボットは待ちくたびれた~』です。

かぐや魔王式!第7式

 月見草平・著、水沢深森・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月9日(水)未明読了。

 ハラグロこと錦織の生徒会入りが決定し、また、アイドルマスターという新たな仲間も入り順風満帆に見えた『新世界構築会議』。
 しかし、その矢先に輝夜が学校へ来なくなってしまった。
 その理由を探るため、初めて自ら会議を招集するハラグロ。
 そうして、輝夜の家を訪れた『新世界構築会議』のメンバー達は衝撃の事実を知る!

 今回は、輝夜と、生徒会長&舞の二編の中編でありました。まぁ、話的には繋がってはいるんですが。
 しかし、何というか、錦織が回を重ねる毎に駄目なキャラになってますねぇ。もう、周囲の女性陣に弄られるのが板に付いてきてますし。新メンバーのお陰で拍車が掛かった気もします。でも、一番怖いのは多分、米倉さん。これですっかり『新世界構築会議』のメンバーの立ち位置も出来上がって分かり易くなりましたねぇ。で、それが、今回のラストを受けてどう動くのか? 次は修羅場の予感ですな。

 てなところで次は『ゴミ箱から失礼いたします3』です。

聖剣の刀鍛冶《ブラックスミス》9

 三浦勇雄・著、屡那・イラスト、MF文庫J。
 6月7日(月)読了。

 着々と復興が進む独立交易都市。
 年越しの祭で一時の幸せを味わったのも束の間、一人の刺客が都市へと迫っていた。
 そして、セシリーと別行動を取っていたアリアが偶然鉢合わせ攫われてしまう。
 かくして、セシリーはアリア奪還のため、一路敵地へと赴くのだが......

 気が付けばもう9冊目ですねぇ。セシリーがどんどんと成長する中、ルークがリサが、そしてアリアが色々と失っていきます。
 それでも、セシリーならなんとかしそうな、そんな熱さはやはり心地よいですねぇ。色んなピンチが押し寄せてくる中、それらがどう打破されていくのか? ここからは見所が沢山ありそうです。素直に続きを楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『かぐや魔王式!第7式』です。

ダブルアクセス2

 樋口司・著、のりたま・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月6日(日)読了。

 相変わらず貧乏生活中の桃井兄妹。
 夏を控えてクーラーを導入する費用も無く厚い日々を過ごす中、巧の元に仕事のメールがやってきた。
 今回は、少し毛色の違う探索系のクエストだった。
 厄介なクエストと言うことで巧と栞は仲間を捜して臨むのだが......

 仮想世界を舞台としたネットゲームと現実の交錯する御華詩第二弾。
 今回は謎解きというかクイズ要素満載でした。まぁ、知識問題以外は簡単だったのですが頭の体操には良い感じですな。
 その裏では、妹やら弟やらが動き始めていたり物語も動いていましたねぇ。そして、この引きだと次が気になって仕方がありません。なので、次を楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『聖剣の刀鍛冶《ブラックスミス》9』です。

天川天音の否定公式4

 葉村哲・著、ほんたにかなえ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月6日(日)読了。

 長月学園では学園祭が近付いていた。
 準備が慌ただしい日々の中、雪道を囲む女性陣はそれぞれに動き始める。
 告白を決意した瑛子。
 自分の気持ちに気づき始めた天音。
 そして、領域の動きを察知したシロコ。
 一方、少女達の思いをよそに御堂叶流も暗躍し......

 様々な『式』を巡る物語も第四弾。一応、決着なんですかねぇ。
 ラブコメ的な要素もありながら、繰り返す闘いなど神話的な要素を秘めつつ、全体的には殺伐とした空気が流れていて内包している雰囲気はよいですな。今回のクライマックスは中々容赦ない展開で素敵でした。
 また、この作品は御堂叶流のあり方の物語だったようにも思います。彼女の動機は興味深いものがありますねぇ。

 そんなところで次は『ダブルアクセス2』です。

まよチキ!3

 あさのハジメ・著、菊池政治・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月5日(土)読了。

 ジローは通学途中、漫画のようにトーストを加えた女の子と衝突しました。
 ただ、ちょっと違ったのは、その女の子は原付に乗っていたのです......
 そんな形でスバル様のファンの少女、宇佐美マサムネと出会ったジローは、彼女の謀略により近々開かれる学園祭まで恋人の振りをすることになった。
 ジローは先にスバルと学園祭を回る約束をしていたのだが、それも保護にせざるをえない。
 そんな事情を知らないスバルは傷ついて......

 早々のコミカライズが決まった男装執事とチキンヤローのラブコメ話第三弾!
 うん、この手のシリーズでどうしても陥るとおりジローの鈍さはもどかしいですな。でも、大分スバルは素直になってきた感じです。そこに、今回の新キャラ、宇佐美マサムネも絡んで、今後は更に盛り上がりそうですねぇ。
 で、もう一人の新キャラの鳴海ナクルは...... うん、素晴らしいキャラですね。でも、『パンがなければメガネをかければいいじゃない』って物凄く聞き覚えのあるフレーズなんですがこれって偶然??

 とまぁ、そんな感じで次は『天川天音の否定公式4』です。

緋弾のアリア6~絶対半径《キリングレンジ》2051~

 赤松中学・著、こぶいち・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月3日(木)読了。

 イ・ウーとの闘いが終わった直後。
 急速にキンジとの距離を詰めてきた少女がいた。
 彼女の名はレキ。
 天才的なスナイパーの彼女は、キンジのモノとなることを望むのだが......

 イ・ウーとアリアの因縁が決着し、新展開を迎えた第1巻。
 ここからはレキの物語と予告されていたとおり、彼女とキンジの物語となっています。アリア...... 不憫だ。
 正直、展開自体はベタベタなんですが、見せ方が上手いですねぇ。最後の最後のオチも今回のシリーズに深く関わってくる情報を端的に示してますし。何はともあれ、次が楽しみです。

 てなところで次は『まよちき!3』です。

荒瀬はるか、容赦なし!3

 熊谷雅人・著、魚・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月2日(水)読了。

 クリスマスが近付いていた。
 竜弥達の住む地域では『ホワイトツリー』と呼ばれるスポットを男女が手を繋いで一回りすると幸せになれるという噂があった。
 そんなホワイトツリーにはるかは竜弥を誘う。
 何か裏があるのではないかと辟易とする竜弥であったのだが......

 退魔師名門のおちこぼれ少年と、天才的な退魔術の使い手ながら末端の家の出の荒瀬はるかによる退魔の物語、これにて完結。
 う~ん、最近は3冊進行みたいですが、ちょっと物足りないというかこれからって感じだっただけに寂しいですねぇ。はるかのキャラ付けは秀逸だったように思うんですが、それがここにきて活きてきただけに勿体ない印象は否めません。次回作に期待ですねぇ。

 てなところで次は『緋弾のアリア6~絶対半径《キリングレンジ》2051~』です。

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc5

 田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
 6月1日(火)読了。

 世界の改変からどうにか復帰した後のこと。
 咲の様子がおかしかった。
 武紀はどうにかして彼女の悩みを知ろうとしても上手くいかない。
 理恵や周囲の協力を得ても、結局その悩みは解らなかった。
 そうこうする内、咲の身に大変な事態が降りかかって......

 ゲーム世界の現実投影、という題材から、メタな存在によるSFチックな流れとなってきたシリーズ5冊目。
 今回は、ゲームのことよりもSF的なノリが特に印象的でした。これは、メタな世界が大分形を明確にしてきた空なんでしょうね。『エターナルイノセンス』などの特定のゲームではなく、『現実』と『虚構』の関係として抽象度が一つ上がったというか、そんな感じですね。なので、内容的に特定のゲームに繋がったりはしませんでした。まぁ、全然違うレイヤーで某キャラのネーミングで『らぶデス』を思い出しましたがわからないならわからないでいい。
 大分、この作品世界の真実に向かって情報が開示されてきて色々と推理を巡らせる段階に来ましたが、まぁ、素直に続きを楽しみにしたいと思います。来月には外伝も出るようですし、そちらもヒントになるでしょしね。
 あと、高橋さんの存在の意味が大きくなったようにも思います。彼女の立ち位置もこなれてきていい感じです。

 まぁ、そんな感じで、5巻発売&順次刊行おめでとうございます。好調ですねぇ。

 てなところで、次は『荒瀬はるか、容赦なし!3』です。

ごくペン!3

 三原みつき・著、相音うしお・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月31日(月)未明読了。

 毒マムシ学園の建て直しは順調に進んでいた。
 だが、立て直し以前から在学している卒業間近の三年生は学生らしい体験を全くしていない。
 そんな彼らのために、凛子は〈毒マムシ学園のアツイ冬〉を企画する。
 それは、林間学校・スキー教室・修学旅行・卒業旅行を兼ね備えた一大企画。
 学園の生徒縁のホテルに安く泊まれると、津軽海峡を目的地に毒マムシ学園一同は旅立つのだが......

 はぐれものの学校を『極道』で立て直す、そんなテーマの作品もこれで完結。
 まぁ、途中でまとめに入ってるのが感じられましたが、やっぱり色々とストレートに言いたいことが伝わってきて心地いい御華詩です。そして、オチも秀逸です。この1冊で主要なキャラは一通りその課題に決着を付けてますし、まだまだ毒マムシ学園は躍進を続けるのだろうなぁ、と感じられる、そんな御華詩でした。
 ......でも、もうちょっと読みたかったなぁ、というのが正直な所。

 てなところで次は『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc5 』です。

烈風《かぜ》の騎士姫2

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月27日(木)読了。

 男として立派な騎士を目指すカリン。
 ドーヴィルの闘いで功績を残し、マリアンヌ姫の覚えも目出たくなり騎士見習いでありながら名を知られる存在となっていた。
 一方、カリンの面倒を見る騎士、サンドリオンは死んだはずのかつての恋人が生き返っていたことを知り、衝撃を受ける。
 その真相を掴むべく、単身捜査を続けるのだが......

 サンドリオンに主眼を置いた御華詩となっていましたが、いい感じに持っていきましたねぇ。今回は、本当美味しい所を沢山持って行きましたな。ナルシスとバッカスも味のある立ち位置で野郎キャラが魅力的なのが素晴らしい。よく考えたら、基本男世界が舞台になってるから当然なんでしょうが、普段は馬鹿だけど決めるときは決めるって典型的なノリが心地いいですねぇ。
 まだまだ、謎は残っているので続きも楽しみです。

 てなところで次は『ごくペン!3』です。

白銀の城姫《ベルクフリート》2

 志瑞祐・著、上田夢人・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月25日(火)読了。

 リール要塞の攻防後。
 リンツとシャトレアはマイスター・ストランゼンを追って戴冠都市ランスを訪れていた。
 奇しくも、英雄ジャンヌ・ダルクを称える祭りの中、息抜きも兼ねて羽を伸ばすことにしたリンツ達。
 しかし、街では〈青髭公〉による子供の誘拐事件が起こっていて......

 城擬人化作品第二弾。城の性質やら中世の建築物の設定が活きていてよいですねぇ。
 今回はヒロインとしてのシャトレアの魅力を引き立てつつ、シリーズ通しての目的を明確にしたりシリーズ2冊目としていい感じの内容ですな。最後では、何かお約束な展開になってますが、これもまた一興。素直に続きが楽しみなシリーズです。

 てなところで次は『烈風《かぜ》の騎士姫2』です。

三流木萌花は名担当!3

 田口一・著、をん・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月23日(日)読了。

 いよいよ第二巻の完成が近付いた頃。
 突如、孝一の家にイラスト担当の輪廻姫が転がり込んでくる。
 どうも、母と考えが合わずに飛び出してきたらしい。
 そこに、打ち合わせのために萌花がやってきて自分も共に暮らすと言い出して......

 ライトノベルの舞台裏を描く今シリーズも最終刊。最後は、輪廻姫(本名:井中トメ子)を通してのイラストレーターの御華詩でした。
 表紙の効果やら、イラストにする場面の選定やら、文庫であるが故の考慮点など、言われて見ればなるほどということが沢山ありました。また、輪廻姫自体の物語もいい感じでした。面白い素材で終わるのが残念とも思いますが、これぐらいがいい塩梅とも言えます。章扉の架空ラノベプロットネタが大変でしょうし(;^^)

 てなところで次は『白銀の城姫《ベルクフリート》2』です。

えむえむっ!9

 松野秋鳴・著、 QP:flapper ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月20日(木)読了。

 紆余曲折を経て、遂に付き合い始めた太郎と嵐子。
 しかし、それと同時に第二ボランティア部を揃って首になってしまう。
 どうにか、部活に戻して貰おうと懇願するも、美緒は頑として譲らない。
 そんな第二ボランティア部に、よからぬ輩が忍び寄り......

 アニメ化決定で益々勢いの付いた今作も遂に9巻。ドMと男性恐怖症とドSの三角関係? 的な方向に進んだというか何というか、今までの積み上げによってここからスタートとも思える御華詩ですな。このキャラ配置は本当、良くできてますからねぇ。これからの展開が楽しみです。
 あ、あと、雪之丞がなんだかんだで美味しいキャラですね。

 てなところで次は『三流木萌花は名担当!3』です。

D-breaker #2

 二階堂紘嗣・著、フルーツパンチ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月18日(火)読了。

 ある日突然、優馬の前に現れた『特殊追跡班《レースランナー》』の少女、窪双美理梨《くぼふたびりり》。
 彼女は、優馬が凶悪な歪曲士に狙われていると告げ、理梨とノエルが護衛になると言う。
 奇しくも、時を同じくして神隠し事件が起こる。
 その事件と歪曲士の関係を疑う内、優馬の幼馴染みであるあゆきの身近なところで神隠しが発生し......

 比較的オーソドックスな能力バトルモノですが、今回はテーマが面白かったですねぇ。ちょっと強引な感じでしたが、最後の最後で綺麗にまとまっていたと思います。ただまぁ、風呂敷が広がっただけで未回収の伏線も多々見受けられるんでそれは続刊での回収を期待、ですかね。

 てなところで次は『えむえむっ!9』です。

神明解ろーどぐらす

 比嘉智康・著、すばち・イラスト、MF文庫J。
 5月16日(日)未明読了。

 池田十勝は高校入学式の帰りに立ち寄ったデパートの催事場で3人の少女と出会った。
 見目麗しいにも関わらず自分に全く自信がないネガティブ嗜好の千歳キララ。
 可愛らしい外見だがナルシスト気味な丹下まりも。
 小学生と見紛う小ささだが高校生カメラマンとして活躍する富良野咲。
 そうして始まる、十勝の下校ライフ。
 そう、これは、下校に並々ならぬ情熱を燃やす少年の物語......

 色々と裏はありそうですが、『ギャルゴ!!!!!』と違って今回は何気ない日常というか『下校』だけで構成された御華詩でした。のんびりしていたり、鈍かったり勘違いが甚だしかったりでもどかしくもありますが、路線は面白いですねぇ。予想される裏によっては化けてきそうなので続きも楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『 D-breaker #2 』です。

図書館迷宮と断章の姫君

 おかざき登・著、ちゅ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月12日(水)読了。

 突如、一つの街を飲み込んで『図書館迷宮』が現れた世界。
 それから十六年を経て、『書物』を用いる『読書魔法』を使う適正を持つ子供達が生まれていた。
 九条刻馬は、『読書魔法』の使い手を養成する学校に在籍しながら『読書魔法』を忌避している。
 そんな彼が、ある日幼馴染みの家で人化した書物の少女と出会って......

 うん、迷宮探索の物語であり、本の内容を魔法として用いる設定など、中々楽しいですな。
 ダンジョンRPG的な世界観なので、前作よりもリアルに人死にが出たりするハードな世界観ではありますが、根底には前作で見せた優しい空気があってホッとします。シリーズの導入と言うことで未回収の伏線もあったりするので、先ずは次を楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『神明解ろーどぐらす』です。

ラグナ・クラウン2

 三門鉄狼・著、白田太・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月10日(月)読了。

 セヴィリア率いるルルカ大隊によるローズ・クイーン討伐から数日が過ぎていた。
 その報奨として仲間の一人、マリアの連続殺人容疑を晴らすため霧の都『ベイカー』に向かう。
 だが、到着早々セヴィリア一行はマリアの古巣の自警団に拘束されることになる。
 そこを、侍女のマツダと入れ替わったセヴィリアが切り抜け、ロックと共に捜査を行うことになったのだが......

 二冊目と言うことで作品世界の掘り下げとか終わった設定の続きの伏線やらがありますが、基本はマリアの容疑を晴らすための捜査。で、名前と特徴からロンドンがモデルになっているからか微妙にミステリチックな御華詩でした。まぁ、真面目に推理する必要もないレベルですが、ラノベの場合はこれぐらいがいい塩梅なんでしょうねぇ、とかそんなことを感じたりしました。
 でも、ロックの馬鹿でエロいけど仲間思いとかベタな設定が活きてて読んでて楽しい御華詩です。今回でまだ続く余地は出ているんで続きも読みたいと思います。

 てなところで次は『図書館迷宮と断章の姫君』です。

ゴミ箱から失礼いたします2

 岩波零・著、異識・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月5日(水)読了。

 ひょんなことから『妖怪ゴミ箱男』となってゴミ箱に入った生活を送る小山萌太。
 そんな彼も、遂に人間に戻れる時がきた。
 ようやく自分の足で地に立つ喜びを味わうも束の間、布団に入って目覚めると自分がゴミ箱になっていた!
 どうやら、再び『妖怪ゴミ箱男』となってしまったようだが......

 主人公が基本的にゴミ箱に入っているという御華詩第二弾。
 テンポのいい掛け合いと、バカバカしい妖怪の設定がよい塩梅ですねぇ。
 そして、ヒロイン達の関係も示されてラブコメ展開もしやすくなった感じです。
 まぁ、ここからどう展開するのか解りませんが、続きが出たら読んでみたいと思います。

 てなところで次は『ラグナ・クラウン2』です。

鳳凰堂みりあは働かない!3

 石川ユウヤ・著、シロガネヒナ・イラスト、 MF 文庫 J。
 5月4日(火)読了。

 ニートを目指すお嬢様、鳳凰堂みりあのハローワークとなった火車ヒイロ。
 今日も今日とてお嬢様の我が儘に従う日々を送っていた。
 だが、そんなある日、彼の前に一人の美少女が現れる。
 『愛』を何より大切にする彼女、杜若怜央はヒイロの理想のご主人様だった。
 彼女はみりあからヒイロを奪おうとするのだが......

 ニートを目指すお嬢様と小銭が絡むと超人的な力を発揮する少年との物語もこれで完結っぽいですな。
 面白いテーマだっただけに、勿体ない気もしますがこれぐらいで閉じた方がよいようにも思います。
 風呂敷を畳むために可成り急展開でしたが、何とか他のヒロイン達の物語、特に円については補完されていたのでよしとします。
 とまぁ、そんなところで次は『ゴミ箱から失礼いたします2』です。

かぐや魔王式!第6式

 月見草平・著、水沢深森・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月1日(土)読了。

 仮面優等生、錦織の悲願である生徒会選挙が近づいていた。
 だが、突如その覇道に立ちふさがる存在が現れた!
 その名は『弓削満月《ゆげみつき》』。
 転校生でありながら、あっという間に男子の心を掴み、その勢いで生徒会に立候補したのだ!
 しかも、満月は幼稚園の頃の錦織の初恋の相手でもあって......

 ここにきて新キャラ投入ですが、これで停滞気味の錦織と輝夜の関係も動きそうになってきましたねぇ。
 まぁ、話の方は本当にベタですが強引ながらきちんと計算されたオチは心地よいですな。
 あと、巻を重ねる毎に米倉さんの黒さが増してるのは気のせいでしょうか(;^^)

 てなところで次は『鳳凰堂みりあは働かない!3』です。

プシュケープリンセス2

 刈野ミカタ・著、萩原音泉・イラスト、 MF 文庫 J 。
 4月29日(木)読了。

 この世界から消えてしまった妹を追う柊火ノ見。
 彼は、幻想世界《エリュシオン》の王位継承戦争に巻き込まれていた。
 そんな彼の前に現れたのは、以前の闘いでその存在を失った筈の幻想世界人《プシュケー》、セレネによく似た少女。
 幻想世界を巡る謎の手がかりを得ようと彼女に近づく火ノ見だったが......

 全体的に正統派の異世界人の力を借りたバトルモノ。今回でシリーズとしての謎のようなモノも出てきて方向性が出てきたような雰囲気ですな。結構大胆に動かした部分もあるので、ここから何処に行くかも引き続き読んでいきたいと思います。

 てなところで次は『かぐや魔王式!第6式』です。

わるぷるキス!3

 内山靖二郎・著、ニリツ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 4月28日(水)未明読了。

 夏花の様子がおかしい。
 何やら、魔法の制御が効かず態度も子供っぽくなってしまっている。
 どうやら、魔法風邪という病気らしい。
 本来なら子供が掛かる病気だがジギタリスの影響で掛かった可能性が高い。
 そうして、綾音と優人は薬の材料を取りに行くことになるのだが......

 魔女に対して隔離政策が採られた世界での、魔女と人間の対立構図を軸とする御華詩も、ちょっと寂しいですがシリーズ完結となりました。広げた風呂敷は閉じ切れていませんが、それでも、大事な部分は押さえた形だったかなぁ、と思います。正直、あと1冊で残りの部分が描かれると読んでるときは思ってたんで、残念な気持ちも大きいです。とは言え、これで別シリーズを書くことになるかと思いますが、出来れば『クダン』の続きが読みたいですねぇ。

 てなところで次は『プシュケー・プリンセス2』です。

ぱんどら!2

 西野かつみ・著、蔓木鋼音・イラスト、 MF 文庫 J 。
 4月27日(火)未明読了。

 ひょんなことから魔女ハルマの下僕となった富士山清貴。
 彼は、ハルマと協力してパンドラの箱から解き放たれた<災厄>を追っている。
 だが、最近は<災厄>が大人しくしている折り、ハルマとの行き違いによって関係がぎくしゃくしてしまい......

 まぁ、なんというかバカな御華詩ですな。今回は特に、間の繋ぎというか伏線提示をのんびりしつつ日常を描いたとかそんな雰囲気です。前半は『かのこん』ってそういや最初の頃はこれぐらいソフトだったかもしれないなぁ、とかいう感じでしたが後半はようやく話が動き出してここからって印象ですな。あと、あとがきのバカさ加減に磨きが掛かっていますね(;^^)

 てなところで次は『わるぷるキス!3』です。

ゆうれいなんか見えない!

 むらさきゆきや・著、むにゅう・イラスト、GA文庫。
 4月24日(土)読了。
 第1回GA文庫大賞奨励賞受賞作。

 調敦志は幽霊が見えてしまう体質だった。
 だが、他人に見えないモノが見えても変人として見られるのがオチだった。
 高校では、そんな自体に陥らないようにしたのだが、通学途中に同じように幽霊が見える少女と出会う。
 彼女はかつての敦志のように人前でも幽霊が見えることを隠そうとせず、それを退治することが正しいことだと信じていた。
 幽霊が見えることを認めたくない少年と、気にしない少女。
 その出会いが、やがて......

 ふむ、非常にオーソドックスな御華詩でしたねぇ。人と違う能力を持ったが故の孤立に悩んだ少年が、同じ能力を持つ少女と出会って変わっていく過程、というのが主軸ですな。
 ただまぁ、ヒロインが小学生ってところが特異点、ってことですかね。何か消化不良な部分が色々あったんですが、既に2巻が決まっているということでその伏線なんでしょうな。

 てなところで次は『ぱんどら2』です。

ふぁみまっ!

 九辺ケンジ・著、鶴崎貴大・イラスト、GA文庫。
 4月20日(火)読了。
 第2回GA文庫大賞奨励賞受賞作。

 ある日、大滝和己の元に一つのダンボール箱が届けられた。
 結構な重さのその箱を開くと、中には綺麗な女の子の人形が入っていた。
 何も身につけていないその人形にドギマギしていると、不意に目を開く。
 そう、人形だと思っていたのは人間の女の子。
 しかも、
 「お兄ちゃんっ!」
 そう言って、和己に抱きついてきたのだ。
 こうして、ダンボール箱で届けられた妹との和己の生活が始まった......

 ふむ、物凄く王道な御華詩ですな。住む世界の違い、家族に飢えた感情、そう言ったモノがストレートに描かれた御華詩でありました。まぁ、突っ込み出すとキリがないですが、そう言った部分は気にせず気軽に読むのが吉ですな。世界観的には続けやすい設定なので、予告からどんな話になるか、次も読みたいと思います。

 てなところで次は『ゆうれいなんかみえない!』です。

踊る星降るレネシクル

 裕時悠示・著、たかや ki ・イラスト、GA文庫。
 4月18日(日)読了。
 第2回GA文庫大賞奨励賞受賞作。

 闘いが全てのミカホシ学園に転入してきた連動レンジ。
 彼は、離ればなれになった幼馴染みを追ってきたのだった。
 だが、その幼馴染み、沙良瑞貴は学園の頂点に立つと同時に眠り続けていた。
 また、瑞貴が目ざめるのを待ち望む一方で、瑞貴のライバルを自称する少女、舞波すまるを指導することになる。
 こうして、すまるの師匠としての日々が始まったのだが......

 何というか、手堅い作品ですねぇ。エンターテインメントの要点を押さえているというか。
 正直、そんなに斬新なネタがあるでもなく、個別の要素を取り出せばどこかで見たような聞いたようなネタがほとんどです。
 ただ、それを上手いこと組み合わせて魅せる御華詩になっていて、読んでいてどんどん話に乗せられていきました。
 これは確実に続いていくでしょうから、今後の展開にも期待したいと思います。

 てなところで次は『ふぁみまっ!』です。

オトコを見せてよ倉田くん!2

 斉藤真也・著、フミオ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 4月15日(火)読了。

 倉田優樹のクラスにやってきた転校生、兎月ありす。
 自分の好みの美少女で喜んだのも束の間、彼女は妖調査員だった。
 何でも、優樹が二股を掛けることになって幼馴染みの愛依とその親友小夜が正体がばれるようなマネをしていないかの調査に来たらしい。
 彼女らに近しい優樹に協力を求め、一週間の調査が開始されて......

 年上好きが年下の幼馴染みとその親友に二股を掛けることになるドタバタラブコメ第二弾。
 今回は新キャラも入って、シリーズとしての形を作っていこうという雰囲気の御華詩ですな。
 そのありすは、結構キャラ付けは色々と詰め込まれてて若干微妙ながら、まぁ、最後は上手いこと収めたなぁ、という感じです。
 これで、話は膨らみ易くなったようにも思えるので、次も読みたいと思います。

 てなところで次は順序を入れ替えてGA文庫大賞受賞作『踊る星降るレネシクル』です。

竜王女は天に舞う2

 北元あきの・著、近衛乙嗣・イラスト、 MF 文庫 J 。
 4月13日(火)読了。

 《竜の箱庭》学園は活気づいていた。
 交流戦という名目での学園祭が近く開催される為だ。
 だが、シグは止むにやまれぬ事情で交流戦へ参加することになった。
 対戦相手は《串刺し令嬢》の異名を持つエリーゼ。
 勝ち目どころか命の保証さえ無い戦いを強いられたシグは......

 剣と魔法と銃と飛行機とワイバーンな感じのファンタジー世界の物語第二弾。
 《ヴァルハラ舞踏会》はちょっとお休みで、今回はヒロインの立ち位置がはっきりさせる御華詩という感じですな。
 意地っ張り×2といざという時に勇気が出ない×1。前者二人が似て非なるものでその対比は面白いですねぇ。
 そして、次があればサービス回(?)。とりあえず出れば読みます。

 てなところで次は『オトコを見せてよ倉田くん!2』です。

とある魔術の禁書目録《インデックス》20

 鎌池和馬・著、灰村キヨタカ・イラスト、電撃文庫。
 4月10日(土)読了。

 右方のフィアンマの企みにより、世界情勢は大きく変化した。
 ロシアから学園都市への宣戦布告により、第三次世界大戦が勃発していた!
 そんな戦火のロシアに、三人の少年が居た。
 イギリスで眠る一人の少女を束縛から解放するために右手を握った少年。
 護るべき存在の為に悪の道を進んだ超能力者の少年。
 愛する少女を救うために翻弄されるままロシアの地に降りた平凡な少年。
 彼らがそれぞれの道を進む中、遂に科学と魔術がぶつかりあう戦争が始まっていた......

 広大なロシアという同じ舞台に集った主人公達の戦いが始まりました。
 更には彼ら以外の視点も交えて各所で進行する戦争。ちょっととっちらかった感は否めないのですが、ラスト近くのワクワク感が溜まりません。何というか、ここは経過点で次が本番のようにさえ思いますね。
 あと、上条さんが一種の神格化されたところがあるので、その分本当の無能力者の視点として、浜面優遇されすぎのような(;^^) 何はともあれ、早く次が読みたいと思える御華詩でした。

 てなところで次は『竜王女は天に舞う2』です。

狼と香辛料ⅩⅣ

 支倉凍砂・著、文倉十・イラスト、電撃文庫。
 4月8日(木)読了。

 ホロの故郷ヨイツを目指す旅も終わりが見えてきた。
 そうして立ち寄ったレノスの町でロレンスは一つの取引を持ちかけられる。
 その取引は魅力的であり、また、回り回ってヨイツを守ることにも繋がる。
 だが、その取引に乗れば、ホロとヨイツに向かうことは時間的に不可能となってしまう。
 こうして、ロレンスはホロとのヨイツ行きと商売の板ばさみにあって......

 もうそろそろ旅も終わりが近づいていますねぇ。これまで積み上げた人間関係と新しい人物との出会い。
 今回は、再び登場したエルサがいい役回りをしていますねぇ。商売を挟んでのホロとロレンスの関係も一歩前進した感じで、この旅がどういう結末を迎えるのか楽しみです。

 そんなところで次は『とある魔術の禁書目録《インデックス》20』です。

這いよれ!ニャル子さん4

 逢空万太・著、狐印・イラスト、 GA 文庫。
 4月4日(日)未明読了。

 いつもニコニコ隣に這いよる混沌に悩まされていた真尋は更なる悩みの種を抱えていた。
 旅行に行っている筈の母が目の前に立っていた。
 その足下には全身にフォークを突き立てた異形の姿。
 まさか、母もそちら側の人間なのか?
 苦悩する真尋に告げられる真実は如何に!


 と、多分、そんなに間違っていないと思います。
 今回の見所は執拗なまでのクトゥルフ神話ネタの数々...... って、いつも通りですね、うん。そういう意味では安心して読める一品です。好き嫌いは完全に分かれそうと言うか、直前に読んだ『文芸部発マイソロジー』の葉月先輩の反応が楽しみな作品であります。まぁ、私はこのノリが大好きですが。それだけに、限定版をゲットし損ねたことが未だに心残りです。あと、今回の新キャラのルーヒーさんの再登場を期待です。
 てなところで次は『狼と香辛料 ⅩⅣ』です。

文芸部発マイソロジー3

 早矢塚かつや・著、きくらげ・イラスト、一迅社文庫。
 4月1日(木)読了。

 アースガルドを襲ったクトゥルフ神話の邪神達。
 その驚異を退けるため、クラフティアの神々を中心にまとまるギリシア神話を始めとした各神話の神々。
 かくして、神話世界は戦いに彩られ、寛二達は世界の真実を知ることに......

 文芸部員が自分たちで創作した神話世界で神となり、気が付けば別の神話と交錯していく、そんな御華詩も完結。
 葉月先輩が愛するクトゥルフ神話を出した時点でおかしなことになっていましたが、まぁ、何でもありで勢いがある展開は良かったですねぇ。それ神話じゃねぇ! ってのが混ざってたり。
 読み終わってみると、この作者って結局こういった世界そのものと人間を対話させるようなテーマが好きなのかと思ったり。ただ、本当に勢いだけで突き進んでしまったので結構面白い仕掛けの御華詩でオチも読めるけどいいオチだと思ったんですが、世界の真実やらの提示が性急すぎてちょっと勿体なかったようにも思います。とりあえず、第二部か次回作に期待、ですな。

 てなところで次は神話繋がりで...... 『這いよれ!ニャル子さん4』です。

りーち☆えんげーじ -子孫繁栄! 国立栄華学園中等部-

 海堂崇・著、 CH@R ・イラスト、GA文庫。
 3月28日(日)読了。

 国立栄華学園。
 少子化対策として、中高一貫のその学園では恋愛の授業が取り入れられていた。
 また、学年毎の人気投票なども行っており、積極的に男女交際が推奨される特殊な学園だった。
 そんな学園に通う中等部二年の八島平太は、ひょんなことから学年でも一、二を争う人気を誇る敷島美紀の秘密を知ってしまう。流されるまま、直近の人気投票で二位に甘んじた彼女が一位を奪還する手助けをすることになった平太だったが......

 非常に手堅いオーソドックスなラブコメですが、男女交際を積極的に後押しする学園の設定がよく出来ていて、これから先も色々と話を広げて行けそうに感じます。舞台が用意されていれば王道だけでもこれだけ話を回せるんだなぁ、と。少なくとも次は出るようなので、また読んでみたいと思います。

 てなところで次は『文芸部発マイソロジー3』です。

神曲奏界ポリフォニカ ピュアリー・ホワイト

 高殿円・著、凪かすみ・イラスト、GA文庫。
 3月23日(火)絶賛読了。

 過去から帰ってきたスノウ達は学生生活に戻っていた。
 プリムローズが学生会の役員に選出され、それと時を同じくして始まった『巫女姫プロジェクト』。
 精霊島の墜落を防ぐため、学生達手動で動き始める画期的なプロジェクトだった。
 だが、そのために禁譜の解放が提案されていた。
 200年前、その禁譜による悲劇を目の当たりにしたスノウ達は複雑な心境だったが......

 いよいよ新展開にして最終章。スノウ達が将来に向けて動き始める御華詩ですね。ただ、その道は平坦ではなく、非常に大きな流れに巻き込まれていくことになるでしょう。女神達も動き始めて、更には師匠も登場して、これからはオールスター展開になりそうで楽しみですな。特に、これからスノウがどうなるのか? まぁ、他のシリーズで示唆されてはいますが、その経緯がどうなのかはここで描かれるんでしょうしね。そこがやはり一番の見所ですな。

 てなところで次は『りーち☆えんげーじ -子孫繁栄! 国立栄華学園中等部- 』です。

試験に出る竜《ドラゴン》退治

 日昌晶・著、あかやま壽文・イラスト、スマッシュ文庫。
 3月21日(日)読了。

 王立聖ゲオルギウス高等学校竜退治科の新入生、エリック。
 祖父の言葉を信じて竜退治の騎士になるべくその名門学校の門を叩いたのだが、既に竜退治は時代遅れ。
 そのため、竜退治科には彼の他には三人の少女しかいなかった。
 たった四人の竜退治科。
 魔法科にバカにされながらも、竜退治の勉強をするエリック達だったのだが......

 新創刊レーベルということで早速チェック。まぁ、他にも理由はありますが。
 全体的に何か変な表現ですが軽さに重きを置いているというかそんな印象ですねぇ。イラスト多めで文章の密度も低くてさらっと読める、そんな御華詩です。まぁ、部分的に竜退治というか鎧や乗馬に関するペダンティズムが見られたりするのがちょっと異質と言えば異質なところですねぇ。
 一冊使って世界設定とキャラ紹介のようでまだまだ何も始まってない感じなので、今後どうなるか、といったところです。


 てなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ ピュアリー・ホワイト』です。

理の守護神さま。 二.和気喧噪の三姉妹《 La sinfonia de familia 》

 十目一八・著、すまき俊吾・イラスト、GA文庫。
 3月20日(土)読了。

 実質的には時雨が統治する実験都市、岸扇町。
 樹理は、身分を隠してその町で暮らすこととなった。
 そんな彼女の護衛に付くのは、時雨の部下である三人の娘達。
 個性的な彼女たちに振り回されながらも、家族として楽しく過ごす樹理だったが、街には不穏な企ての陰が忍び寄っていて......

 何というか、前作が序章でここからが本編、といった感じですな。魅袖が主人公ということですし。
 世界観的には、こういった特殊な力を持つ人間を受け入れる環境として街一つ用意したことで色々と動きやすくなった雰囲気ですな。ここが舞台となって暫くは物語が進んでいくのでしょう。受賞作の2巻として、綺麗に話を持って行ったなぁ、という印象です。

 てなところで次は新レーベルから『試験に出る竜《ドラゴン》退治』です。

ノブレス・オブリージュ2 ~成瀬春水の艱難~

 小松遊木・著、甘塩コメコ・イラスト、GA文庫。
 3月15日(月)読了。

 文化祭が近づくと、ルミナス・フォースは毎年恒例の劇の準備に忙しかった。
 そんな日々の中、親友同士の春水が七海の命を狙っているという噂が流れていた。
 誰もが春水と七海の信頼関係を疑っていなかったが、亜未はそんな噂を信じたくないと思いながらも、疑いを捨てられずにいた。 そうして、偶然見かけた春水の後をつけたところ......

 赤い眼鏡ととんがり眼鏡の御華詩...... じゃなくて、剣術使いの少女達の友情の物語、第二弾。
 『信頼関係』をテーマに、何というか根本的な内容は少年漫画的でしたね。若干綺麗過ぎる気もしますが、心地良い王道の物語。実は百合テイストが苦手なのでこういうノリだと安心して読めます。

 とまぁ、そんなところで次は『理の守護神さま。 二.和気喧噪の三姉妹』です。

"文学少女"見習いの、傷心。

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 3月13日(土)読了。

 心葉を想う菜乃は、思い出作りの為に文芸部で文化祭に出ることを提案する。
 しかし、心葉は首を縦に振らない。
 それでも菜乃がしつこく食い下がっていると、合唱部の部長の十望子が訪れる。
 何でも、文化祭で合唱部が上演する音楽劇のシナリオを心葉に頼みたいと言うことだった。
 心葉は渋ったモノの、十望子の言葉に翻弄する内に引き受けることとなる。
 だが、その音楽劇には怪物の陰が見え隠れしていて......

 あのラストの空白期間を埋める御華詩第二弾。
 今回は菜乃だけではなく、ななせの物語でもありました。
 やっぱり、淡い水彩画の挿絵とは裏腹に心の底の綺麗な部分も汚い部分もさらけ出すような物語ですが、本当に解り合うためにはそこまで踏み込まないといけないのも事実。今回の物語の主要人物達は勿論のこと、心葉が抱え、乗り越えようとする闇にも見立ての物語がシンクロしていてそういう部分も非常に興味深い御華詩でした。本当、こうして新たな"文学少女"の物語が読めるのは嬉しいですねぇ。次で終わりなのが寂しいような気もしますが、変に引っ張られるよりは清々しく追われそうにも想います。まぁ、まだ先みたいですが楽しみにしておきます。

 てなところで次は『ノブレス・オブリージュ2~成瀬春水の艱難~』です。

ライトノベルの楽しい書き方5

 本田透・著、桐野霞・イラスト、 GA 文庫。
 3月11日(木)読了。

 お互い好きあっているにも関わらず剣のライトノベル創作の為という条件を免罪符とした暫定彼氏彼女の関係の八雲と剣。
 だが、文化祭のイベントで二人は暫定付でも彼氏彼女の関係であることを周囲に認められていた。
 そうして迎えるクリスマス。A組B組合同でのパーティーが開催されるという。
 この機会に互いの『暫定』を外そうとする剣と八雲なのだが......

 タイトル通りなのか何なのか、女子高生ライトノベル作家とその担当編集の従兄弟のラブでコメですねぇ。剣のメンタルの弱さというか面倒臭さはすっかり定番化して、周囲も扱いに困りつつも慣れている雰囲気ですが、やはりすれ違うと言うか。
 今回は今までの内容に沿っては居ますがちょっとばかりメタな仕掛けもあったりしつつ、色々と実験的な内容も含んだ御華詩でした。これはこれで面白いというか方向性は定まったようにも思えます。若干、割を食っているゆうなとかの立場が気になったりしますが、まぁ、続きも楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『"文学少女"見習いの、傷心』です。

耳刈ネルリと十一人の一年十一組

 石川博品・著、うき・イラスト、ファミ通文庫。
 3月9日(火)読了。

 シャーリック王国の予言書『大ネルリ未来記』。
 その書を祖国の風習上は成人したネルリは手にしていた。
 大喜びで占い師感覚で学生達へ未来記の予言を告げるネルリ。
 だが、その予言はやがて不吉な内容を示し始めて......

 異文化コミュニケーションというかやたらと言葉遊びやネタまみれの一人称で語られるレイチとネルリの物語もこれで完結。正直、ちょっと大慌てで風呂敷を畳んだ感は否めないんですが、元々一発ネタに近い内容なので早めに畳んだのは正解のような気もします。国々の文化の違いが反映されたキャラクター設定が面白かったんですが、レイチ視点しかないのがネックだったようにも思います。他のキャラの御華詩なんかも面白そうなんですがねぇ。

 てなところで、次は『ライトノベルの楽しい書き方5』です。

戦う司書と世界の力

 山形石雄・著、前島重機・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。
 3月6日(土)読了。

 武装司書もことごとく倒れ、絶望の魔王による世界の滅びは目前に迫っていた。
 世界は滅びるべきである。
 絶望の魔王の意志は絶対だ。
 しかし、それを食い止めようとする者達がいた。
 一人ひとりは小さな力かもしれない。
 だが、彼ら彼女らの思いは滅びを防ごうと......

 戦う司書の物語も遂に完結。重厚な世界観の中で『幸福』を巡って繰り広げられた様々な物語がどう落ち着いたのか?
 それは、読んでのお楽しみでありますが、本当、サービス精神満載で、途中からもうぐいぐいと引き込まれてしまいました。
 これまでの積み重ねが結実して、素晴らしいラストだったと思います。語りたいけどことごとくネタばれるのでもどかしいですが、何度も何度も驚かされ喜ばされながら物語を追うのは幸せな一時でした。また、次回作にも期待したいと思います。

 てなところで、次は『耳刈ネルリと十一人の一年十一組』です。

ゼロの使い魔18~滅亡の精霊石~

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、MF文庫J。
 3月4日(木)読了。

 どうにかルイズと再会することが出来たサイト。
 離れた期間は結果的に二人の距離を近づけることとなっていた。
 一方、ガリアを舞台に暗躍するロマリアの野望を砕くべく、アンリエッタ達と共に作戦に望む。
 だが、その先に待ち受けていたのはハルケギニアを揺るがす恐るべき事態で......

 苦難を乗り越えてルイズとサイトの関係も落ち着いて来たところで、今度は世界の方がとんでもないことになっていきましたねぇ。今まで積み重ねたモノが上手いこと活きて、いよいよと物語も大詰めに向かっているように感じられます。
 虚無とは何か? その辺りの意味も仄めかされつつ、ここからは新章となります。そして、否が応でもこれからはあの勢力との対峙が必至となりました。まだまだどうなるか分かりませんが続きも楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『戦う司書と世界の力』です。

聖剣の刀鍛冶《ブラックスミス》8

 三浦勇雄・著、屡那・イラスト、MF文庫J。
 3月3日(水)読了。

 帝政列集国の襲撃から十日ほど、独立交易都市は復興の途にあった。
 比較的平和な時を過ごすルークは、思い立ったかのように動き始める。
 目的を果たすため、療養中にも関わらず家に居ないセシリーを探して都市を歩く。
 幾度かのすれ違いの末、遂に見つけたセシリー。
 だが、何故か彼女は看護服を着ていて......

 新章開始の第八巻。今はまだ準備段階ですが、色んな要素の足音が聞こえてきますねぇ。
 世界情勢も大きく変化してしまい、緊張状態を強いられていくことを感じさせながら、その裏で蠢く者達。
 かなりえげつないところもあったりしますが、その準備された者達がぶつかるときに何が起きるのか?
 これからの展開を楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『ゼロの使い魔14~滅亡の精霊石~』です。

ダブルアクセス

 樋口司・著、のりたま・イラスト、 MF 文庫 J 。
 3月1日(月)読了。

 桃井巧は事情あって貧乏だった。
 それでも、若干特殊なオンラインゲームのテストプレイの仕事をしながら妹のヒナを養って日々を過ごしていた。
 ある日、そんな彼の家の隣に、美少女が引っ越してきた。
 しかも、同じクラスに転校してきたその美少女、立花栞との出会いを運命的に感じた巧。
 確かに、運命的だった。
 だが、それは甘い恋愛話ではなく......

 オンラインと現実を交錯させた往年のSF的な構図の物語ですが、主人公のコンプレックスとかその解決とかの描き方は前作の空気感を感じさせますね。2作目第1巻ということで物語の構図を提示する部分が主題になっていました。まぁ、正直部分的にちょっと登場人物同士の会話と心情の動きに強引さを感じたりもしたんですが、テーマが中々面白いので次にも期待ですねぇ。

 てなところで次は『聖剣の刀鍛冶《ブラックスミス》8』です。

天川天音の否定公式3

 葉村哲・著、ほんたにかなえ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月27日(土)読了。

 夏休みに瑛子の誘いで彼女の家の別荘へと訪れた雪道、天音、シロコ。
 別荘に到着し、雪道が自分に宛がわれた部屋に入ると、何故か先客が居た。
 アラバスターのような白い肌を持つ少女の名はコッペリア。
 『領域』の関係者と思われる彼女を警戒しつつも、雪道達は彼女を匿うこととなって......

 更に燃料投下の第三弾といいますか、そんな御華詩ですな。ラブコメチックな日常の中に紛れ込む非日常というか、物語の中心となるコッペリアに関わるとある描写は結構面白い試みだなぁ、と感じました。ただ、ラブコメを前面に出しつつも『式』を巡る神話的な雰囲気も強まってこの作者の持ち味のようなものが感じられる内容でした。
 こうして、ラブコメチックな日々と『式』を巡る戦いがどこへ進んでいくか、続きを楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『ダブルアクセス』です。

かのこん14~どきどき☆らぶれっすん~

 西野かつみ・著、弧印・イラスト、MF文庫J。
 2月25日(木)読了。

 小山田耕太と源ちずるは今ではすっかり全校に響き渡るバカップル(主に性的な意味で)。
 3年生になった耕太と何故か留年したちずるは遂にクラスメートとなる。
 そんな始業式の日から、アイジンの望といつものごとくやらかしていた。
 周囲があきれる中、とある新入生はそんな二人に驚くべき申し出をしてきて......

 何だかんだと続いているバカップルの物語も巻を重ねてきましたねぇ。
 子供が出来たり波瀾万丈ですが、高校三年生になって描写はエスカレートし続けてます。その陰で着々と進展しているたゆらと朝比奈さんのストーリーもよいですな。まぁ、そういった部分がクローズアップされがちですが、メインのストーリーも着々と進行していよいよシリーズのクライマックスに向かってきたというところでしょうか。このまま最後まで続けて読んでいきたいと思います。

 てなところで次は『天川天音の否定公式3』です。

まよチキ!2


 あさのハジメ・著、菊池政治・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月24日(水)読了。

 ゴールデンウィークがやってきた。
 ジローは妹の合宿により、一人で休日を満喫できるはずだった。
 だが、世の中そんなに甘くはない。
 妹が合宿に出かけて程なくしてかかってきた一本の電話が全てを台無しにする。
 そうして、なんだか分からないうちに秘密を抱えた学園の王子、スバルがジローの執事として家に泊まることになって......

 男装執事系ラブコメ第二弾。
 まぁ、こういう受賞作の2巻らしく登場人物の立ち位置を汎用的にする感じで、いい具合にラブコメめいてきましたねぇ。女性恐怖症、男装と弱点が明確になっていて、キャラの動機付けも分かりやすいので、この調子で巻を重ねれば読みやすいラブコメシリーズになりそうですな。

 てなところで次は『かのこん14~どきどき☆らぶれっすん~』です。

ごくペン!2

 三原みつき・著、相音うしお・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月23日(火)読了。

 エリートコースを外れ、幼なじみの権田原凛子を追って訪れた毒マムシ学園にやってきた五十嵐真太郎。
 彼は、再会した凛子と共に学園の騒動をどうにか収め、今ではその学園をよくするための改革に乗り出していた。
 だが、そんな娘の活動を知るよしもない凛子の父が学園の調査に乗り出して......

 学園極道ラブコメというか、何でもありな感じになってきましたが、それでもブレないメッセージが伝わってくるいい御華詩でした。ここまで露骨にメッセージを込めた作品って最近は珍しいようにも思います。でも、共感を呼ぶメッセージだということでしょう。人に認められること、それがどれだけ嬉しいことなのか。今まで人に認められないでいた子供達がどうなるのか...... まぁ、基本はドタバタラブコメなんですがね。あと、新キャラは眼鏡を掛けているのかどうなのか今一微妙です。

 てなところで次は『まよチキ!2』です。

みにくいあひるの恋2~死にぞこないの人魚姫~

 日日日・著、みことあけみ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月21日(日)読了。

 あひるを巡る騒動も一段落した後。
 遊菊の一言で『公認カップル』として後押しされることとなったあひると陀衣。
 それは、あひるの『病』に取っては悲劇に向かうことでもあった。
 当然、その対抗策も遊菊は考慮していた。
 何でも、あひるの『病』の特効薬が存在すると言うことで......

 『恋の病』が死に至る病となった世界での切ない恋物語第二弾。
 サブタイトルの通り、今回のモチーフは若干ハイブリッドですが『人魚姫』です。こういうの、上手いですねぇ、日日日。
 本来のハッピーエンドが避け得ないデッドエンドとなる状況下での書く人物達の心情がよく描かれていて、やり切れない気持ちになりますが、そんな生々しさが魅力の作品ですな。今回のラストでまたまた状況は大きく動いてきたので、この悲劇的結末が約束された恋物語がどのようにハッピーエンドとなるのか、続きを楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『ごくペン2』です。

三流木萌花は名担当!2

 田口一・著、をん・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月6日(日)読了。

 弱小三流木出版社の起死回生の策として、ライトノベルを書くことになった時任孝一。
 担当編集であり、クラスメートでもある三流木出版の社長の娘、萌花の協力のもと、どうにか1冊の本を世に出すことに成功した。
 だが、それは始まりに過ぎない。
 ライトノベルは、シリーズ化してこそのモノである。
 早くも、萌花は2巻のプロットを孝一に求めるのだが......

 いや、なんかすごい心に響く御華詩でした。今回は、ライトノベルを書くという視点よりも、その本がどう世に出て行くのか、をデフォルメしつつ描く無いようだったのですが、本当、著者から読者までの間にどれだけの人間が関わっているのか、そして、読者に届くと言うことがどれだけ大きなことなのか、考えさせられる御華詩でした。これは、別にライトノベルに限らず、作家に限らず、何かしらを創る仕事をしている人間には共通するモノだと思います。また、商業に限らず、同人でも同じ。
 初心に帰るというか、色々と思い出させてくれる御華詩でした。完全に感想ばっかりで内容に触れていませんが、前巻では活躍できなかった風見鶏さんが活躍してたり、新キャラが中々いい役回りだったりという以上は、読んでのお楽しみということで。

 てなところで次は『みにくいあひるの恋2~死にぞこないの人魚姫~』です。

白銀の城姫《ベルクフリート》

 志瑞祐・著、上田夢人・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月16日(火)読了。

 偉大なる建築士、マイスター・ストランゼンのただ一人の徒弟、リンツ=レンハイトは逃げていた。
 いきなり、我が身を襲った悪夢のような事態。
 何とか追っ手をやり過ごすも、限界が訪れる。
 いよいよ、逃げられない。
 絶望がリンツの心を支配しかけたとき、彼の目の前には美しい城を思わせる少女が現れ......

 新シリーズ開幕。城に宿る精霊的存在としての〈城姫〉の概念は非常に面白いですねぇ。
 端的に言えば、城の擬人化。城の特性を特殊能力にしていたりして、その発想が面白いですねぇ。
 また、周辺の設定として建築に魔法的要素を加えた〈建奏術〉など、建物、とりわけ城砦をテーマとした世界観が新鮮でした。これは、先が楽しみなシリーズです。
 ......いや、正直、ドルイドさんももっと読みたかったんですがね(;^^)

 てなところで次は『三流木萌花は名担当!2』です。

D-breaker

 二階堂紘嗣・著、フルーツパンチ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月14日(日)読了。

 世界を《歪曲》の魔の手から人知れず守る『調律士』。
 そんな調律士見習いの優馬は初めての大きな任務で訪れた廃マンションの屋上で美しい少女と対面する。
 しかし、彼女は優馬の話を聞かず、一方的に銃口を突きつる。
 意味ありげな言葉と共に銃弾は放たれ、優馬は足場の崩落に巻き込まれて......

 世界の歪曲と調律の対立に基づいた設定の、オーソドックスな能力バトルモノ、といったところでしょうか。冒頭の意味ありげな言葉の押収やら、端々に言葉遊びや気取ったような比喩表現が入っていて、味を出している雰囲気は前作に通じる気がします。今回はまだまだ導入。役者が揃ってここから物語りは始まるようなので引き続き読んでいきたいと思います。

 てなところで次は『白銀の城姫《ベルクフリート》』です。

オウガにズームUP!4

 穂史賀雅也・著、シコルスキー・イラスト、MF文庫J。
 2月12日(金)読了。

 夏休み、ククルは家で水着になるなど妙な行動を取り始めた。
 ユージは不審に思って熱を測ってみるとやはり熱があるようだった。
 かつて姉にして貰ったように、甲斐甲斐しくククルの看病をするユージ。
 だが、その熱はただの熱ではなくククルに異変が起きて......

 最終巻。脇を固めるキャラクター的にはまだまだ膨らむ余地があっただけに勿体ない気もします。美味しいネタはまだまだあったと感じるんですが。そんな風に、色んな伏線を一気に回収して性急に閉じた感は否めません。とは言え、落ち着くところには落ち着いたのでこれはこれでよかったのかもしれません。前作の最後もかなり思い切ったことしてましたしねぇ。

 そんなところで次は『 D-breaker 』です。

緋弾のアリア5~序曲の終止線《プレリュード・フィーネ》~

 赤松中学・著、こぶいち・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月10日(金)読了。

 遂に現れた『イ・ウー』の首魁『教授《プロフェシオン》』。
 しかも、圧倒的な力の前に『教授《プロフェシオン》』にアリアは奪われてしまう。
 パートナーを奪われたキンジは、絶望的な差をモノともせず、アリアを奪い返そうと『教授《プロフェシオン》』に挑む。
 しかし、彼らはまだ知らなかったのだ。
 『イ・ウー』との戦いなど、これからの運命に取っての序曲に過ぎなかったということを......

 前回の引きから楽しみにしていた5巻でありますが、まさか、こんな風に進めるとは。そんな、期待を裏切りつつ盛り上げる御華詩でした。
 まぁ、今回はその後に日常編とも言える短編があったりして空気が一気に弛緩してしまった感もありますが、そっちの御華詩は相変わらず、分かり易いエンターテインメント作品でよいですな。
 もうこれで終わりかと思っていましたが、あくまでプロローグが終わっただけ。今回のラストのあれからどう話が膨らんでいくのか楽しみにしたいと思います。

 そんなところで次は『オウガにズームUP!4』です。

生徒会の七光~碧陽学園生徒会議事録7

 葵せきな・著、狗神煌・イラスト、富士見ファンタジア文庫。
 2月7日(日)読了。

 自らの野望を果たすため、日々邁進する杉崎鍵。
 だが、そんな彼に突然の変調が起こる。
 生徒会役員が見守る中、彼は突如、野望の放棄を宣言したのだ!
 果たして、彼の身に何が......

 うん、多分、これで間違っては居ない筈です。
 本編も遂に7冊目となり、提示されてきた伏線が色々と回収に入ってきて今までに根底の物語は動いていたように思います。あのキャラとかあのキャラが遂に出てきたり。基本は生徒会室での益体の無い漫才でありながら、裏では鍵の物語が展開しているのがこの作品の魅力でしょうねぇ。中身が無いように見えるのはフェイクで、結構重めのテーマが秘められているように感じます。そのテーマがどう描かれるのか? 続きにも期待したいと思います。

 てなところで次は『緋弾のアリア5~序曲の終止線《プレリュード・フィーネ》~』です。

ささみさん@がんばらない

 日日日・著、左・イラスト、ガガガ文庫。
 2月7日(日)未明、読了。

 月読鎖々美はがんばらない。
 ただ、部屋に引き籠もり、兄が繰り広げる邪神《やがみ》三姉妹とのラブコメを見守る日々を送っていた。
 だが、改変される世界は段々と彼女を巻き込む方向に動き出す。
 気がついたときには鎖々美も他人事では無くなって......

 ネットゲームのメタファやら、神話の扱い方が面白い作品でありました。
 まぁ、日日日の実験的作品ですな。そう思って読んでたらあとがきで本当そのまんまのこと言ってますし(;^^)
 これまでも日日日は大量に書いているだけに作風を色々研究している節があって、ガガガ文庫を実験場とした作品がこのシリーズとなりそうな雰囲気ですな。意図してるかはしれませんが、ライトノベル的な要素と一般文芸的要素が鬩ぎ合うような空気感が漂っていたように思います。とはいえ、読み終わってみると、このタイトルが秀逸なので一本取られた気分となる、そんな作品でした。これをどう転がすのかは興味深いモノがありますので、続きが出れば読んでみたいと思います。

 てなところで次は『生徒会の七光』です。

月見月理解の探偵殺人

 明月千里・著、 mebae・イラスト、GA文庫。
 2月5日(金)未明読了。
 第1回GA文庫大賞奨励賞受賞作。

 都築初の復学したというクラスメートは車椅子の傍若無人な少女だった。
 彼女は探偵を名乗り、初に協力を求めると共にゲームを持ちかける。
 犯人を殺して自らが犯人に成り代わって生き残る、権謀術数を駆使したネットゲーム『探偵殺人ゲーム』。
 それをリアルに行う趣向だった。
 初は、その条件を呑まざるを得ない状況に置かれるのだが......

 ふむ、非常に評価が難しい作品でありますな。独自性というか、インパクトの強い作品ではありました。
 ただ、探偵とタイトルに入っていますが、これはフェイクでどっちかというと某狼探しゲームのノリにもう少し広い日常に潜む虚実を絡めた、そんな御華詩ですな。正直、ミステリとして読んでしまうとアンフェアにも程がある酷い内容ですが、ライトノベル的にはこういうゲーム仕立てにしてしまう方がいいんでしょうねぇ。でも、それでいてキャラにここまで感情移入できないライトノベルも珍しいですな。この辺りは個人差でしょうが、ミステリを期待して読んでしまったのが失敗だったんでしょうが全部装置にしか見えずに辿り着く結末も予想の範囲で意外性も無く。
 ですが、登場人物の心情の描き方というか、歪みを生むプロセスとその後の辿る道といったモノはよく描かれていたと思います。まぁ、それが生々しいから余計に感情移入しがたかったのかもしれませんが(;^^) なので、評価が難しい作品でした。面白いとも面白く無いとも言えません。ただ、興味深い作品ではありました、とだけ。この作者が今度何を書くかは気になりますね。

 てなところで次は『ささみさん@がんばらない』です。

純愛を探せ!3

 速水秋水・著、玲衣・イラスト、 GA 文庫。
 2月2日(火)読了。

 夏休みも終わりが近づいたある日のこと。
 純愛を手に入れ人間界に暮らす虚言と姦淫を司る魔神カルマの元に、一人の少女が現れる。
 そして、カルマの最愛の女性、カナデの面前で、とんでもない爆弾を投下する。
 「会いたかったですの、お父様!」
 まさかの隠し子の登場にカルマは......

 虚言と姦淫を司りながら純愛を求めたカルマを軸としたラブコメ(?)第三弾。
 隠し子を名乗る少女の登場でカルマの周囲の女性陣が引っかき回されてとかそんな御華詩。
 魔神を主人公に据えながら、だからこそ逆説的に愛情だの何だのが浮き彫りのされるのは相変わらず面白い構図ですねぇ。
 今回は『隠し子』という主題で『家族愛』ですな。ただ、歪んではいますが、これはこれで作品の根底にある設定が活きていたとも言えますね。
 ......って、改めて考えるとこのタイトルって既に形骸化してるんですよね(;^^) だからかは知りませんが次でラストらしいんで最後まで読みたいと思います。

 てなところで次は『月見月理解の探偵殺人』です。

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ disc4

 田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
 1月31日(日)読了。

 ギャルゲー『エターナル・イノセンス』の世界を現実に投影し、その主人公の立場を手に入れた都築武紀。
 様々な事件を乗り越え、彼は、既に現実の存在となったヒロイン達の幸せを願って自分に出来ることを考え始めていた。
 辛いこともヒロイン達のためと思えば満たされる日々を送っていたのも束の間、ある日目覚めると、世界が変わっていた。
 そのとき、ヒロイン達の隣には......

 ギャルゲーの世界を現実に投影すると、何が起こるのか? そんな if を一つ一つ積み上げていくシリーズ第4弾。

 これまでで積み上げられたメタな存在が更に踏み込んできて、武紀が迎える危機。この構図は来るべきときが来た、という風情ですな。前巻で、虚構と現実の対立構成はメタな存在から『仕組まれた現実』としての構図に落とし込まれていましたが、その先に至る前哨戦のような意味合いですかねぇ。確かに、自分自身を主人公の立場に投影した以上、乗り越えなければいけない問題でしたしね。

 あと、毎度のことですが、この作品を読んでいると色々と既存のゲームのことを思い出します。というか『 Kanon 』ですが。主人公と結ばれなかったヒロインの運命ってどうなるんだろうなぁ、とか、そんな思考実験。で、その運命を《遡って》救おうとするのが、この物語の武紀の行動原理ってことでしょうか? 用語的にはハーレムエンドになるんでしょう。が、そんな生やさしいモノでもなくて。『卒業~Graduation~』だと『人間失格』と言われてしまう、そんなルートを自分の手に入れた現実の中で虚構に縛られながらもどうにか切り開こうとする御華詩。今回でそんな方向にまとまった気もしますね。

 また、作中現実が虚構とマージされたことで、高橋さんが巻を重ねる事に活発に動き出したのも良いですねぇ。魔術サイドになると出てこれないとある科学の人みたいなことはもう無いでしょう。『現実のヒロイン』という、当たり前の存在なのにこの作品内では特異点とも言える彼女がどう絡んでくるかも興味深いところです。

 何はともあれ、4巻発売おめでとうございます。そして1周年ですね。

 てなところで次は『純愛をさがせ!3』ですな。

オルキヌス3 稲朽深弦の調停生活

 鳥羽徹・著、戸部淑・イラスト、 GA 文庫。
 1月29日(金)読了。

 幻獣達が住まう島、オルキヌス。
 様々な種族達の間で起こる問題を調停するのが調停員の仕事だった。
 新人調停員の稲朽深弦はいくつかの問題を解決していたが、とある事情でもっと功績を残す必要があった。
 だが、近隣の問題はあらかた片付いてしまっている。
 そんな折り、山向こうにオルキヌスが珍しく街を創っているという情報を得る。
 オルキヌスが集まれば何かしら厄介事も起こっているだろう。
 そうして、同期のセシルと共に仕事を求めてオルキヌスの街を目指す深弦だったが......

 幻想世界の住人達が好き勝手に暮らす島での御華詩。
 暴力に頼らない、問題解決を主眼に置いているのでほのぼの平和な雰囲気がやっぱり楽しいですねぇ。
 今回は、調停員としての深弦の在り方を問いながら、オルキヌスの街を取り巻く情勢を上手く絡めていい展開でした。前回同様、小ネタを上手いこと伏線として使って綺麗に収束するのは読んでいて気持ちいいですな。次も楽しみです。

 てなところで、次は本日発売の『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disk4 』です。

ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚 魔法の材料ございます2

 葵東・著、蔓木鋼音・イラスト、 GA 文庫。
 1月27日(水)未明読了。

 英雄の血を引く魔法材店三代目、シャルトの住む街に疫病患者が出た。
 それは、かつてこの国で多くの死者を出した病であったが彼はその病を治す術を持っていた。
 そのためには、魔法薬の材料としてユニコーンの角が必要だった。
 早速ユニコーンの角を手配したのだが、それが思わぬ事態を招いて......

 ふむふむ、2作目にして大分安定した印象ですねぇ。
 疫病を巡る様々な思惑と、時を同じくして起こる王族のいざこざ。その辺りが上手いこと絡み合っていたように思います。
 ただまぁ、筋書きとか要所要所の行動は面白いんですが、どうしても主人公のキャラが今一はっきりしないところがあったりしたのがちょっと残念でした。とはいえ、話の構成要素は面白いのでまた続きも読んでいきたいと思います。

 てなところで次は『オルキヌス3 稲朽深弦の調停生活』です。

無限のリンケージ2~ディナイス・ザ・ウィザード~

 遂に一部昇格を果たしたラーベルト。
 だが、トップリーグは甘く無い。
 せめて今期の降格を回避するために手堅く引き分けを狙いの戦略を続けるも負け続き。
 不甲斐ない結果に自らを責めるラーベルトだった。
 更に、次の対戦相手はトップリーグでも最高峰と言える万能選手にして魔術師の異名を持つディナイト。
 そんな折り、新しい風を吹き入れるために一人の少女がチームに招かれて......

 特殊な力場を発生するリングを三つまで用いてその能力を駆使して戦う BTR - Battle of Triple Ring - 。
 その BTR において愚直に騎士を貫くラーベルトの物語。今回は非常に清々しい御華詩でした。
 前回で彼の背負っているものがしっかりと描き出されましたが、それと負け続きの自身との葛藤と成長の御華詩ですかねぇ。
 能力バトルチックながら柔軟なルール設定があるのでやっぱりスポーツとして、上手く話を持って行ったなぁ、と感じます。このノリならまだまだ続いていきそうな雰囲気です。 BTR を通してラーベルトの悲願の行く末がどうなるか、楽しみなところですねぇ。

 てなところ次は『ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚 魔法の材料ございます2』です。

狂乱家族日記 拾弐さつめ

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 1月24日(日)読了。

 『世界会議』の後、人間と人外の垣根が取り払われ世界に平和が訪れていた。
 狂乱家族も、凶華が職探しをしたり、月香が単身バカンスに出かけていたり、それぞれの生活を満喫していた。
 しかし、完全な平和など歪んだもの。
 それは『悪』を切り捨てるということ。
 だから、悪党、黄桜乱命が立ち上がる。
 舞台は正夢町。
 そうなれば、彼女と因縁のある銀夏も動くことになり......

 『裏社会編』開幕! そしてこれは遂に語られる銀夏の物語でもあります。
 これまで家族のことを常に思いつつも、どこか距離をとっていた存在の彼ですが、今回は彼の因縁が根底にあります。
 今まで仄めかされつつも、明示されなかった謎が明かされつつ、やるせない恋の物語は日日日にしては珍しいオーソドックスな内容ですが、この狂乱の中にあるからこそそれが光るというか、後半は引き込まれるモノがありました。

 また、何気にお父さん大活躍ですな。凶華ともすっかり夫婦漫才が板についた感じですね。そして、優歌...... 巻を重ねる事に黒い時間がさっぱり延びてますが、これはこれで成長なんでしょう...... 微妙ですが(;^^)

 今回は前編のようで話は次に持ち越し。素直に待ち遠しいですな。

 てなところで次は『無限のリンケージ2 -ディナイス・ザ・ウィザード-』です。

末代まで! LAP1.うらめしやガールズ

 猫砂一平・著/イラスト、角川スニーカー文庫。
 1月19日(火)読了。
 第12回学園小説大賞《大賞》受賞作。

 三号は、新入生のための部活勧誘会で偶然にも心霊研究会の勧誘に引っかかってしまった。
 偶然にも、幽霊が見えたからだ。
 潜在的な霊能力を見込まれて『心霊研究院三号童子』という名前を与えられた彼は心霊研に入部することに。
 心霊研が何をするところかさっぱり分からない三号だが、なにやら幽霊と協力してレースに参加するようで......

 いやはや、中々設定の面白い御華詩でしたねぇ。この『老婆走《ババアレース》』にまつわる設定の数々は色んなモノをごちゃ混ぜにしながら上手いこと噛み合ってて、今後も色々と発展性がありそうですな。全体的にそつなくまとまっていて、気軽に読んで楽しめる、そんな作品でした。リサのキャラは色々無茶してますが、これはこれで魅力的なヒロインと言えましょう。まぁ、本当のヒロインは正直読経あるなぁってキャラですが(;^^) まぁ、いきなり巻数が付いてるんでまた続きも読んでいきたいと思います。

 てなところで次は『狂乱家族日記 拾弐さつめ』です。

わるぷるキス!2

 内山靖二郎・著、ニリツ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月16日(土)読了。

 ワルプルギスの夜を無事に阻止した優人は、夏花の監視任務で魔法特区セイラムに残ることになった。
 しかも、滞在先は夏花の済む女子寮。
 ただでさえ、その本来の職務から負い目のある彼が、女の園に入って心安らかに過ごせるかというと......

 なるほど、タイトルはそういう意味でしたか。
 ということで今回はハンナシナリオ(?) って表現が何かに毒されていますね。でも、そんな感じ。
 テーマが明確になるのは良いですな、うん。基本的に手堅い造りの作品で、今後の方向性もはっきりしましたし、続きを素直に楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『末代まで!』です。

二人で始める世界征服5

 おかざき登・著、高階@聖人・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月15日(金)読了。

 夏休みが終わり、文化祭が近づいてきた。
 その料理の腕でクラスで存在感を増す竜太。
 一方で、夏休みの旅行以来、積極的に竜太に迫る八都子の様子にやきもきする千紗とありす。
 そんな日々に終止符を打つべく、千紗とありすは一つの決意をする......

 暖かな悪の秘密結社による平和な世界征服の物語、遂に完結!
 ラブコメ展開をしつつ熱い展開もありつつ、非常に心地よいラストを迎えました。
 本当、こういう御華詩は読んでいてホッとしますねぇ。そして、高槻さんは何気に素晴らしい委員長でしたな。このキャラ付けは非常に興味深いですな。いや、そりゃ、千紗もありすも八都子もそれぞれに魅力的な広いんでしたがね。
 このほんわかした空気は大好きだったので、この作者の次回作にも期待なのです。

 てなところで次は『わるぷるキス!2』です。

竜王女は天に舞う

 北元あきの・著、近衛乙嗣・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月15日(金)未明読了。
 第五回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞佳作受賞作。

 空と雲海に囲まれた蒼天世界。
 幼なじみのロッテが駆るワイバーンに乗り、飛行客船<竜王女>号に途中乗船したシグ。
 二人の通う魔術士養成学校<竜の箱庭>の担当教官ザウエルからの召喚だった。
 何でも、奪われた「あるもの」を取り戻すために人員が必要になったと言う。
 そうして、任務にあたるシグだったのだが......

 ふむ、非常にオーソドックスなファンタジーですねぇ。パターン通りというか何というか。ちょっと正直、食傷気味な部分もあったりしましたが(;^^) ただ、世界観についてあえて細かく設定を書かずに、銃と魔法が混在する空気感を出してるのはよい感じですな。まぁ、一冊を費やしてシリーズとしての動機付けとか今後の展開させやすい構図を作り上げたような印象があるので、次にどうなるかですな。

 てなところで次は『二人で始める世界征服5』です。

まよチキ!

 あさのハジメ・著、菊池政治・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月12日(火)読了。
 第五回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞最優秀賞受賞作。

 狼嵐学園には理事長の娘、涼月奏とその執事、近衛スバルが通っている。
 双方共に美しい容姿を持ち、奏は男子の、スバルは女子の憧れの的だった。
 一方、二人のクラスメートである坂町近次郎は、家庭の事情で若干特異な性質を持つモノのおおむね平凡な男子高校生。
 当然、そんなハイスオペックなお嬢様や執事と接点があるはずもない。
 だがある日、近次郎はスバルの秘密を偶然知ってしまう。
 そう、全校女生徒の憧れの的の美少年スバルは実は男装した女の子で......

 いやはや、バレてはいけない男装の美少女、二面性のあるお嬢様、特異体質の男子高校生、勘違いしまくりの妹、一つ一つのパーツは全く真新しいモノでもないのに、組み合わせが非常に上手く嵌っていて最後まで飽きずに読むことが出来ました。その辺りが最優秀賞受賞の理由ですかねぇ。キャラクターの背景がしっかりしていてそれらを無理なく展開するプロットで、安心して読んでいられる作品でした。本当、ライトノベルとして王道とも言えるラブコメですな。これは、今後どういう風に話を転がしていくのか、楽しみです。

 てなところで次は『竜王女は天に舞う』です。

鳳凰堂みりあは働かない!2

 石川ユウヤ・著、シロガネヒナ・イラスト、 MF 文庫 J。
 1月10日(日)読了。

 画商のお嬢様、鳳凰堂みりあはニートになりたい。
 そんな彼女にハローワークに任命された勤労少年の貧乏人、火車ヒイロ。
 命を狙う暗殺者や詐欺事件の犯人として追いかける刑事などと一悶着がありながらも、二人の微妙な関係は続いていた。
 そうして、ある日、みりあは思いつきでクラスのバレーボールを一大賭博として大儲けを画策するのだが......

 むむむ...... 設定は面白いのですがちょっと散らばり過ぎというか微妙な雰囲気ですねぇ。
 お金に執着するヒイロの行動が期せずしてヒロインのフラグを立ててしまうというのが基本的な構図なのですがちょっとばかりお金礼賛が緩んでしまっているというかラブコメ展開とのバランスが微妙というか...... まぁ、前作の癖をとって万人受けを狙いつつも個性を出そうとあれこれしているのが窺い知れる芸風ではありますな。とりあえず、ヒロインが追加されてまだ続きそうなんで続きは読んでみたいと思います。

 てなところで次は『まよチキ!』です。

えむえむっ!8.5

 松野秋鳴・著、 QP:flapper ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月8日(金)読了。

 美少年、だけどロリコン。
 残念な高校生、日村雪之丞は見た目は幼女な天才少女、柊ノアが部長を務める発明部員。理由は言わずもがな。
 彼は、ある日ノアの発明品が原因で眠り続けることとなる。
 その発明品はRPGの世界をバーチャルに体験するというモノ。
 日村の目を覚まさせるために、ノアは色々とあって頼りにしている砂戸太郎に助けを求める。
 太郎につられての行きがかり上、第二ボランティア部の面々や辰吉や由美まで巻き込んでノアの発明品によるRPGの世界に飛び込むことになったのだが......

 『変態大決戦! ドM対ロリ』
 って端的にこれでも間違っていないところが素敵御華詩ですな。何というか、太郎のドMキャラが綺麗にまとまってるんで安心して変態の活躍を楽しむことが出来ていいですねぇ。何せ、彼の一人称ですから女性からひどい目に遭わされる度にはぁはぁする姿は読んでいて微笑ましいです。これだけ巻数重ねて読んでくるとそのぐらい達観してしまいます(;^^) まぁ、今回は番外と言うことで太郎と嵐子の物語は進展していませんがそちらは次を楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『鳳凰堂みりあは働かない!2』です。

ラグナ・クラウン

 三門鉄狼・著、白田太・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月8日(金)読了。
 第五回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞佳作受賞作。

 『薔薇の悪魔』と呼ばれる存在に人類が地上を追われ100年近く。
 人類は未だ地上を諦めず虎視眈々と力を蓄えていた。
 そんな中、薔薇術と呼ばれる特殊能力に目をつけたセヴィリア王女は、独自に薔薇の悪魔の対策を研究し私兵を集めていた。
 そうして、彼女は一人の少年と出会う。
 「姫様の騎士となる男だ」
 そう豪語する少年は確かに類い希な薔薇術の使い手だった。
 しかし、その素行には大きな問題があって......

 ぶっちゃけ、色々と要素を付け足してはいますがファンタジーの王道ですな。
 主人公が「強い、けど、台無しなぐらいエロい」という残念な設定とか、若干苦しい気もしますが二転三転する設定など、エンターテインメントとして非常にそつなく組み上げられた作品という印象です。正直、ちょっと話が急すぎて感情移入しづらいところも無きにしもあらずですが、まだまだこういった作品の需要もあるということですねぇ。どうも、二賞同時受賞してるようなので機会があればメガミ文庫の方も読んでみたいと思います。

 てなところで次は『えむえむっ!8.5』です。

荒瀬はるか、容赦なし!2

 熊谷雅人・著、魚・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月6日(水)読了。

 化学・物理部、通称『化物《ばけもの》部』部長荒瀬はるかは、ある日こう言った。
 「すごくお金が欲しいです」
 何でも、部活動を続けるための資金が苦しいらしい。
 どういう使い方をしているのか、銀行へ100万円返済する必要があるという。
 そこで、優勝賞金100万円の『渚の女王コンテスト』へ元アイドル候補生だった幽実香を送り込むことを決める。
 しかし、とある事情でコンテストの審査に含まれる遠泳に幽実香が参加困難であることが判明するも、はるかは作戦を強行して......

 手段のためには目的を選ばない、荒瀬はるかに振り回される、退魔師の名門山伏家の落ちこぼれ、竜弥の成長譚...... でしょうか? その視点で見ると良い具合に話は展開しているのですが、はるかの行動に理由があると匂わせているとはいえ、タイトルに嘘偽りなしの行動はちょっとばかり引いてしまうのも事実。まぁ、そういうキャラとして描かれてはいるのですが。そんなはるかが竜弥との関係でどう変わるかも、一つの見所なのかもしれませんな。

 てなところで次は『ラグナ・クラウン』です。

烈風《かぜ》の騎士姫

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月4日(月)読了。

 風の才能に恵まれた少女、カリーヌは幼い日に命を救ってくれた騎士に憧れる。
 いつか自分も立派な騎士になると志し、腕を磨いていた。
 だが正規の騎士団には女は入れない。
 だから彼女はカリンと名乗り、男装して王都を目指す。
 目的は、陛下をお守りする魔法衛士隊への仕官。
 ところが、憧れの魔法衛士隊はなにやら様子がおかしくて......

 『ゼロの使い魔』と世界観を同じくする別の物語。男装少女の成長譚、といったところですな。
 主人公のカリン(カリーヌ)のキャラ付けがこういった物語の主人公向けで安心して読めましたねぇ。サンドリオンやバッカス、ナルシスなどのその周囲の男性キャラもよい感じです。まだまだ導入ですが結構悲惨な過去があったり今後の展開が楽しみです。

 てなところで次は『荒瀬はるか、容赦なし!2』です。

ゴミ箱から失礼いたします

 岩波零・著、異識・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月2日(土)読了。
 第五回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞優秀賞受賞作。

 始業式の放課後、小山萌太はふと思った。
 教室のゴミ箱に入りたいと。
 それは得も言われぬ衝動で、気がつけばゴミ箱にすっぽりと収まってしまっていた。
 すぐに我に返るも後の祭り、ゴミ箱から逃れることは出来なくなっていたのだ。
 そんな萌太の前に、新しいクラスメートの水無氷柱が現れる。
 そして、萌太に非情な言葉を告げる。
 「あんた、妖怪ゴミ箱男らしいわ」
 こうして、妖怪を探知する能力を持つという氷柱と共に、困った妖怪達の手助けをする日々が始まって......

 ああ、これはよく出来た御華詩ですねぇ。突拍子もない設定と、キャラクターの漫才、そして、その設定を活かしたラブコメ展開。綺麗にまとまっていて最後まで楽しく読むことが出来ました。特に、氷柱のキャラクター設定はよく出来ていると思います。基本部分だけ見ると戦場ヶ原ひたぎっぽい成分が強いですが、それだけではなく、魅力的なヒロインとして描かれていたように思います。ヒロインが一人に絞られている分、分かり易いと言えますね。
 ......まぁ、そのために噛ませ犬的な役割の眼鏡っ娘委員長の彩音がちょっとかわいそうですが仕方ないですな。

 てなところで、次は『烈風の騎士姫』です。

プシュケープリンセス

 刈野ミカタ・著、萩原音泉・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月1日(金)読了。
 第五回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞佳作受賞作。

 柊火ノ見は妹とチェスをしていた。
 文字通りの『天才』である妹には六十四連敗中。
 彼は、そんな妹が大好きで大切にしていた。
 しかし、チェスの後、中座したとき。
 彼以外の全ての人間が妹の存在を忘れてしまっていた......

 異世界の代理戦争、能力バトルと非常にオーソドックスな御華詩でした。
 本当に基本的な部分には全然真新しいモノはないのですが、妹の消失を軸にした主人公の人格形成やら幼馴染みとの確執といった部分がアクセントになっている、そんな感じですねぇ。キャラクターが描けている部分が受賞に繋がったということですかね。

 てなところで次は『ゴミ箱から失礼いたします』です。

ごくペン!

 三原みつき・著、相音うしお・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月29日(火)読了。
 第五回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞審査員特別賞受賞作。

 公立毒マムシ学園。
 社会からドロップアウトギリギリの学生が集うその学園に、転校してきた五十嵐真太郎。
 偏差値70オーバーでエリートコースまっしぐらの彼がそんな最悪の高校に転校したことには当然理由があった。
 『一緒に東大に合格しようね』
 そんな某漫画の影響受けまくりの約束を交わした幼馴染みの少女、権田原凛子がその学園に居ると噂に聞いたからだ。
 しかし、想い人と再会を夢見て全てを捨てた彼を待ち受けていた現実は厳しいものだった。
 「おひけえ願います!」
 再会した彼女は、ヤンキーだらけのその学園で、私設の極道の女親分になっていて......

 これはいいエンターテインメントでした。最初から最後まで分かり易いテーマで突っ走っていて、色んな要素を詰め込んでる割にはぶれずにそのメッセージはしっかりと伝わってくる、そんな御華詩でした。そもそも、この作品の主人公である五十嵐真太郎がそんな小説を書く必要に迫られる御華詩でもある訳で変則的にメタな要素と言えなくもないですが、そんな小難しいことを考えなくても、人を見下さずに対等に語ること、力を合わせること、弱さに諦めてしまわないこと、泥臭いベタなテーマが心に響きました。これだけばかばかしい内容でこれだけ力強くメッセージが伝わってくるのは本当に素敵な物語であります。その勢いがあとがきまで続いていて格好いいです。是非もなく、この作者の次回作は読みたいと想います。

 てなところで次は『プシュケープリンセス』です。

オトコを見せてよ倉田くん!

 斉藤真也・著、フミオ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月28日(月)読了。
 第五回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞佳作受賞作。

 年上女性が好みといって憚らない高校生、倉田優樹。
 彼には幼馴染みの猫柳愛衣とその親友、戌威小夜という仲の良い中学生が居た。
 二人とも美少女と言って差し支えないのだが、年上好きの彼にとっては完全に対象外。
 しかし、とある切っ掛けで二人に二股を掛ける羽目に陥って......

 ふむふむ、中々に計算された御華詩ですねぇ。ツンデレとヤンデレに二股というのがテーマのようですが、そこに持って行く流れやらその後の展開が若干あざとさを感じつつも上手いことまとまっていたように思います。ベタな展開も組み合わせれば新鮮になるというか、そんな感じでしょうか? やりたいことがはっきりしていてそれがしっかり伝わってくる、そんな御華詩でした。続きそうなんで当面は追いかけてみたいと思います。

 てなところで、次は『ごくペン!』です。

天川天音の否定公式2

 葉村哲・著、ほんたにかなえ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月27日(日)読了。

 学園に現れた新たな『虚構式』に対するための協力者、浅闇シロコ。
 見るからに猫を思わせるその少女は、天音と行動を共にする雪道に一目惚れしたと言い始める。
 終いには、雪道の部屋の前に引っ越してくる積極的なアタックに天音も瑛子も辟易とさせられる。
 そんなシロコには実は秘密があって......

 ふむ、キャラ設定などはありがちと言えばありがちな御華詩なんですが、詩的な演出などで特有の雰囲気がありますねぇ。こういうのは好きです。ちょっとシロコの設定があからさまながら消化不良な気がしないでもないですが(;^^)
 あと、瑛子ってこんなキャラ...... だったとは思いますが方向性が違ってきたような。まぁ、ヒロイン3人体制になってこれからどこへ向かうのか、続きも読んでいきたいと思います。

 てなところで次は『オトコを見せてて倉田くん!』です。

かぐや魔王式!第5式

 月見草平・著、水沢深森・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月22日(火)読了。

 今日も輝夜は新世界構築に勤しんでいた。
 何でも、健全なる世界構築は、健全なる身体によってのみ達成できると言う。
 そうして、新世界構築会議の面々は何故か体操着で縄跳びをすることになる。
 コードネーム・ハラグロ、錦織はそんな中、一人のメンバーの特定の部位を哀れみを込めてついつい見てしまう。
 それが、切っ掛けだった。
 彼女、六道かなめは宣言した。
 「六道、牛になります!」

 今回は各ヒロインにスポットを当てた短編集という形でした。先のかなめの御華詩やら、結構頑張った米倉さんやら、これまで出番が少なかった妹の梢や、そして、相変わらずのようでどこか変わった輝夜やら。中々に楽しい御華詩でした。まだ続くようなのでどう進めて行くのか続きが楽しみですねぇ。

 てなところで次は『天川天音の否定公式2』です。

蒼月のイリス3

 星家なこ・著、平つくね・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月19日(土)読了。

 『一色』を巡る闘いも、いよいよ終盤を迎えていた。
 慎太郎の最後の相手は、彼の幼馴染みである榊十夜だった。
 様々なモノ全てを背負って『一色』を目指す慎太郎と、愛する女性、慎太郎の姉の静香のために戦う十夜。
 お互いをよく知るもの同士の最後の闘いの時は、刻一刻と迫って......

 『一色』を巡る闘いも遂に終結。最後の闘いの動機付けは中々いいですねぇ。十夜の戦う理由が非常に興味深いモノでした。
 また、慎太郎周辺が素直でない不器用な人間が多いのに対して、対照的に十夜はただ静香を愛するという信念の元行動する、そんな対比もよいですな。こうして決着が付いてしまったところでシリーズ完結のように思いますが、どうなるか、また新刊をチェックしていきたいと思います。

 てなところで次は『かぐや魔王式!第5式』です。

狼と香辛料ⅩⅢ~ Side Colors Ⅲ~

 支倉凍砂・著、文倉十・イラスト、電撃文庫。
 12月16日(水)読了。

 桃のはちみつ漬け。
 これまでも幾度か望んだモノの巡り合わせ悪く手に入れることの無かった逸品。
 ロレンス達が立ち寄った街で偶然に耳に入った噂。
 とある商館の主が桃のはちみつ漬けを高級なパンに載せようとしているらしい。
 それはつまり、桃のはちみつ漬けがこの街にはあるということに他ならない。
 今度こそ、ホロに買ってやろうとロレンスは店に向かうのだが......

 今回は旅先でのちょっとしたロレンスとホロの遣り取りを描いた短編三編と、リュビンハイゲンの一件でロレンス達と深く関わった羊飼いノーラのその後を描く中編という構成でした。

 ロレンスとホロの会話は相変わらずウィットに富んでいて読んでいて心地よいのですが、今回はホロ視点の短編が一つあり、それがまた楽しいですねぇ。普段、どういう気持ちでロレンスをからかっているのか? なんだかんだでロレンスを想っているのが伝わってくるのがよいですな。

 そして、今回のメインとも言える羊飼いを廃業して服の仕立て職人を目指すノーラの後日譚は、語り部からして驚かされました。また、この語り部が面白い。上手いことやったなぁ、と思います。話の方も、夢は簡単にはいかないながらも、ノーラらしい展開で微笑ましいですな。また、どこかで本編と絡んでくるとそれも一興です。

 てなところで次は『蒼月のイリス3』です。

とある魔術の禁書目録19

 学園都市の暗部で蠢く『グループ』に招集が掛かった。
 テロリストを壊滅させるという彼らにとっては簡単な任務だ。
 実際、事もなく片付けることが出来たがそれは『グループ』のメンバーにとっては複雑な結果だった。
 彼らが壊滅させたテロリストの要求は『ドラゴン』。
 それは、彼らの追い求めるモノでもあり......

 てな訳で、今回は裏主人公である一方通行《アクセラレーター》を始めとする学園都市暗部サイドの御華詩です。
 自らを悪党と定義しながらも、根本的な部分ではただただ一人の少女を守りたいだけの一方通行《アクセラレーター》の姿はやっぱりカッコイイですな。そして、更には本当に這い上がった第三の主人公の活躍もあったり。今回は学園都市の暗部の謎に迫りつつ、一方では二人のヒーローが道を見いだす物語でもありました。そして、その道は更に......
 ネタバレ控えると書けることが少ないのですが、今回は本当に次巻が楽しみで仕方の無い引きでした。何時になるか解りませんが出たら速攻で読みたいと思います。

 てなところで次は『狼と香辛料ⅩⅢ~ Side Colors Ⅲ~ 』です。

生徒会の月末~碧陽学園生徒会黙示録

 葵せきな・著、狗神煌・イラスト、富士見ファンタジア文庫。
 12月13日(月)読了。

 鍵と深夏のクラスメートの巡はトップアイドル。
 そんな彼女の密着取材が碧陽学園にやってきた。
 アイドルの彼女が人気者なのは当然のこと。
 弟を大切にして、クラスでも人気者でみんな彼女が大好きなのだ。
 彼女の日頃の行いが、それを可能とする。
 仕事も勉強も頑張る彼女は、名実共にトップアイドルなのだった......


 生徒会メンバーが生徒会室を飛び出して(大袈裟)展開される日常の物語。うん、クラスメート側の御華詩もよいですねぇ。巡&守姉弟が楽しいです。あと、中目黒君はどんどん真冬の妄想が具現化されているような(;^^) 真冬は真冬で巻を重ねる事に駄目になっていきますが、まぁ、ちょっとは成長したようで。深夏はどうにも空回りして不器用というか。鍵はまぁ、いつも通り。こうやって、鍵のクラス中心にキャラが掘り下げられるのは読んでて楽しいですな。まぁ、基本的に余り頭を使わずに読めるので有り難いです。

 てなところで次は『とある魔術の禁書目録19』です。

桜木メルトの恋禁術

  • Posted by: ktr
  • 2009年12月 8日 19:39
  • 2009 | 小説

 森田季節・著、 nino ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月8日(火)読了。

 小学生の頃から一人の少女を思いつづけた金沢大和。
 転校という形でその想い人、二宮七緒と運命的な再会を果たした彼は、直ぐに行動に移る。
 校舎裏に呼び出し、正に彼女に想いを伝えようとした時。
 「す......」
 あと一息でその言葉は発せられるはずが彼の口から出た言葉は、
 「酢味噌」
 どうしてもその言葉が発音できない彼の前に現れたのは恋禁術師を名乗る桜木メルトという美少女だった。
 大和が告白できないのは、彼女が恋禁術を掛けたからだと言う。
 しかも、それに飽きたらず彼には恋禁術師の才能があると強引に助手に任命してしまい......

 語感がいいですねぇ、恋禁術。
 恋愛を悪として、いちゃつくカップルには恋禁術で痛い目を見せる、そんな御華詩。
 ストレートに『恋愛』という概念がテーマとなっている作品ですな。
 全体的に細々としたところで「あれ?」と思わされたモノの、メルトと大和の関係の在り方とかはヒロインに振り回されている内に...... というベタな展開ながらよいですねぇ。
 シリーズ化するかは解りませんが、これからどうなるかは気になるので続きが出れば読みたいと思います。

 てなところで次は『生徒会の月末~碧陽学園生徒会黙示録2~』です。

三流木萌花は名担当!

 田口一・著、をん・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月6日(日)読了。

 一冊の小説を世に出した高校生、時任孝一。
 そんな彼を入学式の直後『時任零路』とペンネームで呼ぶ者が居た。
 その名前は三流木萌花《みつるぎもえか》、誰有ろう、孝一の本を出版した三流木出版の社長の娘だ。
 彼女は、売れ筋で中身のない本ばかりを出す父の方針に反発し、その為に孝一の担当編集となり彼にあるジャンルの本を書かせるべく奮闘を開始する。故に、彼女は命じる。
 「担当命令よ! 『萌え』で『エッチ』な『ラブコメ』を書きなさい!」
 だが、ライトノベルどころかマンガやアニメにさえほとんど触れたことの無い孝一が『萌え』など理解できる筈もなく......
 果たして彼にそのようなものが書けるのか?
 それは、編集者、三流木萌花の力に掛かっている!

 って、大体こんな感じの御華詩で間違っていない筈。文学作品とかにしか触れておらず、基本的にエンターテインメント作品にはスターウォーズの第一作ぐらいしか触れたことのない少年にライトノベルを書かせようという流れ、ライトノベル製作の舞台裏を描いた作品でもありますな。その辺りを広義に捉えれば『バクマン。』とか『週刊少年リーダム』とかのラノベ版と考えられないこともない...... と思います。結構デフォルメされてるとは思いますが、ラノベとしての留意点とか言ったモノは感じられる作品でしたねぇ。
 続きも出るようなのでまた追いかけて行きたいと思います。

 てなところで次は『桜木メルトの恋禁術』です。

聖剣の刀鍛冶《ブラックスミス》7

 三浦勇雄・著、屡那・イラスト、MF文庫J。
 12月4日(金)未明読了。

 群集列国から這う這うの体で帰りきた独立交易都市。
 しかし、そこには悪夢のような光景が広がっていた。
 多数の悪魔に蹂躙される守るべき町の姿に絶望に駆られるセシリー。
 しかし、相棒のアリアの叱咤に目を覚まし、やはり、渦中へと飛び込んでいく......

 いやぁ、もう、熱い。心地よい熱さです。その熱さが伝染していっているというか、リサもゼノビアもレジナルドも熱い。
 新幹線で酒片手に読んでて酔いも吹き飛ぶ熱さでしたねぇ。こういうのはテンションがあがりまくります。なんというか、『宇宙英雄物語』の最初のイメージアルバムの解説の星海王ブラスではないですが『燃える!』としか言いようがありません。いいなぁ、こういうのは。その中で、セシリーとルークの絆も深まって、そこはほのぼのというか、そのバランスがよいですな。
 御華詩としては今回で一つの大きな区切りとなって次から新展開。楽しみにしたいと思います。

 てなところで、次は『三流木萌花は名担当!』です。

かのこん13~オトメとらいあんぐる~

 西野かつみ・著、弧印・イラスト、MF文庫J。
 12月3日(木)読了。

 ついにあかねをデートに誘うことに成功したたゆら。
 浮かれる彼になんだかんだと付き合ってくれるあかねに今日こそ思いを告げようと決意するも束の間、二人を大きなアクシデントが襲う。
 なんと、二人はデートに訪れた『大恐竜展』が現実に存在する世界、つまり恐竜が生きていた時代に飛ばされてしまい、サバイバル生活を強いられることに......

 ......たゆら、よかったなぁ(じみじみと)。
 何か、他に短編が幾つか入ってましたが今回のメインはたゆらとあかねの御華詩ですな。段々とあかねも打ち解けてって遂に...... って感じですが、オチが中々素敵でした。この作品は、バカップル達の間で純愛を貫くこの二人にこそあると思ってたので本当にこういうのが読めて本当に嬉しいです。

 てなところで、次は『聖剣の刀鍛冶《ブラックスミス》7』です。
 

這いよれ!ニャル子さん3

 逢空万太・著、狐印・イラスト、 GA 文庫。
 12月1日(火)読了。

 這い寄るニャルラトホテプを追ってクトゥガまでもやってきてしまい辟易する真尋。
 だが、持ち前の適応能力でどうにか休日を乗り切ろうかとしていた。
 だがそこに、新たな神話世界の住人がやってくる。
 不思議な装置を向けられそこから放たれた光を受けた真尋とニャルラトホテプは......
 え、僕があいつであいつが僕で!

 何か、もう3冊目が出てしまいました、邪神と少年が繰り広げるドタバタラブコメディ...... と見ようと思って頑張って見ればどうにかそう思えるかもしれないシリーズ! そんな風に読もうと信じて読めば社会風刺も効いてるよ!

 で、今回については、まぁ、帯の煽りにある最後の一文が全てを物語ってますね。煽り文句なんでここのネタバレ基準ではセーフということで(;^^) しかし、相変わらず出てくるネタが楽しいですねぇ。ナチュラルにほとんど解るのは喜んでいいのか若干考えてしまいますが。何だかんだで、すっかり慣れたというか楽しみな作品となってしまっています。
 今回は盛大に続きを期待させる引きだったので、続きも楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『かのこん13~おとめトライアングル~』です。また絵師繋がりですな。

死神のキョウ3

 魁・著、桐野霞・イラスト、一迅社文庫。
 11月29日(土)読了。

 恭也とキョウの乗る通学バスがバスジャックにあった。
 人質に取られたココロを救おうとした恭也の無茶でどうにかバスジャック犯を撃退するが、逃亡の際に対向車に跳ねられてしまう。
 そこに現れたのは二人もよく知る死神だったが、何故か肉体から切り離される筈のバスジャック犯の魂は残ってしまい......

 ほぼ1年ぶりの続刊ですな。前回の伏線から一気に話が広がった感じですな。
 何か、ココロが大変なことになっているというか、やるせない方向に進んでいるというか。
 恭也とキョウの関係を通じて描かれる、死神と人間のあり方の違い、その中でのキョウの葛藤。他の死神との確執。
 風呂敷が広がってきましたが、今後どうなるのか? まだしばらくは続きそうなので楽しみにしたいと思います。

 てなところで次はいつもニコニコあなたの隣に這い寄る混沌でおなじみの『這いよれ!ニャル子さん3』です。

ライトノベルの楽しい書き方4

 本田透・著、桐野霞・イラスト、 GA 文庫。
 11月22日(日)読了。

 突如現れた流鏑馬剣のフィアンセ。
 彼女の『暫定彼氏』である与八雲は生まれて初めての嫉妬に苛まれる。
 常に剣と自分が釣り合わないと悩んでいた八雲は不眠症になり、剣に問いただす勇気も無く時はいたずらに過ぎていく。
 そして、迎えた学園祭で......


 ラブコメですねぇ。うん。
 ラブコメを書くためにラブコメを取材として実演するために暫定彼氏となる、という若干メタな構造ですが、まぁ、ノリがいいのでそんな小難しいことを考えるのは野暮でしょう。今回は、八雲と剣の関係にも少しばかり前進が見られたり周囲も少しずつ動き始めたようで、今後が気になるところです。しかし、『トリケラトプス拳』って定着してたんですねぇ(謎

 てなところで次は『死神のキョウ3』。絵師が同じ作品が続きますが偶然です。

ノブレス・オブリージュ ~茅森楠葉の覚悟~

 小松遊木・著、甘塩コメコ・イラスト、GA文庫。
 11月18日(水)読了。
 第1回GA文庫大賞奨励賞受賞作。

 お嬢さま学校である聖宝女学院に通う剣士、鍛冶本亜未。
 庶民の出ながら、ひょんな切っ掛けで学院の平和を守るルミナス・フォースの一員を勤めている。
 とは言え、そんなに腕に自信が有る訳でもないのにある日の通学路で無頼の剣術遣いに遭遇してしまう。
 何とか助けようとするも力及ばず危機に陥るがそこに一人の剣士が現れて......

 サラッと読んでサラッと楽しめる、そんな御華詩でした。
 特殊な血筋の一種の特殊能力としての『剣士』という資格が存在する世界ですが、それを踏まえた上でごく普通な女学院の日常風景というか、そんな雰囲気でした。ちょっと消化不良というか設定が分かりづらい気もしたのですが、そこを変に誇示しないのが却って分かり易くてよかったようにも思います。あと、楠葉(樟葉)は比較的近所なのでそちらも印象的でした。

 てなところで次は『ライトノベルの楽しい書き方4』です。

神曲奏界ポリフォニカ アドヴェント・ブラック

 大迫純一・著、BUNBUN・イラスト、GA文庫。
 11月15日(日)読了。

 突如、神曲公社に呼び出されたマティアとマナガ。
 そこで告げられたのは、マティアの神曲に対する疑念。
 ブルースハープ一つで奏でるそれは、本当に神曲なのか?
 一方、その頃、二人の職場のルシャゼリウス市警では一人の警官が襲われていて......


 全ての謎が遂に明かされる13冊目。
 もう、細かいことは抜きにして本当に心地よいです。色々と仕掛けられたモノが一気に繋がって、一つの終わりを迎え、そして新たな始まりを見せました。シリーズ全体を通しても、非常に大きな事実も示される大きな意味を持つ御華詩ですね。
 何を語ってもネタバレになるので、多くは語らず。思わず400ページ超を一気読みして休日を潰してしまった心から楽しめたと記すに留めます。ああ、もうゴールドの続きも気になって仕方がありません。まだまだこの流れは続いていくのが嬉しい限りです。
 てなところで予定を戻して次は『ノブレス・オブリージュ~茅森楠葉の覚悟~』です。

理の守護神さま。 一.黒使の少女・龍方時雨《レイニー・レイン》

 十目一八・著、すまき俊吾・イラスト、GA文庫。
 11月15日(日)読了。
 第1回GA文庫大賞奨励賞受賞作。

 世の怪異災いから人々を守る森羅家。
 その分家である龍方家の若き女当主、龍方時雨は極秘任務の為同じく玄武家の当主である玄武浩二と共に富士の樹海を訪れていた。
 目的は森羅家の最高峰の神具、天理。
 無事に天理を発見した時雨だが、その天理を抱えた即神仏が......


 怪異を扱う強力な力を持つ家やら分家やら対立する組織やら、そんな設定が色々と鏤められた御華詩ですが...... 基本は漫才に近いですね。シリアス分もありますが、シリアスな場面でも漫才が出てくるのは某神懸かってる家を思い出しましたが、流石にあそこまででは無かったので一安心というか。まぁ、敵役やらと喋くってる内に局面が変わっていくのはテンポがいいと言えばテンポがよいですね。設定自体は有り触れてますが、キャラクターで個性を出したというかそういう雰囲気ですな。基本容赦ない性格の時雨のキャラクターとか、彼女を何かさせてしまう性別転換なとあるキャラとか。全体的に設定の説明不足な気がしないでもないですが敢えてそう言う方針のようなのでそれはそれとします。
 あからさまにシリーズ化が宣言されているので続きが出ればまた読んでみたいと思います。

 てなところで次は予定を変更して『神曲奏界ポリフォニカ アドヴェント・ブラック』を前倒しで読んでしまいます。

Re:SET 想いと願いのカナタ

 月島雅也・著、赤りんご・イラスト、 GA 文庫。
 11月12日(木)読了。
 第1回GA文庫大賞優秀賞受賞作。

 恋には二つのタイプがあるらしい。
 幼い頃から何故か女子とまともに話すことが出来無い高校生。
 今までは親友の月真を通訳のようにしてしか女子と話せないでいた。
 だが、ある日突然、女子と話せるようになって......


 なるほど。オーソドックスな構成ですが手堅くまとまった御華詩ですな。オチは直ぐに読めてしまいますが、そこにどうやって辿り着くのか? という部分とオチが読めるだけに逆に切ない部分とか、いいバランスでした。基本はまぁ、タイトル通りのようなそうでないような。でも、物語の構造自体がネタバレを孕むので語りづらいですね。ただ、確かによく出来た御華詩です。完全に1冊でまとまった御華詩なのですが、シリーズとして進める要因もあるので、今後どうなるか追っていきたいと思います。

 てなところで次は『理の守護神さま 一.黒衣の少女・龍方時雨《レイニー・レイン》』です。

神曲奏界ポリフォニカ レオン・ザ・ゴールド

 大迫純一・著、忍青龍・イラスト、GA文庫。
 11月9日(月)読了。

 遂に、刑期を終えてレオンが帰ってくる。
 ロレッタ達は自分たちが構えた店で、待つ。
 約束の時間が迫り今か今かと待ち構えていたところで、果たしてレオンは現れた。
 しかし、パーティーの乾杯の代わりに鳴り響いたのは、マシンガンの銃声。
 レオンを狙う襲撃者だ。
 彼はそういう男だ。
 厄介事を運んでくる。
 こうして、波乱含みに始まった新たな生活は......

 遂に、タイトルに色が入ったレオンの物語。
 前作で彼の動機が完全に示されて解決してここからが新たな始まりですな。正直、店頭で表紙見たときから楽しみだったのですが他が溜まっていて今日まで読めていなかったのが悔やまれます。いやぁ、期待の斜め上で楽しい御華詩で大満足です。しかし、まさか、こんな展開でくるとは...... 本当に侮れませんね、この作者。詳しくはネタバレるので控えますが、流石にこういう冒険活劇になるとは予想外。でも、それがまた楽しいです。
 このシリーズが今後どこを目指すのかはまだまだ分かりませんが続きを楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『 Re:SET 想いと願いのカナタ』です。

神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS 5

 トルバス神曲学院を襲う襲撃者。
 それはかつて、世界に混乱をもたらした〈嘆きの異邦人〉の残党達だった。
 コーティカルテや学院長を狙う彼らに居合わせたフォロン達は絶体絶命の危機に陥る。
 しかし、彼らの実の狙いは別にあって......

 キネティックのノベライズ第5弾。いやはや、本当、社会人編とアニメで大方解ってしまっているのが勿体ないですねぇ。一番大きな謎とも言えるコーティカルテの正体はとっくに知っているわけで、それをどうフォロン達に告げられたのか? という楽しみはあるモノのサプライズが少ないのはちょっと残念です。まぁ、GA文庫創刊当時に知ってすぐにキネティック版を入手していながらやらなかった自業自得ですが(;^^)

 また、毎回のおまけである短編。今回は何というか...... こういったことが出来るのもシェアードワールドの楽しさというか『異界』って設定使えば確かに成立する設定ですね。何か、レンバルトが妙に楽しそうだったのがいいですね。明らかに彼好みのネタでしたし。

 てなところで次は遂に色を関した待望の『神曲奏界ポリフォニカ レオン・ザ・ゴールド』です。

灼眼のシャナⅩⅨ

 高橋弥七郎・著、いとうのいぢ・イラスト、電撃文庫。
 11月6日(金)読了。

 大命成就を前にして、[仮装舞踏会] とフレイムヘイズ両陣営の総力戦が始まっていた。
 その中心地で、神の待つ『神門』へと突入したシャナ達。
 遂に辿り着いた『敵』の元で、シャナはその誓いを言葉にし......

 ネタバレを気にすると余り掛けませんが非常に盛り上がった巻ですねぇ。本当、総力戦で登場人物数も多く読み応えがありました。これまでの積み重ねから、どういう選択をするかという部分が示され、これから先に繋がっていくのでしょうね。そろそろ終着点も見えてきたこの物語の行き着く先がどこになるのか、楽しみに待ちたいと思います。

 てなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS 5』です。

"文学少女"と恋する挿話集《エピソード》2

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 11月1日(日)読了。

 反町亮太は男子生徒に人気の琴吹ななせのファンだと周りには思われていた。
 しかし、彼が本当に好きなのはその友人の森(名前はNG)だった。
 自分の気持ちを素直に伝えることも出来ず、当の森にも琴吹が好きだと勘違いされて応援されてしまう始末。
 思い悩んだ彼は、中庭のポストについつい悩み相談の手紙を投函してしまう。
 かくして、彼は"文学少女"天野遠子と関わることになって......

 いやぁ、いい裏話ですねぇ。あのとき、クラスメート達はこんな動きをしていた、というか。本編で描かれた心葉が遠子先輩と出会ってから彼女が卒業してしまうまでの間のエピソードを、美事にまとめていますねぇ。正直、琴吹ななせというヒロインは非常に厳しい役回りに思えますが、確かに文学作品ではよくある立ち位置とも言えますな。多くの悲劇を内包したシリーズの裏側で、こういった人間模様があったというのはちょっとホッとします...... でも、これ読んでから最終巻を流し読みしてみたら端々のななせや森や亮太の想いが過ぎってより切なくなりました。いい、挿話集です。何だかんだで、まだ"文学少女"の世界を楽しめるのは本当に嬉しいことですねぇ。見習いの方も続きが楽しみです。

 てなところで、次は『灼眼のシャナⅩⅨ』です。

森口織人の陰陽道 巻ノさん

 おかゆまさき・著、とりしも・イラスト、電撃文庫。
 10月31日(土)読了。

 初雪から北校舎の屋上に呼び出された織人。
 それは、休日のお出かけのお誘い。
 訪れた美術館で喜ぶ初雪の姿に、彼女を守る力を得るという想いを更に強くする織人。
 だが、そんな彼の前に突如として強力な"天魔"が現れて......

 ようやく始まった感のある第三巻。初雪の能力がようやく繋がったと言うか、タイトル通りの展開ですな。
 迷走した1巻と開き直った2巻ですがその流れで話もいい感じに膨らんで来たように思います。
 で、前回大活躍だった三千院さん...... まぁ、これで運命は決まったということでしょうか(;^^)

 てなところで次は『"文学少女"と恋する挿話集《エピソード》2』です。

文芸部発マイソロジー2

 早矢塚かつや・著、きくらげ・イラスト、一迅社文庫。
 10月27日(火)読了。

 『邪眼ノート』は世界創造の力を持つノート。
 寛二を始めとする第二文芸部の面々は自らが生み出した世界、クラフティアの神となる。
 かつて産みだした世界に呑まれた伊緒の兄を見つけ出すため、そして、以前の悲劇を繰り返さないため、外なる神々の侵攻からクラフティアを守り続ける寛二達。
 だが、それをあざ笑うかのようにあの邪神が現れて......

 確かに見方によっては『第二次超神様大戦α』な現実世界と神話世界を横断する物語第二弾!
 今回は、北欧神話+クトゥルフ神話と言った趣です。ラグナロクを控えてラブコメをする大地神とかスケールがでかくても問題は身近なノリが中々に楽しい作品であります。で、神話ごちゃ混ぜなんであの神が出てきてあの台詞を...... 葉月先輩と同時に思いっきり突っ込むと共に確かにあのシチュエーションなら表現はともかく内容的には間違っていない絶妙なタイミングに爆笑でした。神話世界でそうそうたる神々と闘いながらも根底はラブコメという妙なバランスも素敵ですねぇ。今回は次に向けての伏線も多く出てきたので次が楽しみです。

 てなところで次は『森口織人の陰陽道巻ノさん』です。

ギロチンマシン中村奈々子~輪廻転生編~

 日日日・著、大出長介・イラスト、徳間デュアル文庫。
 10月22日(木)読了。

 "珊瑚礁"に避難し、この地球の真実を知った山田太郎(仮名)達。
 既に、機械達は総力を挙げて人間を滅ぼしに掛かっていた。
 圧倒的な力の前に、しかし、人類は秘策を用意していた。
 かつて、<学園>の執行人として数多のロボットを断罪したギロチンマシン。
 今、人類の命運はギロチンマシン中村奈々子の文字通りの両腕に掛かって......

 色々と迷走しながら進んだ、人類とロボットの闘争を描いた当シリーズも遂に完結。
 日日日作品は大概読んでいますが、その中でも異色というか実験的要素の濃い作品。思わせぶりな伏線だらけで風呂敷が可成り大きく入り組んでいたので、最後でどこへ落とすかと思っていたのですが綺麗に畳みましたねぇ。終わってみれば、手垢のついたテーマながらSF作品として思い切った形で描ききったなぁ、と思います。しかし、本当に日日日は人間を愛していますねぇ。可成りえぐいことも書きつつ、全体として人間賛歌だったようにも感じます。
 シリーズが完結すると、同作者の新シリーズに期待...... と通常は成るのですが日日日の場合はまだまだシリーズがありますからね。他のレーベルでも変わらず追い続けたいと思います。

 そんなところで次は『文芸部発マイソロジー2』です。

鳳凰堂みりあは働かない!

 石川ユウヤ・著、シロガネヒナ・イラスト、 MF 文庫 J。
 10月18日(日)読了。
 
 何よりお金を大切にする少年、火車ヒイロ。
 彼は、入学早々に「働いたら負けかなと思ってる」と宣った大富豪の娘、鳳凰堂みりあと一悶着を起こす。
 結果、ニートを何かの職業と勘違いしている彼女の『ハローワーク』に任ぜられたヒイロ。
 果たして彼は、みりあを立派なニートにすることが出来るのか?

 お金が絡むと力を発揮するヒイロと、モノの値段を性格に射貫く目を持つみりあの繰り広げるラブコメ、ですかね。今のご時世を反映した御華詩ですな。テーマはお金というか、他のヒロインも基本は『働きたくない』と言うのが動機。まぁ、設定に色々と無理がある気がしないでも無いですが、どうにかこうにか形になっていますねぇ。
 また、文体の癖は感じ取れつつ前作の初期の灰汁はすっかり無くなっているのがいいのか悪いのか微妙なところ。まぁ、しつこくお金が大事だと繰り返すのは似た流れですが。
 正直、着地点が今一見えない御華詩なのでどうなるか続けて読んで行きたいと思います。

 てなところで次は『ギロチンマシン中村奈々子 輪廻転生編』です。

オウガにズームUP!3

 穂史賀雅也・著、シコルスキー・イラスト、MF文庫J。
 10月14日(水)読了。

 今日も今日とてユージを喜ばせようと見当違いな方向に頑張るククル。
 そんな彼女に『夜の国』への呼び出しが掛かる。
 ククルが居ない日の午後、ユージは買い物先で金髪の女の子と出会う。
 風船が飛ばされて泣いていたので取ってあげてその場はおしまいだった筈が、再びユージはその少女と出会うことになって......

 微妙にずれた空気というか何とも説明し辛い持ち味が魅力の御華詩。
 クラスメート丸ごとを出したので、ラブコメ展開としてはやりやすいシリーズと成っていますねぇ。特にどうということのない日常の物語ですが、さらっと読んでさらっと楽しめるいい塩梅の物語です。相変わらず、主人公以外を描いた番外が面白いのもこの人の持ち味か(;^^)

 そんなところで次は『鳳凰堂みりあは働かない!』です。

わるぷるキス!

  • Posted by: