2007 のアーカイブ
地を駆ける虹
七位連一・著、光崎瑠衣・イラスト、 MF 文庫 J 。
12月30日(日)読了。
第三回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞佳作受賞作。
貧民層と富裕層がはっきりした世界。
突如『楽園の民』と呼ばれる者達がもたらした『エレメント』と呼ばれる力。
その能力の発現条件は身に埋め込まれたエレメントの『卵』の孵化。
斯くして、エレメントさえ持てばどんな貧民でも戦場で名を上げ富と栄誉を獲得できるようになった……
そんな感じの世界観の中、主人公は英雄を夢見る少年ネイブ。
だが現実は傭兵団内で一人だけ卵を孵化させて居ない足手纏い。
劣等感に苛まれつつ、それでいて努力もせず、仲間の優しさにも気づけない。
唯一の肉親である妹にはいいところを見せたいため傭兵団を率いているかのような嘘ばかり。
正直、あまり愉快な主人公では無いですが、有る意味、世相を反映した主人公でも有るなぁ、とか感じました。
「駄目駄目な主人公がとあるきっかけで目覚める」という展開が予想される内容ですが、まぁ、何というか悲惨ですねぇ。
安易な悲劇。
最近のトレンドなのかどうか解りませんが流行モノの刺激要素として持つモノを活用しては居ますが、後味の良いモノではありませんでした。
世界観や演出面ではよく出来ていたし、方向性はともかくプロットも納得いくモノで「なんでこんなのが受賞?」というような内容では決して無かったとは思うのですが、色々考えさせられる作品でした。
今の世の中、こういうのが受ける時代なのでしょうねぇ、とか思ったりも。
ネタバレを極力避けて書くと今一核心に触れられませんでしたがおそらく今年最後の読了となるこの作品は「考えさせられる」という点ではよい作品でしたとポジティブに受け止めることにします。
とまぁ、そんなところで次は『文学少女と月花を孕く水妖』です。
聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス)
三浦勇雄・著、屡那・イラスト、MF文庫J。
12月26日(水)読了。
『上等。』シリーズのコンビの新作。今回は装いもガラッと変わって剣と魔法のファンタジー世界。
没落貴族の末裔の新米騎士、セシリー・キャンベル。初の実践で代々伝わる剣が折れ、命の危機に陥った際に自らを救った男が持っていた見かけない剣。鍛冶屋だというその男の剣に魅せられ彼女はその男、ルーク・エインズワースの元に新たな剣を求めて足繁く通うようになる……
とまぁ、こんな感じの導入ですが、世界は変われど根っこは同じというか、セシリーの根っこに鉄平のノリが宿ってます。いやぁ、いいですねぇ。限界を知った上で出来る限りを尽くすってのは大切なことです。あと、自らの体の一部を捧げて悪魔を召喚する『悪魔契約』と大気中の霊体と呼ばれるモノに干渉して力を行使する『祈祷契約』という魔法的な概念も面白い。多分、根本的なこの両者のあり方の違いと根っこが今後絡んできそうかなぁ、とか思ったり。そして、ルークの使う呪文が可成りツボ。いいなぁ、こういう和風な呪文。『とある魔術の禁書目録』の土御門とか。タイトルにあるとおり、刀鍛冶がモチーフになってるんですがその辺りが効果的です。うん、このシリーズも期待できそうです。
……ただ、惜しむらくは槍ヶ岳とか大目玉とか越後屋とか見たいな女性キャラが居ないこと。め、眼鏡分が……
とまぁ、そんなところで次は『地を駆ける虹』です。
神曲奏界ポリフォニカ アニバーサリー・ホワイト
高殿円・著、きなこひろ・イラスト、GA文庫。
12月20日(木)、絶賛読了。
今回は精霊島学院のお正月休みの御華詩。今回はちょっとこれまでと体裁が違ってスノウ&プリムローズお嬢様の白チーム、ジョッシュ&リシュリーの紫チーム、そしてある意味ポリフォニカ世界で最も愛されているミノティアスメインの三本の短編集です。
『僕の刻を刻む神曲』
学院は正月休みなれどメイドの仕事に休みは無いという訳で、スノウは本業のメイド仕事。これまで描かれなかった彼女の上司である執事ルークにまつわる御華詩。なんというか、お嬢様が黒いのはもういつものこととして、ルークの精霊と人間の関係に関する考え方はこの世界観の根底の理由付けとして非常にいいですねぇ。これまでも匂わされてましたが本当に、いい設定ですね。
あと、なんだかんだでデイジーっていい娘ですね。
『セレブレーション・ホワイト』
分家の出ということで何かと厳しい目にさらされるジョッシュ。彼が本家で七楽門の集まりに出席する御華詩。七楽門について非常に重要な設定が明かされます。それと、スノウの剣の謎もこれで解けます。というか、こっちの方がスノウに関係してますが、それを本人はまだ知らないと言うことでいつ知るのかが楽しみです。
『金平糖の恋』
ミノティアスが遂にタキシードを仕立てる御華詩。なんというか、この世界の人間と精霊の関係を最もよく表してる存在であるミノティアス。未来の姿も既に出ているだけに、感じるモノもあります。この時点ではまだほぼ牛なんですよねぇ。あと、作中で仄めかされた女性の心を射止めまくってるのってやっぱアイツだよなぁ(;^^)
なんというか、いかにミノティアスがこのシリーズを通じて愛されているかがよく解る御華詩でした。
とまぁ、ネタバレさけると何も書けないと思いつつ書いたら抽象的になってしまいました。
で、次は『聖剣の刀鍛冶』です。
ななついろ★ドロップスPure!! 1
赤坂香夜・著、いとうのいぢ、たかみ裕紀・イラスト、電撃文庫。
12月18日(火)読了。
同名タイトルのゲームのノベライズ。というか、こっちは Pure!! なので PS2 版が下敷きになってますね。
前に読んだ PC 版のノベライズと同じように石蕗君とすももの一人称が代わる代わるに出てくる形式で、二人の不器用でじれったい初恋模様が描かれてます。ただ、あちらが終盤に絞った形だったのに対して、こちらはすももシナリオを最初からやるって感じですね。
まぁ、内容的にはよく知ってるので設定とか理解する時間が必要無い分サクッと読めました。というか1巻の時点では新キャラがまだ出てこないので PC 版とほぼ同じだったので筋もばっちり。ただ、原作ゲームで好きなシーン二つが別のシチュエーションに置き換わってたのは残念でした。まぁ、流れ的にそうなったんでしょうが。
時間からは新キャラ登場。 PS2 版は発売日に買ったのに現時点で未開封に付き小説の方が先になりそうな勢いです。
と、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ アニバーサリー・ホワイト』です。
魔女ルミカの赤い糸
田口一・著、カズオキ・イラスト、MF文庫J。
12月17日(月)、読了。
第三回MF文庫Jライトノベル新人賞佳作受賞作。
タイトルの『魔女』は比喩ではなく中世の所謂『魔女』。そこに人間と影の関係をモチーフにした呪いを合わせてるって感じですねぇ。魔女に関する部分は基本に忠実でそれなりにまとまった内容ですね。ヒロインのキャラ付けも確かに、受けは良さそうかもしれません。
ただまぁ、全体のプロットも基本通りだなぁというかB級映画のノリですね。更に言えば、魔女を扱ったエロゲっぽい御華詩というか(;^^) MF 文庫 J はこういうノリを目指してるのかなぁ、とか邪推してみたり。つか、根源的なモチーフが『ゴーレム×ガールズ』と被ってると感じたのは私だけでしょうか?
とはいえ、話の構成自体はきっちりしてたのでその辺が受賞に繋がったのかなぁ、と思います。ちゃっちゃと済ますべきはちゃっちゃと済ました方がいいってことですね(謎
とまぁ、そんなところで次は『ななついろ★ドロップスPure!! 1』です。
学園カゲキ2
山川進・著、よし☆ヲ・イラスト、ガガガ文庫。
12月13日(木)未明読了。
いやはや、前巻で受賞に納得の内容ですが今回も非常に手堅い内容です。本当に「登場人物全員が役者」という設定を上手いこと活かした『作中劇と現実の交錯』が内面描写をより深めています。
プロット的には、親友と、親友の恋人を好きになった少女の御華詩。
ただ、ここで先の設定が存分に機能しています。
横恋慕する少女をA
親友をB
親友の恋人をC
とすると、現実でのAが作中劇ではB、現実でのAが作中劇ではAという形で立場が逆転する仕組みです。これだけの仕掛けで正直ありきたりとも言えるプロットの見え方が全く変わってきます。ほろりとくるかと思ったら、とんでもないどんでん返しがあったり、全体としてよくできたエンターテインメントでした。面白ければそれでいいんですねぇ。
特に派手な能力が出てきたりはしないですし、登場人物もそこまでぶっ飛んだのは居ないというかある程度ぶっ飛んでても全員が役者という設定で中和されてしまうような感じですが、その範囲で非常に味のある人間が揃っていて、前も書きましたが非常に可能性を感じる世界観なので今後に期待です。
とまぁ、そんなところで、次は『魔女ルミカの赤い糸』です。
刀語 第十二話 炎刀・銃
西尾維新・著、竹・イラスト、講談社 BOX 。
12月9日(日)未明読了。
12ヶ月連続刊行大河ノベル、遂に完結!
いやぁ、最後の最後でやってくれたというか、『化物語』あたりから西尾維新に入った人には辛いというか下手するとキャパオーヴァー、戯言シリーズから親しんでる人にはやっとかな展開でしたが、いやはや綺麗に着地させた物です。うん、ジャンプの突き抜け直前展開は人類最強の請負人の性格からして明らかにわざとですしね。ってまぁ、この世界に彼女がいないから最終巻まで出し惜しんだ部分もあるんdしょうが。
うん、対戦格刀剣花絵巻、収まるべきに収まったというところですねぇ。まぁ、ネタバレを避けつつもある意味根本バラしてますがこの論法でばれる人には予想の範疇のはずたと思うのでそのままにしておきます。
とまぁ、そんなところで、次は『学園カゲキ2』です。
クダンの話をしましょうか
内山靖二郎・著、朝未・イラスト、 MF 文庫 J 。
12月7日(金)読了。
タイトルから妖怪ネタで『神様のおきにいり』を連想したんですが案の定同じ作者の作品でした。
予言の力を持つクダンという少女が、その悲しい宿命に逃れようとする御華詩、ですかね。
元々はドッペルゲンガーの情報収集の為に創られた筈が、学生達の雑談の場となった『コクバン』と呼ばれる認証式の掲示板。そこで繰り広げられる言葉のやり取りから、三人の少女とクダンの交流が描かれます。なんというか、都市伝説と認証式の掲示板のあり方をうまく使っているなぁと感じました。序盤で職業柄突っ込んでしまった部分はしっかり後半でフォローされててその辺もしっかりしていました。
中でも、二人目の杏悠(あゆ)の御華詩が印象的でした。回りに勝手に天然キャラと決め付けられ、それを演じるうちに本当の自分を強く求めるようになり、その捌け口を掲示板に見つけて…… という実際にありがちなテーマを、ドッペルゲンガーの概念を利用してうまく描かれていると思います。
全体的に派手なアクションがあったりするわけでもなく、三人の少女が抱えていた問題に『コクバン』と絡んだ形でクダンがかかわっていく、それだけの御華詩なのですが、これがいい雰囲気を持っていました。これは、『クダン』の『災厄を予言して死ぬ』という伝説の処理が活きているからでしょうねぇ。ネタバレるので書きませんが、この解釈が最初に提示されたときはなるほどなぁ、と思いました。そして、この構図は本当に切ない御華詩だけれど色々な可能性を持っていて今後も期待できそうです。そんな風に中々の良作でした。
とまぁ、そんなところで次はいよいよ最終巻『刀語 第十二話 炎刀・銃』です。
灼眼のシャナXⅥ
高橋弥七郎・著、いとうのいぢ・イラスト、電撃文庫。
12月4日(火)読了。
なるほど…… 前巻が番外ではありましたが今回の話を読む上では確かに知るべき内容ではありますねぇ。
そんなことを感じた本編の続き。いやはや、これまでの伏線をしっかりと踏襲した上で行き着いているとはいえ、初期の頃だとこの道を辿るということは予想も出来ない展開になってきましたねぇ。シャナと悠二、そして吉田一美との関係も明確になった感じですが、何より、マージョリーと佐藤、田中の関係の方が今回はクローズアップされてますねぇ。
で、毎度書いてますが、この辺りの心理描写がやっぱり素晴らしい。残された友人達の気持ち、踏み出す佐藤ととどまる田中の間の葛藤、一方では [仮装舞踏会] の面々の大命へ臨む想い。今回は特に登場人物達の内面の動きが重要になってくるだけに見所満載でした。ほんまに、毎度毎度引き込まれます。
とまぁ、余り書くとネタバレるのでこの辺にして、次は『クダンの話をしましょうか』です。
戦う司書と追想の魔女
山形石雄・著、前島重機・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。
12月1日(土)読了。
もう既に続刊が二冊ほど出ていますが、ようやく第五作を読み終わりました。
今回は、ハミュッツに反旗を翻した一人の武装司書と、とある事象とハミュッツの因縁の交錯する物語。様々な視点を描きながら複数の物語を交錯させて一つの御華詩を組み立てる、人間の記憶が死後『本』となる世界観と合わさったストーリーテリングには毎回感嘆させられます。前巻である秘密が明かされたことでそのことに作中人物の一部も自覚的な部分がまた何とも。
『幸福』というものがこの作品世界の一つのテーマであると考えているのですが、今回はそこに正義と悪、という概念が絡んできて色々と考えさせられますねぇ。
まだまだ謎多い武装司書と神溺教団ですが、面白い勢力が加わってきて今後が楽しみですねぇ。もうちょっとペース上げてこのシリーズも追っていこうと思います。
そんなところで次は『灼眼のシャナXⅥ』です。
神曲奏界ポリフォニカ~ペイシェント・ブラック
大迫純一・著、BUNBUN・イラスト、GA文庫。
11月27日(火)読了。
いつもいつも渋く決めてくれる黒のポリフォニカも6冊目。今回も期待に違わぬ渋さでした。
高速道路で走行中に首を切断されるという不可解な殺人事件を発端とし、とある家族と縁の深い精霊の御華詩が描かれます。
その中で『人間と精霊の関係』というポリフォニカ世界での重大なテーゼが描かれます。これは、どこか青のポリフォニカにも通じるモノが有り興味深い内容でした。
そして、マティア&マナガのコンビはこれまでに無い感情の発露を見せます。その辺の絆の描かれ方も見所ですね。
更には、何かと過去が謎めいているマティアにも少し異変があったり、これからも目が離せないですねぇ。
とまぁ、今回はあんまり書くとネタバレせざるを得ないところがあるんでこんなところで、次は『戦う司書と追想の魔女』です。
レンズと悪魔 4 魔神幻世
六塚光・著、カズアキ・イラスト、角川スニーカー文庫。
11月25日(日)読了。
今回は短編二本と中編一本という若干番外気味の御華詩。
短編については博物館と探偵稼業の日常的な内容で、ベタなキャラではありますが、テッキの性格が愉快に描かれてていい感じですねぇ。でもまぁ、どちらかというともっとサクラに活躍して欲しいのですが。
中編の方は『八眼争覇の敗者』の御華詩。これは、これまで目を背けて来た事実で、今後の展開に絡む内容ですねぇ。代償を払っても叶えられなかった望みは必ず7つある訳で、その辺に踏み込んでるのは話の流れ的にも頃合いに感じられました。こういうの見ると余計に比べてエルバの動機が弱く感じられるのは否めないんですよねぇ…… そこも突っ込みどころとして挙がって来てたので今後どうにかなるかもしれませんね。
とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ ペイシェント・ブラック』です。
SHI-NO -シノ- 支倉志乃の敗北
上月雨音・著、東条さかな・イラスト、富士見ミステリー文庫。
11月20日(火)読了。
いよいよ第二部開幕!
入院生活を脱した快気祝いに鴻池先輩に連れられた焼き肉屋。そのお土産の美術展のチケット。
それが、僕と志乃を惨劇の待つ館へと誘う……
とまぁ、そんな感じで人里離れた画家の館を舞台に繰り広げられる惨劇に巻き込まれる二人。だが、志乃の様子がおかしく、僕はそんな彼女を心配したり杞憂したりする余り暴走しつつ、しかし、決して忘れることの出来ない光景と言葉に触れることとなります。
こうして、志乃の持つ歪みがクローズアップされて来て、衝撃的な、でも、ある意味、順当な僕の記憶。
う~ん、ミステリとしては今回は見せかけというか逆手にとった感じですが、志乃という少女のあり方がどんどん深められていくのがよいですねぇ。それを越えがたい壁があることを理解しつつ、保護者として見守ろうとする、僕の視点。危ういバランスで成り立つこの物語がどこへ向かうのか、興味深く思いつつ続きを待ちたいと思います。
で、次は『レンズと悪魔Ⅳ 魔神幻世』です。
うらにわのかみさま~虎と猫と君と僕~
神野オキナ・著、龍炎狼牙・イラスト、HJ文庫。
11月17日(土)未明読了。
八百万の神やら気がついたら邪神やら装置的な神やらまで出てきて神様のごった煮なシリーズ完結!
いや、結論から言えば非常によい作品でした。丁度よい分量でユウと霧人の物語はこうして綺麗に着地できたのではないでしょうか?
基本的な構図は、互いに気づかずに相争う陣営の男女が惹かれ合ってしまい…… というモノなのですが、その辺に日本的な温い神様概念が上手く解け合って心地よいところに落ち着けたなぁ、という感じです。安心して読める作品です。あ、そっか、それに通じてあっちの神様か…… というのは穿ちすぎでしょうかねぇとかなんとかいっちゃったりして。しかし、凄くいい場面で致命的な誤植が…… 脳内補完して事なきを得ましたが第二版以降は直っていることを祈ります。
とまぁ、そんなところで、次はタイトルから期待が膨らむ『S HI-NO -シノ- 支倉志乃の敗北』です。
バッカーノ! 2002 【B side】Blood Sabbath
成田良悟・著、エナミカツミ・イラスト、電撃文庫。
11月14日(水)未明読了。
双子の豪華客船を見舞う惨劇、決着!
海上の密室二つで起きる事件を時間軸も絡み合わせながら、綺麗に組み上げる手練はいいですねぇ。読んでて緊張感が持続します。でも、前巻読んで恐らく三分冊だと思ってたのが二冊で終わってしまった分、ちょっと寂しいかなぁとか感じてたんですが、そこは大人の事情だった模様なので致し方ありませぬ。
今回は本当に色んな伏線が繋がる回。
そして大々的に喧伝されていた通り、中でも一際長い伏線を超えて、ラスボス(?)が遂に登場します。なるほどねぇ。この伏線は読みづらいというか論理的には読めないようになってますね。こういうの好きですねぇ、この作者。
そして、18世紀も20世紀も21世紀も全て絡んでこの事件がどういう因縁の元で起こされたのか、その辺は続刊に期待ですね。
とまぁ、やっぱりネタバレしないようにすると大して書けません(;^^)
てなところでお次は『うらにわのかみさま 虎と猫と君と僕』です。
刀語 第十一話 毒刀・鍍
西尾維新・著、竹・イラスト、講談社 BOX 。
11月12日(月)読了。
いよいよラス前! 残す刀も二本。しかも、既に所在は明らか。
前巻で多くの謎が明かされたことで、逆にどうまとめるんだ? と思わなくも無かったですが、そのための伏線整理的内容でした。で、一番の見せ場はあの人の登場。意外な形で、しかし、それ以外に無い形で、登場。これで、一気に締まりましたねぇ。まぁ、そんな場面でも読者の突っ込みを予測してしまうのは流石です(謎 でも、そのお陰でいろいろなことに説明がつきすっきりしました。
そうして色んなことに決着がつき、いよいよ次回はラスボス戦。しかし、そこで今までに無い危機が……
最終戦に向けて充分に盛り上がったところで終わってるので次が楽しみです。果たして、どう落とすのやら。
とまぁ、そんなところで次は『バッカーノ! 2002 【B side】Blood Sabbath 』です。
魔女の生徒会長
日日日・著、鈴見敦・著、 MF 文庫 J 。
11月9日(金)読了。
多作な日日日の新シリーズ。
MF 文庫 J ではどんな風にいくのかと思ったら、これはこれは好みの御華詩でした。
最近若干マンネリ気味だなぁとか思わないでも無かったんですが、そこは自覚があったそうで、今作では意図的に今までと雰囲気的を違えています。
閉鎖的な巨大学園で人外生徒の百鬼夜行。
まぁ、手垢のついた世界観なんですが、それは置いておいて、やっぱり鮮烈な印象がありました。
その学園を統べる生徒会長『魔女』剣シロオの物語。
幼い頃に幼なじみの男の子を生け贄にして魔女を目指した彼女の現在。
彼女にとっては死人である語り部の少年。
どうしてこんなに歪んでいながらまともな人間を描けるのか…… その辺りのバランス感覚がいいですねぇ。人間が好きなんでしょう。
そして、穿ってみればこれは今の学校のあり方に対する一つの警鐘でもあるのでしょう。
そんなところから、話の筋は全く異なるにも関わらず、ずっと『ちーちゃんは悠久の向こう』を連想していました。当時は高校生だった彼の視点からですが、今も根底には『学校』と言ったものに関して言いたいことがあるのでしょうねぇ。
まぁ、そんなこんなで魔法の出てこない『魔女』の物語。非常に楽しめたので続きが楽しみです。
とまぁ、そんなところで次は『刀語 第十一話 毒刀・鍍』です。
撲殺天使ドクロちゃん 10
おかゆまさき・著、とりしも・イラスト、電撃文庫。
11月6日(火)読了。
感動のフィナーレ! というにはちょっと弱いかもしれませんが、これにて一区切り。第一部完、といったところですかね。
前の巻の時にストーリー性が出てきたとか感じてたら、今回は初の長編。ギャグのノリはそのままに全体としてシリアスな展開を成立させるのは美事です。上手いこと肝心な部分ははぐらかしてたり、終わりながらも考える楽しみを残しているのは嬉しいですね。
正直、初期の段階では一発ネタでしかなかったんで、こんなに続くと思った人のが少ないでしょうし私自身もそう思ってますが、巻数を重ねる毎に、段々と根底の物語を組み上げて内容を深めて来て、遂にここまで到達したって印象です。うん、何かいい感じに区切りをつけてくれところで、次回作にも期待したいと思います。
とまぁ、そんなところで次は『魔女の生徒会長』です。
不思議の国のアリス
Lewis Carroll ・著、矢川澄子・訳、金子國義・絵、新潮文庫。
11月3日(土)読了。
唐突に古典ですが、たまにはこういうのもよいモノです。
子供の頃に完全な翻訳で目にしたかは別として、様々なメディアで目にしてきた物語ですが、記憶が曖昧になっていたので新鮮な気持ちで読むことが出来ました。まぁ、何か皮肉っぽいブラックな雰囲気は当時は感じなかったモノなんでしょうねぇ。また、言葉遊美が多用されているので、機会があれば原書で読みたいと思いました。
何かとネタにされる作品でもありますし、この機に内容を復習できたのはよかったと思います。
とまぁ、そんなところでガラッと趣を変えて『撲殺天使ドクロちゃん 10』です。
神様が用意してくれた場所2~明日をほんの少し
矢崎在美・著、Fuzzy・イラスト、GA文庫。
11月1日(木)読了。
ちょっと人と違う何かが見えたりする探偵事務所雑用係兼不思議担当アルバイトの香絵。
彼女がバイト帰りに拾った携帯電話。そこから、ある青年の物語に巻き込まれて……
人と違うことが生み出す不幸。でも、それを乗り越えられる人間の強さと優しさ。そして、不思議なモノ達。
青年の境遇は詳しくはネタばれるので触れませんが、どこか香絵と似ていて、でも決定的に違っていて。そんな対比をしつつ、優しい物語が展開されます。前作同様、ほんわか暖かい雰囲気の良作でした。癒されますねぇ、こういうのは。
とまぁ、そんな訳で次はアリスを読んだり『 Alice パレード』プレイしたりで突然古典『不思議の国のアリス』です。
女王国の城
有栖川有栖・著、東京創元社。
10月30日(火)読了。
15年と7ヶ月ぶりの長編第四作。
久々の本格ミステリに幻惑を感じつつも心地よいひとときを過ごせました。
突如推理小説研究会の面々の前から姿を消した江神さんが訪れた山奥の村。そこはとある新興宗教が支配する地で、江神さんを探しに訪れたアリス達が巻き込まれる事件……
とまぁ、何となく前の『双頭の悪魔』を暗示する内容ですが、今回は大分趣が違うというか『宗教』と言うモノが秘める心理的な禁忌とミステリ的な要素が興味深い形で結合されていました。また、この宗教自体の性質も少し特異で面白いですねぇ。この辺、ミステリはネタバレ気にして書きづらいですね。
話の流れに触れない部分であれば、やはり作中人物が主に大阪弁というのが嬉しいですねぇ。これも一つの魅力です。
正直、全体として古臭いと感じる方もいるかもしれませんが、このかっちりとパズルのピースが埋まっていく感覚がやっぱり心に染みます。うん、やっぱりこういうのが好きですね、私。
とまぁ、曖昧な内容しか書けないのでこの辺にして、次は『神様が用意してくれた場所2~明日をほんの少し』です。
不気味で素朴な囲われた世界
西尾維新・著、 TAGRO ・イラスト、講談社ノベルス。
10月21日(日)読了。
もう、およそ4年前に発売された『きみとぼくの壊れた世界』と世界観を同じくする御華詩。
学校を中心に過ごす日々を囲われた世界と感じる中学一年生の串中弔士。
姉の串中小串と、崖村牢弥、童野黒理で構成される三年生の奇人三人衆や、二年生の奇人、病院坂迷路、そして普通のクラスメートの伽島不夜子と繰り広げられる平凡な日常。そんな中に不意に飛び込む殺人事件。こうして、病院坂迷路と串中弔士の『探偵ごっこ』が始まった……
まぁ、ミステリと言うことで特に慎重にネタバレ避けて内容にはあまりふれませんがそんな感じの物語。ストーリー以外では『化物語』の時と同様のテンポのよい漫才に何度も笑わせていただけました。その辺のセンスは流石ですねぇ。あと、嘘しかつかないとか逆に人間嘘発見器とかキャラも強烈なのですが、中でも病院坂迷路のキャラ付けが印象的でした。一応、詳しくは伏せますが、私の思いつくところでは『 To Heart 』の来栖川芹香先輩、『涼宮ハルヒ』シリーズの長門有希なんかの系統のキャラを徹底して行き着いたキャラ付け。でも、本当にここまでやっちゃうと凄いですねぇ。
……あ、方向性が全く違いますが本質部分では『バッカーノ!』に類似のキャラはいますね。非常に限定的ですが。
とまぁ、あまり書くとネタバレ書いちゃいそうなんでさらっと済ませて、次は待望の、いや、むしろ『耐望』と言ってもいい15年ぶりの学生サイドアリスの新作『女王国の城』です。
バッカーノ! 2002 【A side】Bullet Garden
成田良悟・著、エナミカツミ・イラスト、電撃文庫。
10月18日(木)読了。
前回が18世紀だったところから3世紀時代が進んで21世紀を舞台に繰り広げられる今回の物語。
双子の豪華客船で蠢く不気味な影。
そう、それは1世紀ほど前に闇に葬られたあの事件のようで……
とまぁ、ネタバレしないために思わせぶりな内容だけで止めます。とはいえ、まだ来月に予定されている【 B side 】読まないことにはまだまだ何も分からないのですがね。まぁ、それ以外の部分で言えば、何というか血は争えんというのを感じさせる御華詩ですねぇ。あと、トラウマは長く残るモノだとか。
時代をバラバラに展開しながらも上手いこと前の話を伏線に使ってるなぁと感心しつつ、今回の事件の構図がどう決着するか、来月を楽しみにしたいと思います。
そう、続きは来月なのです。これでようやく、既刊読破と相成りました。大分睡眠削った気がしないでも無いので、ここからは通常運用に戻します。
そんな訳で次は『不気味で素朴な囲われた世界』です。
バッカーノ! 1705 The Ironic Light Orchestra
成田良悟・著、エナミカツミ・イラスト、電撃文庫。
10月17日(水)読了。
今回は時代がぐっと遡り、18世紀初頭、ナポリ近郊の港町、ロットヴァレンティーノで繰り広げられる『仮面職人』と呼ばれる怪人による連続殺人事件を根底にしながら、少年の日のヒューイとエルマーの出会いが描かれます。
ヒューイがあんな性格になった理由、笑顔中毒者エルマーの手口、その辺りが見所ですねぇ。あと、あの人は全然変わってないなぁ…… 他にも色んな人の過去がチラホラと見え隠れしていました。まぁ、そちらは過去編の最も重要な事件が描かれるであろうこの先発売される 1710 に譲るのでしょうが。
根底の事件に関しては、若干ミステリー仕立てながらあくまでお遊び程度の要素なのでそれほど気にはならず、楽しめました。ただ、この人、異様に叙述トリックを多用しますねぇ(;^^) ミステリならアンフェアに近いレベルで。
とまぁ、過去編はネタバレの宝庫というかネタバレしかないとも言えるのでその辺を避けるとあんまり書けないのでこの辺りにして次は『バッカーノ! 2002 【A side】Bullet Garden 』です。
バッカーノ! 1934 完結編 Peter Pan In Chains
成田良悟・著、エナミカツミ・イラスト、電撃文庫。
10月16日(火)未明読了。
1934年完結編! 圧倒的なページ数に気圧されながらもどうにかこうにか読了しましたが、いやはや、よきエンターテイメントですなぁ。複雑な人間関係なんですが、上手いことギリギリのところで破綻させずに良好な関係を保っているというか、そういったバランス感覚は凄いと思います。
今回は、アルカトラズ刑務所とシカゴが同時並行で進みますが、その中核を為すのはとある人物達。この道具立ての使い方がパズルのようでトリッキーながらも話の構造を面白くしていますね。また、第一作のアンチテーゼ的意味もあるように思わないでもないです。
あとは、特徴的な話し方のキャラが多い傾向にありますが、慣れとは恐ろしいモノでそれが普通と思えるようになってきました。なんか、会話の感覚が狂いそうです。特に、グラハムとシャフトの漫才が心地いいですねぇ。
そんなこんなで大きな事件が終わったところで1930年も半ばに到達。次には何が起こるのか? それはまだ出てないのでようやくリアルタイムに楽しめるところまで追いつけたということですね。
とはいえ、過去と21世紀編の既刊が2冊あるのでこの勢いで進めますということで次は『バッカーノ! 1705 The Ironic Light Orchestra 』です。
バッカーノ! 1934 娑婆編 Alice In Jails
成田良悟・著、エナミカツミ・イラスト、電撃文庫。
10月14日(日)読了。
獄中編の裏、シカゴで起こっていた事件の顛末。
中心となるのは、ヒューイの手駒の組織の一つ「吸血鬼≪ラミア≫」の面々ですね。
何というか、人外要素を持ってしまった彼らの視点を中心に、逆に人間のやな部分が描かれてます。
あと、名前だけは登場していたラッドの弟分でジャグジー達とも親交のあるグラハム。彼もまた、飛んでますねぇ。
彼と、クリストファーとヴィーノが戦ったらどんなに愉快な会話になるのかみてみたい気がします。つか、若干本質的な部分のキャラが被ってますねぇ(;^^)
一方で、ようやく姿を見せたあくまで客観的な存在たろうとしている情報屋の副社長も気になる存在です。いや、名前が既に気になっていたというか、もしかするともしかするのかただのミスディレクションか…… このシリーズのキーワードとセットだとオカルト知識がある程度あれば確実に連想しますが果てさて。クレオパトラに会ったことはあるんでしょうかねぇ?
とまぁ、そんなところで引き続いて大長編の最後『バッカーノ! 1934 完結編 Peter Pan In Chains 』です。
バッカーノ! 1934 獄中編 Alice In Jails
成田良悟・著、エナミカツミ・イラスト、電撃文庫。
10月13日(土)読了。
今回から、大長編となりますがその導入の獄中編。かの有名なアルカトラズ刑務所に、様々な思惑の元に集まったり集められたりした者達の御華詩。その中心にいるのはマイザーの旧友の一人でもある『ヒューイ・ラフォレット』。一方では、彼の『実験』と複合企業体『ネブラ』の陰謀とが渦巻きシカゴの町を襲う……
そんな感じで繰り広げられるこれまでに比べて非常に大規模な事件です。まぁ、まだ獄中の人たちの視点しか分からないんで全体像については残り読んでからですが、今回は特にバカップルの意外というか何となくにおわされていた一面が出てたのが印象的でした。あと、話の中心に大きく関わっていながらトンでもない人間が婚約者となったことでおかしな、だけどまっとうとも言える道に進んでいるシャーネ・ラフォレットの動向も気になりますねぇ。それと、有言実行なラッドは無茶苦茶だけど筋は通っててよいキャラですね。絶対近づきたくないですが。
とまぁ、そんな訳で次は当然『バッカーノ! 1934 娑婆編 Alice In Jails 』です。
バッカーノ! 1933<下> THE SLASH ~チノアメハ、ハレ~
成田良悟・著、エナミカツミ・イラスト、電撃文庫。
10月12日(金)未明読了。
拷問師と刀娘を中心に、様々な勢力を巻き込んだ大きな流れの片鱗が見え隠れする御華詩でした。
大きなテーマとしては刃を持つモノ達の戦いと、家族の絆。まぁ、アイザック&ミリアに匹敵するかも知れない方向性の違う新たなバカップル誕生の予感もありますが、こっちは規格外過ぎて話になりません。でも、言動は同レベルな気がしますが(;^^) しかしなんだ、物語破綻させないためには人類最強はこうでないといけないんでしょうがね。ああ、ヴィーノの台詞は一言一言が楽しすぎます。
それと、1932年の話でいいとこ見せたラックが…… 何か変な方向にキャラ付けされてしまいましたねぇ。ほのぼの。
シリーズとして未来と過去を行ったり来たりしてるんで一部その先が既にこれまでの巻で明かされてる部分なんかもあるんですが、今回はそれらを上手いこと使いながら大きな話に持っていきましたねぇ。既に購入済み何で先の長さは理解してますが次は3冊に渡る大長編に入ります。うわぁ、やべぇ、楽しみ。
とまぁ、そんな訳で次は『バッカーノ! 1934 獄中編 Alice In Jails 』です。
バッカーノ! 1933<上> THE SLASH ~クモリノチアメ~
成田良悟・著、エナミカツミ・イラスト、電撃文庫。
10月11日(木)未明読了。
今回はガンドールの拷問師チックと、ひょんなことで食客となっている殺し屋マリアを中心とした御華詩。
ですが、やっぱり色んな人が出てきてしっちゃかめっちゃかというか、やっぱりバカップル最高。こいつら居なかったら酷いことになるよなぁ。
何というか、今回は戦う者達の御華詩って感じですね。日本刀と槍とナイフと。でも、それらを超越するあの人とか、更に更にようやっと腰を上げたというかあんた立場的にそこに荷担して大丈夫なのか? という某シリーズの哀川潤に匹敵するジョーカーが動いたりと、次が楽しみでなりません。
そんな訳で引き続き『バッカーノ! 1933<下> THE SLASH ~チノアメハ、ハレ~ 』なのです。
バッカーノ! 2001 The Children Of Bottle
成田良悟・著、エナミカツミ・イラスト、電撃文庫。
10月10日(水)読了。
仲間との再会の為に、世間から隔離された森の奥に佇む小さな村を訪れたマイザー達が繰り広げる、これまでとは時代が異なれば雰囲気も異なるバッカーノでしたが、いやはや、やはり面白い。この作品の設定の懐の広さを感じさせますね。この根底にある設定が活きてますねぇ。
今回も誰が? と明示されては居ませんし扱い的にも微妙ですが、中心人物は『笑顔』の為なら手段を選ばない、マイザー達の古い友人であるミスター・ハッピーエンドこと、エルマー・C・アルバトロスが物語の中心でしたが、彼の生き様は中々に興味深いですねぇ。『世界中の人間を笑顔にしたい』とは甘ったるく無茶な信念に聞こえますが、あそこまで徹底していると気持ちいい。一人を覗いて初出になる他のマイザーの古い友人達も中々に魅力的なキャラでその辺が絡んだ過去話も残りの中にあるかなぁ、と楽しみにしています。
そんな訳で引き続き『バッカーノ! 1933<上> THE SLASH ~クモリノチアメ~ 』です。
バッカーノ! 1932 Drug & The Dominos
成田良悟・著、エナミカツミ・イラスト、電撃文庫。
10月8日(月)読了。
今回は、列車の事件の前後で言及されていた、ガンドールとルノラータのごたごたを巡る御華詩。
ネタバレは控えますが、この事件は第1巻と似たような手法で様々な人物の思惑が情報の受け渡しで絡み合って一つに集約していくという構成でした。1巻ほどの衝撃はなかったものの、その辺の多重の視点を最大限に利用した見せ方はよいですねぇ。
そしてこのシリーズの定例として、誰が主役というのはないんですが、個人的にはガンドール三兄弟の末っ子のラックが結構中心的だったかなぁ、と思います。徹しきれない彼の甘さというか、人間的な部分がいい味を出していますねぇ。あと、伝説の殺し屋『葡萄酒(ヴィーノ)』も楽しいですねぇ。行動原理が無茶苦茶で。
なにげに新キャラも出てきたりしてどんどん登場人物が増えてますがそれぞれがしっかり描かれてるんで今後の活躍が楽しみです。
とまぁ、そんな訳で祭り中につき引き続き『バッカーノ! 2001 The Children Of Bottle 』です。
刀語 第十話 誠刀・銓
西尾維新・著、竹・イラスト、講談社 BOX 。
10月5日(金)読了。
大河ノベルも残すところあと三冊! そこでいよいよとがめの因縁の地、奥州へと足を踏み入れることに。
そこで待つのは仙人、彼我木輪廻! 誠刀・銓を得るために、とがめと七花は何を課せられるのか!
といった感じで、前回に引き続き王道的な御華詩でした。どう王道なのかは読んでのお楽しみ。まぁ、別シリーズですが紅い請負人の趣味を考えるとなんとなく想像がつくかも?
あと、汽口慚愧、やはりあのまま終えるのは慚愧に堪えないのかまた登場。というか中々いい位置に付けましたねぇ。西尾維新の今までの作品を鑑みると無限増殖並みに死亡フラグ立ってますが多分、心王一鞘流の為に生真面目な彼女は生き続けることでしょう。
しかし、ここに来て、話の展開が読めなくとういかこの人の話の展開読もうとしちゃいけないんですが、まぁ、要するに面白くなってきました。ラノベ的な読者とミステリ的な読者の読後感の差異も興味深いかもしれません。両方読んでるとそんなことも考えてしまうのは嫌な読者なのか。前も書きましたが、このシリーズは私は変格ミステリと分類してますんで。
とまぁ、戯言を多用してますがこんなところで、いよいよ馬鹿騒ぎの発動です。
さぁ、既刊を今月中に全部読んでやる! てな訳でお次は『バッカーノ! 1932 Drug & The Dominos 』です。
バッカーノ! 1931 特急編 The Grand Punk Railroad
成田良悟・著、エナミカツミ・イラスト、電撃文庫。
10月5日(金)読了。
うわ、何か一気に読んでしまいましたよ(;^^)
前巻の内容の裏側が描かれると言うことですが、上手いこと叙述トリックとミスディレクションを使っていたのが解ります。大概は予想の範疇でしたが一つは上手いこと心理的な間隙を突いてくれて心地よい騙され方でした。本当に、構成が上手いなぁ、と思います。どこがどう騙されるのか、それは読んでのお楽しみ。
内容についてはこちらは特にネタバレるので詳しくは書きませんが、事件としては非常に陰惨なのに登場人物の魅力で良い具合に後味が緩和されてるというか、馬鹿カップル最高。世の中には、馬鹿が必要なんだと心から思う作品でもありました。もう、あの二人は最強過ぎます。
とまぁ、時間が無いので簡単ではありますが最高に楽しめたということに間違いはなく、次の本が読み終わったらシリーズ一気読みに入る予定です。
そんな訳で次は月刊大河ノベルも10冊目『刀語 第十話 誠刀・銓』です。
バッカーノ! 1931 鈍行編 The Grand Punk Railroad
成田良悟・著、エナミカツミ・イラスト、電撃文庫。
10月3日(水)読了。
いや、これはなんというか、本当に引き込まれる作品ですねぇ。
様々な人物の思惑がシカゴ~ニューヨークを結ぶ大陸横断鉄道「フライング・プッシーフット」で交錯し、惨劇が幕を上げる……
非常に沢山の登場人物が居ながら、視点をそれぞれに持たせることで読者に感情移入させてたり、その移し方を利用して色々仕掛けられてたり、読んでいて心地よい驚きに何度も出会わされました。全体としては閉鎖空間でのホラーっぽい雰囲気ながら、一部の愛すべき馬鹿がここぞというところで美味しいとこを持ってってくれるんで余り重々しくも無く丁度よいエンターテインメントでありました。
そして、実はこれは一回り。また同じ時間軸、同じ時間を別の登場人物の視点で描く続巻が有るため、居ても立っても居られず即購入。
そんな訳で次は『バッカーノ! 1931 特急編 The Grand Punk Railroad』です。
姫宮さんの中の人2~夏盛りオレンジシャンプー~
月見草平・著、EiN・イラスト、 MF 文庫 J 。
9月30日(日)読了。
憧れの生徒会長、姫宮ちとせの中の人の秘密を共有し、彼女の病の回復に協力することにも慣れた頃。
一人の時季外れの転校生、浦乃霞が純人のクラスにやってきた。常に紙袋で登校し余り周囲ともうち解けていなかった彼女と、図書委員の彼女の仕事を手伝う内に少しずつ親密になる純人。それを快く思わない幼なじみと生徒会長。しかし純人はそんなことには気づかずに……
とまぁ、そんな鈍い主人公に振り回されるヒロイン達という、ある意味ラノベの一つの王道を行く内容で幕を開けます。後半は又違った展開となりますがそれは読んでのお楽しみ。若干強引な展開もありながら、全体として安心して読める内容です。
しかし、このタイトルはやっぱ秀逸ですねぇ。
とまぁ、そんなところで次は『バッカーノ! 1931 鈍行編』です。
アンダカの怪造学Ⅶ Pandora OnlyOne
。
9月29日(土)未明読了。
いよいよ第三部開始! 物語は最終局面に向け急転直下の展開。
それは、戦争。
虚界と現界の戦争。
かつて、古頃大祭で行われた、代理戦争ではない、正真正銘の。
前回で心に大きな傷を負った伊依。打ちのめされた彼女を、しかし世界は求めます。唇を噛み、悔しさに顔を歪ませながらも、彼女に大きな役目が否応なく押しつけます。今までの自信はなく、少女の弱さを見せながら、彼女は戦争に巻き込まれていく……
そんな感じで一気に自体は深刻さを増していきます。力及ばぬ理想と容赦の無い現実の中で、伊依がどう立ち回るか? 彼女の『怪造生物は友達』という信念はどこへ向かうのか? その辺が見所ですねぇ。綺麗事ばかりもいってられないけれど、綺麗事も忘れてはいけないのです。
そして今回はそんな大きな転換点に当たる御華詩だった訳なんですが、その中で今までもずっと登場していながら常に第三者として事件の外に居たとある人物の成長が描かれています。そんな彼女の今後の活躍も楽しみです。間違いなく、今回の裏の主役は彼女でしょう。このまま行くとものすごく重要な役割担いそうな勢いですし。つか、その辺の持ってき方が上手いですねぇ。
これだけ大きな戦争の御華詩は、しかし『受験戦争』の隠喩であります。その壮絶な中に隠されたテーマも皮肉が効いていて中々よいですな。
あ、あと、まさか日日日作品で495年ほど閉じこもってた妹様の名前を見ることになるとは思いませんでした。どう出るかは読んでのお楽しみ。
とまぁ、とりとめなく書いたところで、お次は『姫宮さんの中の人 2』です。
ネクラ少女は黒魔法で恋をする 5
熊谷雅人・著、えれっと・イラスト、MF文庫J。
9月25日(火)読了。
今シリーズも遂に完結!
一人のネクラ少女が演劇部の仲間達との関係を通じて変わっていく成長譚として、非常にメッセージ性のはっきりしたすがすがしい読後感の良作でした。まぁ、細かい部分を突っ込むと色々と粗はあるんですが、これだけテーマが伝わってくれば充分でしょう。
考えてみれば、この物語の主人公、真帆のような立ち位置に居る人って結構居るんでしょうね。気づかないだけで、自分が思っているほど周りから嫌われていないというか、嫌がられるのがデフォと思いこんでしまっているというか。そして、自分は理解して貰えないという一種の諦観に達してしまう。でも、人間は誰からも好かれるのが難しいように、誰からも嫌われるのも実は難しいのです。そんなことを考えてしまいました。
何はともあれ、次回作が楽しみであります。
とまぁ、そんなところで次は『アンダカの怪造学Ⅶ Pandora Only One 』です。
狂乱家族日記 八さつめ
日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
9月18日(火)読了。
『宇宙人編』下巻にして、このシリーズの一つの山場『来るべき災厄』の顛末が語られる待望の八さつめ。
地球が第ピンチの割に、誰もがマイペースだったり一方では暗躍していたり。人間の欲望ってのは結局そういうレベルのモノなのですねぇ。根っからの悪人も居なければ真性の善人も居ない。そんなことが感じられます。
御華詩的には番外編で登場した人たちも紛れ込んできたりして賑やかな狂乱が繰り広げられます。
今回のテーマはズバリ『恋』。
それは、『傾城』だの『傾国』だのという言葉にも象徴されるように、時に城や国さえも傾けるモノ。それが、今回は言うなれば『傾城』ならぬ『傾「星」』。勿論、その星とは地球。一つの恋が発端となった、地球を巻き込んだ大騒動を肴に、我らが凶花様はまたまた奇策とも言える宴を開いて……
とまぁ、そんな感じの御華詩。実は、大筋の方だけではなく、これまでに展開されてた『恋』の御華詩も少なからず絡んできますがそちらは読んでのお楽しみ。
若干あざとさが目につくようになってきたこのシリーズの萌え描写ですが、まぁそれも若さ故。つか、そんなに日日日はツンデレ好きなのか? とは言え、それでも相変わらず端々にはっとさせられるような家族に対する情愛の形を示す辺りは深いモノが