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メディアワークス のアーカイブ

図書館革命

 有川浩・著、徒花スクモ・イラスト、メディアワークス。
 5月18日(日)読了。

 ある日巻き起こった原発に対するテロ事件。
 図書館界とは別世界の話かと思われたが事態は一転。
 なんと、この事件の手口がある謀略小説の内容と酷似していたのだ。
 テロへの批判を煽りながらメディア良化法の権限増加が裏で行われ、作者の執筆制限にまでことは発展する。
 こうして、本の守り手としての図書隊が立ち上がることとなる……

 現時点で番外編が出てますが、本筋としてはこれで一区切りということで、最後の最後もいいテーマですねぇ。
 検閲が事実上合法化したことによる強引な押収と、それに対抗する図書館という図式。
 だけれども、それ以外の部分は現実世界と重ねることで非常に面白い思考実験となっていました。

 メインの視点は郁ですが、必要に応じてその周辺のキャラに視点を移動することで物語に厚みが出ていました。後半の柴崎麻子とか手塚とかは前半に比べてずっと人間味が出てたり、郁は着実に成長してたり、堂上も変わったつもりで変わってなかったり、小牧は素直になってたり、玄田隊長はどこまで行っても玄田隊長だったり。久しぶりに深く感情移入できる作品で、最後の最後はホッとしました。アニメに釣られて原作に踏み込んで本当によかったと思える、いい読後感のシリーズでした。

 とまぁ、そんなところで次もアニメからですが『狼と香辛料Ⅱ』です。こちらも一気に行きます。冊数多くて大変ですがね(;^^)

図書館危機

 有川浩・著、徒花スクモ・イラスト、メディアワークス。
 5月18日(日)読了。

 遂に、憧れの王子様の正体を知ってしまった郁。
 だが、そんな事情に関係なく、奇しくも郁の地元を舞台に未曾有の事件が巻き起こる。
 初めての大規模戦、歪んだ茨城図書館界も成長した郁は乗り越えていく。
 そんな中、郁は現在の自身の気持ちを自覚して……

 今回は後半の大事件がメインと言えますが、その前の禁止用語を巡る御華詩が興味深かったですねぇ。いや、これは現実にも起こりうる事件です。そこがこのシリーズの面白いところなんでしょうねぇ。架空の歴史とは言え、絶対にあり得ないとは言えない状況だけに、「あ、こうなったらこういう対抗があり得るのか!」と現実には泣き寝入りが多い自体について痛快な解決が与えられるのが非常に心地よいです。主に、その発案は玄田隊長ですが。豪快な策士ですねぇ。

 とまぁ、そんなところで次はいよいよ完結な『図書館革命』です。

図書館内乱

 有川浩・著、徒花スクモ・イラスト、メディアワークス。
 5月15日(木)読了。

 図書特殊部隊に配属された郁。
 しかし、心配性で過保護な母に気兼ねして未だに自身の配属を言い出せないで居た。
 そんな折り、法事の序でに仕事ぶりを見に両親が訪れることになって……
 果たして、郁の運命や如何に?


 とまぁ、そんな話や小牧と幼馴染みの話、麻子ととある利用者の男性との話、手塚と家族の話、と周辺人物の事情がクローズアップされて面白くなってきました。相変わらず示唆に富んだ内容の中、登場人物達の魅力も増してぐいぐい話に引き込まれます。いい味出してますねぇ。麻子の内面の変化とか、どんどん丸くなる手塚とか、その経緯がしっかり描かれててよいですねぇ。細かい部分はネタバレるので控えますが、本当、登場人物が掘り下げられたのが今回の御華詩の特によいところでした。

 と、そんなところで引き続き『図書館危機』なのです。

図書館戦争

 有川浩・著、徒花スクモ・イラスト、メディアワークス。
 5月13日(火)読了。

 メディア良化法により検閲が合法化して30年。
 出版された本はメディア良化委員による容赦無い取り締まりに晒されていた。
 一方で、図書館は表現の自由を守るために立ち上がる。
 良化委員による取り締まりと図書館の抗争は激化の一途を辿り、それが武力闘争となるのは必然とも言えた。
 そんな中、かつて図書隊に助けられた一人の娘が、その門戸を叩き……

 いやはや、以前から気になっていた作品ですが、アニメ化を機に読んでみて、今まで手を出さなかったことを後悔。こいつはいいですねぇ。『 R.O.D. 』とは異なる形ですが、これも本への愛が詰まった御華詩でありますな。また、作品内の世情は現在のメディアの在り方に対する痛烈な皮肉が籠もっていて非常に興味深いですな。こんな未来、絶対にあり得ないと全称命題として一笑に付せるのかどうか、考えさせられる内容でもあります。

 また、そのような世界の中で、しっかりと描かれた登場人物達の姿もよいですな。決して綺麗事だけではない、正義の味方ではあれない図書隊の苦悩などが出ていてその心の動きをリアルに感じさせられます。

 とまぁ、すっかり嵌り込んだところで次も引き続き『図書館内乱』なのです。

連射王(上)(下)

 川上稔・著、メディアワークス。
 1月23日(火)未明読了。

 好きでやっている内に自然と野球部のレギュラーとなった高村。彼は、レギュラーの座を競い、勝負に拘る他の部員達との感性の違いを感じていた。自分は何事にも本気になれないのではないか? 部活だけでなく、高校三年になり進路も考える時期にさしかかっているにもかかわらず、どこか冷めている自分を感じていた。
 そんな彼が、息抜きに通っていたゲームセンター。格闘ゲームで漫然と時間を潰した帰り、たまたま目にした最大難度のシューティングゲームのワンコイン・クリア。高村はそこに「本気」を感じた。たかがゲームに本気があるのか? そう疑問に思いつつも、彼はシューティングの世界に立ち入る。そして、苦難の末、そこから多くのことを学んでいく……

 大筋としてはこんな御華詩です。実際には、野球部の仲間との意識の差による葛藤や、幼なじみとの関係などがそこに絡んできます。シューティングから学んだことを実生活に、また逆に野球から学んだことをシューティングに応用するなど、これらを密接に絡めながら語られる物語の構成は、青臭いながらも興味深いモノでした。また、彼にシューティングを教えることになるゲーマーや、その周囲の人間関係なども、しっかりと裏付けのある非常に魅力的なモノでした。

 あと、少しフォロー。
 今時シューティングで連射? と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、第1章のタイトルの通り、作品内の時代は20世紀末です。あの頃のシューティングには、まだフルオートは常備されてませんでした。よって、連射には十分過ぎる意味がありました。

 まぁ、今のゲームでも溜め撃ちがあるタイプのゲームなんかでは押しっぱなしに出来ないんで必然的に連射が必要となったり、押しっぱなしと連射とで弾の性質が変わったり、やはり連射の重要度は下がっては居ますが不要にはなっていません。少なくとも、今日の昼休みにプレイした『虫姫さま ふたり』のレコ・アブノーマルショットでは連射は必須に思えます。通常攻撃が押しっぱなしだと高速移動になる素敵仕様ですから(;^^)

 閑話休題。

 とまぁ、筋立てとかタイトルに関する部分はこんなところです。

 が、この作品が私の心の琴線に触れたのは、何よりも前述のような脱線をしてしまう程度には私自身がシューターだからです。つか、最近ゲーセンに大量にある格闘ゲームが難しすぎてプレイできず、シューティングゲームぐらいしかついて行けてないというのが正直なところ。

 『東方紅魔郷』、『東方妖々夢』の NORMAL がノーコンティニュークリア出来る程度の腕前なので、威張れるようなものではないですが、それでも、ゼビウスなんかよりずっと前、タイトルも忘れたようなシューティングゲームからプレイし続けてるので歴だけは25年以上と長いのです。

 そんな私にとっては、色々と共感する部分、逆に自分なりの考えを持っているために反感を持つ部分があったりして、そういう方向からも楽しめました。

 また、脳内でゲームを再生したりもしてました。これは楽しかったですねぇ。シューティングの伝統的な演出なんかが丁寧に描写されていて、画面のイメージは本当にかなりの精度で思い浮かべることが出来る内容でした。って、それで読むのに時間掛かった面もありますが(;^^)

 とは言え、別にマニア向けではありません。全体的には、シューティング初心者を対象としています。初心者でも楽しめるというか、初心者にこそ楽しめる内容になっていると思います。その辺の考慮から、シューティングに関する解説も充実しているのでシューティングの入門書的な役割も意識されているぐらいですし。

 まぁ、故にある程度のシューターの観点でシビアに見てしまうと、シューティングの描写が演出面に偏っててあの独特の緊迫感がちょっと弱かったかなぁ、と思わないでもないでした。その辺は、前述の通りシューティングの空気を知らない初心者に合わせてるから致し方ないところではあるんですがね。ただ、だからこそ、多くのシューターには主人公が窮地に立っても回避方法分かってしまう罠。私も色んないいシーンを自分で先読んで台無しにしてしまいました(;^^) まぁ、主人公が採った戦略と自分の思いついた戦略とがどう異なるか? とかを楽しむのも一つの手なので、それで楽しめない訳ではないですが、焦れったくもあります。なかなかその辺は微妙なバランスを持った作品ですね。

 最後に、もしもこの本読んでシューティングやってみようかなぁ、と思ったなら、今なら『虫姫さま ふたり』の ORIGINAL モードが比較的無難です。って個人的趣味入りまくりですが、システムがシンプルで分かりやすいと思います。間違えても、レトロゲームコーナーで『達人王』とかは、やっちゃ駄目です。
 あと、パソコンならやっぱり『東方』シリーズでしょうねぇ。初心者から熟練者まで楽しめるように創られているので入門には最適です。

 と、なんか本の話よりもシューティングの話になってしまいましたがこの辺で、次は『ナハトイェーガー』です。

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