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小説 のアーカイブ

耳刈ネルリと十一人の一年十一組

 石川博品・著、うき・イラスト、ファミ通文庫。
 3月9日(火)読了。

 シャーリック王国の予言書『大ネルリ未来記』。
 その書を祖国の風習上は成人したネルリは手にしていた。
 大喜びで占い師感覚で学生達へ未来記の予言を告げるネルリ。
 だが、その予言はやがて不吉な内容を示し始めて......

 異文化コミュニケーションというかやたらと言葉遊びやネタまみれの一人称で語られるレイチとネルリの物語もこれで完結。正直、ちょっと大慌てで風呂敷を畳んだ感は否めないんですが、元々一発ネタに近い内容なので早めに畳んだのは正解のような気もします。国々の文化の違いが反映されたキャラクター設定が面白かったんですが、レイチ視点しかないのがネックだったようにも思います。他のキャラの御華詩なんかも面白そうなんですがねぇ。

 てなところで、次は『ライトノベルの楽しい書き方5』です。

戦う司書と世界の力

 山形石雄・著、前島重機・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。
 3月6日(土)読了。

 武装司書もことごとく倒れ、絶望の魔王による世界の滅びは目前に迫っていた。
 世界は滅びるべきである。
 絶望の魔王の意志は絶対だ。
 しかし、それを食い止めようとする者達がいた。
 一人ひとりは小さな力かもしれない。
 だが、彼ら彼女らの思いは滅びを防ごうと......

 戦う司書の物語も遂に完結。重厚な世界観の中で『幸福』を巡って繰り広げられた様々な物語がどう落ち着いたのか?
 それは、読んでのお楽しみでありますが、本当、サービス精神満載で、途中からもうぐいぐいと引き込まれてしまいました。
 これまでの積み重ねが結実して、素晴らしいラストだったと思います。語りたいけどことごとくネタばれるのでもどかしいですが、何度も何度も驚かされ喜ばされながら物語を追うのは幸せな一時でした。また、次回作にも期待したいと思います。

 てなところで、次は『耳刈ネルリと十一人の一年十一組』です。

ゼロの使い魔18~滅亡の精霊石~

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、MF文庫J。
 3月4日(木)読了。

 どうにかルイズと再会することが出来たサイト。
 離れた期間は結果的に二人の距離を近づけることとなっていた。
 一方、ガリアを舞台に暗躍するロマリアの野望を砕くべく、アンリエッタ達と共に作戦に望む。
 だが、その先に待ち受けていたのはハルケギニアを揺るがす恐るべき事態で......

 苦難を乗り越えてルイズとサイトの関係も落ち着いて来たところで、今度は世界の方がとんでもないことになっていきましたねぇ。今まで積み重ねたモノが上手いこと活きて、いよいよと物語も大詰めに向かっているように感じられます。
 虚無とは何か? その辺りの意味も仄めかされつつ、ここからは新章となります。そして、否が応でもこれからはあの勢力との対峙が必至となりました。まだまだどうなるか分かりませんが続きも楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『戦う司書と世界の力』です。

聖剣の刀鍛冶《ブラックスミス》8

 三浦勇雄・著、屡那・イラスト、MF文庫J。
 3月3日(水)読了。

 帝政列集国の襲撃から十日ほど、独立交易都市は復興の途にあった。
 比較的平和な時を過ごすルークは、思い立ったかのように動き始める。
 目的を果たすため、療養中にも関わらず家に居ないセシリーを探して都市を歩く。
 幾度かのすれ違いの末、遂に見つけたセシリー。
 だが、何故か彼女は看護服を着ていて......

 新章開始の第八巻。今はまだ準備段階ですが、色んな要素の足音が聞こえてきますねぇ。
 世界情勢も大きく変化してしまい、緊張状態を強いられていくことを感じさせながら、その裏で蠢く者達。
 かなりえげつないところもあったりしますが、その準備された者達がぶつかるときに何が起きるのか?
 これからの展開を楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『ゼロの使い魔14~滅亡の精霊石~』です。

ダブルアクセス

 樋口司・著、のりたま・イラスト、 MF 文庫 J 。
 3月1日(月)読了。

 桃井巧は事情あって貧乏だった。
 それでも、若干特殊なオンラインゲームのテストプレイの仕事をしながら妹のヒナを養って日々を過ごしていた。
 ある日、そんな彼の家の隣に、美少女が引っ越してきた。
 しかも、同じクラスに転校してきたその美少女、立花栞との出会いを運命的に感じた巧。
 確かに、運命的だった。
 だが、それは甘い恋愛話ではなく......

 オンラインと現実を交錯させた往年のSF的な構図の物語ですが、主人公のコンプレックスとかその解決とかの描き方は前作の空気感を感じさせますね。2作目第1巻ということで物語の構図を提示する部分が主題になっていました。まぁ、正直部分的にちょっと登場人物同士の会話と心情の動きに強引さを感じたりもしたんですが、テーマが中々面白いので次にも期待ですねぇ。

 てなところで次は『聖剣の刀鍛冶《ブラックスミス》8』です。

天川天音の否定公式3

 葉村哲・著、ほんたにかなえ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月27日(土)読了。

 夏休みに瑛子の誘いで彼女の家の別荘へと訪れた雪道、天音、シロコ。
 別荘に到着し、雪道が自分に宛がわれた部屋に入ると、何故か先客が居た。
 アラバスターのような白い肌を持つ少女の名はコッペリア。
 『領域』の関係者と思われる彼女を警戒しつつも、雪道達は彼女を匿うこととなって......

 更に燃料投下の第三弾といいますか、そんな御華詩ですな。ラブコメチックな日常の中に紛れ込む非日常というか、物語の中心となるコッペリアに関わるとある描写は結構面白い試みだなぁ、と感じました。ただ、ラブコメを前面に出しつつも『式』を巡る神話的な雰囲気も強まってこの作者の持ち味のようなものが感じられる内容でした。
 こうして、ラブコメチックな日々と『式』を巡る戦いがどこへ進んでいくか、続きを楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『ダブルアクセス』です。

かのこん14~どきどき☆らぶれっすん~

 西野かつみ・著、弧印・イラスト、MF文庫J。
 2月25日(木)読了。

 小山田耕太と源ちずるは今ではすっかり全校に響き渡るバカップル(主に性的な意味で)。
 3年生になった耕太と何故か留年したちずるは遂にクラスメートとなる。
 そんな始業式の日から、アイジンの望といつものごとくやらかしていた。
 周囲があきれる中、とある新入生はそんな二人に驚くべき申し出をしてきて......

 何だかんだと続いているバカップルの物語も巻を重ねてきましたねぇ。
 子供が出来たり波瀾万丈ですが、高校三年生になって描写はエスカレートし続けてます。その陰で着々と進展しているたゆらと朝比奈さんのストーリーもよいですな。まぁ、そういった部分がクローズアップされがちですが、メインのストーリーも着々と進行していよいよシリーズのクライマックスに向かってきたというところでしょうか。このまま最後まで続けて読んでいきたいと思います。

 てなところで次は『天川天音の否定公式3』です。

まよチキ!2


 あさのハジメ・著、菊池政治・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月24日(水)読了。

 ゴールデンウィークがやってきた。
 ジローは妹の合宿により、一人で休日を満喫できるはずだった。
 だが、世の中そんなに甘くはない。
 妹が合宿に出かけて程なくしてかかってきた一本の電話が全てを台無しにする。
 そうして、なんだか分からないうちに秘密を抱えた学園の王子、スバルがジローの執事として家に泊まることになって......

 男装執事系ラブコメ第二弾。
 まぁ、こういう受賞作の2巻らしく登場人物の立ち位置を汎用的にする感じで、いい具合にラブコメめいてきましたねぇ。女性恐怖症、男装と弱点が明確になっていて、キャラの動機付けも分かりやすいので、この調子で巻を重ねれば読みやすいラブコメシリーズになりそうですな。

 てなところで次は『かのこん14~どきどき☆らぶれっすん~』です。

ごくペン!2

 三原みつき・著、相音うしお・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月23日(火)読了。

 エリートコースを外れ、幼なじみの権田原凛子を追って訪れた毒マムシ学園にやってきた五十嵐真太郎。
 彼は、再会した凛子と共に学園の騒動をどうにか収め、今ではその学園をよくするための改革に乗り出していた。
 だが、そんな娘の活動を知るよしもない凛子の父が学園の調査に乗り出して......

 学園極道ラブコメというか、何でもありな感じになってきましたが、それでもブレないメッセージが伝わってくるいい御華詩でした。ここまで露骨にメッセージを込めた作品って最近は珍しいようにも思います。でも、共感を呼ぶメッセージだということでしょう。人に認められること、それがどれだけ嬉しいことなのか。今まで人に認められないでいた子供達がどうなるのか...... まぁ、基本はドタバタラブコメなんですがね。あと、新キャラは眼鏡を掛けているのかどうなのか今一微妙です。

 てなところで次は『まよチキ!2』です。

みにくいあひるの恋2~死にぞこないの人魚姫~

 日日日・著、みことあけみ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月21日(日)読了。

 あひるを巡る騒動も一段落した後。
 遊菊の一言で『公認カップル』として後押しされることとなったあひると陀衣。
 それは、あひるの『病』に取っては悲劇に向かうことでもあった。
 当然、その対抗策も遊菊は考慮していた。
 何でも、あひるの『病』の特効薬が存在すると言うことで......

 『恋の病』が死に至る病となった世界での切ない恋物語第二弾。
 サブタイトルの通り、今回のモチーフは若干ハイブリッドですが『人魚姫』です。こういうの、上手いですねぇ、日日日。
 本来のハッピーエンドが避け得ないデッドエンドとなる状況下での書く人物達の心情がよく描かれていて、やり切れない気持ちになりますが、そんな生々しさが魅力の作品ですな。今回のラストでまたまた状況は大きく動いてきたので、この悲劇的結末が約束された恋物語がどのようにハッピーエンドとなるのか、続きを楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『ごくペン2』です。

三流木萌花は名担当!2

 田口一・著、をん・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月6日(日)読了。

 弱小三流木出版社の起死回生の策として、ライトノベルを書くことになった時任孝一。
 担当編集であり、クラスメートでもある三流木出版の社長の娘、萌花の協力のもと、どうにか1冊の本を世に出すことに成功した。
 だが、それは始まりに過ぎない。
 ライトノベルは、シリーズ化してこそのモノである。
 早くも、萌花は2巻のプロットを孝一に求めるのだが......

 いや、なんかすごい心に響く御華詩でした。今回は、ライトノベルを書くという視点よりも、その本がどう世に出て行くのか、をデフォルメしつつ描く無いようだったのですが、本当、著者から読者までの間にどれだけの人間が関わっているのか、そして、読者に届くと言うことがどれだけ大きなことなのか、考えさせられる御華詩でした。これは、別にライトノベルに限らず、作家に限らず、何かしらを創る仕事をしている人間には共通するモノだと思います。また、商業に限らず、同人でも同じ。
 初心に帰るというか、色々と思い出させてくれる御華詩でした。完全に感想ばっかりで内容に触れていませんが、前巻では活躍できなかった風見鶏さんが活躍してたり、新キャラが中々いい役回りだったりという以上は、読んでのお楽しみということで。

 てなところで次は『みにくいあひるの恋2~死にぞこないの人魚姫~』です。

白銀の城姫《ベルクフリート》

 志瑞祐・著、上田夢人・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月16日(火)読了。

 偉大なる建築士、マイスター・ストランゼンのただ一人の徒弟、リンツ=レンハイトは逃げていた。
 いきなり、我が身を襲った悪夢のような事態。
 何とか追っ手をやり過ごすも、限界が訪れる。
 いよいよ、逃げられない。
 絶望がリンツの心を支配しかけたとき、彼の目の前には美しい城を思わせる少女が現れ......

 新シリーズ開幕。城に宿る精霊的存在としての〈城姫〉の概念は非常に面白いですねぇ。
 端的に言えば、城の擬人化。城の特性を特殊能力にしていたりして、その発想が面白いですねぇ。
 また、周辺の設定として建築に魔法的要素を加えた〈建奏術〉など、建物、とりわけ城砦をテーマとした世界観が新鮮でした。これは、先が楽しみなシリーズです。
 ......いや、正直、ドルイドさんももっと読みたかったんですがね(;^^)

 てなところで次は『三流木萌花は名担当!2』です。

D-breaker

 二階堂紘嗣・著、フルーツパンチ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月14日(日)読了。

 世界を《歪曲》の魔の手から人知れず守る『調律士』。
 そんな調律士見習いの優馬は初めての大きな任務で訪れた廃マンションの屋上で美しい少女と対面する。
 しかし、彼女は優馬の話を聞かず、一方的に銃口を突きつる。
 意味ありげな言葉と共に銃弾は放たれ、優馬は足場の崩落に巻き込まれて......

 世界の歪曲と調律の対立に基づいた設定の、オーソドックスな能力バトルモノ、といったところでしょうか。冒頭の意味ありげな言葉の押収やら、端々に言葉遊びや気取ったような比喩表現が入っていて、味を出している雰囲気は前作に通じる気がします。今回はまだまだ導入。役者が揃ってここから物語りは始まるようなので引き続き読んでいきたいと思います。

 てなところで次は『白銀の城姫《ベルクフリート》』です。

オウガにズームUP!4

 穂史賀雅也・著、シコルスキー・イラスト、MF文庫J。
 2月12日(金)読了。

 夏休み、ククルは家で水着になるなど妙な行動を取り始めた。
 ユージは不審に思って熱を測ってみるとやはり熱があるようだった。
 かつて姉にして貰ったように、甲斐甲斐しくククルの看病をするユージ。
 だが、その熱はただの熱ではなくククルに異変が起きて......

 最終巻。脇を固めるキャラクター的にはまだまだ膨らむ余地があっただけに勿体ない気もします。美味しいネタはまだまだあったと感じるんですが。そんな風に、色んな伏線を一気に回収して性急に閉じた感は否めません。とは言え、落ち着くところには落ち着いたのでこれはこれでよかったのかもしれません。前作の最後もかなり思い切ったことしてましたしねぇ。

 そんなところで次は『 D-breaker 』です。

緋弾のアリア5~序曲の終止線《プレリュード・フィーネ》~

 赤松中学・著、こぶいち・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月10日(金)読了。

 遂に現れた『イ・ウー』の首魁『教授《プロフェシオン》』。
 しかも、圧倒的な力の前に『教授《プロフェシオン》』にアリアは奪われてしまう。
 パートナーを奪われたキンジは、絶望的な差をモノともせず、アリアを奪い返そうと『教授《プロフェシオン》』に挑む。
 しかし、彼らはまだ知らなかったのだ。
 『イ・ウー』との戦いなど、これからの運命に取っての序曲に過ぎなかったということを......

 前回の引きから楽しみにしていた5巻でありますが、まさか、こんな風に進めるとは。そんな、期待を裏切りつつ盛り上げる御華詩でした。
 まぁ、今回はその後に日常編とも言える短編があったりして空気が一気に弛緩してしまった感もありますが、そっちの御華詩は相変わらず、分かり易いエンターテインメント作品でよいですな。
 もうこれで終わりかと思っていましたが、あくまでプロローグが終わっただけ。今回のラストのあれからどう話が膨らんでいくのか楽しみにしたいと思います。

 そんなところで次は『オウガにズームUP!4』です。

生徒会の七光~碧陽学園生徒会議事録7

 葵せきな・著、狗神煌・イラスト、富士見ファンタジア文庫。
 2月7日(日)読了。

 自らの野望を果たすため、日々邁進する杉崎鍵。
 だが、そんな彼に突然の変調が起こる。
 生徒会役員が見守る中、彼は突如、野望の放棄を宣言したのだ!
 果たして、彼の身に何が......

 うん、多分、これで間違っては居ない筈です。
 本編も遂に7冊目となり、提示されてきた伏線が色々と回収に入ってきて今までに根底の物語は動いていたように思います。あのキャラとかあのキャラが遂に出てきたり。基本は生徒会室での益体の無い漫才でありながら、裏では鍵の物語が展開しているのがこの作品の魅力でしょうねぇ。中身が無いように見えるのはフェイクで、結構重めのテーマが秘められているように感じます。そのテーマがどう描かれるのか? 続きにも期待したいと思います。

 てなところで次は『緋弾のアリア5~序曲の終止線《プレリュード・フィーネ》~』です。

ささみさん@がんばらない

 日日日・著、左・イラスト、ガガガ文庫。
 2月7日(日)未明、読了。

 月読鎖々美はがんばらない。
 ただ、部屋に引き籠もり、兄が繰り広げる邪神《やがみ》三姉妹とのラブコメを見守る日々を送っていた。
 だが、改変される世界は段々と彼女を巻き込む方向に動き出す。
 気がついたときには鎖々美も他人事では無くなって......

 ネットゲームのメタファやら、神話の扱い方が面白い作品でありました。
 まぁ、日日日の実験的作品ですな。そう思って読んでたらあとがきで本当そのまんまのこと言ってますし(;^^)
 これまでも日日日は大量に書いているだけに作風を色々研究している節があって、ガガガ文庫を実験場とした作品がこのシリーズとなりそうな雰囲気ですな。意図してるかはしれませんが、ライトノベル的な要素と一般文芸的要素が鬩ぎ合うような空気感が漂っていたように思います。とはいえ、読み終わってみると、このタイトルが秀逸なので一本取られた気分となる、そんな作品でした。これをどう転がすのかは興味深いモノがありますので、続きが出れば読んでみたいと思います。

 てなところで次は『生徒会の七光』です。

月見月理解の探偵殺人

 明月千里・著、 mebae・イラスト、GA文庫。
 2月5日(金)未明読了。
 第1回GA文庫大賞奨励賞受賞作。

 都築初の復学したというクラスメートは車椅子の傍若無人な少女だった。
 彼女は探偵を名乗り、初に協力を求めると共にゲームを持ちかける。
 犯人を殺して自らが犯人に成り代わって生き残る、権謀術数を駆使したネットゲーム『探偵殺人ゲーム』。
 それをリアルに行う趣向だった。
 初は、その条件を呑まざるを得ない状況に置かれるのだが......

 ふむ、非常に評価が難しい作品でありますな。独自性というか、インパクトの強い作品ではありました。
 ただ、探偵とタイトルに入っていますが、これはフェイクでどっちかというと某狼探しゲームのノリにもう少し広い日常に潜む虚実を絡めた、そんな御華詩ですな。正直、ミステリとして読んでしまうとアンフェアにも程がある酷い内容ですが、ライトノベル的にはこういうゲーム仕立てにしてしまう方がいいんでしょうねぇ。でも、それでいてキャラにここまで感情移入できないライトノベルも珍しいですな。この辺りは個人差でしょうが、ミステリを期待して読んでしまったのが失敗だったんでしょうが全部装置にしか見えずに辿り着く結末も予想の範囲で意外性も無く。
 ですが、登場人物の心情の描き方というか、歪みを生むプロセスとその後の辿る道といったモノはよく描かれていたと思います。まぁ、それが生々しいから余計に感情移入しがたかったのかもしれませんが(;^^) なので、評価が難しい作品でした。面白いとも面白く無いとも言えません。ただ、興味深い作品ではありました、とだけ。この作者が今度何を書くかは気になりますね。

 てなところで次は『ささみさん@がんばらない』です。

純愛を探せ!3

 速水秋水・著、玲衣・イラスト、 GA 文庫。
 2月2日(火)読了。

 夏休みも終わりが近づいたある日のこと。
 純愛を手に入れ人間界に暮らす虚言と姦淫を司る魔神カルマの元に、一人の少女が現れる。
 そして、カルマの最愛の女性、カナデの面前で、とんでもない爆弾を投下する。
 「会いたかったですの、お父様!」
 まさかの隠し子の登場にカルマは......

 虚言と姦淫を司りながら純愛を求めたカルマを軸としたラブコメ(?)第三弾。
 隠し子を名乗る少女の登場でカルマの周囲の女性陣が引っかき回されてとかそんな御華詩。
 魔神を主人公に据えながら、だからこそ逆説的に愛情だの何だのが浮き彫りのされるのは相変わらず面白い構図ですねぇ。
 今回は『隠し子』という主題で『家族愛』ですな。ただ、歪んではいますが、これはこれで作品の根底にある設定が活きていたとも言えますね。
 ......って、改めて考えるとこのタイトルって既に形骸化してるんですよね(;^^) だからかは知りませんが次でラストらしいんで最後まで読みたいと思います。

 てなところで次は『月見月理解の探偵殺人』です。

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ disc4

 田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
 1月31日(日)読了。

 ギャルゲー『エターナル・イノセンス』の世界を現実に投影し、その主人公の立場を手に入れた都築武紀。
 様々な事件を乗り越え、彼は、既に現実の存在となったヒロイン達の幸せを願って自分に出来ることを考え始めていた。
 辛いこともヒロイン達のためと思えば満たされる日々を送っていたのも束の間、ある日目覚めると、世界が変わっていた。
 そのとき、ヒロイン達の隣には......

 ギャルゲーの世界を現実に投影すると、何が起こるのか? そんな if を一つ一つ積み上げていくシリーズ第4弾。

 これまでで積み上げられたメタな存在が更に踏み込んできて、武紀が迎える危機。この構図は来るべきときが来た、という風情ですな。前巻で、虚構と現実の対立構成はメタな存在から『仕組まれた現実』としての構図に落とし込まれていましたが、その先に至る前哨戦のような意味合いですかねぇ。確かに、自分自身を主人公の立場に投影した以上、乗り越えなければいけない問題でしたしね。

 あと、毎度のことですが、この作品を読んでいると色々と既存のゲームのことを思い出します。というか『 Kanon 』ですが。主人公と結ばれなかったヒロインの運命ってどうなるんだろうなぁ、とか、そんな思考実験。で、その運命を《遡って》救おうとするのが、この物語の武紀の行動原理ってことでしょうか? 用語的にはハーレムエンドになるんでしょう。が、そんな生やさしいモノでもなくて。『卒業~Graduation~』だと『人間失格』と言われてしまう、そんなルートを自分の手に入れた現実の中で虚構に縛られながらもどうにか切り開こうとする御華詩。今回でそんな方向にまとまった気もしますね。

 また、作中現実が虚構とマージされたことで、高橋さんが巻を重ねる事に活発に動き出したのも良いですねぇ。魔術サイドになると出てこれないとある科学の人みたいなことはもう無いでしょう。『現実のヒロイン』という、当たり前の存在なのにこの作品内では特異点とも言える彼女がどう絡んでくるかも興味深いところです。

 何はともあれ、4巻発売おめでとうございます。そして1周年ですね。

 てなところで次は『純愛をさがせ!3』ですな。

オルキヌス3 稲朽深弦の調停生活

 鳥羽徹・著、戸部淑・イラスト、 GA 文庫。
 1月29日(金)読了。

 幻獣達が住まう島、オルキヌス。
 様々な種族達の間で起こる問題を調停するのが調停員の仕事だった。
 新人調停員の稲朽深弦はいくつかの問題を解決していたが、とある事情でもっと功績を残す必要があった。
 だが、近隣の問題はあらかた片付いてしまっている。
 そんな折り、山向こうにオルキヌスが珍しく街を創っているという情報を得る。
 オルキヌスが集まれば何かしら厄介事も起こっているだろう。
 そうして、同期のセシルと共に仕事を求めてオルキヌスの街を目指す深弦だったが......

 幻想世界の住人達が好き勝手に暮らす島での御華詩。
 暴力に頼らない、問題解決を主眼に置いているのでほのぼの平和な雰囲気がやっぱり楽しいですねぇ。
 今回は、調停員としての深弦の在り方を問いながら、オルキヌスの街を取り巻く情勢を上手く絡めていい展開でした。前回同様、小ネタを上手いこと伏線として使って綺麗に収束するのは読んでいて気持ちいいですな。次も楽しみです。

 てなところで、次は本日発売の『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disk4 』です。

ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚 魔法の材料ございます2

 葵東・著、蔓木鋼音・イラスト、 GA 文庫。
 1月27日(水)未明読了。

 英雄の血を引く魔法材店三代目、シャルトの住む街に疫病患者が出た。
 それは、かつてこの国で多くの死者を出した病であったが彼はその病を治す術を持っていた。
 そのためには、魔法薬の材料としてユニコーンの角が必要だった。
 早速ユニコーンの角を手配したのだが、それが思わぬ事態を招いて......

 ふむふむ、2作目にして大分安定した印象ですねぇ。
 疫病を巡る様々な思惑と、時を同じくして起こる王族のいざこざ。その辺りが上手いこと絡み合っていたように思います。
 ただまぁ、筋書きとか要所要所の行動は面白いんですが、どうしても主人公のキャラが今一はっきりしないところがあったりしたのがちょっと残念でした。とはいえ、話の構成要素は面白いのでまた続きも読んでいきたいと思います。

 てなところで次は『オルキヌス3 稲朽深弦の調停生活』です。

無限のリンケージ2~ディナイス・ザ・ウィザード~

 遂に一部昇格を果たしたラーベルト。
 だが、トップリーグは甘く無い。
 せめて今期の降格を回避するために手堅く引き分けを狙いの戦略を続けるも負け続き。
 不甲斐ない結果に自らを責めるラーベルトだった。
 更に、次の対戦相手はトップリーグでも最高峰と言える万能選手にして魔術師の異名を持つディナイト。
 そんな折り、新しい風を吹き入れるために一人の少女がチームに招かれて......

 特殊な力場を発生するリングを三つまで用いてその能力を駆使して戦う BTR - Battle of Triple Ring - 。
 その BTR において愚直に騎士を貫くラーベルトの物語。今回は非常に清々しい御華詩でした。
 前回で彼の背負っているものがしっかりと描き出されましたが、それと負け続きの自身との葛藤と成長の御華詩ですかねぇ。
 能力バトルチックながら柔軟なルール設定があるのでやっぱりスポーツとして、上手く話を持って行ったなぁ、と感じます。このノリならまだまだ続いていきそうな雰囲気です。 BTR を通してラーベルトの悲願の行く末がどうなるか、楽しみなところですねぇ。

 てなところ次は『ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚 魔法の材料ございます2』です。

狂乱家族日記 拾弐さつめ

 『世界会議』の後、人間と人外の垣根が取り払われ世界に平和が訪れていた。
 狂乱家族も、凶華が職探しをしたり、月香が単身バカンスに出かけていたり、それぞれの生活を満喫していた。
 しかし、完全な平和など歪んだもの。
 それは『悪』を切り捨てるということ。
 だから、悪党、黄桜乱命が立ち上がる。
 舞台は正夢町。
 そうなれば、彼女と因縁のある銀夏も動くことになり......

 『裏社会編』開幕! そしてこれは遂に語られる銀夏の物語でもあります。
 これまで家族のことを常に思いつつも、どこか距離をとっていた存在の彼ですが、今回は彼の因縁が根底にあります。
 今まで仄めかされつつも、明示されなかった謎が明かされつつ、やるせない恋の物語は日日日にしては珍しいオーソドックスな内容ですが、この狂乱の中にあるからこそそれが光るというか、後半は引き込まれるモノがありました。

 また、何気にお父さん大活躍ですな。凶華ともすっかり夫婦漫才が板についた感じですね。そして、優歌...... 巻を重ねる事に黒い時間がさっぱり延びてますが、これはこれで成長なんでしょう...... 微妙ですが(;^^)

 今回は前編のようで話は次に持ち越し。素直に待ち遠しいですな。

 てなところで次は『無限のリンケージ2 -ディナイス・ザ・ウィザード-』です。

末代まで! LAP1.うらめしやガールズ

 猫砂一平・著/イラスト、角川スニーカー文庫。
 1月19日(火)読了。
 第12回学園小説大賞《大賞》受賞作。

 三号は、新入生のための部活勧誘会で偶然にも心霊研究会の勧誘に引っかかってしまった。
 偶然にも、幽霊が見えたからだ。
 潜在的な霊能力を見込まれて『心霊研究院三号童子』という名前を与えられた彼は心霊研に入部することに。
 心霊研が何をするところかさっぱり分からない三号だが、なにやら幽霊と協力してレースに参加するようで......

 いやはや、中々設定の面白い御華詩でしたねぇ。この『老婆走《ババアレース》』にまつわる設定の数々は色んなモノをごちゃ混ぜにしながら上手いこと噛み合ってて、今後も色々と発展性がありそうですな。全体的にそつなくまとまっていて、気軽に読んで楽しめる、そんな作品でした。リサのキャラは色々無茶してますが、これはこれで魅力的なヒロインと言えましょう。まぁ、本当のヒロインは正直読経あるなぁってキャラですが(;^^) まぁ、いきなり巻数が付いてるんでまた続きも読んでいきたいと思います。

 てなところで次は『狂乱家族日記 拾弐さつめ』です。

わるぷるキス!2

 内山靖二郎・著、ニリツ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月16日(土)読了。

 ワルプルギスの夜を無事に阻止した優人は、夏花の監視任務で魔法特区セイラムに残ることになった。
 しかも、滞在先は夏花の済む女子寮。
 ただでさえ、その本来の職務から負い目のある彼が、女の園に入って心安らかに過ごせるかというと......

 なるほど、タイトルはそういう意味でしたか。
 ということで今回はハンナシナリオ(?) って表現が何かに毒されていますね。でも、そんな感じ。
 テーマが明確になるのは良いですな、うん。基本的に手堅い造りの作品で、今後の方向性もはっきりしましたし、続きを素直に楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『末代まで!』です。

二人で始める世界征服5

 おかざき登・著、高階@聖人・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月15日(金)読了。

 夏休みが終わり、文化祭が近づいてきた。
 その料理の腕でクラスで存在感を増す竜太。
 一方で、夏休みの旅行以来、積極的に竜太に迫る八都子の様子にやきもきする千紗とありす。
 そんな日々に終止符を打つべく、千紗とありすは一つの決意をする......

 暖かな悪の秘密結社による平和な世界征服の物語、遂に完結!
 ラブコメ展開をしつつ熱い展開もありつつ、非常に心地よいラストを迎えました。
 本当、こういう御華詩は読んでいてホッとしますねぇ。そして、高槻さんは何気に素晴らしい委員長でしたな。このキャラ付けは非常に興味深いですな。いや、そりゃ、千紗もありすも八都子もそれぞれに魅力的な広いんでしたがね。
 このほんわかした空気は大好きだったので、この作者の次回作にも期待なのです。

 てなところで次は『わるぷるキス!2』です。

竜王女は天に舞う

 北元あきの・著、近衛乙嗣・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月15日(金)未明読了。
 第五回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞佳作受賞作。

 空と雲海に囲まれた蒼天世界。
 幼なじみのロッテが駆るワイバーンに乗り、飛行客船<竜王女>号に途中乗船したシグ。
 二人の通う魔術士養成学校<竜の箱庭>の担当教官ザウエルからの召喚だった。
 何でも、奪われた「あるもの」を取り戻すために人員が必要になったと言う。
 そうして、任務にあたるシグだったのだが......

 ふむ、非常にオーソドックスなファンタジーですねぇ。パターン通りというか何というか。ちょっと正直、食傷気味な部分もあったりしましたが(;^^) ただ、世界観についてあえて細かく設定を書かずに、銃と魔法が混在する空気感を出してるのはよい感じですな。まぁ、一冊を費やしてシリーズとしての動機付けとか今後の展開させやすい構図を作り上げたような印象があるので、次にどうなるかですな。

 てなところで次は『二人で始める世界征服5』です。

まよチキ!

 あさのハジメ・著、菊池政治・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月12日(火)読了。
 第五回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞最優秀賞受賞作。

 狼嵐学園には理事長の娘、涼月奏とその執事、近衛スバルが通っている。
 双方共に美しい容姿を持ち、奏は男子の、スバルは女子の憧れの的だった。
 一方、二人のクラスメートである坂町近次郎は、家庭の事情で若干特異な性質を持つモノのおおむね平凡な男子高校生。
 当然、そんなハイスオペックなお嬢様や執事と接点があるはずもない。
 だがある日、近次郎はスバルの秘密を偶然知ってしまう。
 そう、全校女生徒の憧れの的の美少年スバルは実は男装した女の子で......

 いやはや、バレてはいけない男装の美少女、二面性のあるお嬢様、特異体質の男子高校生、勘違いしまくりの妹、一つ一つのパーツは全く真新しいモノでもないのに、組み合わせが非常に上手く嵌っていて最後まで飽きずに読むことが出来ました。その辺りが最優秀賞受賞の理由ですかねぇ。キャラクターの背景がしっかりしていてそれらを無理なく展開するプロットで、安心して読んでいられる作品でした。本当、ライトノベルとして王道とも言えるラブコメですな。これは、今後どういう風に話を転がしていくのか、楽しみです。

 てなところで次は『竜王女は天に舞う』です。

鳳凰堂みりあは働かない!2

 石川ユウヤ・著、シロガネヒナ・イラスト、 MF 文庫 J。
 1月10日(日)読了。

 画商のお嬢様、鳳凰堂みりあはニートになりたい。
 そんな彼女にハローワークに任命された勤労少年の貧乏人、火車ヒイロ。
 命を狙う暗殺者や詐欺事件の犯人として追いかける刑事などと一悶着がありながらも、二人の微妙な関係は続いていた。
 そうして、ある日、みりあは思いつきでクラスのバレーボールを一大賭博として大儲けを画策するのだが......

 むむむ...... 設定は面白いのですがちょっと散らばり過ぎというか微妙な雰囲気ですねぇ。
 お金に執着するヒイロの行動が期せずしてヒロインのフラグを立ててしまうというのが基本的な構図なのですがちょっとばかりお金礼賛が緩んでしまっているというかラブコメ展開とのバランスが微妙というか...... まぁ、前作の癖をとって万人受けを狙いつつも個性を出そうとあれこれしているのが窺い知れる芸風ではありますな。とりあえず、ヒロインが追加されてまだ続きそうなんで続きは読んでみたいと思います。

 てなところで次は『まよチキ!』です。

えむえむっ!8.5

 松野秋鳴・著、 QP:flapper ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月8日(金)読了。

 美少年、だけどロリコン。
 残念な高校生、日村雪之丞は見た目は幼女な天才少女、柊ノアが部長を務める発明部員。理由は言わずもがな。
 彼は、ある日ノアの発明品が原因で眠り続けることとなる。
 その発明品はRPGの世界をバーチャルに体験するというモノ。
 日村の目を覚まさせるために、ノアは色々とあって頼りにしている砂戸太郎に助けを求める。
 太郎につられての行きがかり上、第二ボランティア部の面々や辰吉や由美まで巻き込んでノアの発明品によるRPGの世界に飛び込むことになったのだが......

 『変態大決戦! ドM対ロリ』
 って端的にこれでも間違っていないところが素敵御華詩ですな。何というか、太郎のドMキャラが綺麗にまとまってるんで安心して変態の活躍を楽しむことが出来ていいですねぇ。何せ、彼の一人称ですから女性からひどい目に遭わされる度にはぁはぁする姿は読んでいて微笑ましいです。これだけ巻数重ねて読んでくるとそのぐらい達観してしまいます(;^^) まぁ、今回は番外と言うことで太郎と嵐子の物語は進展していませんがそちらは次を楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『鳳凰堂みりあは働かない!2』です。

ラグナ・クラウン

 三門鉄狼・著、白田太・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月8日(金)読了。
 第五回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞佳作受賞作。

 『薔薇の悪魔』と呼ばれる存在に人類が地上を追われ100年近く。
 人類は未だ地上を諦めず虎視眈々と力を蓄えていた。
 そんな中、薔薇術と呼ばれる特殊能力に目をつけたセヴィリア王女は、独自に薔薇の悪魔の対策を研究し私兵を集めていた。
 そうして、彼女は一人の少年と出会う。
 「姫様の騎士となる男だ」
 そう豪語する少年は確かに類い希な薔薇術の使い手だった。
 しかし、その素行には大きな問題があって......

 ぶっちゃけ、色々と要素を付け足してはいますがファンタジーの王道ですな。
 主人公が「強い、けど、台無しなぐらいエロい」という残念な設定とか、若干苦しい気もしますが二転三転する設定など、エンターテインメントとして非常にそつなく組み上げられた作品という印象です。正直、ちょっと話が急すぎて感情移入しづらいところも無きにしもあらずですが、まだまだこういった作品の需要もあるということですねぇ。どうも、二賞同時受賞してるようなので機会があればメガミ文庫の方も読んでみたいと思います。

 てなところで次は『えむえむっ!8.5』です。

荒瀬はるか、容赦なし!2

 化学・物理部、通称『化物《ばけも》部』部長荒瀬はるかは、ある日こう言った。
 「すごくお金が欲しいです」
 何でも、部活動を続けるための資金が苦しいらしい。
 どういう使い方をしているのか、銀行へ100万円返済する必要があるという。
 そこで、優勝賞金100万円の『渚の女王コンテスト』へ元アイドル候補生だった幽実香を送り込むことを決める。
 しかし、とある事情でコンテストの審査に含まれる遠泳に幽実香が参加困難であることが判明するも、はるかは作戦を強行して......

 手段のためには目的を選ばない、荒瀬はるかに振り回される、退魔師の名門山伏家の落ちこぼれ、竜弥の成長譚...... でしょうか? その視点で見ると良い具合に話は展開しているのですが、はるかの行動に理由があると匂わせているとはいえ、タイトルに嘘偽りなしの行動はちょっとばかり引いてしまうのも事実。まぁ、そういうキャラとして描かれてはいるのですが。そんなはるかが竜弥との関係でどう変わるかも、一つの見所なのかもしれませんな。

 てなところで次は『ラグナ・クラウン』です。

烈風《かぜ》の騎士姫

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月4日(月)読了。

 風の才能に恵まれた少女、カリーヌは幼い日に命を救ってくれた騎士に憧れる。
 いつか自分も立派な騎士になると志し、腕を磨いていた。
 だが正規の騎士団には女は入れない。
 だから彼女はカリンと名乗り、男装して王都を目指す。
 目的は、陛下をお守りする魔法衛士隊への仕官。
 ところが、憧れの魔法衛士隊はなにやら様子がおかしくて......

 『ゼロの使い魔』と世界観を同じくする別の物語。男装少女の成長譚、といったところですな。
 主人公のカリン(カリーヌ)のキャラ付けがこういった物語の主人公向けで安心して読めましたねぇ。サンドリオンやバッカス、ナルシスなどのその周囲の男性キャラもよい感じです。まだまだ導入ですが結構悲惨な過去があったり今後の展開が楽しみです。

 てなところで次は『荒瀬はるか、容赦なし!2』です。

ゴミ箱から失礼いたします

 岩波零・著、異識・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月2日(土)読了。
 第五回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞優秀賞受賞作。

 始業式の放課後、小山萌太はふと思った。
 教室のゴミ箱に入りたいと。
 それは得も言われぬ衝動で、気がつけばゴミ箱にすっぽりと収まってしまっていた。
 すぐに我に返るも後の祭り、ゴミ箱から逃れることは出来なくなっていたのだ。
 そんな萌太の前に、新しいクラスメートの水無氷柱が現れる。
 そして、萌太に非情な言葉を告げる。
 「あんた、妖怪ゴミ箱男らしいわ」
 こうして、妖怪を探知する能力を持つという氷柱と共に、困った妖怪達の手助けをする日々が始まって......

 ああ、これはよく出来た御華詩ですねぇ。突拍子もない設定と、キャラクターの漫才、そして、その設定を活かしたラブコメ展開。綺麗にまとまっていて最後まで楽しく読むことが出来ました。特に、氷柱のキャラクター設定はよく出来ていると思います。基本部分だけ見ると戦場ヶ原ひたぎっぽい成分が強いですが、それだけではなく、魅力的なヒロインとして描かれていたように思います。ヒロインが一人に絞られている分、分かり易いと言えますね。
 ......まぁ、そのために噛ませ犬的な役割の眼鏡っ娘委員長の彩音がちょっとかわいそうですが仕方ないですな。

 てなところで、次は『烈風の騎士姫』です。

プシュケープリンセス

 刈野ミコト・著、萩原音泉・イラスト、 MF 文庫 J 。
 1月1日(金)読了。
 第五回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞佳作受賞作。

 柊火ノ見は妹とチェスをしていた。
 文字通りの『天才』である妹には六十四連敗中。
 彼は、そんな妹が大好きで大切にしていた。
 しかし、チェスの後、中座したとき。
 彼以外の全ての人間が妹の存在を忘れてしまっていた......

 異世界の代理戦争、能力バトルと非常にオーソドックスな御華詩でした。
 本当に基本的な部分には全然真新しいモノはないのですが、妹の消失を軸にした主人公の人格形成やら幼馴染みとの確執といった部分がアクセントになっている、そんな感じですねぇ。キャラクターが描けている部分が受賞に繋がったということですかね。

 てなところで次は『ゴミ箱から失礼いたします』です。

ごくペン!

 三原みつき・著、相音うしお・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月29日(火)読了。
 第五回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞審査員特別賞受賞作。

 公立毒マムシ学園。
 社会からドロップアウトギリギリの学生が集うその学園に、転校してきた五十嵐真太郎。
 偏差値70オーバーでエリートコースまっしぐらの彼がそんな最悪の高校に転校したことには当然理由があった。
 『一緒に東大に合格しようね』
 そんな某漫画の影響受けまくりの約束を交わした幼馴染みの少女、権田原凛子がその学園に居ると噂に聞いたからだ。
 しかし、想い人と再会を夢見て全てを捨てた彼を待ち受けていた現実は厳しいものだった。
 「おひけえ願います!」
 再会した彼女は、ヤンキーだらけのその学園で、私設の極道の女親分になっていて......

 これはいいエンターテインメントでした。最初から最後まで分かり易いテーマで突っ走っていて、色んな要素を詰め込んでる割にはぶれずにそのメッセージはしっかりと伝わってくる、そんな御華詩でした。そもそも、この作品の主人公である五十嵐真太郎がそんな小説を書く必要に迫られる御華詩でもある訳で変則的にメタな要素と言えなくもないですが、そんな小難しいことを考えなくても、人を見下さずに対等に語ること、力を合わせること、弱さに諦めてしまわないこと、泥臭いベタなテーマが心に響きました。これだけばかばかしい内容でこれだけ力強くメッセージが伝わってくるのは本当に素敵な物語であります。その勢いがあとがきまで続いていて格好いいです。是非もなく、この作者の次回作は読みたいと想います。

 てなところで次は『プシュケープリンセス』です。

オトコを見せてよ倉田くん!

 斉藤真也・著、フミオ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月28日(月)読了。
 第五回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞佳作受賞作。

 年上女性が好みといって憚らない高校生、倉田優樹。
 彼には幼馴染みの猫柳愛衣とその親友、戌威小夜という仲の良い中学生が居た。
 二人とも美少女と言って差し支えないのだが、年上好きの彼にとっては完全に対象外。
 しかし、とある切っ掛けで二人に二股を掛ける羽目に陥って......

 ふむふむ、中々に計算された御華詩ですねぇ。ツンデレとヤンデレに二股というのがテーマのようですが、そこに持って行く流れやらその後の展開が若干あざとさを感じつつも上手いことまとまっていたように思います。ベタな展開も組み合わせれば新鮮になるというか、そんな感じでしょうか? やりたいことがはっきりしていてそれがしっかり伝わってくる、そんな御華詩でした。続きそうなんで当面は追いかけてみたいと思います。

 てなところで、次は『ごくペン!』です。

天川天音の否定公式2

 葉村哲・著、ほんたにかなえ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月27日(日)読了。

 学園に現れた新たな『虚構式』に対するための協力者、浅闇シロコ。
 見るからに猫を思わせるその少女は、天音と行動を共にする雪道に一目惚れしたと言い始める。
 終いには、雪道の部屋の前に引っ越してくる積極的なアタックに天音も瑛子も辟易とさせられる。
 そんなシロコには実は秘密があって......

 ふむ、キャラ設定などはありがちと言えばありがちな御華詩なんですが、詩的な演出などで特有の雰囲気がありますねぇ。こういうのは好きです。ちょっとシロコの設定があからさまながら消化不良な気がしないでもないですが(;^^)
 あと、瑛子ってこんなキャラ...... だったとは思いますが方向性が違ってきたような。まぁ、ヒロイン3人体制になってこれからどこへ向かうのか、続きも読んでいきたいと思います。

 てなところで次は『オトコを見せてて倉田くん!』です。

かぐや魔王式!第5式

 月見草平・著、水沢深森・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月22日(火)読了。

 今日も輝夜は新世界構築に勤しんでいた。
 何でも、健全なる世界構築は、健全なる身体によってのみ達成できると言う。
 そうして、新世界構築会議の面々は何故か体操着で縄跳びをすることになる。
 コードネーム・ハラグロ、錦織はそんな中、一人のメンバーの特定の部位を哀れみを込めてついつい見てしまう。
 それが、切っ掛けだった。
 彼女、六道かなめは宣言した。
 「六道、牛になります!」

 今回は各ヒロインにスポットを当てた短編集という形でした。先のかなめの御華詩やら、結構頑張った米倉さんやら、これまで出番が少なかった妹の梢や、そして、相変わらずのようでどこか変わった輝夜やら。中々に楽しい御華詩でした。まだ続くようなのでどう進めて行くのか続きが楽しみですねぇ。

 てなところで次は『天川天音の否定公式2』です。

蒼月のイリス3

 星家なこ・著、平つくね・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月19日(土)読了。

 『一色』を巡る闘いも、いよいよ終盤を迎えていた。
 慎太郎の最後の相手は、彼の幼馴染みである榊十夜だった。
 様々なモノ全てを背負って『一色』を目指す慎太郎と、愛する女性、慎太郎の姉の静香のために戦う十夜。
 お互いをよく知るもの同士の最後の闘いの時は、刻一刻と迫って......

 『一色』を巡る闘いも遂に終結。最後の闘いの動機付けは中々いいですねぇ。十夜の戦う理由が非常に興味深いモノでした。
 また、慎太郎周辺が素直でない不器用な人間が多いのに対して、対照的に十夜はただ静香を愛するという信念の元行動する、そんな対比もよいですな。こうして決着が付いてしまったところでシリーズ完結のように思いますが、どうなるか、また新刊をチェックしていきたいと思います。

 てなところで次は『かぐや魔王式!第5式』です。

狼と香辛料ⅩⅢ~ Side Colors Ⅲ~

 支倉凍砂・著、文倉十・イラスト、電撃文庫。
 12月16日(水)読了。

 桃のはちみつ漬け。
 これまでも幾度か望んだモノの巡り合わせ悪く手に入れることの無かった逸品。
 ロレンス達が立ち寄った街で偶然に耳に入った噂。
 とある商館の主が桃のはちみつ漬けを高級なパンに載せようとしているらしい。
 それはつまり、桃のはちみつ漬けがこの街にはあるということに他ならない。
 今度こそ、ホロに買ってやろうとロレンスは店に向かうのだが......

 今回は旅先でのちょっとしたロレンスとホロの遣り取りを描いた短編三編と、リュビンハイゲンの一件でロレンス達と深く関わった羊飼いノーラのその後を描く中編という構成でした。

 ロレンスとホロの会話は相変わらずウィットに富んでいて読んでいて心地よいのですが、今回はホロ視点の短編が一つあり、それがまた楽しいですねぇ。普段、どういう気持ちでロレンスをからかっているのか? なんだかんだでロレンスを想っているのが伝わってくるのがよいですな。

 そして、今回のメインとも言える羊飼いを廃業して服の仕立て職人を目指すノーラの後日譚は、語り部からして驚かされました。また、この語り部が面白い。上手いことやったなぁ、と思います。話の方も、夢は簡単にはいかないながらも、ノーラらしい展開で微笑ましいですな。また、どこかで本編と絡んでくるとそれも一興です。

 てなところで次は『蒼月のイリス3』です。

とある魔術の禁書目録19

 学園都市の暗部で蠢く『グループ』に招集が掛かった。
 テロリストを壊滅させるという彼らにとっては簡単な任務だ。
 実際、事もなく片付けることが出来たがそれは『グループ』のメンバーにとっては複雑な結果だった。
 彼らが壊滅させたテロリストの要求は『ドラゴン』。
 それは、彼らの追い求めるモノでもあり......

 てな訳で、今回は裏主人公である一方通行《アクセラレーター》を始めとする学園都市暗部サイドの御華詩です。
 自らを悪党と定義しながらも、根本的な部分ではただただ一人の少女を守りたいだけの一方通行《アクセラレーター》の姿はやっぱりカッコイイですな。そして、更には本当に這い上がった第三の主人公の活躍もあったり。今回は学園都市の暗部の謎に迫りつつ、一方では二人のヒーローが道を見いだす物語でもありました。そして、その道は更に......
 ネタバレ控えると書けることが少ないのですが、今回は本当に次巻が楽しみで仕方の無い引きでした。何時になるか解りませんが出たら速攻で読みたいと思います。

 てなところで次は『狼と香辛料ⅩⅢ~ Side Colors Ⅲ~ 』です。

生徒会の月末~碧陽学園生徒会黙示録

 葵せきな・著、狗神煌・イラスト、富士見ファンタジア文庫。
 12月13日(月)読了。

 鍵と深夏のクラスメートの巡はトップアイドル。
 そんな彼女の密着取材が碧陽学園にやってきた。
 アイドルの彼女が人気者なのは当然のこと。
 弟を大切にして、クラスでも人気者でみんな彼女が大好きなのだ。
 彼女の日頃の行いが、それを可能とする。
 仕事も勉強も頑張る彼女は、名実共にトップアイドルなのだった......


 生徒会メンバーが生徒会室を飛び出して(大袈裟)展開される日常の物語。うん、クラスメート側の御華詩もよいですねぇ。巡&守姉弟が楽しいです。あと、中目黒君はどんどん真冬の妄想が具現化されているような(;^^) 真冬は真冬で巻を重ねる事に駄目になっていきますが、まぁ、ちょっとは成長したようで。深夏はどうにも空回りして不器用というか。鍵はまぁ、いつも通り。こうやって、鍵のクラス中心にキャラが掘り下げられるのは読んでて楽しいですな。まぁ、基本的に余り頭を使わずに読めるので有り難いです。

 てなところで次は『とある魔術の禁書目録19』です。

桜木メルトの恋禁術

  • Posted by: ktr
  • 2009年12月 8日 19:39
  • 2009 | 小説

 森田季節・著、 nino ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月8日(火)読了。

 小学生の頃から一人の少女を思いつづけた金沢大和。
 転校という形でその想い人、二宮七緒と運命的な再会を果たした彼は、直ぐに行動に移る。
 校舎裏に呼び出し、正に彼女に想いを伝えようとした時。
 「す......」
 あと一息でその言葉は発せられるはずが彼の口から出た言葉は、
 「酢味噌」
 どうしてもその言葉が発音できない彼の前に現れたのは恋禁術師を名乗る桜木メルトという美少女だった。
 大和が告白できないのは、彼女が恋禁術を掛けたからだと言う。
 しかも、それに飽きたらず彼には恋禁術師の才能があると強引に助手に任命してしまい......

 語感がいいですねぇ、恋禁術。
 恋愛を悪として、いちゃつくカップルには恋禁術で痛い目を見せる、そんな御華詩。
 ストレートに『恋愛』という概念がテーマとなっている作品ですな。
 全体的に細々としたところで「あれ?」と思わされたモノの、メルトと大和の関係の在り方とかはヒロインに振り回されている内に...... というベタな展開ながらよいですねぇ。
 シリーズ化するかは解りませんが、これからどうなるかは気になるので続きが出れば読みたいと思います。

 てなところで次は『生徒会の月末~碧陽学園生徒会黙示録2~』です。

三流木萌花は名担当!

 田口一・著、をん・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月6日(日)読了。

 一冊の小説を世に出した高校生、時任孝一。
 そんな彼を入学式の直後『時任零路』とペンネームで呼ぶ者が居た。
 その名前は三流木萌花《みつるぎもえか》、誰有ろう、孝一の本を出版した三流木出版の社長の娘だ。
 彼女は、売れ筋で中身のない本ばかりを出す父の方針に反発し、その為に孝一の担当編集となり彼にあるジャンルの本を書かせるべく奮闘を開始する。故に、彼女は命じる。
 「担当命令よ! 『萌え』で『エッチ』な『ラブコメ』を書きなさい!」
 だが、ライトノベルどころかマンガやアニメにさえほとんど触れたことの無い孝一が『萌え』など理解できる筈もなく......
 果たして彼にそのようなものが書けるのか?
 それは、編集者、三流木萌花の力に掛かっている!

 って、大体こんな感じの御華詩で間違っていない筈。文学作品とかにしか触れておらず、基本的にエンターテインメント作品にはスターウォーズの第一作ぐらいしか触れたことのない少年にライトノベルを書かせようという流れ、ライトノベル製作の舞台裏を描いた作品でもありますな。その辺りを広義に捉えれば『バクマン。』とか『週刊少年リーダム』とかのラノベ版と考えられないこともない...... と思います。結構デフォルメされてるとは思いますが、ラノベとしての留意点とか言ったモノは感じられる作品でしたねぇ。
 続きも出るようなのでまた追いかけて行きたいと思います。

 てなところで次は『桜木メルトの恋禁術』です。

聖剣の刀鍛冶《ブラックスミス》7

 三浦勇雄・著、屡那・イラスト、MF文庫J。
 12月4日(金)未明読了。

 群集列国から這う這うの体で帰りきた独立交易都市。
 しかし、そこには悪夢のような光景が広がっていた。
 多数の悪魔に蹂躙される守るべき町の姿に絶望に駆られるセシリー。
 しかし、相棒のアリアの叱咤に目を覚まし、やはり、渦中へと飛び込んでいく......

 いやぁ、もう、熱い。心地よい熱さです。その熱さが伝染していっているというか、リサもゼノビアもレジナルドも熱い。
 新幹線で酒片手に読んでて酔いも吹き飛ぶ熱さでしたねぇ。こういうのはテンションがあがりまくります。なんというか、『宇宙英雄物語』の最初のイメージアルバムの解説の星海王ブラスではないですが『燃える!』としか言いようがありません。いいなぁ、こういうのは。その中で、セシリーとルークの絆も深まって、そこはほのぼのというか、そのバランスがよいですな。
 御華詩としては今回で一つの大きな区切りとなって次から新展開。楽しみにしたいと思います。

 てなところで、次は『三流木萌花は名担当!』です。

かのこん13~オトメとらいあんぐる~

 西野かつみ・著、弧印・イラスト、MF文庫J。
 12月3日(木)読了。

 ついにあかねをデートに誘うことに成功したたゆら。
 浮かれる彼になんだかんだと付き合ってくれるあかねに今日こそ思いを告げようと決意するも束の間、二人を大きなアクシデントが襲う。
 なんと、二人はデートに訪れた『大恐竜展』が現実に存在する世界、つまり恐竜が生きていた時代に飛ばされてしまい、サバイバル生活を強いられることに......

 ......たゆら、よかったなぁ(じみじみと)。
 何か、他に短編が幾つか入ってましたが今回のメインはたゆらとあかねの御華詩ですな。段々とあかねも打ち解けてって遂に...... って感じですが、オチが中々素敵でした。この作品は、バカップル達の間で純愛を貫くこの二人にこそあると思ってたので本当にこういうのが読めて本当に嬉しいです。

 てなところで、次は『聖剣の刀鍛冶《ブラックスミス》7』です。
 

這いよれ!ニャル子さん3

 逢空万太・著、狐印・イラスト、 GA 文庫。
 12月1日(火)読了。

 這い寄るニャルラトホテプを追ってクトゥガまでもやってきてしまい辟易する真尋。
 だが、持ち前の適応能力でどうにか休日を乗り切ろうかとしていた。
 だがそこに、新たな神話世界の住人がやってくる。
 不思議な装置を向けられそこから放たれた光を受けた真尋とニャルラトホテプは......
 え、僕があいつであいつが僕で!

 何か、もう3冊目が出てしまいました、邪神と少年が繰り広げるドタバタラブコメディ...... と見ようと思って頑張って見ればどうにかそう思えるかもしれないシリーズ! そんな風に読もうと信じて読めば社会風刺も効いてるよ!

 で、今回については、まぁ、帯の煽りにある最後の一文が全てを物語ってますね。煽り文句なんでここのネタバレ基準ではセーフということで(;^^) しかし、相変わらず出てくるネタが楽しいですねぇ。ナチュラルにほとんど解るのは喜んでいいのか若干考えてしまいますが。何だかんだで、すっかり慣れたというか楽しみな作品となってしまっています。
 今回は盛大に続きを期待させる引きだったので、続きも楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『かのこん13~おとめトライアングル~』です。また絵師繋がりですな。

死神のキョウ3

 魁・著、桐野霞・イラスト、一迅社文庫。
 11月29日(土)読了。

 恭也とキョウの乗る通学バスがバスジャックにあった。
 人質に取られたココロを救おうとした恭也の無茶でどうにかバスジャック犯を撃退するが、逃亡の際に対向車に跳ねられてしまう。
 そこに現れたのは二人もよく知る死神だったが、何故か肉体から切り離される筈のバスジャック犯の魂は残ってしまい......

 ほぼ1年ぶりの続刊ですな。前回の伏線から一気に話が広がった感じですな。
 何か、ココロが大変なことになっているというか、やるせない方向に進んでいるというか。
 恭也とキョウの関係を通じて描かれる、死神と人間のあり方の違い、その中でのキョウの葛藤。他の死神との確執。
 風呂敷が広がってきましたが、今後どうなるのか? まだしばらくは続きそうなので楽しみにしたいと思います。

 てなところで次はいつもニコニコあなたの隣に這い寄る混沌でおなじみの『這いよれ!ニャル子さん3』です。

ライトノベルの楽しい書き方3

 本田透・著、桐野霞・イラスト、 GA 文庫。
 11月22日(日)読了。

 突如現れた流鏑馬剣のフィアンセ。
 彼女の『暫定彼氏』である与八雲は生まれて初めての嫉妬に苛まれる。
 常に剣と自分が釣り合わないと悩んでいた八雲は不眠症になり、剣に問いただす勇気も無く時はいたずらに過ぎていく。
 そして、迎えた学園祭で......


 ラブコメですねぇ。うん。
 ラブコメを書くためにラブコメを取材として実演するために暫定彼氏となる、という若干メタな構造ですが、まぁ、ノリがいいのでそんな小難しいことを考えるのは野暮でしょう。今回は、八雲と剣の関係にも少しばかり前進が見られたり周囲も少しずつ動き始めたようで、今後が気になるところです。しかし、『トリケラトプス拳』って定着してたんですねぇ(謎

 てなところで次は『死神のキョウ3』。絵師が同じ作品が続きますが偶然です。

ノブレス・オブリージュ ~茅森楠葉の覚悟~

 小松遊木・著、甘塩コメコ・イラスト、GA文庫。
 11月18日(水)読了。
 第1回GA文庫大賞奨励賞受賞作。

 お嬢さま学校である聖宝女学院に通う剣士、鍛冶本亜未。
 庶民の出ながら、ひょんな切っ掛けで学院の平和を守るルミナス・フォースの一員を勤めている。
 とは言え、そんなに腕に自信が有る訳でもないのにある日の通学路で無頼の剣術遣いに遭遇してしまう。
 何とか助けようとするも力及ばず危機に陥るがそこに一人の剣士が現れて......

 サラッと読んでサラッと楽しめる、そんな御華詩でした。
 特殊な血筋の一種の特殊能力としての『剣士』という資格が存在する世界ですが、それを踏まえた上でごく普通な女学院の日常風景というか、そんな雰囲気でした。ちょっと消化不良というか設定が分かりづらい気もしたのですが、そこを変に誇示しないのが却って分かり易くてよかったようにも思います。あと、楠葉(樟葉)は比較的近所なのでそちらも印象的でした。

 てなところで次は『ライトノベルの楽しい書き方4』です。

神曲奏界ポリフォニカ アドヴェント・ブラック

 大迫純一・著、BUNBUN・イラスト、GA文庫。
 11月15日(日)読了。

 突如、神曲公社に呼び出されたマティアとマナガ。
 そこで告げられたのは、マティアの神曲に対する疑念。
 ブルースハープ一つで奏でるそれは、本当に神曲なのか?
 一方、その頃、二人の職場のルシャゼリウス市警では一人の警官が襲われていて......


 全ての謎が遂に明かされる13冊目。
 もう、細かいことは抜きにして本当に心地よいです。色々と仕掛けられたモノが一気に繋がって、一つの終わりを迎え、そして新たな始まりを見せました。シリーズ全体を通しても、非常に大きな事実も示される大きな意味を持つ御華詩ですね。
 何を語ってもネタバレになるので、多くは語らず。思わず400ページ超を一気読みして休日を潰してしまった心から楽しめたと記すに留めます。ああ、もうゴールドの続きも気になって仕方がありません。まだまだこの流れは続いていくのが嬉しい限りです。
 てなところで予定を戻して次は『ノブレス・オブリージュ~茅森楠葉の覚悟~』です。

理の守護神さま。 一.黒使の少女・龍方時雨《レイニー・レイン》

 十目一八・著、すまき俊吾・イラスト、GA文庫。
 11月15日(日)読了。
 第1回GA文庫大賞奨励賞受賞作。

 世の怪異災いから人々を守る森羅家。
 その分家である龍方家の若き女当主、龍方時雨は極秘任務の為同じく玄武家の当主である玄武浩二と共に富士の樹海を訪れていた。
 目的は森羅家の最高峰の神具、天理。
 無事に天理を発見した時雨だが、その天理を抱えた即神仏が......


 怪異を扱う強力な力を持つ家やら分家やら対立する組織やら、そんな設定が色々と鏤められた御華詩ですが...... 基本は漫才に近いですね。シリアス分もありますが、シリアスな場面でも漫才が出てくるのは某神懸かってる家を思い出しましたが、流石にあそこまででは無かったので一安心というか。まぁ、敵役やらと喋くってる内に局面が変わっていくのはテンポがいいと言えばテンポがよいですね。設定自体は有り触れてますが、キャラクターで個性を出したというかそういう雰囲気ですな。基本容赦ない性格の時雨のキャラクターとか、彼女を何かさせてしまう性別転換なとあるキャラとか。全体的に設定の説明不足な気がしないでもないですが敢えてそう言う方針のようなのでそれはそれとします。
 あからさまにシリーズ化が宣言されているので続きが出ればまた読んでみたいと思います。

 てなところで次は予定を変更して『神曲奏界ポリフォニカ アドヴェント・ブラック』を前倒しで読んでしまいます。

Re:SET 想いと願いのカナタ

 月島雅也・著、赤りんご・イラスト、 GA 文庫。
 11月12日(木)読了。
 第1回GA文庫大賞優秀賞受賞作。

 恋には二つのタイプがあるらしい。
 幼い頃から何故か女子とまともに話すことが出来無い高校生。
 今までは親友の月真を通訳のようにしてしか女子と話せないでいた。
 だが、ある日突然、女子と話せるようになって......


 なるほど。オーソドックスな構成ですが手堅くまとまった御華詩ですな。オチは直ぐに読めてしまいますが、そこにどうやって辿り着くのか? という部分とオチが読めるだけに逆に切ない部分とか、いいバランスでした。基本はまぁ、タイトル通りのようなそうでないような。でも、物語の構造自体がネタバレを孕むので語りづらいですね。ただ、確かによく出来た御華詩です。完全に1冊でまとまった御華詩なのですが、シリーズとして進める要因もあるので、今後どうなるか追っていきたいと思います。

 てなところで次は『理の守護神さま 一.黒衣の少女・龍方時雨《レイニー・レイン》』です。

神曲奏界ポリフォニカ レオン・ザ・ゴールド

 大迫純一・著、忍青龍・イラスト、GA文庫。
 11月9日(月)読了。

 遂に、刑期を終えてレオンが帰ってくる。
 ロレッタ達は自分たちが構えた店で、待つ。
 約束の時間が迫り今か今かと待ち構えていたところで、果たしてレオンは現れた。
 しかし、パーティーの乾杯の代わりに鳴り響いたのは、マシンガンの銃声。
 レオンを狙う襲撃者だ。
 彼はそういう男だ。
 厄介事を運んでくる。
 こうして、波乱含みに始まった新たな生活は......

 遂に、タイトルに色が入ったレオンの物語。
 前作で彼の動機が完全に示されて解決してここからが新たな始まりですな。正直、店頭で表紙見たときから楽しみだったのですが他が溜まっていて今日まで読めていなかったのが悔やまれます。いやぁ、期待の斜め上で楽しい御華詩で大満足です。しかし、まさか、こんな展開でくるとは...... 本当に侮れませんね、この作者。詳しくはネタバレるので控えますが、流石にこういう冒険活劇になるとは予想外。でも、それがまた楽しいです。
 このシリーズが今後どこを目指すのかはまだまだ分かりませんが続きを楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『 Re:SET 想いと願いのカナタ』です。

神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS 5

 トルバス神曲学院を襲う襲撃者。
 それはかつて、世界に混乱をもたらした〈嘆きの異邦人〉の残党達だった。
 コーティカルテや学院長を狙う彼らに居合わせたフォロン達は絶体絶命の危機に陥る。
 しかし、彼らの実の狙いは別にあって......

 キネティックのノベライズ第5弾。いやはや、本当、社会人編とアニメで大方解ってしまっているのが勿体ないですねぇ。一番大きな謎とも言えるコーティカルテの正体はとっくに知っているわけで、それをどうフォロン達に告げられたのか? という楽しみはあるモノのサプライズが少ないのはちょっと残念です。まぁ、GA文庫創刊当時に知ってすぐにキネティック版を入手していながらやらなかった自業自得ですが(;^^)

 また、毎回のおまけである短編。今回は何というか...... こういったことが出来るのもシェアードワールドの楽しさというか『異界』って設定使えば確かに成立する設定ですね。何か、レンバルトが妙に楽しそうだったのがいいですね。明らかに彼好みのネタでしたし。

 てなところで次は遂に色を関した待望の『神曲奏界ポリフォニカ レオン・ザ・ゴールド』です。

灼眼のシャナⅩⅨ

 高橋弥七郎・著、いとうのいぢ・イラスト、電撃文庫。
 11月6日(金)読了。

 大命成就を前にして、[仮装舞踏会] とフレイムヘイズ両陣営の総力戦が始まっていた。
 その中心地で、神の待つ『神門』へと突入したシャナ達。
 遂に辿り着いた『敵』の元で、シャナはその誓いを言葉にし......

 ネタバレを気にすると余り掛けませんが非常に盛り上がった巻ですねぇ。本当、総力戦で登場人物数も多く読み応えがありました。これまでの積み重ねから、どういう選択をするかという部分が示され、これから先に繋がっていくのでしょうね。そろそろ終着点も見えてきたこの物語の行き着く先がどこになるのか、楽しみに待ちたいと思います。

 てなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS 5』です。

"文学少女"と恋する挿話集《エピソード》2

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 11月1日(日)読了。

 反町亮太は男子生徒に人気の琴吹ななせのファンだと周りには思われていた。
 しかし、彼が本当に好きなのはその友人の森(名前はNG)だった。
 自分の気持ちを素直に伝えることも出来ず、当の森にも琴吹が好きだと勘違いされて応援されてしまう始末。
 思い悩んだ彼は、中庭のポストについつい悩み相談の手紙を投函してしまう。
 かくして、彼は"文学少女"天野遠子と関わることになって......

 いやぁ、いい裏話ですねぇ。あのとき、クラスメート達はこんな動きをしていた、というか。本編で描かれた心葉が遠子先輩と出会ってから彼女が卒業してしまうまでの間のエピソードを、美事にまとめていますねぇ。正直、琴吹ななせというヒロインは非常に厳しい役回りに思えますが、確かに文学作品ではよくある立ち位置とも言えますな。多くの悲劇を内包したシリーズの裏側で、こういった人間模様があったというのはちょっとホッとします...... でも、これ読んでから最終巻を流し読みしてみたら端々のななせや森や亮太の想いが過ぎってより切なくなりました。いい、挿話集です。何だかんだで、まだ"文学少女"の世界を楽しめるのは本当に嬉しいことですねぇ。見習いの方も続きが楽しみです。

 てなところで、次は『灼眼のシャナⅩⅨ』です。

森口織人の陰陽道 巻ノさん

 おかゆまさき・著、とりしも・イラスト、電撃文庫。
 10月31日(土)読了。

 初雪から北校舎の屋上に呼び出された織人。
 それは、休日のお出かけのお誘い。
 訪れた美術館で喜ぶ初雪の姿に、彼女を守る力を得るという想いを更に強くする織人。
 だが、そんな彼の前に突如として強力な"天魔"が現れて......

 ようやく始まった感のある第三巻。初雪の能力がようやく繋がったと言うか、タイトル通りの展開ですな。
 迷走した1巻と開き直った2巻ですがその流れで話もいい感じに膨らんで来たように思います。
 で、前回大活躍だった三千院さん...... まぁ、これで運命は決まったということでしょうか(;^^)

 てなところで次は『"文学少女"と恋する挿話集《エピソード》2』です。

文芸部発マイソロジー2

 早矢塚かつや・著、きくらげ・イラスト、一迅社文庫。
 10月27日(火)読了。

 『邪眼ノート』は世界創造の力を持つノート。
 寛二を始めとする第二文芸部の面々は自らが生み出した世界、クラフティアの神となる。
 かつて産みだした世界に呑まれた伊緒の兄を見つけ出すため、そして、以前の悲劇を繰り返さないため、外なる神々の侵攻からクラフティアを守り続ける寛二達。
 だが、それをあざ笑うかのようにあの邪神が現れて......

 確かに見方によっては『第二次超神様大戦α』な現実世界と神話世界を横断する物語第二弾!
 今回は、北欧神話+クトゥルフ神話と言った趣です。ラグナロクを控えてラブコメをする大地神とかスケールがでかくても問題は身近なノリが中々に楽しい作品であります。で、神話ごちゃ混ぜなんであの神が出てきてあの台詞を...... 葉月先輩と同時に思いっきり突っ込むと共に確かにあのシチュエーションなら表現はともかく内容的には間違っていない絶妙なタイミングに爆笑でした。神話世界でそうそうたる神々と闘いながらも根底はラブコメという妙なバランスも素敵ですねぇ。今回は次に向けての伏線も多く出てきたので次が楽しみです。

 てなところで次は『森口織人の陰陽道巻ノさん』です。

ギロチンマシン中村奈々子~輪廻転生編~

 日日日・著、大出長介・イラスト、徳間デュアル文庫。
 10月22日(木)読了。

 "珊瑚礁"に避難し、この地球の真実を知った山田太郎(仮名)達。
 既に、機械達は総力を挙げて人間を滅ぼしに掛かっていた。
 圧倒的な力の前に、しかし、人類は秘策を用意していた。
 かつて、<学園>の執行人として数多のロボットを断罪したギロチンマシン。
 今、人類の命運はギロチンマシン中村奈々子の文字通りの両腕に掛かって......

 色々と迷走しながら進んだ、人類とロボットの闘争を描いた当シリーズも遂に完結。
 日日日作品は大概読んでいますが、その中でも異色というか実験的要素の濃い作品。思わせぶりな伏線だらけで風呂敷が可成り大きく入り組んでいたので、最後でどこへ落とすかと思っていたのですが綺麗に畳みましたねぇ。終わってみれば、手垢のついたテーマながらSF作品として思い切った形で描ききったなぁ、と思います。しかし、本当に日日日は人間を愛していますねぇ。可成りえぐいことも書きつつ、全体として人間賛歌だったようにも感じます。
 シリーズが完結すると、同作者の新シリーズに期待...... と通常は成るのですが日日日の場合はまだまだシリーズがありますからね。他のレーベルでも変わらず追い続けたいと思います。

 そんなところで次は『文芸部発マイソロジー2』です。

鳳凰堂みりあは働かない!

 石川ユウヤ・著、シロガネヒナ・イラスト、 MF 文庫 J。
 10月18日(日)読了。
 
 何よりお金を大切にする少年、火車ヒイロ。
 彼は、入学早々に「働いたら負けかなと思ってる」と宣った大富豪の娘、鳳凰堂みりあと一悶着を起こす。
 結果、ニートを何かの職業と勘違いしている彼女の『ハローワーク』に任ぜられたヒイロ。
 果たして彼は、みりあを立派なニートにすることが出来るのか?

 お金が絡むと力を発揮するヒイロと、モノの値段を性格に射貫く目を持つみりあの繰り広げるラブコメ、ですかね。今のご時世を反映した御華詩ですな。テーマはお金というか、他のヒロインも基本は『働きたくない』と言うのが動機。まぁ、設定に色々と無理がある気がしないでも無いですが、どうにかこうにか形になっていますねぇ。
 また、文体の癖は感じ取れつつ前作の初期の灰汁はすっかり無くなっているのがいいのか悪いのか微妙なところ。まぁ、しつこくお金が大事だと繰り返すのは似た流れですが。
 正直、着地点が今一見えない御華詩なのでどうなるか続けて読んで行きたいと思います。

 てなところで次は『ギロチンマシン中村奈々子 輪廻転生編』です。

オウガにズームUP!3

 穂史賀雅也・著、シコルスキー・イラスト、MF文庫J。
 10月14日(水)読了。

 今日も今日とてユージを喜ばせようと見当違いな方向に頑張るククル。
 そんな彼女に『夜の国』への呼び出しが掛かる。
 ククルが居ない日の午後、ユージは買い物先で金髪の女の子と出会う。
 風船が飛ばされて泣いていたので取ってあげてその場はおしまいだった筈が、再びユージはその少女と出会うことになって......

 微妙にずれた空気というか何とも説明し辛い持ち味が魅力の御華詩。
 クラスメート丸ごとを出したので、ラブコメ展開としてはやりやすいシリーズと成っていますねぇ。特にどうということのない日常の物語ですが、さらっと読んでさらっと楽しめるいい塩梅の物語です。相変わらず、主人公以外を描いた番外が面白いのもこの人の持ち味か(;^^)

 そんなところで次は『鳳凰堂みりあは働かない!』です。

わるぷるキス!

 内山靖二郎・著、ニリツ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 10月12日(月)読了。

 魔女達が暮らす魔法特区セイラムにある御津門学園に、一人の少年が転校してきた。
 彼の目的は、自らの生き方を規定する力を除去すること。
 この学園には「ワルプルギスの夜」という力を消し去ることが出来る魔法が存在するらしいのだ。
 だが、学園には男子はほとんどおらず、珍しい男子は格好の実験材料と見なされる始末。
 そんな状況から逃れる為に彼は『男子魔法部』という部活に入部するのだが......

 『もふもふっ珠枝さま!』や『クダンの話をしましょうか』の作者の新シリーズですな。
 魔女が存在し、しかし社会的には隔離政策がとられている世界での御華詩。世界観が面白いですな。また、情報統制による魔女に対するネガティブキャンペーンなど、ちょっとばかり風刺的なモノが感じられたのは穿ちすぎでしょうか?
 そんな世界で繰り広げられる物語。今回は導入的なところだったので今後の展開に期待です。

 てなところで次は『オウガにズームUP!3』です。

ぴにおん!4

 樋口司・著、タカハル・イラスト、 MF 文庫 J 。
 10月12日(月)読了。

 文化祭の騒動も終わり、すっかり肌寒くなった頃。
 与四郎は立て続けにおかしな夢を見た。
 超能力者の女の子と達との甘い夢。
 原因に心当たりはあるモノの、何かが引っかかる。
 そうして、原因を探っていると......


 微妙な超能力=人と違う部分=コンプレックスという構図で語られる物語も今回で完結。短くまとまった感じでしたが、柊先生の部分も補われて各ヒロインの見所を創りつつ、最後の選択に至まで、綺麗にまとまった感じですな。やたらと読者に語りかけるような癖のある文体もすっかり慣れましたし、これはこれで味がありますね。次回作もまた読んでみたいと思います。

 てなところで次は『わるぷるキス!』です。

二人で始める世界征服4

 おかざき登・著、高階@聖人・イラスト、 MF 文庫 J 。
 10月12日(月)未明読了。

 正体が怪しまれている?
 キャッツグレイスでの事件以来、リンドブルムにご執心の龍造寺八都子から妙なアプローチを受けるようになった竜太。
 積極的な彼女の行動力は凄まじく、何だかんだで千紗やありすも共に彼女の別荘へ遊びに行くことになって......

 平和な世界征服の物語第四弾!
 今回も平和...... と思いきや、ちょっとばかり厳しい状況に陥っていたりします。その辺りの乗り越え方は少年漫画的で楽しいモノでした。一方ではラブコメ分が増強され、一方では高槻さんの色物ブリが出て益々魅力的なキャラになるなど、侮れない内容でした。
 全体的にキャラ配置が面白くなり、また、物語の構成もしっかりしてきて楽しいシリーズになってきたなぁ、と思ったところで次で最終巻らしいのが少し残念です。とは言え、どう終わらせるのか非常に楽しみでもありますんで、次に期待です。

 てなところで次は『ぴにおん!4』です。

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ disc3

 田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
 10月7日(水)読了。

 都築武紀がギャルゲー『エターナル イノセンス』のヒロイン達を現実に投影して半年が過ぎていた。
 ヒロイン達は今や完全に日常を共にする血の通った人間であり、彼女たちの幸せを第一に考えることを自らに誓い過ごしてきた。
 だが、そんな武紀に試練が訪れる。
 義理の姉妹である春海と夏海の実の父親が二人を引き取ると申し出てきたのだ!
 どうするのが春海と夏海の一番の幸せに繋がるのか?
 武紀は重大な選択を迫られて......

 『ギャルゲー』という虚構が現実に投影されることで生まれる様々な齟齬が原動力となるシリーズ第三弾。
 今まで積み上げたモノが動き出して、そもそもの『何故、ギャルゲーの世界が投影されるのか?』と言ったメタな部分に言及がありつつ、世界観が安定してきた感じですね。特に、現実サイドのキャラが動いたことで既にヒロイン達が現実の存在であるという構図が強調されていますね。もう、既にゲーム世界との対比は終わりを迎えて、現実に存在する少女達として、幸せを模索する段階に入ったということですかね。高橋さんもどんどん絡んできてますし。

 今回のテーマは、確かにゲームではよくあるパターンながら、現実では社会的に問題があるというか、そう言った内容。掘り下げて考えていて、こういったことを考える思考実験は楽しいですねぇ。それを展開させる伏線の提示と回収がシステマチックなのは変わらずですねぇ。綺麗すぎて可成り初期で答えには気付きましたが(;^^) ただ、こうやってみると、まだまだ『ゲームだから許されていたけれど現実では......』というテーマは幾らでも出てきそうなので、今後の展開に期待です。

 あ、あと、四阿ちゃんレギュラー化で眼鏡枠も万全。あとがきの絵師さんのイラストも素敵です。

 何はともあれ、3巻発売おめでとうございます!

 といったところで次は『二人で始める世界征服4』です。

緋弾のアリア4~堕ちた緋弾《スカーレット》~

 赤松中学・著、こぶいち・イラスト、 MF 文庫 J 。
 10月2日(金)読了。

 キンジの前に突如現れたカナ。
 『彼女』はアリアの抹殺を仄めかし、姿を消す。
 そんな折、単位不足のキンジはその救済策としての緊急任務であるカジノの警備任務にアリアと共に就くことになる。
 始めて積極的にパートナーとしてキンジが誘ってくれたことを喜ぶアリア。
 しかし、その任務は実は......

 物語がいよいよ核心に迫る第四弾! アリアとキンジの関係も少しずつ変わったりして目が話せない展開ですな。見せ方とか、伏線の設置とか本当にそつない感じで、安心して読めるエンターテインメント作品、という当初からの印象は揺るぎないですね。
 遂に姿を現したラスボス(?)の前に、キンジとアリアはどう動くのか? 次が楽しみです。

 てなところで、次は『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc3 』です。

みにくいあひるの恋

 日日日・著、みことあけみ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 9月28日(月)読了。

 『恋の病』。
 遂にそれが死に至る不治の病となった世界。
 一人の少女が、可愛らしいことをコンプレックスとする少年を音楽室に呼び出した。
 そして、少女は少年に告げる。
 「あなたのことが嫌いだから」
 だが、少年は嫌われたからこそ彼女のことが気になり始めて......

 非常に面白いテーマですね。『恋愛』をテーマにしつつ、『恋』が死に至る病となって本当に恋をすると死んでしまう。
 だから、子供のすり替えにより最初から『兄妹』『姉弟』という家族として恋愛ではなく家族愛に置き換えて種を繋いだ人々。
 そんな世界で恋する少女の物語。
 何というか、日日日作品では童話の類をテーマとすることは多いですが、今回はまた違った感じですね。まぁ、毎回芸風を変える方針のようなので意図的なんですな。
 ......しかし、日日日だけに、もしもこれが続いたら多分こんなドロドロの血生臭い展開になるだろうなぁとか思ってたらあとがきでそういう風になることを自覚していたというのが楽しいところです。
 死と隣り合わせの恋。シリーズとなるようなのでその末路がどうなるか、楽しみにします。

 てなところで次は『緋弾のアリア4』です。

純愛を探せ!2

 速水秋水・著、玲衣・イラスト、 GA 文庫。
 9月24日(木)読了。

 虚言と姦淫を司りながら、純愛を求め、手に入れた魔神カルマ。
 虚言を捨てて誠実を、姦淫を捨てて一筋に、人間の少女、カナデを愛することを決意する。
 だが、自身の存在を否定するその行為は自らの身を蝕むこととなる。
 命か、愛する女性か?
 折しも、天界側の不穏な動きがある中、カルマはカナデ達と共に九条家の別荘へ遊びに行くことになったのだが......

 これは、上手いこと設定を活かしていますねぇ。虚言と姦淫を司る魔神が純愛を求めるという矛盾がよく描かれていたと思います。しかし、やっぱり、この流れだと某黒魔法少女の直立不動隷属イエッサーな悪魔を思い出します(;^^) まぁ、テーマが被ってると言えば被ってますから仕方ないですが。あと、カリバン卿楽しいなぁ。何か悲惨な立ち位置のようで美味しい役回りですねぇ。
 最低限、3巻は出そうなので続きも楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『みにくいあひるの恋』です。

ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚 魔法の材料ございます

 葵東・著、蔓木鋼音・イラスト、 GA 文庫。
 9月18日(金)読了。
 第1回GA文庫大賞奨励賞受賞作。

 百のドラゴンを倒したとされる英雄ドークは後に魔法材店を開く。
 その孫であり三代目店主であるシャルトは、英雄とは無縁の暢気な生活を送っていた。
 そんな彼の元に、一人のやんごとなき少女が訪れる。
 英雄を求めドラゴンを倒すと息巻くその少女に行きがかり上、同行することになった三代目は......

 なるほど、魔法や法術やら文化の設定やらの世界観、主人公のちょっと特殊な生い立ちやら背負っているモノ、テンポのよい会話など、分かり易いところでそつなくこなした作品ですな。特に、主人公の性格付けが良かったように思います。ただ、色々と思わせ振りな伏線が設定が取って付けたように回収されたり結局曖昧すぎて説得力が無かったりで微妙なところもありましたが(;^^) 特に、最終章は無かった方が良かったと思うのは気のせいか...... 何か、あれで読後感が変わってしまったので。まぁ、語らないのは投げっぱなしで手抜きとか評価シートに書かれたことのある人間としては、確かに伏線張ったからには回収するのがラノベの流儀なのかも知れませんが(;^^)

 てなところで次は『純愛を探せ!2』です。

神曲奏界ポリフォニカ こんふゅーじょん・ぶるう

 築地俊彦・著、兎塚エイジ・イラスト、GA 文庫。
 9月16日(水)読了。

 盗まれた秘蔵ビデオを取り戻すため国境付近までやってきたクルナとルーファ。
 二人はそこで、傷ついた精霊、ケーマを行きがかり上保護することになる。
 記憶喪失で状況がよくわかっていないケーマを体よくこき使うクルナだったが、突然、彼の元に警察が押し掛けてきて......


 久しぶりの青のポリフォニカ。人間と精霊の在り方を少し違った方向から見る興味深いシリーズでありますな。
 今回もクルナは怠惰な生活を送っていますが、何やら不穏な状況に巻き込まれててんやわんやという感じです。
 まぁ、彼がそんな風になった原因が仄めかされていたりもするのですが、思いっきり次へ続く展開なので続きを待つしかありませんね(;^^) 今回みたいに間が開かないことを祈ります。

 てなところで次は『ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚 魔法の材料ございます』です。

神曲奏界ポリフォニカ プロミスト・ブラック

 大迫純一・著、BUNBUN・イラスト、GA文庫。
 9月15日(火)読了。

 一人の少女が母を失った。
 その哀しみも束の間、葬儀が終わるや、引取先へ向かう飛行機へと乗せられていた。
 だが、その飛行機は目的地へ辿り着くことはなかった。
 得体の知れない何かに襲いかかられ、空中分解の末に墜落したのだ。
 絶望的な状況下で、ただ一人の生存者が居た。
 偶然通りかかったという精霊に救われた彼女の名は、マティア・マチヤ。
 その精霊の名は、マナガリアスティノークル・ラグ・エデュライケリアス。
 これは、マナガとマティアの出会いの物語......

 ううん、本当、引き込まれますねぇ、黒のポリフォニカ。
 マナガとマティアが如何にして出会い、そして信頼関係を気付いていったのか、その過程が描かれます。
 あと、死体安置所の主でもあるサダメキ(イデ)・ティグレアも忘れてはいけませんね。彼女とマティアの深い関係もやはりここに起因しているのですな。

 これで、過去を語る準備が出来たようで、いよいよマナガの謎が次で明かされることになりそうです。思わせ振りに語られてきた罪、異形の理由、それらが何なのか非常に続きが楽しみです。

 てなところで次は久々青のポリフォニカ『神曲奏界ポリフォニカ こんふゅーじょん・ぶるう』です。

鷲見ヶ原うぐいすの論証

 久住四季・著、カツキ・イラスト、電撃文庫。
 9月14日(日)読了。

 学年最下位を突っ走る麻生丹譲。
 図書館に引きこもり授業に出ないが常に追試で満点を取り成績は最上位という鷲見ヶ原うぐいす。
 二人はとある事件が切っ掛けで親交があった。
 ある日、譲は生徒会長であり、うぐいすの親戚でもある薬歌玲からうぐいすと共にとあるパーティーに代理で出席することを頼まれる。
 何でも、自分は都合が悪く出席できないが、その主催者である天才数学者、霧生賽馬にどうしても聞きたいことがあるので代わりに聞いてほしいというのだ。
 こうして、霧生博士の住まう麒麟館に赴いた二人は、他の参加者と共にゲームに参加することになる。
 しかし、翌朝、霧生博士は首無し死体として発見される......
 奇しくも『ゲーム』のために外部との連絡を経たれ施錠もなされた麒麟館は完全な密室。
 その謎に、うぐいすは科学的手法によって挑むが......


 ミステリ仕立てのライトノベル。色々気になるところもありながら、勉強になる一冊でした。
 うぐいすが探偵、語り部の僕、譲がワトスン役という、ミステリとしては非常に分かり易い構成ですね。事件も、特殊な素質を持った人を中心に集められた閉ざされた館での首切り殺人と、これも分かり易いクローズドサークルですな。まぁ、天才ばかり集まったわけでもなければ双子のメイドさんとかはいないので安心です。

 しかし、非常にバランスが難しいですねぇ、ライトノベルに本格テイストを持たせるのは、と。
 『科学の徒』を自認するうぐいすは『不完全性定理』やらを持ち出して状況を理路整然と分析します。そこに『魔術』が絡んでちょっとばかり自体は階層化されるのですが、まぁ、『魔術』も『術』である以上は科学的アプローチが出来る訳で、そういった部分の論理はきちんとしていたように思います。
 ただ、全体的に本格になり過ぎないように、ヒロインの魅力やら恋愛要素でライトノベル的演出をしようとしているのが感じられた訳ですが...... 何でしょうね、こんなに『ヴァン・ダインの二十則』に納得いったのも珍しいです。特に3番。確かに、それを意図して破るというか逆にこれはライトノベルではほぼ必須要素なんでそちらに倒すには入れるにこしたことはないですが、それで話が盛り上がるかはなんともいえないというか。まぁ、分かる人だけ分かればいい表現ですが。

 とはいえ、キャラクタは魅力的でしたし、まだまだ明かされていない話があるのでその辺りが語られるのなら出れば読んでみたいと思います。

 てなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ プロミスト・ブラック』です。

狼と香辛料 ⅩⅡ

 支倉凍砂・著、文倉十・イラスト、電撃文庫。
 9月9日(水)読了。

 『狼の骨』を巡るウィンフィールでの一件の後。
 北の国に詳しい人物を紹介され、ロレンス達は再びケルーベへと訪れていた。
 何でも、その人物は偏屈な銀細工職人と言うことで身構えてロレンスだったが、現れたのは珍しい褐色の肌の少女で......

 商売を肝としながらも、損得以外の動機を得て転機を迎えてその流れも定着してきた感じですねぇ。
 人ならざるモノを交えても揺るがない人の世の摂理。商人の視点を重視しながらもそれ以外の要素を交えてきたホロとロレンスの会話はやっぱり楽しいですな。今回の御華詩の中核を為す銀細工職人、フランもいい味を出していました。
 少しずつ目的地に近づきつつも、やはり立ちはだかるのは商人のようで今後の展開も楽しみです。

 てなところで、次は『鷲見ヶ原うぐいすの論証』です。

狂乱家族日記 番外そのご

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 9月7日(月)読了。

 鬼の一族、姫宮。
 狂乱家族によって崩壊したその一族の末娘、姫宮零子。
 今は、狂乱家族の良心とも言える乱崎優歌として、普通の小学生(でもちょっと最近黒い)の生活を送っている。
 そんな彼女にも、時に萌えが求められ、時に過去の亡霊と出会うこともあり......

 そんな優歌をメインに据えた短編集でした。
 馬鹿話と暗い話が混ざり合った構成ですが、この中では『姫宮否七の花いちもんめ』が最も好きですねぇ。
 姫宮の過去、千花と優歌の過去、千子と零子の兄である否七の屈折した家族愛の物語。
 何か、やっぱり日日日のこういうノリが嵌ります。正直、他と比べて相当の暗さを誇る一品ですが逸品でもあります。まぁ、何か、この御華詩と『姫宮零子のかごめかごめ』は何かライトノベルというよりは文学的だなぁ、と思ってたら日日日もそういう意識はあったようですな。日日日作品では特に新風舎の作品が好きだった身としては時々こういうのを書いてくれると嬉しいですな。

 てなところで次は『狼と香辛料 ⅩⅡ』です。

えむえむっ!8

 松野秋鳴・著、 QP:flapper ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 9月2日(水)読了。

 バレンタインでの事件から二週間ほどが過ぎた頃。
 太郎と嵐子の間にはぎこちない空気が流れていた。
 伝えられた嵐子の言葉、それに対して答えられない太郎。
 一方では一向に改善しない太郎のドM体質に業を煮やした美緒先輩の『治療』も一層過激となっていた。
 こうして、太郎は心身共に激しい消耗を強いられる日々を過ごすこととなって......

 前巻の最後で大きな動きがあって、その流れがどう結実するのか? それが見所の第8巻でしたな。
 ドM体質と男性恐怖症。その対比と共に、取り巻く人達も強烈な個性を持った人々。
 でも、みんなそれでも本質は高校生の男女な訳で。
 その辺りが上手く描かれてるような気がします。
 太郎と嵐子を軸にしながらも、その裏で先輩は先輩で素直じゃなくて。
 そんなあれこれの結果、今回の引きは大分気になる引きだったので次が楽しみです。

 てなところで次は『狂乱家族日記 番外そのご』です。

かぐや魔王式! 第4式

 月見草平・著、水沢深森・イラスト、 MF 文庫 J 。
 9月1日(火)読了。

 六道かなめ、コードネーム『サイクロン』。
 輝夜閣下率いる新世界構築会議に於いてムードメーカー的役割を果たす彼女に、危機が訪れていた。
 格式高い神社の娘として、血を薄めぬ為に学校を退学しての親戚との婚姻が持ち上がったのだ。
 学校を辞めれば、もう、輝夜達と新世界の構築には勤しめない!
 何とか彼女が学校に残れるべく、婚姻を止めようと錦織貴、コードネーム『ハラグロ』、かなめの親友でもある米倉愛、コードネーム『セクシー・アイ』はあの手この手を考えるのだが......

 今回は六道かなめの御華詩。ドタバタラブコメ成分強めってところですな。その裏で、間接的に輝夜の御華詩であるようにも思えますが。で、それらを通しての『ハラグロ』の成長譚のようにも思えたり。輝夜の謎も再び面に出てきたりしましたが、まだまだこれからといったところで、続きも楽しみです。

 てなところで次は『えむえむっ!8』です。

ギャルゴ!!!!!6 -地上波初登場大全-

 比嘉智康・著、河原恵・イラスト、MF文庫J。
 8月30日(日)読了。

 未だ『プチ神隠し』の地伝によって飛ばされた異世界から脱出できない春男達。
 このまま脱出できなければ異世界はあの世へ達する。
 そうなれば、全員文字通りあの世行き。
 残された時間は24時間。
 何としても、元の世界へ戻る術を見つけ出そうとあの手この手を尽くすのだが......

 地方都市伝説、略して地伝を巡る物語りもこれにて完結。どうにかこうにか広げた風呂敷を畳んだような印象ですねぇ。
 全体的なノリは良かったのですが、ちょっと後半はこれまでの要素を上手いこと組み合わせてはいるのですが、ご都合主義というか無理矢理に辻褄を合わせすぎていた感が否めません。それでもどうにか着地は出来たかなぁ、という雰囲気ですね。オチはまぁ、ある意味らしいオチでしたし。

 てなところで次は『かぐや魔王式! 第4式』です。

佰物語

 西尾維新・著、渡辺明夫・イラスト、 講談社 BOX 。
 8月27日(木)読了。

 百物語。
 蝋燭を一本ずつ消す、怪異を呼ぶ儀式。
 学校に纏わる言葉について、語るは阿良々木君と怪異に触れた少女達。
 はてさて、その顛末や如何に?


 ......うん、凄いよく出来た小咄集でした。発売日に買い損ねて再入荷を入手、とりあえずCD聴く前に触りだけとか思ってたら読破してしまったのでこうして予定に無かったのにブログを更新している次第。
 ああ、何か『化物語』らしくていいですねぇ、これ。あと、撫子の存在感がどんどん増してるのは気のせいでしょうか? 確かに侮れない性格ではありましたが、ここにきて開花したように思います。他はまぁ、いつも通りというか、羽川翼、色々と容赦ないですねぇ、実績が。既に伝説。八九寺分が抑えめなのも、バランスが取れていて良いですな。まぁ、色んなキャラが適当に喋っていてこれだけ楽しめるのは本当に素敵です、うん。

 てなところで、次というかこれが割り込みなので現在読んでるのは『ギャルゴ!!!!!6 地上波初登場大全』です。

天川天音の否定公式

 葉村哲・著、ほんたにかなえ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 8月26日(水)読了。

 忘れ物を取りにいった夜の校舎。
 芦原雪道は、そこで転校生の美少女と同じ姿の超常現象に出会う。
 怪談よろしく襲われそうなところで彼を救いに現れたのは当の転校生、天川天音。
 彼女は力を秘めた大剣『風鳴き』を手に超常現象を負う者で......

 猫かぶりなヒロインが切っ掛けで、何かしら器用な主人公が色々と巻き込まれていく御華詩、といったところでしょうか。
 記号が明確で分かり易いですな。まぁ、無粋なツッコミはしませんが、天音のキャラがキメラに見えるのはご愛敬。何でしょう、 MF 文庫 J の傾向かも知れませんが、手堅い作りになっていて意識的に読むと色々と勉強になりますな。
 まだまだ、設定の提示の段階に見えるので多くは語れませんが、前作の壮大さに繋がる布石は打ってあると感じられたのでこのまま進んでいけばいいなぁ、と感じます。

 てなところで、次は『ギャルゴ!!!!!6 地上波初登場大全』です。

荒瀬はるか、容赦なし!

 熊谷雅人・著、魚・イラスト、 MF 文庫 J 。
 8月24日(月)読了。

 竜哉は人知れず化物を退治する退魔師の名門、山伏家の血筋だった。
 だが、高校に入学する今まで、まったく化物を退治したことのない落ちこぼれでそのことにずっとコンプレックスを持っていた。
 そんな彼は高校の入学式の日、旧校舎で二人の少女と偶然出会う。
 それが、転機だった。
 気がつけば「化学・物理部」という謎の部活に入部させられ一年生ながら部長をつとめる荒瀬はるかにこき使われることになって......

 『ネクラ少女は黒魔法で恋をする』の作者の本当に久しぶりの新作ですな。
 今作は、前作とはまた違った形のコンプレックスを克服していく御華詩になりそうな雰囲気ですね。強引なヒロインに振り回されるというか半ば隷属させられながら成長していく、とかそんな感じ。全体的に手堅い印象ですが、安心して読めますな。
 あ、あと、はるかは眼鏡をはずさないことを祈ります。

 とまぁ、そんなところで次は『天川天音の否定公式』です。

戦う司書と絶望の魔王

 山形石雄・著、前島重機・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。
 8月21日(金)読了。

 解き放たれた終章の獣によって蹂躙されたバントーラ図書館。
 武装司書達はなすすべも無く蹂躙され、人々は覚めない眠りに落とされた。
 そう、世界は、終わりを迎えようとしていた。
 何故、こんなことになったのか?
 それは、かつての世界の終わりから続く物語で......

 『幸福』を巡る様々な物語の行き着く先。この世界の真実が遂に語られました。
 武装司書と神溺教団の目的が、何故あんな内容だったのか?
 これ以上ないほど明確に答えが示された訳ですが、本当にやり切れない内容ですねぇ。
 英雄である苦悩と未来への絶望。本当の救いとは何なのか?
 いやはや、広げた風呂敷をしっかりとまとめ上げる内容に圧倒されましたねぇ。しかも、最後の最後でアレに繋げたのは絶妙すぎます。
 次巻で完結となりますが今から待ち遠しく思います。

 てなところで次は『荒瀬はるか、容赦なし!』です。

オルキヌス2 稲朽深弦の調停生活

 鳥羽徹・著、戸部淑・イラスト、 GA 文庫。
 8月18日(火)読了。

 幻獣住まうオルキヌスで種族間の調停を生業とする稲朽深弦。
 大きな事件を一つ解決して幾つかの種族の信頼を得たモノの、まだまだ掛けだして暇な日々を送っていた。
 そこへ、彼の事件で関わったハーピーから誘いがありドワーフの住まうルドルフ火山へ赴くこととなる。
 そうそう近づく機会の事の無い場所で喜んで付いていったモノの、これが巡り巡って新たな事件と関わることに繋がって......

 暴力によらない戦いというか舌戦をメインとした駆け出し調停者の物語第二弾。
 相手が幻獣でその気になれば一ひねりで人など殺られてしまうような世界観で『言葉が武器』という設定が上手く働いていますな。まぁ、その延長線上で漫才が基本ではありますが、そこに伏線を色々鏤めたりしてあって物語が上手く流れていました。幻獣自体は物騒なのも居ますが全体的に暢気な雰囲で、読んでて癒されます。今後も続きそうなのでまた、出たら読もうと思います。

 てなところで一転シリアスに次は『戦う司書と絶望の魔王』です。

這いよれ! ニャル子さん2

 逢空万太・著、狐印・イラスト、 GA 文庫。
 8月16日(日)読了。

 八坂真尋は平凡な高校生だった。
 だが、彼の素質に目を付けられた為にコズミックホラーな日々に晒されることに。
 事件はどうにか解決したモノの、まだ彼の側に居座る這い寄る混沌。
 果たして、真尋が心安らかに暮らせる日々は戻るのか......


 押し掛けヒロインが這い寄る混沌なシリーズ第二弾!
 いやぁ、勢いがあっていいですねぇ。微妙に邪神達の解釈が間違ってないのがタチ悪いです。そこが楽しいとこでもありますが。帯の『炎の転校生《クトゥグァ》』というルビは中々に新鮮です。うん、間違ってない。基本的にクトゥルーに限らずネタ満載で余り深く考えずに楽しめる作品であります...... 深く考えたら SAN 値がどんどん下がりそうですが気にしない方向で。ノリと勢いで突き進んでる感じですが、個人的には可成りネタがヒットして心地よく笑える作品なので今後も続けて読んでいきたいと思います。
 てなところで次は『オルキヌス2 稲朽深弦の調停生活』です。

バカとテストと召喚獣2

 井上堅二・著、葉賀ユイ・イラスト、ファミ通文庫。
 8月13日(木)読了。

 試験召喚戦争の結果、更に過酷な設備となったFクラス。
 その結果、一つの問題が生じる事になる。
 体の弱い姫路の父が、レベルの低い学友と劣悪な環境から脱出させるために転校を勧め始めたのだ!
 時は、学園祭直前。
 奇しくも開かれる召喚大会でFクラスの人間が優勝することで実力のアピールと、出し物の売り上げでの設備改善を図ることが出来れば、姫路の転校はきっと食い止められる!
 こうして、明久始めFクラスの有志が立ち上がって......

 これはよいエンターテインメントですな。目的がはっきりしていて、道具立ても明快で頭を使わずにサクサク読み進められました。登場人物が多めながらキャラ付けがしっかりしているのでちゃんと誰が誰か頭に入りますし、伏線にも上手いこと組み込まれているのがそこここで見受けられて更に印象づけられて。特に、ムッツリーニ、いいキャラだ......

 また、このシリーズの売りとも言えるテストの回答ですが、まぁ、事実は小説より奇なりな回答も沢山目にしましたが、計算してあの手この手で見せ方を変えつつネタを仕込むのは美事ですねぇ。

 一気読みは難しいですが月1ぐらいで読めればいいなぁとか思いつつ、次は『這いよれ!ニャル子さん2』です。

耳刈ネルリと奪われた七人の花婿

 石川博品・著、うき・イラスト、ファミ通文庫。
 8月11日(火)読了。

 第八高等学校の一大行事である演劇大祭が近づいていた。
 本来であれば農芸隊の活動に明け暮れる筈のレイチだったが、ネルリが勢いで優勝候補のチェリに演劇大祭での勝負を挑んだために事態は急転直下。
 気がつけば、一年十一組全体を巻き込んで演劇大祭に出場することになる。
 果たして、その無謀な挑戦の結果や如何に......

 異文化コミュニケーションな御華詩第二弾。
 今回は基本部分に『演劇』を取り入れたのがよい感じで、前作よりもいい感じに世界観が伝わってきたように思います。典型的な演劇の構造を下敷きにしてはいますが、頓知の効いた御華詩なんかもあってそれ自体も楽しめました。又、暈かしながらも政治的な焦臭い部分も出てたりして、それでいて暗くならないのは持ち味でしょうねぇ。
 また、最後にちょっとした転機を迎えた気もするのでこの先どうなるのか気になるところでもあります。

 てなところで次は『バカとテストと召喚獣2』です。

とある魔術の禁書目録18

 鎌池和馬・著、灰村キヨタカ・イラスト、電撃文庫。
 8月9日(日)読了。

 インデックスのイギリス清教本部への召喚に付き添ってロンドンを訪れた当麻。
 だが、彼を待ち受けていたのはイギリス全土を揺るがす『騎士派』によるクーデターだった!
 クーデターを阻止すべく、多数の勢力が立ち上がる中、一人の傭兵もまた、静かに戦線に加わっていた。
 インデックスを救うべく駆けつけた上条は、その傭兵と出会うことになる。
 その見知った姿に、上条は驚愕するが......

 英国王室編完結!
 いやぁ、もう熱いですねぇ。絶体絶命というか『天使堕ろし』さえ凌駕する勢いの絶望的な戦力差でしたが、それをどうひっくる返すか? その過程が非常に痛快でした。『傭兵』と『騎士団長』の渋いやり取りとかもいい味を出していました。というか、この『傭兵』は今後も大きく関わってきそうで彼の活躍も楽しみです。
 ......しかし、今の日本のこの情勢の中でこの御華詩は何かの暗示ですかねぇ。

 あ、あとやっぱり聖人にして女教皇な人は弄られまくりますねぇ...... そして密かに対抗意識を持ち始める五和。天草式は面白い集団です。

 まぁ、やっぱり世界がひっくり返るような事態になってきたのでここから物語がどう動くのか? 続きを楽しみにしたいと思います。


 とまぁ、そんなところで次は『耳刈ネルリと奪われた七人の花婿』です。

メイド刑事《デカ》

 早見裕司・著、はいむらきよたか・イラスト、 GA 文庫。
 8月4日(火)読了。

 警察庁長官、海堂俊昭に使える国家特殊メイド若槻葵。
 普段は屋敷の掃除などを担当する、ごく普通のそれでいて腕のいいメイドだ。
 しかし、彼女にはもう一つの顔があった。
 不埒な悪行働く輩の屋敷に侵入し、クイックルワイパーを得物に悪の汚れも掃除する。
 そう、人呼んで『メイド刑事』。

 いやはや、今更な感じで読み始めましたが可成りクリーンヒットです。確かに、ありそうでない発想というか発売当時に買うかどうか悩んで『萌え』ではなく『燃え』と言う部分を読み取れずスルーしたことが悔やまれます。

 基本コンセプトというかタイトルからして『スケバン刑事』のオマージュでそれで間違いないですな。そこに『エマ』が融合するとこうなったというか(;^^) 何より、葵のキャラがよく出来ていますねぇ。ありがちと言えばありがちな設定ですが、過去とメイドのギャップやらそれでも変わらないモノやら。これは、続きも読みたいと思いますが、巻数的に厳しいモノが...... まぁ、追々読んで行きたいと思います。

 てなところで次は『とある魔術の禁書目録18』です。

生徒会の六花碧陽学園生徒会議事録6

 葵せきな・著、狗神煌・イラスト、富士見ファンタジア文庫。
 7月31日(金)読了。

 遂に、世界を救うために立ち上がる杉崎鍵。
 魔法使いに武闘家、賢者......
 この世界を守るため、彼は果敢に世界の敵に立ち向かう。
 そして......

 多分、そんな御華詩でも間違っていないと思います。
 相変わらずゆるゆるながら何気なく第二部が開始していたりしてシリアスっぽくなったりもしますが生徒会は生徒会でした。
 今回は色んなところでツボに入り、腹筋に負担が掛かりまくり。うん、個人的に今は笑いたい気分だったので非常に有り難いのです。沈んでいようとも其れを読んでいる間は大笑いできる。こういうのはいいですねぇ。
 まぁ、裏ではこれまでの伏線が身を結んで大変なことになってそうがどうなるのか、楽しみであります。

 てなところで次は『メイド刑事』です。

ミサキの一発逆転!3

 石川ユウヤ・著、 CARNELIAN ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 7月30日(木)読了。

 偶然にも絶大なる力を持つ譜面の力を得た犬吠ミサキ。
 その力を巡る事件もどうにか乗り切り、清十郎も含めた一見平和な日々が続いていた。
 しかし、そんな幻想は呆気なく砕け散る。
 突然のファネス音楽学院閉鎖。
 そして、清十郎に課される任務。
 国家の安寧を求め、清十郎が至った結論は......
 ミサキ。きさまを殺す。


 譜面の力を巡る物語もこれで大団円。綺麗にまとめたなぁ、という印象です。
 音楽には長年携わっていますし、天体の音楽やら何やらも哲学の分野で学んでいて作中の専門知識については既知だったのですんなり読めたんですが、その辺りが知識の無い方にどの程度受け入れられていたのかは気になるところですねぇ。結構、深いところまで専門知識を使っていたので非常に興味深いのです。
 あと、1巻目にあった灰汁が巻を重ねるにつれてどんどん抜けていったのは良し悪しですな。成長したとも見れますが、あの執拗に動物に例えたりミサキの心理状態を反映したかのように断片的な言葉の羅列で進むテンポ感はもう少し残っててもよかったかなぁ、と個人的には思います。まぁ、あれが読みづらいと感じる人もいるとは思うので難しいところですが。

 とまぁ、そんなところで次は『生徒会の六花』です。

聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス) 6

 三浦勇雄・著、屡那・イラスト、MF文庫J。
 7月28日(火)読了。

 『聖剣の鞘』の運命を受け入れたセシリーは『聖剣の刀鍛冶』たるルークとは絆を新たにする。
 だが、焦る気持ちとは裏腹に聖剣への道が見いだせないルークは初代ハウスマンの残した資料に活路を求める。
 そうして、手掛かりを求めてハウスマンの生家を訪れるルーク達。
 一方、何らかの企ての為か魔剣を収集していた帝政列集国も動きを見せ......

 遂に世界情勢が大きく動き出しましたねぇ。
 セシリーとルーク、アリアとユーインの絆も深まりつつ、無情にも立ちはだかる危機。
 とは言え、それに屈するセシリー達ではないというか、やっぱり、その志は熱いですねぇ。
 また、今回の見所としてはリサの成長かもしれませんね。そりゃ、周りがあれでは影響も受けるでしょうし(;^^)
 ネタバレ避けて詳しい内容は避けつつも、とうとう最悪に近い事態が発生してしまい、これからどうなるか? どう乗り越えていくのか? 続きが非常に楽しみです。

 てなところで次は『ミサキの一発逆転!3』です。

ゼロの使い魔17~黎明の修道女《スール》~

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、MF文庫J。
 7月27日(月)読了。

 平民から貴族となり、更には領地まで得て益々民からの信頼も厚くなる才人。
 ルイズは、才人が出世する度に、不安を感じるようになっていた。
 そんな折り、才人とやんごとなき女性との逢瀬を目撃し自信を喪失して姿を眩ましてしまう。
 必死にルイズを探す才人だが、その足取りは杳として知れず......

 いやいや、次の物語が動き出しましたねぇ。今回はまだまだ導入ですがキャラクターの配置がよい具合ですな。
 そして、ルイズと才人の在り方も変わり始めていきそうな予感を感じさせます。17冊という長きに渡りますがまだまだ物語は続いていきそうですねぇ。

 とまぁ、そんなところで次は『聖剣の刀鍛冶《ブラックスミス》6』です。

やってきたよ、ドルイドさん!3

 志瑞祐・著、絶叫・イラスト、 MF 文庫 J 。
 7月25日(土)読了。

 東京の外れの山奥に建つ私立森野学園。
 そこに、アイルランドの森からやってきた由緒正しきドルイドさん、シャレイリアが転校してきてから、騒動が絶えません。
 ですが、人は慣れるモノで学内に野生動物たちが居るのに生徒達が慣れた頃、遅刻寸前で大慌てのシャレイリアと夏穂に声を掛けるお嬢さま高校の制服を着た少女。
 曰く、「サイが乱れていてよ」
 かくして、今日もまた、騒動が巻き起こる......


 ゆるゆると気負わず読める異文化購入コミュニケーションドタバタ劇第三弾。
 今回は導入のパロディが秀逸ですねぇ。何かもう、頭から離れません。まぁ、実は元ネタは肌に合わずに二巻の途中で挫折したんですが(;^^)
 一応、ちょっとばかり百合の気のある夏穂と、ドルイドさんシャレイリアの友情物語が軸となっていて要所要所にそんなエッセンスが盛り込まれていますが、全体的には余り頭を使わずに笑いあり涙ありの御華詩で癒されますねぇ。続くのかどうなのか微妙なところですが、こういう作品はやっぱり必要ですねぇ。

 とまぁ、そんなところで次は『ゼロの使い魔17~黎明の修道女《スール》~』です。

蒼月のイリス2

 星家なこ・著、平つくね・イラスト、 MF 文庫 J 。
 7月25日(土)未明読了。

 『一色』という存在がある。
 神にも等しい力を得られるその存在になる権利を掛けて、候補者達は式神と共に戦いを繰り広げる。
 桐生慎太郎もその一人だった。
 戦いを嫌いながらも、姉のため、共のため、パートナーの式神のため、一色を目指す。
 そんな彼に近づく一人の女。
 彼女との出会いが、彼を歪めてしまい......

 展開が早いですなぁ。だが、それだけにいい感じに盛り上がったようにも思います。
 女性キャラの魅力を色々と出そうとしていますが、今回は男性キャラですが鳳さんが格好よいですねぇ。何か、他がどうでもいいぐらい印象的なキャラでした。若干記号的なヒロインが多い中に、こういう素直に格好いいキャラがいるのは良いですなぁ。

 とまぁ、そんなところで次は『やってきたよ、ドルイドさん!3』です。

黒姫のユズハ3

 田口一・著、をん・イラスト、 MF 文庫 J 。
 7月23日(木)読了。

 海賊の島での戦いの後、復活した火の姫ホノカ。
 文様師ギルドでは、信仰対象の復活を祝う盛大な式典が開かれていた。
 だが、その宴の最中、ログール兵が総裁の元に押し掛けてくる。
 要求は王都を訪れるログール皇帝へのホノカの謁見。
 危険と知りながらも街を守るためにホノカは要求に応じる。
 そんなホノカを心配し、ユズハとレンは王都まで追いかけていくのだが......

 姫の力を軸とした物語が、中々よい感じに動いてきましたねぇ。
 今回はこれまでの積み上げを活かした今までよりも大きな御華詩になっていますね。
 姫という存在がどういうものなのか? それが、この世界にどれだけ大きな影響を与えうるのか? その辺りが強く出る内容となっていました。ジワジワとフィアナ王国を浸食していたログール帝国の大きな動きも出てきて、一つのターニングポイントになる感じですな。
 あと、ようやくラ・シェーヌ嬢のイラストがあったのが嬉しい限りです。

 そんなところで次は『蒼月のイリス2』です。

ぱんどら

 西野かつみ・著、蔓木鋼音・イラスト、 MF 文庫 J 。
 7月23日(木)未明読了。

 主人公の名前は富士山清貴。
 彼はごく普通の少年でした。
 ただ一つ違ったのは、喧嘩が異常に強いこと。
 そのため、望まないにも関わらず近隣の不良を蹴散らして周りから恐れられて彼女はおろか友達もほとんど居ない始末。
 そんな彼も高校生になり、今度こそはと思ったモノのやはり喧嘩の日々からは逃れられず。
 入学初日に先輩方をボコボコにして今までと変わらないことに絶望した彼の元に現れた幼児体型の魔女っ娘が転機となりました。
 いきなり、流されるままその魔女っ娘ハルマのしもべとされてしまって......


 作者が作者なので色々とハラハラしつつも、中身は確かに純愛というかそんな感じの御華詩でした。
 タイトルの通り、モチーフはパンドラの箱の神話ですね。若干強引ながらも面白い展開でしたねぇ。テンポ良く進んで、清貴とハルマの関係もいい具合に進展していって、こそばゆい感じが中々に心地よい、そんな御華詩です。まだ続きそうなんで『かのこん』共々追いかけてみたいと思います。

 そんなところで次は『黒姫のユズハ3』です。

神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS 4

 榊一郎・著、神無月昇・イラスト、GA文庫。
 7月21日(火)読了。

 ユギリ姉妹の一件も片付き、フォロンとコーティカルテが変わらぬ日常を過ごす頃。
 世間にはジワジワとテロの脅威が広がっていた。
 様々な国で同時多発的に発生するテロに、コーティカルテの表情は優れない。
 そんなコーティカルテの様子にフォロンは過去に何かあったのではないかと思うのだが、言い出せずに......


 キネティックのノベライズ第4弾。恐らく、挿絵から後編の方に入りましたな。
 今回は過去絡みでフォロンとコーティカルテの関係がまたまた揺らぐ、そんな御華詩ですな。まぁ、既に答えは知っているわけですが、ここからどんな風にその話に繋げていくのか楽しみです。

 また、端々で語られる『神曲とはなんぞ?』ということに関する各人の考え方は非常に興味深いですねぇ。これは、あらゆる表現に共通することで答えは無いんでしょうが、心がけるべきは共通しているというか。合唱という形で音楽に携わる身としては、いつもいつも読む度に思い出さされるモノがあります。

 とまぁ、そんなところで次は『ぱんどら』です。

神曲奏界ポリフォニカ メモリーズ・ホワイト

 高殿円・著、凪かすみ・イラスト、GA文庫。
 7月9日(木)絶賛読了。

 二百年の時を遡ったスノウ達を待ち受けて居たのは、戦争の時代。
 国家の陰謀により今正に起ころうとしている悲劇を目の前で体験することとなる。
 歴史の改変を恐れ、流れに任せるべきか、それでも助けるべきか、選択を迫られるスノウ。
 そして、彼女は決断し......

 『炎帝の紋章』編終了ですな。
 いやはや、ポリフォニカ世界の根底にあるモノが垣間見れる興味深い御華詩でありました。まぁ、キネティックを読んでいればもっと早く知れたのでしょうが(;^^)
 で、キネティックのノベライズ恒例のおまけ書き下ろし短編『プロデュースド・ホワイト』も楽しいですねぇ。ああ、サラサも段々おかしな方向に進みますねぇ。まぁ、当主があれですから(;^^) で、やっぱり愛されるのは牛ですな(謎

 てなところで次もキネティックノベライズ『神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS4』です。

ビスケット・フランケンシュタイン

 日日日・著、 toi8 ・イラスト、メガミ文庫。
 7月4日(土)読了。

 体の一部が腐敗し別の細胞へと変化する奇病。
 癌の様に人体を侵すその細胞は異質なモノへと変化しながら増殖を続け、元の体を置き換えていく。
 当然、脳や内臓などが置き換わるとその機能が維持できずに死に至る。
 何故か少女ばかりが罹患するその奇病についての研究を生業とする研究所では興味本位に冒涜的な所業が為されていて......

 うん、久々のこの哲学的というか文学的というか、そう言ったテイストの日日日作品は嬉しいですねぇ。『ギロチンマシン中村奈々子』とも通じるテーマですが、人間とは似て非なる非人間を描きながら結局人間を描く、そんな御華詩。ペダンティズムに溢れたノリはミステリ慣れしてる人間には馴染みですがライトノベル読者にどう受け止められるのかは気になるところながら、積み重ね積み重ねられた行動の行き着く先には驚かされました。いや、やっぱ、こういう路線の日日日作品の方が好きですねぇ、私。

 とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ メモリーズ・ホワイト』です。

バカとテストと召喚獣

 井上堅二・著、葉賀ユイ・イラスト、ファミ通文庫。
 7月1日(水)読了。
 第8回えんため大賞編集長特別賞受賞作。

 文月学園では、ちょっと変わった制度があった。
 学年が上がる際に行われる振り分けテストの成績順位に基づくクラス編成では教室の設備までもがランク分けされる。
 しかし、そのランクを覆す下克上のシステムがあった。
 クラス対抗の試験召喚戦争、試験の点数がダイレクトに戦力となる戦い。
 そんな中、吉井明久はダントツの馬鹿さで最下層のFクラスに所属していたがとある理由で下克上を目指して......

 今更な感もありますが気になって読んでみましたということで。
 ふむふむ、予備知識無しで読んでみたのですが、まっことタイトル通りの御華詩ですな。シミュレーションRPGっぽい雰囲気でパラメータを課目と試験の点数にしたようなシステムが上手く話に活きていて新鮮な風味を感じました。全体的にテンポが良くて読みやすいのも良いですな。ただ、面白いと思ったモノの続きを読む時間があるかどうかが問題です(;^^)

 てなところで次は『ビスケット・フランケンシュタイン』です。

二人で始める世界征服3

 おかざき登・著、高階@聖人・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月28日(日)読了。

 猫好きのクラスメート、魚住真緒に誘われて子猫を見に行った竜太達。
 だが、その場でちょっとしたハプニングがあり竜太は千紗と気まずくなってしまう。
 どうにか千紗に謝ろうと思いながらも巡り合わせが悪くする竜太だが、そんなことはお構いなしに世界征服活動は行われる。
 潜入の意味合いもあり、生身でとある組織の調査に乗り出す竜太だったが......

 ああ、やっぱり平和ですねぇ。デーモンテイルに征服された世界はきっと幸福な世界なのでしょうねぇ。
 前回からキャラも増えて賑やかになっていますが、一方で組織の柵も出始めているようなないような。今後も若干シリアス成分が増えていきそうですが、それでもこのノリは変わらんのでしょうねぇ。しかし、ヒロインが増える中で高槻さんはマイペースですな。何か変な方向に行きかけている気がしないでもないですが。

 てなところで次は『バカとテストと召喚獣』です。

ぴにおん!3

 樋口司・著、タカハル・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月26日(金)読了。

 文化祭を間近に控えて、与四郎を始めとして微妙な超能力者達が属するミシン部(ミステリー研究&写真部)も出し物の準備を始めていた。
 コスプレ喫茶をすることになって女性陣は難色を示すかと思われたが、ニーナだけは大はしゃぎ。
 そうして迎えた文化祭当日。
 楽しみにしていた日であるにも関わらず、突如ニーナと与四郎は追われる身となって......


 微妙な超能力=人と違う部分=コンプレックスと言ったような図式の御華詩第三弾。
 すっかり地の文の嘘は無くなりましたが、前述のテーマは生きてますねぇ。
 全体構造が色々と試している感じでしたが、余計な部分をそぎ落としたことでまとまっていたように思います。各キャラの立ち位置も大分明確になってますし、色々とその辺りが生きていたようにも感じました。でも、柊先生だけが未だ扱い酷い気がしますが(;^^) まぁ、仕掛け自体がネタバレそうなので敢えて書かないので大枠だけですが、サクッと読めて楽しめる内容でした。

 とまぁ、そんなところで次は『二人で始める世界征服3』です。

アクセル・ワールド1~黒雪姫の帰還~

 川原礫・著、 HIMA ・イラスト、電撃文庫。
 6月25日(木)読了。
 第15回電撃小説大賞大賞受賞作。

 人が直接ネットワークに繋がる近未来。
 そんな時代にもいじめられっ子は存在する。
 デブでコンプレックスの固まりなハルユキは、仮想現実のゲームだけは得意だった。
 昼休み、隠れるように一人で地味なスカッシュゲームに興じていた彼に、黒雪姫、誰もが憧れる副会長が突然声を掛けた。
 身分違いも甚だしいと主ながらも、出向いた彼は、そこで驚くべき事態に遭遇する。
 それが、彼の『加速』の始まりだった。

 いやはや、本当に良くできたエンターテインメントですな。ツボを押さえた内容というか安定感があります。
 美女と野獣的な恋愛譚、加速による擬似的なタイムストップ、幼馴染みとのすれ違い、コンプレックスの固まりで自分さえも信用できないが秘めたモノを持つ主人公 etc.etc.
 真新しいモノは全くなくても組み合わせと見せ方で十分に楽しめるモノが出来上がると言うことですな。昨今、オリジナリティが暴走して一発ネタ的なモノが増えたところで、こういうのは初心を思い出させてくれる内容です。
 漢字二文字で表すなら『王道』。
 なるほどなぁ。確かに、今、この時代でこの内容は大賞に相応しい作品に思えます。
 発売から大分時間が経ってから出たので既に2巻も発売しているので読書スケジュールと相談して読んでみたいと思います。


 てなところで、次は『ぴにおん3』です。

ナインの契約書3 -Sympathy for the devil-

 二階堂紘嗣・著、山本ケイジ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月23日(火)読了。

 以前の事件で結果的にもう一人の悪魔、一二三《わるつ》の契約を阻止することと鳴った九《いちじく》。
 しかし、一二三も当然それで黙っているわけはない。
 九の使い魔の一《にのまえ》と友人(?)のアマリアを人(?)質にとって互いの魂を賭けた勝負を行うこととなる。
 そのゲームとは、一二三が拘束した人間を助けるというもので......

 雰囲気のある九と一の物語もこれで最終巻となりました。
 最後は連作短編ではなく、理不尽に閉じ込められた人間がホストの提示した課題に知恵を絞って対抗して生き残るという定型的なパターンの御華詩でした。極限状態のエゴを描いた、そんな御華詩ですな。ミステリというか頭脳ゲームではありますが、やっぱりどこか強引というか論理的に破綻しているのがもどかしいですが、話としてはまとまっていたように思います。
 結構雰囲気のある作風だったので次回作も出たらまた読みたいと思います。

 てなところで次は『アクセル・ワールド』です。

原点回帰ウォーカーズ2

 森田季節・著、深崎暮人・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月22日(月)読了。

 一癖二癖などというのも生ぬるい生徒たちが集う私立御伽坂学園。
 その中でも特に図抜けた上位十名は序列されて十哲と呼ばれ、そのトップ3は更に三奇人と呼ばれていた。
 だが、十哲は一度なればそれで地位が維持されるモノではない。
 時に、入れ替え戦と称して有能なモノとその地位を争うこととなる。
 十哲 No.1 で三奇人の一人、一流の上を行く【零流小説家】天之下芝蘭《てんのしたしらん》は入れ替え戦を挑まれる。
 それは【正確俳優】と呼ばれる新発田新《しばたあらた》から八歳で児童文学賞を受賞したベテラン家の芝蘭に対しては無謀とも思える短編小説の朗読対決だったのだが......

 個性的な面々がその個性で日常を送れば端から見れば非日常化するとかそんな御華詩。
 今回はキャラをピックアップしての短編集でしたがこの構成が上手いこと嵌っていたと思います。特に、芝蘭の防衛戦の御華詩が非常に良かったです。その中で、実際に作中作として登場する短編小説が本当にええ御華詩でした。【神をも召喚する男】渡会竜太朗《わたらいりゅうたろう》と【魔道サイエンティスト】物理火燐《ものろいかりん》の御華詩も先は読めますが綺麗にまとまっていましたし。
 そして、前巻では主役だった(?)アキラも後半では大活躍。何か間違った方向で活躍した気もしますが、まぁ、派手なラブコメとしてよい塩梅ですな。
 シリーズとして先がどうなるかは気になりますが『プリンセス・ビター・マイ・スイート』の流れの方も読みたいのでもどかしいところです。基本的に、この作者の次回作には期待ということで。

 てなところで次は『ナインの契約書3 -Sympathy for the devil-』です。

文芸部発マイソロジー

 早矢塚かつや・著、きくらげ・イラスト、一迅社文庫。
 6月21日(日)読了。

 文芸部のやり方を批判し、半ば勢いで須弥伊緒《しゅみいお》を部長として第二文芸部を発足させることとなった近藤寛二。
 彼らの元に、同じく文芸部から離脱した神社の娘で体育会系口調の諏訪命《すわみこと》とクトゥルー好きのオカルト少女の愛倉葉月《まなくらはづき》が加わり、第二文芸部は4人で活動を開始する。
 暫くは集まって他愛ない話をしているのが主だったがそろそろ文芸部らしい活動をしようとしたところで、伊緒が提案する。
 「わたしたちで、神話を作りませんか?」
 こうして、第二文芸部一同がリレー形式で一つの世界を創造することになるのだが......


 『悠久展望台のカイ』で第二回MF文庫Jライトノベル大賞で佳作を受賞した早矢塚かつやの作品。この賞を受賞して他のところで書いた人って他でも受賞しまくった日日日は別として珍しいですな。
 内容的には、第二文芸部の活動で創った神話世界が実際に存在し、現実世界の部員たちがその世界に神として入り込んで...... といったメタな構成の御華詩。こういうのは先に挙げた受賞作を彷彿とさせますな。
 構成的には非常に面白い内容ですな。自分たちが生み出してしまった世界には確かに人が生きている。それは命を弄ぶことにはなるまいか? 自分たちが生み出したからこそ守らねばならないのではないか? 一面的にはそういったことに悩む高校生たちの御華詩。
 ただ、キャラもそれなりにしっかりしていて全体の雰囲気も好みなんですが、ちょっと色々詰め込み過ぎてて後半はテンポがいいと言うよりは大急ぎで風呂敷を畳んでいるような印象だったのがちょっと残念。
 とは言え、試みとしては面白いので次が出るか解りませんが出たらまた読みたいと思います。


 てなところで次は『原点回帰ウォーカーズ 2』です。

もふもふっ珠枝さま! 3

 内山靖二郎・著、真田茸人・イラスト、MF文庫J。
 6月18日(木)読了。

 ある日、智宏が学校から帰ると、珠枝が愛らしい小動物にお菓子を食べさせていた。
 珍しいことだと思っていると、その小動物は妖怪のようなモノらしい。
 家神が招いたことでしばらく智宏の家に居着くことになったそいつには、珠枝の心をくすぐる大きな特徴があった。
 そう、その小動物(?)は、とてつもなく【もふもふ】していたのだ......

 とまぁ、そんなタイトルに非常にマッチした御華詩でした。うん、こんなに『もふもふ』って単語が出てくる小説は珍しいでしょうね(;^^)
 妖怪と人間の境界を無くして共に生きる道を模索する筈が、それがどういう訳か妖怪も人間も関係なくフラグを立てまくるとかおかしな方向になっている智宏。人と妖怪の論理の違いに苦悩する彼の視点は、妖怪が身近にいる世界観では大きなテーマになっています。のんびりしているようで、そこは容赦ないですからねぇ。
 で、今回はそんな妖怪というか神様の理論で、家神である珠枝が正式に招いたからと言って小動物を異様に可愛がることが面白くなかったりしたりする御華詩。ですが、一番面白くないのは瑞穂というか(;^^) 今回は意外にも彼女が大活躍。ネタバレるので詳しくは書きませんが、大筋ドタバタしながらもほろりとくるそんな御華詩でした。なんだかんだで通巻では冊数重ねてますから、その辺りは安定していますな。

 てなところで次は『文芸部発マイソロジー』です。

神曲奏界ポリフォニカ アドレイション・ブラック

 大迫純一・著、BUNBUN・イラスト、GA文庫。
 6月16日(火)読了。

 街から遠く離れた山間。
 人も寄りつかぬ場所にその『家』はあった。
 訳ありの老若男女が救いを得て過ごすその地で、一人の『家族』が命を落とす。
 一見すると病死だった。
 しかし、その死を主のレプリシアは言い当てていた為に事態は混迷し......

 いやはや、ミステリなポリフォニカ、素敵ですねぇ。比較的ミステリとしての謎解きは易しめながら、マナガとマティアの謎解きには一捻りあったり侮れぬ御華詩です。予告通り、マナガの過去が明かされてでも、それ以上に衝撃的な事実が明言はされないまでも提示されていたり、そろそろ繋がってくる頃合いです。次巻でいよいよ完全解明らしいので楽しみでなりません。長い長い出題編に対する回答編。読者への挑戦状はさり気ないあとがきの言葉。いいですねぇ、このノリ。

 ネタバレ避けて事件の詳細は書きませんが、それ以上にシェリカ活躍しすぎというかキネティックのゲストが既に黒といずれ始まる金に無くてはならない存在になっている辺り美味しいですねぇ。てか、この流れがミスディレクションでなければ、本当にそうなるのでしょうか? 黒の次に金が始まるのか並行するのか解りませんが出るのが待ち遠しいです。この作者は筆が速いのでそう遠くない未来に読めると信じて。

 てなところで次は『もふもふぅ珠枝さま! 3』です。

かぐや魔王式! 第3式

 月見草平・著、水沢深森・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月15日(月)読了。

 新しい仲間『セクシー・アイ』を迎えて益々活気づく輝夜真央率いる『新世界構築会議』。
 しかし、そんな真央を敵視する存在が現れた。
 松島美紀、彼女は中学時代に真央に煮え湯を飲まされた、現紫苑高校生徒会長だ。
 いずれは生徒会に入りゆくゆくは生徒会長として紫苑高校のトップに登ることを画策する錦織貴、コードネーム『ハラグロ』は、現生徒会長と真央閣下の板挟みになって......

 ふむふむ、いい感じにキャラクターの立ち位置が決まってきましたねぇ。安心して読める御華詩であります。
 錦織の仮面がどんどん剥がれていってますが、その裏で素で接することが出来る仲間の存在の有り難みに徐々に気付き始める、そんな流れが出来ていますな。ラブコメ分も、サイクロンことかなめのスルーッぷりが板に付いてきました。愛が一番優遇されていますがしかし...... そう言った人間模様の行方も楽しみになってきました。


 とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ アドレイション・ブラック』です。

偽物語 下

 西尾維新・著、VOFAN・イラスト、講談社BOX。
 6月14日(日)未明読了。

 『栂の木二中のファイヤーシスターズ』の姉、火憐の怪異から程なく。
 あれが切っ掛けかは解らないが少しずつ兄妹の距離が近くなったような気がしないでもない阿良々木暦は、下の妹の月火抜きで火憐と二人で出かけた夏休みのある日、京都弁の女に道を尋ねられて答える。
 それが、始まりだったのかもしれない。
 ファイヤーシズターズの妹、月火。
 彼女を巡る御華詩の......


 『化物語』の後日譚終了。下の妹の御華詩ですが...... 思わせ振りに書いてみたモノの色々と対応に困る御華詩な木がしないでも無いですが詳しく語るとネタバレるので書きません。何というか、これを面白いと思ってこういうのを書いて新人賞に応募するのは太陽を徒手空拳で倒しにいくようなモノだとは思う内容でした。完全に趣味で書かれた御華詩というのはもう既に思い知らされているのでその辺りを心得た人向けの御華詩ではありましょう。

 ただ、それでも随所にミステリ的な方法論が使われているのでその辺りは楽しいですねぇ。どうでもいい方面に使われてることも多々ありますが、それはそれでこのシリーズの持ち味ですし。

 あと、何かイデア論を思い出しましたねぇ。結構、この御華詩のテーマには嵌っているように思います。完璧な三角形なんて概念上にしか存在しませんからね(謎

 とまぁ、取り留めなく書いたところで次は『かぐや魔王式 第3式』です。

森口織人の陰陽道 巻ノに

 おかゆまさき・著、とりしも・イラスト、電撃文庫。
 6月13日(土)未明読了。

 ある夜、コンビニで織人が立ち読みをしていると、妹から電話があった。
 こんな遅くに来客という。それも、巫女さんだと言う。
 そうこうする内に、目の前のガラス越しに見える麗しき巫女の姿。
 それは遥奈原初雪。
 コンビニの扉をくぐり駆け込んだ彼女は、しかし何故か突然逃げ出してしまい......

 可成り間が空いてしまった気がしますが、勢いを取り戻した第二巻というところですな。
 思わせ振りな表現が多いと思ったら実はプロット立てずに書いてみたとか...... まぁ、その方がいい感じにも思えました。ふざけた内容の割に真面目な作者らしいというか。前巻は何だったのかというぐらいノリがよくなっています。というか、三人称一冊しか持たなかったんですね(;^^) でも、キャラも増えて立ち位置もしっかり出来て、シリーズとしての地盤が固まったようにも思えるので次に期待です。

 てなところで次はアニメ化カウントダウンのこの時期に『偽物語 下』です。

この広い世界にふたりぼっち3~神狩の夜~

 葉村哲・著、七草・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月9日(火)読了。

 旅の果てに辿り着いた街で、咲希はもう一人の自分に出会う。
 その瞬間、街はビルと城が、妖精と人が、新しいモノと古いモノが混在する異界と化した。
 咲希はシロと共にもう一人の自分、サキを追う。
 比較的スムーズにサキを見つけ出したはいいが、何故かシロを巡っておかしな状態となって......

 咲希とシロの旅もこれでおしまい、だと思います。タイトルロールは何となく途中から予想がついてましたが、中々に印象的でしたねぇ。若干不可思議というか神話的な要素として理不尽な状況が生じたりもしますが、実験的というかレーベル内の新しいカラーを目指そうとしたような意欲的な作品だったようにも思えます。
 全体として、塚木咲希という世界から外れた少女が寄り添える相手を見つけて何かしら変わっていく様というか根底にある普通の女の子の部分が見え隠れするとか、そう言った機微が面白い作品でもありました。
 早速次回作が発売カレンダーにあるようなのでそちらも読んでいきたいと思います。

 てなところで、次は『森口織人の陰陽道 巻ノに』です。

神曲奏界ポリフォニカ レオン・ザ・レザレクター 4

 大迫純一・著、忍青龍・イラスト、GA文庫。
 6月7日(日)未明読了。

 とある事件の結果、レオンはぶち込まれていた。
 そう、刑務所だ。
 やらかしたことのツケは支払う。
 だから、後悔は無かった。
 だが、そんな獄中の彼を大胆にも狙う者が居た。
 仕掛けられた時限爆弾を間一髪で処理したレオン。
 そんな彼の前に、一人の少女が面会に訪れる。
 結果的に彼に救われたその少女は......

 レオン・ザ・レザレクター最終巻!
 いやぁ、久々に「やられた!」と思う美事な御華詩でした。まぁ、表紙からして「え?」と驚きを禁じ得ない者でしたが。多くを語るとネタバレますが、これで、レオンという精霊の謎は明かされたことになるでしょう。そして、今後のシリーズ内の彼の立ち位置はどうなっていくのか、非常に興味深いところです。時間軸的には数年単位で前後があっても、赤と黒と青は並行しえますしね。
 とまぁ、そんなところで次は『この広い世界にふたりぼっち3~神狩の夜~』です。

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc2

 田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
 6月5日(金)読了。

 ギャルゲヱの世界をこの現実に呼び出してしまうという奇跡。
 その中心に居た都筑武紀は、ある日の学校帰りに一人の少女に声を掛けられる。
 隣に住む理恵と似た声のその少女は、何と小学校の頃に転校によって離ればなれになってしまった幼馴染みだった。
 しかしその再会は、ヒロイン達との日々に亀裂を生じさせることとなる。
 時を同じくして公園に現れた巨大な木。
 恋愛成就などの御利益が囁かれているが、その設定は多くのゲームで似たような設定が語られるモノだ。
 何のゲームか判然としないまま、彼は再び別の奇跡に巻き込まれて......

 『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!』第二弾登場。
 虚構と現実の交錯によって生じる軋轢などが描かれるのが魅力の作品ですが、今回は前回より更に踏み込んだ内容となっておりますな。今回は武紀では無い誰かが起こした奇跡。複数のゲームの設定が同じ舞台に登場すると、どうなるのか? そんなことが描かれています。
 全体的には確信犯的に積み上げたフラグを回収したり回収できなかったりと言った構成になっていてシステマチックなのは前作同様です。ただ、ギャルゲー的な思考を逆手に取って事件に結びつけていく手法は前作では飛び道具的なモノになっていましたが、その辺りが今回は普通にノベルゲームのフラグ獲得とイベントの関係性になっているように感じました。少し大人しくなってしまった感は否めませんが、シリーズとして世界観を引き継ぐ落としどころとしては妥当とも言えましょう。少なくとも、今回で全体の世界観が確立されたので色々と話を膨らませる自由度が出てきたように思います。
 それでもやっぱり、作中ゲームの内容が登場人物たちのさらっとした説明だけなのが微妙なところでした。もう少し作中ゲームのシーン再現があった方が個人的には感情移入できたようにも思います。これは本当に個人的嗜好ですし、多分、そういう路線は敢えて作中ゲーム話は飽くまで非現実であることを強調する意味で避けてるところもあるんでしょうが(;^^) 作中作は読者の視点では容易に作中現実と混同してしまいますしね。

 こんなことを考えていると、ふと『虚無への供物』とか『匣の中の失楽』とかを思い出しました。そういえば、これをギャルゲーでやるとこんな感じになるのかもしれないなぁ、と思ったり。

 何はともあれ、第二巻発売おめでとうございますなのです。

 とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ レオン・ザ・レザレクター4』です。

狼と香辛料 ⅩⅠ ~ Side Colors Ⅱ~

 支倉凍砂・著、文倉十・イラスト、電撃文庫。
 6月2日(火)読了。

 当主が没し、娘が娶られる形で商人に家を則られその末に没落したボラン家。
 その年若い当主フルールは、形だけの夫の下で働いていたオーラーの元、日々の糧を得るために下働きをしつつ、商人としての修行を行っていた。
 そんなある日、同じ貴族の出の商人、ミルトンと出会う。
 かつて晩餐会で僅かながら面識を持っていた彼をフルールは信頼し、共に一つの取引を企てる。
 ミルトンの手腕により、手堅い利益を得るはずの取引に心弾ませるフルールだったが......

 今回は二度目の短編集でした。
 まぁ、ホロとロレンスの旅の途上の何気ない事件を描いた『狼と黄金色の約束』と『狼と若草色の寄り道』は甘々な感じの御華詩でのんびり読めましたが、今回はなんと言ってももう一匹の狼とも言えるエーブの過去を描いた『黒狼の揺り籠』がメインディッシュでしょうねぇ。
 あの商人エーブがどのようにして産まれたか? その理由付けは非常に鮮烈でした。なるほどなぁ...... 本当に生々しい商人の業ですねぇ。これを知った上で本編を思い返すと何ともあの行動力に説得力が増しますね。

 とまぁ、そんなところで次は『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ disk2 』です。

神曲奏界ポリフォニカ ダン・サリエルとイドラの魔術師

 あざの耕平・著、カズアキ・イラスト、GA文庫。
 5月28日(木)読了。

 新進気鋭の売れっ子、神曲楽士にして音楽家のダン・サリエルは多忙を極めていた。
 大人気だからこその忙しさと見えて、それは契約精霊のモモのスケジュール管理ミスが原因。
 とは言え、モモは長らく神曲を与えられていなかったのだから情状酌量の余地があるモノの、サリエルは嗜虐的に責め立てる。
 だが、そんなサリエルが神曲を引かないのには深い理由があって......

 ダン・サリエルシリーズ第二弾!

 いやぁ、やっぱサリエルはいいっすねぇ。彼の音楽観には色々と感銘を受けます。
 また、今回の新キャラのシャルマがまたよい具合にテーマに絡んできています。彼は、音楽に限らず芸術関係のプロとして必ず突き当たる問題にクールに応えていて理解できるだけに辛い、そんな素敵キャラです。本当、プロとしてお金を貰うのがどういうことか? 痛いところを突いてきますね。

 まぁ、サリエルは今回あんまり活躍せずに、押しかけ弟子のアマディアの物語でありました。リジアとの一件で成長した彼女がこれからどこへ向かうのか...... 楽しみですねぇ。

 って、その間に挟まれた『ダン・サリエルと日溜まりの決闘』がまた楽しい。前巻で言えば、ユフィンリーとの因縁の御華詩のようなノリですな(;^^) こういうのが成立するのもこのシリーズのよいところですねぇ。

 てなところで次は『狼と香辛料 ⅩⅠ』です。

ギャルゴ!!!!!5 -地伝英雄逃亡大全-

 比嘉智康・著、河原恵・イラスト、MF文庫J。
 5月26日(火)読了。

 『プチ神隠し』の地伝で、クラスメートと共に異世界に閉じ込められた春男。
 何も知らないクラスメート達を救うため、春男は全ての元凶である噂長(そんちょう)を倒すべく奮闘する。
 しかし、その力の前に、大切な人を救うために不本意な時間稼ぎを繰り返すことになり......

 むむむ...... 何というか、迷走しているというか、どこを目指すのか解らないノリになってしまってますねぇ(;^^)
 前の巻から、広げた風呂敷を強引に畳もうとしている性急さを感じてしまいます。伏線も色々と仕掛けていますが、それがどう解決するのかまだまだ謎は残っています。
 まぁ、今回一番印象的だったのは『電撃 PC エンジン』です。 PC エンジンの雑誌を買っていた筈がいつの間にか『電撃 G's エンジン』->『電撃 G's マガジン』と進化(?)して気がつくとギャルゲー雑誌になっていたという正にこの作品世界にマッチした雑誌ですな。この本、メディアファクトリーですがね(;^^)

 とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ ダン・サリエルとイドラの魔術師』です。

純愛を探せ!

 速水秋水・著、玲衣・イラスト、 GA 文庫。
 5月23日(土)未明読了。
 第1回GA文庫大賞奨励賞受賞作。

 虚言と姦淫を司る魔神、カルマ。
 強大な力を持ち、その力で数多の女性を犠牲にしてきた。
 だが、そんな彼には一つの思いが芽生えていた。
 『純愛』とは何かが知りたい。
 自分の性質とは真逆のそれを求め、彼は人間界へと向かう。
 そして、彼は、運命の女性と出会う......

 ふむふむ、これは面白い試みですね。全体的に18禁ゲーム的なテイストですが、それでいて、確かに純愛をしています。逆説的にと言うかそういう部分が上手く生きていたと思います。確かにタイトルに偽りのない御華詩です。まぁ、読んでいる最中になんとなく主題歌が『魔女っ子メグちゃん』に酷似している某ゲームの悪魔を思い出したのは偶然なのかなんなのか......
 ともあれ、基本的に主人公に女性が若干無理がありつつも好意を抱いてしまうと言う敢えてエロゲ的な構図を用いながら、純愛を描いた勢いは非常に楽しいモノでした。

 というところで次は『ギャルゴ!!!!!5-地伝英雄逃亡大全-』です。

無限のリンケージ -デュアルナイト-

 あわむら赤光・著、せんむ・イラスト、 GA 文庫。
 5月19日(火)読了。
 第1回GA文庫大賞奨励賞受賞作。

 宇宙開拓の進んだ世界では、惑星開拓により資源の問題は解決し、戦争という外交手段は廃れていた。
 その世界では、特殊な力場を構成する三つのリングを用いて戦う BTR - Battle of Triple Ring - というプロスポーツがあった。
 一対一の命懸けの戦いを安全圏で眺めることが出来る刺激は、大衆に受け入れられる。
 危険であるが故に報酬も高い、その戦場に、天才少女と若き騎士が居た。
 これは、若き騎士の悲願と、少女の恋の物語......

 おお、これはいいですねぇ。時間軸を交錯させる手法を用いつつ、世界観を利用した若干のミスディレクションとそれらが繋がるカタルシス。正直、可成り重いモノを背負っていたりしますが、それらを上手く読ませています。この構成と設定の妙は美事でした。本当、よく出来た御華詩です。まだまだ続けられる要素はあるので、続きが出れば読みたいと思います。


 とまぁ、そんなところで次も受賞作『純愛を探せ!』です。

神曲奏界ポリフォニカ チェイシング・クリムゾン

 榊一郎・著、神無月昇・イラスト、GA文庫。
 5月17日(日)未明読了。

 ツゲ神曲楽士派遣事務所に務めるタタラ・フォロンの契約精霊は上級精霊である。
 彼女、コーティカルテは長い歴史を生きた精霊であり、情報収集の為に専門書などを読む読書家であった。
 だが、これまでフィクションを嫌っていた彼女が珍しく漫画を読んでいた。
 元々漫画はよく読むフォロンは共通の話題は喜んだのだが、何かコーティカルテの様子がおかしい。
 そんなコーティカルテはフォロンに言うのだ。
 「べ、べつに、あなたとなんかいっしょにしょくじがしたいわけじゃないんだからねっ!」


 長編はお預けでDVD特典のリライト短編集です。ああ、DVD全部持ってるのに読んでなかったので有り難いですが。
 実はそれに気付いておらず「あれ、これアニメの話じゃ......」とか思いながら読んでいたのですがその辺りの矛盾を調整して本筋に組み入れる流れのようですね。
 正直、長編の続きが気になりますが、この中の『キッドナップ・クリムゾン』みたいな話は嬉しいですね。でも、赤よりも青の方がどうなってるか気になります。ルーファ・ワルトゥムシカ・トロイスの活躍はどうなってるのやら......

 とまぁ、何か内容よりもポリフォニカ世界全体的な内容になりつつこの辺で次は『無限のリンケージ -デュアル・ナイト-』です。

臆病な僕と噛みまくりの魔女

 ゆうきりん・著、千葉サドル・イラスト、ファミ通文庫。
 5月14日(木)読了。

 異世界から現れる人類の敵たる《お隣さん》が現れて久しい世界。
 少年少女は《バイト》と称して弱い《お隣さん》を狩るのが一般的となっていた。
 そんな中、チームの足を引っ張ってばかりで主に囮担当の倶木瞳が頑張って攻撃を担当した日。
 やはり上手く倒せず追い詰められた彼は、突如現れた《魔女》に魅入られ......

 タイトルの印象で内容は全く予想せずに読んだのですが、読んでみると、人類は逞しいというか、侵略者から身を守るために戦うのが当たり前と鳴っている世界での御華詩でした。短い中で世界観がしっかりと描かれていて自然と話に入っていけました。特に、《魔女》に関する設定は面白いですねぇ。あと、某武器の呼称が頑なにドイツ語だったり。
 面白そうな設定は色々あれど、まだ提示されただけで終わっているところもあってどうやらシリーズとして続けるようなので暫くは追いかけて見たいと思います。

 とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ チェイシング・クリムゾン』です。

黒姫のユズハ2

 田口一・著、をん・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月12日(火)読了。

 神話の時代に姫が統治した世界。
 大きな力を秘めた姫は、今は棺となり眠っている。
 姫の力を得れば、世界さえも手に入れられる。
 偶然、姫の一人を目覚めさせたレンは、その力で一つの陰謀を阻止することに成功した。
 しかし、また別の一つ『水の棺』が海賊達の住まう孤島にあるらしい。
 レンは、悪用される前に奪取すべくその情報を知って島へ向かうのだが......


 中々に世界観がしっかりしていて読みやすいですな。シンプルでベタな展開ながらも、話の筋立てがしっかりしていて楽しめる内容でした。新キャラも個性的でよいですねぇ。でも、そんな中でも一番気になったラ・シェーヌ嬢の絵がなかったのが残念です。まぁ、そこはどうでもいいところかもしれませんが(;^^)
 姫の数なども既に提示されているのでここからどう展開するのか楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『臆病な僕と噛みまくりの魔女』です。

"文学少女"見習いの、初戀。

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 5月11日(月)読了。

 日坂菜乃はこの春から通う高校をふらりと訪れていた。
 昼と夜の狭間の黄昏時。
 そこで、彼女は黄金色の校庭で泣き崩れる少年の姿を見つけた。
 それが全ての始まりだった。
 聖条に入学して程なく、友達と部活巡りをしている際に偶然にその少年が誰なのかを知る。
 途端、気持ちが止まらなくなる。
 「わたしを文芸部に入部させてください!」
 気がつけば、少年、井上心葉に向かって、そう叫んでいた。
 これは"文学少女"を想う少年への、"文学少女"見習いの少女の、決して実らないであろう初戀の物語......


 いやぁ、なんか読み終わってまだ暫くこの御華詩を楽しめる感動に心が満たされました。
 あの後、三年生になった心葉の成長と、必死に絶望的な初戀に立ち向かう菜乃の物語がもう少し読めるかと想うと嬉しくて溜まりません。
 まぁ、相変わらず淡いイラストに騙されると、人間の内面を生々しく描いた内容のヘビーさに打ちのめされますが。今回は本当に、優しくも壮絶な御華詩です。やり切れませんねぇ。
 テーマは『心中』ですかねぇ。ハッピーエンドとは何か? というのは本当に難しい問題ですな。とは言え、今回の主人公である"文学少女"見習い、日坂菜乃の相手が井上心葉という時点で切ないモノがありますが、それに立ち向かう彼女の姿もいいですねぇ。何はともあれ、次が待ち遠しいです。

 てなところで次は『黒姫のユズハ2』です。

蒼月のイリス

 星家なこ・著、平つくね・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月10日(日)読了。

 桐生慎太郎はある日の学校帰りに、二刀流の少女に襲われていた。
 『一色』と呼ばれる絶対的な力を持つ王の位を巡る戦いのためだ。
 己の宿命を知りながらも、同じ学校の少女との戦いに戸惑いを隠せない慎太郎。
 どうにか攻撃をやり過ごして時間を稼いでいると、彼の前に突然美しい少女が現れた。
 その言葉に撤退を決めて、戦線を離脱する。
 それが、慎太郎とイリスの出会いで......

 能力バトルモノとしては非常に手堅い内容の御華詩ですな。
 ある超越的な力を求めて特殊な力を持つ者達が相争う。
 そんな中で、戦う決意はあっても覚悟の無い少年が如何にして覚悟を決めるか?
 そういう御華詩と言えましょう。
 ちょっとご都合主義が過ぎる気がしますが、構造が分かり易い御華詩なので解析してみると勉強になるかもしれません。

 というところで次は『"文学少女"見習いの、初戀。』です。

生徒会の五彩~碧陽学園生徒会議事録5

 葵せきな・著、狗神煌・イラスト、富士見ファンタジア文庫。
 5月10日(日)未明読了。

 新聞部の陰謀により、スキャンダルを流された碧陽学園生徒会!
 生徒からの支持が激減する中、杉崎鍵は奔走する。
 かつての生徒会を取り戻すため、自分を育んでくれた恩を返すため。
 果たして、杉崎鍵は愛する生徒会の信用を回復出来るのか?

 ......という御華詩では勿論ありません。相変わらずの緩い日常物語でありますな。
 とは言え、メタな感じで進行していた物語も一段落を迎え、第一部クライマックスとなりました。
 この辺りは強引な手法ながら伏線は綺麗に回収されて上手く機能していますねぇ。次からの新シリーズがどう描かれるのか、楽しみです。

 てなところで次は『蒼月のイリス』です。

神曲奏界ポリフォニカ マージナル・ホワイト

 高殿円・著、凪かすみ・イラスト、GA文庫。
 5月8日(金)絶賛読了。

 過去に飛ばされたスノウ達を襲う危機。
 地上で起こる戦争に巻き込まれていく精霊学院でスノウ達は未来へ帰る道筋を考える。
 出来る限り干渉すべきでは無いと知りながらも、黙ってみていられる状況ではなくなって......

 精霊島がまだ空に浮かんでいた時代の御華詩。
 今回は戦争を通じて、精霊から観た人間というモノについて非常に端的に表されているように思います。
 ただまぁ、事態はそんな悠長なことを言っていられる状況ではなく恐らく人間と精霊の関係に大きな影響を与える事態になるのだろうなぁ、と予想されますが、結末は次巻ですな。

 また、同時収録のデイジーメインの短編がよい感じでした。デイジーが何故あんなに対抗意識を燃やすのか、という切っ掛けと少し成長する様が描かれています。ただ、読んでいてピースが「デイジーデイジー」という度に「クリスマス・ショッパー!」とか反応してしまったのは何かの間違いですね(;^^) まぁ、どうでもいい御華詩ですな。

 とまぁ、そんなところで次は『生徒会の五彩』です。

タバサの冒険3~ゼロの使い魔外伝

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、MF文庫J。
 5月3日(日)未明読了。

 人里離れて隠棲する韻竜達の中で幼いイルククゥは外の世界にあこがれていた。
 そんな彼女の目の前にある日、ゲートが開いた。
 それは使い魔を召還するモノ。
 イルククゥは両親の制止も聞かずゲートを潜り、トリステインの魔法学院に現れた。
 彼女を召還したのは小さな少女。
 偉大な韻竜である自分に相応しいかどうか不振に思うイルククゥだったが......


 そんなタバサとシルフィードの出会いを描いた御華詩や過去の御華詩など、どれも素敵な短編集でした。
 中でも、任務の一つであるタバサと老騎士の話は途中で答えには気づいてましたがそれでもよい御華詩でした。
 また、タバサがタバサになる御華詩も、壮絶ですねぇ。本編では念願が叶っていますが、その後どうなるのか楽しみなところです。

 てなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ マージナル・ホワイト』です。

神曲奏界ポリフォニカ レオン・ザ・レザレクター 3

 大迫純一・著、忍青龍・イラスト、GA文庫。
 5月1日(金)読了

 ちょっとした悪ガキを取り戻す一仕事を終えた時だった。
 現場から立ち去る刹那、セブンが突如倉庫の中へと消える。
 誰かが居るというのだ。
 遅れて倉庫に入ったレオンは、そこで一人の幼い少女を見つける。
 服も体も汚れきってしまった少女は、しかし、レオンを見てこう言った。
 「パパ!」

 ううむ、やはり渋いですなぁ。かつての契約楽士の面影を持つ少女を巡る物語。それは、数多くの女性楽士と契約を結んでは破棄を繰り返してレオンガーラ・ジェス・ボルウォーダンという精霊の過去の一端に触れる御華詩でもありました。
 人間と精霊の生きる時間の違いは他のシリーズでもよく出てくる話題ではありますが、レオンの場合はその特殊性から思いモノがありますな。今後、どう進展するのか? 既に表紙時点で衝撃的な続きは確保済みなのでもう少し他を読んでから読みたいと思います。

 とまぁ、そんなところで次は『タバサの冒険3~ゼロの使い魔外伝 』です。

魔女の生徒会長5~ママはあなたが嫌いみたい~

 日日日・著、鈴見敦・著、 MF 文庫 J 。
 4月30日(木)読了。

 魔女の魔法が解けた。
 普通の女の子に戻ったシロオは幼馴染みのミミクロと共に学園を離れていた。
 魔法は何のためのものなのか?
 その手掛かりを求める旅路だ。
 目的地はシロオの家。
 遂に、辿り着いた二人を待ち受けて居たのは......


 『魔女の生徒会長』遂に完結! うん、少年漫画ですねぇ、これは。
 基本は努力友情勝利な感じです。物語の大筋としては大人と子供の対立、もう少し抽象化すれば大きな存在と小さな存在の対立の構図ですな。
 そして何より、人間離れした存在を描きながらも逆説的にこの上無い人間賛歌でもありますな。
 この辺りは、日日日作品に散見するテーマですね。勢いのある作品で、このオチの付け方はお見事でした。そうか、こう使えば悪くない終わりなんですね、これ。

 とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ レオン・ザ・レザレクター 3』です。

とらドラ・スピンオフ! 俺の弁当を見てくれ

  • Posted by: ktr
  • 2009年4月29日 20:42
  • 2009 | 小説

 竹宮ゆゆこ・著、ヤス・イラスト、大橋文庫。
 4月29日(水)読了。

 見た目は怖いが中身は所帯じみた男子高校生、高須竜次。
 彼の親友、北村の母が会社の旅行で家を空けたとき、それは起こった。
 北村の家の家事を助けるために現れた祖母。
 彼女が北村に持たせた弁当を見たとき、竜児の何かに火が付いたのだ!

 とまぁ、アニメDVD4巻の特典ですが、竜児らしい暴走っぷりが非常に楽しい御華詩でした。
 竜児の料理に対する意気込みが描かれていて、その無駄に深い考察がかなり笑えました。
 原作が終了した後にこういうのが読めるのは嬉しいですねぇ。

 とまぁ、突発で読んだのでここに書いてみましたが現在は予定通り『魔女の生徒会長5~ママはあなたが嫌いみたい~』を読んでる途中です。

オルキヌス 稲朽深弦の調停生活

 鳥羽徹・著、戸部淑・イラスト、 GA 文庫。
 4月28日(火)読了。
 第1回GA文庫大賞奨励賞受賞作。

 幻獣達の住まう島、オルキヌス。
 稲朽深弦はその島で起こるトラブルを調停する新人調停員として赴任してきた。
 憧れのオルキヌスに浮かれるのも束の間、所属する事務所の関係でいきなり大きな試練に突き当たる。
 しかし、深弦は諦めずトラブルに立ち向かって......

 未熟な人間が事件を通して成長するそんな物語。でも、やたらと漫才が多かったりしますが(;^^)
 コンセプトが暴力を伴わない問題解決ということで言葉を武器にした『調停』という設定が中々面白いですね。
 特に盛り上がるとか派手な部分は無いのですが、読んでいて心地よい御華詩でした。次も続く予定ということで楽しみです。

 とまぁ、そんなところで次は『魔女の生徒会長5~ママはあなたが嫌いみたい~』です。

聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス) 5

 三浦勇雄・著、屡那・イラスト、MF文庫J。
 4月26日(日)読了。

 道中を含め二ヶ月に及ぶ軍国行きから帰還したセシリー達。
 遠くない未来に控えた決戦を知ることとなり決意も新たにしながら、日常を過ごしていた。
 大小様々な日常的な事件が起きる中、しかし平穏は終わりを告げる。
 『聖剣の鞘』。
 ルークとセシリーがその意味を知ったとき、二人は一層大きなモノを背負うことになり......

 いよいよ最後の決戦を見据えて日常を描きつつも色々と明かされる御華詩でした。ルークとセシリーの絆も深まりつつ、相変わらず熱い展開が続きます。でもまぁ、今回大活躍したのはハンニバル団長。あの戦いを潜り抜けた強さは半端じゃないですねぇ。

 『聖剣の刀鍛冶』と『聖剣の鞘』。

 この二つを巡る物語は更に厳しい状況を迎えて行きそうですが、次を楽しみにしたいと思います。

 とまぁ、そんなところで次は『オルキヌス 稲朽深弦の調停生活』です。

這いよれ! ニャル子さん

 逢空万太・著、狐印・イラスト、 GA 文庫。
 4月24日(金)読了。
 第1回GA文庫大賞奨励賞受賞作。

 ある夜の事。
 得体の知れない存在に追われていた。
 歩き慣れた筈の道が迷路のように感じられ、気がつけば袋小路。
 デッドエンドを覚悟したところで、彼女は現れた。
 忌まわしいフルートの音とか不快なリズムを刻む打楽器の音は聞こえない。
 しかし、その銀髪碧眼の美少女は、自らを『這い寄る混沌ニャルラトホテプ』と名乗り......

 タイトルのセンスからして可成りキてます。やぁ、これは素晴らしいクトゥルー神話ですねぇ。余りの素晴らしさ(駄目な意味で)にフリークが発狂しそうですが、それならそれでクトゥルー神話として正しい...... のか?

 ある程度の知識がないとついて行けない部分があるのは仕方ないでしょう。しかし、ある程度クトゥルー神話に造詣がある方は、突っ込みどころ満載の展開と、どうでもいいところでどうでもいい形で、でも元の設定を中途半端に踏襲したネタの連発で可成り笑えるコメディとなっています。

 設定が明かされていくのが一つのネタなので細かい部分はネタバレ控えて書きませんが、狙われた真尋少年を守るために現れたのが「いつもニコニコあなたの隣に這い寄る混沌、ニャルラトホテプ」とかそんな御華詩。全体的にパロディのセンスがいいですねぇ。

 まぁ、既にクトゥルフがスク水で恋の神様に転職する某御華詩を読んでるのですが、アレは八百万の神の一つに組み入れたモノでしたが、全編その上をいく悪ノリの連発は気持ちが沈んだときにも強制的に元気になれます。笑うのか突っ込むのか怒るのかは別として。応募作でこんな作品を書く方も書く方ですが出す方も出す方だと、そんなことを感じさせる作品でした。

 てなところで次は『聖剣の刀鍛冶5』です。

ジャンクガール・ジグ2~負け犬たちの村~

 一人の優秀な怪造学者が惨殺された。
 怪造学会執行部長、空井滅作は単身その捜査の為に現地を訪れた。
 その地は、不知野。
 怪造学にとって重要な土地であり、また滅作にとっても特別な地である。
 禁断の土地で、滅作を待ち受けていたのは......

 『アンダカの怪造学』の過去話。親父が格好良い時代の御華詩ですな。
 様々な人物の過去が描かれ、この大人達が繋いだモノを伊依が受け取っていく、そんな流れを感じられる御華詩でした。特に、滅作が何故ああなったのか、その辺りはよいですねぇ。ついでにどこのギャルゲーの主人公なんだ、というぐらいの状態ですね(;^^) まぁ、その辺りはアンダカの最終巻でも明かされていますが。また、ジグがああなる理由も、想像するしかないですが何かいい感じの理由が思い浮かびますねぇ。これで、アンダカの世界は本当に一段落ですな。寂しいような嬉しいような、そんな読後感です。

 で、次は『這いよれ! ニャル子さん』です。このコンセプトは既に幾つか作品がありますが、それでもインパクトあるタイトルですねぇ。

オウガにズームUP!2

 穂史賀雅也・著、シコルスキー・イラスト、MF文庫J。
 4月18日(土)読了。

 ククルと二人で珍しく商店街に出かけた日。
 ユージは立ち寄った本屋でクラスメートの宮内さんと出会った。
 しかし彼女は何やら大慌てでしまいには泣き出してしまう。
 どうにか宥めてその場は収めたモノのユージにはそのことが気がかりで......

 異種族との婚姻に寄る禁忌を侵すことによる最悪の結末の回避とかそういう根底の設定があったりする御華詩ですが、今回で非常に分かり易いラブコメ路線になりましたな。男女共学ながら某ネギ●見たいにクラスメートの名簿があったりしてそれなりの数のヒロインが至りで幅は広そうな感じです。まぁ、それだけに方向性は定まりにくい感じもありますが、持っている雰囲気があるんでどうなるか読み続けたいと思います。今回も、実は本編よりも最後の番外的な御華詩の方が面白かったりしたので(;^^) あと、『司書カフェ』はいいですね(謎

 とまぁ、そんなところで次は『ジャンクガール・ジグ2 負け犬たちの町』です。

緋弾のアリア3~蜂蜜色の罠《ハニー・トラップ》~