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2006 のアーカイブ

くじびきアンバランス1~末吉編

 浜崎達也・著、小梅けいと、柳田義明、あおのゆか・イラスト、 MF 文庫 J。
 12月30日(土)読了。

 基本的にアニメの内容に沿ったというかアニメの脚本を元にしてるので大筋は知ってる状態でしたが、中々に楽しめました。台詞とかそのまんまだったりして、アニメの復習をしているような感じですな。
 それでも各キャラの立ち位置とかが、文章で表現されることでより解る部分もあったりして面白かったですね。

 とまぁ、アニメの内容とかぶるので特に書き足すこともないので、手短に。
 次は『ゼロの使い魔10~イーヴァルディの勇者』です。

イチゴ色禁区 2.秋の神具の奪いかた

 神崎リン・著、文倉十・イラスト、スニーカー文庫。
 12月29日(金)浅草のビジネスホテルで読了。

 ふむ、思いの外早い続きでしたが、中々楽しめる作品でした。
 ちょっとサブタイトルが微妙だったりしますが、相変わらず妄想爆発なギャルゲ風テキストの中に、ふと本音を交えたりすることで上手いこと登場人物の心情とかが描けていたと思います。亜美と正樹の単純なんだけど素直じゃなくて複雑なすれ違いとか、正樹が今回の重要人物の美代に語る話とかは。ただ妄想してるだけじゃないところがいい具合ですな。
 あと『スネデレ』は作者の与り知らぬ造語(作中には一切登場しません)のようで営業戦略の賜みたいですね(;^^) まぁ、そんな記号化するほどのモノでないと思ったりしないでもないですが。

 とまぁ、そんなところで、次は『くじびき&#heart;アンバランス1 末吉編』です。

蟲と眼球と白雪姫

 日日日・著、三月まうす・イラスト、MF文庫J。
 12月28日(木)東京へと向かう新幹線内にて読了。

 日日日氏初の完結作品でしたがいい終わりを描けていたと思います。
 本当に、日日日って作家はどうしようもないぐらい人間が好きで好きでたまらないんでしょうね。どんなに醜くとも卑しくとも汚らわしくとも。それでも、好きでいたいと思う程度には。そんな気持ちが伝わってきました。
 正直、賛否両論ありそうな物語の行き先ではありましたが、私としては美事な終着点だったと思います。まぁ、これだけの下準備があったればこそ成り立つモノでしょうが。

 ここでは出来る限りネタバレは避けているんで詳しくは書きませんが、メインの鈴音、愚龍、グリコではなく、その周囲のキャラたちの行動にこそテーマはより強く描かれていたと思います。いや、電車で読んでて何度も泣きそうになるぐらい、後半の誰もの台詞に心に響くものがありました。僕らはみんな生きている生きているから死んでない。死んでないんだから生きろ。中でも竜ゑと御貴のやりとりがなんともいえません。

 何はともあれ、よい御華詩を読めて気持ちよく東京へ参じることが出来てなによりなのです。

 それでは、次は『イチゴ色禁区2~秋の神具の奪いかた~』です。

ネクラ少女は黒魔法で恋をする 3

 熊谷雅人・著、えれっと・イラスト、MF文庫J。
 12月25日(月)読了。

 前作でシリーズとしての流れのようなモノが出来ていたので安心して読めました。
 今回のテーマは『幸せって何?』ってことで新キャラの薄幸少女が登場します。そんな薄幸少女を熱血少年がクリスマスの夜に紅くて眼鏡のお姉さんに救うように焚きつけられる…… のは別の話で全然関係ないですね、はい。
 新キャラの薄幸ぶりとその対比としての幸せの描き方とかは中々よい具合に働いてベタなテーマを説得力の有るモノに出来ていたと思います。あと、前の巻で出た設定でかなり無茶やってもオッケーになってるのは狡いです。まぁ、その辺は作中の世界のバランスの折り合いを上手く付けたというべきでしょう。
 しかし、真帆もすっかり成長しましたね。元々、根はいい娘だけどそれを自覚しないで、もしくは意図的に自覚しようとしない感じだったのが、少しずつ自分のありふれた部分を認めていくってのよく出てていいと思います。まぁ、眼鏡外したのだけは納得いきませんが。
 ……って、真帆はもう『ネクラ少女』って感じじゃないと思うんですがどうなんでしょう?

 とまぁ、そんなところで次はいよいよ最終章!『蟲と眼球と白雪姫』です。

神曲奏界ポリフォニカ~プレイヤー・ブラック

 大迫純一・著、BUNBUN・イラスト、GA文庫。
 12月21日(木)読了。

 黒のポリフォニカ第三弾。今回はこれまで2作とは異なるタイプのホラーっぽい内容でしょうか? でも、こういったのも良いです。別に倒叙にこだわる必要ないですしね。まぁ、別のもっともっと有名な某定番パターンだったりするんですが、それは読んでのお楽しみ。

 今回は事件の関係者が大学生のグループなんですが、その人間関係なんか見ていると、ちょっと有栖川有栖の学生サイドを思い出しました。どれも魅力的なキャラでこれで終わりなのはもったいないぐらい。特にカッコイイデブがよかったです。それぞれにキチンとドラマがあって、凄い充実した御華詩でした。

 ネタバレ避けて内容書いてませんが、別のところではマナガとマティアの絆もより強く描かれていて、その上で、大学生グループと接することでマティアが変わろうとしてたり、そんなところも一つの見所ですね。

 更に、あとがきでキネティック・ノベル版の発売が公表されていて嬉しい限り。マナガの声は誰だろう? ってのが一番気になるところ。それと、あとがきを読んでやっぱり「繋がった」って言うのがオチなんでしょうか?

 とまぁ、内容に余り触れずにグダグダ書いたところで次は『ネクラ少女は黒魔法で恋をする3』です。

戦え!松竹梅高等学校漫画研究部

 番棚葵・著、山田秋太郎・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。
 12月19日(火)読了。

 地球の平和を賭けて戦うオタク達の物語!
 武器はドリムノ…… もとい、文明の遅れた地球にハンデとして与えられた描いた内容が現実化されるスケッチブック!
 しかし、現実化したときの能力は描いたモノのほとばしる熱いパトスに掛かっている!
 だからこそ、地球の未来はオタク達に託されたのだ!

 とまぁ、そんな御華詩。その中で、幼なじみにひっついて大してそちら側の人間でもないのに漫画研究部に入っている山坂千早を中心としたラブコメ的エンターテイメントといったところでしょうか。作中アニメやらマンガやらのネタを上手く戦いに活かされてたり、漫画研究部の方々の台詞はどれも共感を覚えるモノだったり(いや、それは人としてどうなんだ……)して気持ちいい作品でした。 しかし、別にパクリとか言うんでなく、構図的な類似からウ●ン●●ンを懐かしく思い出していました。あれも、突き詰めればこういう話ですからね(;^^) 異次元だったらそれでOK!

 などと、変なテンションでお送りしましたが、次は渋く『神曲奏界ポリフォニカ プレイヤー・ブラック』です。

フェスティバル上等。

 三浦勇雄・著、屡那・イラスト、MF文庫J。
 12月15日(金)読了。

 いつもながら熱くていいですなぁ、このシリーズは。これぞ、エンターテイメント。

 今回も追いつめられて鉄平は無茶やらかしますが、いつもならジョーカーとも言える槍ヶ岳が諸事情により不在ということでいつもより極限度更にアップ。他の方々も鉄平に影響されて熱く立ち回って本当に読んでて退屈しませんでした。そして、ラストはラストでトンでもないことに…… って続きが気になって仕方ない。これはもう次が出たら速攻で読まねばなりませぬ。

 あと、新キャラの越後屋は丸縁瓶底眼鏡ということで、内界人は眼鏡さんが多くて非常によいことだと思います。

 そんなところで次は『戦え!松竹梅高等学校漫画研究部』です。

ぼくと魔女式アポカリプス

 水瀬葉月・著、藤原々々・イラスト、電撃文庫。
 12月13日(水)読了。

 表紙が眼鏡で魔女でと非常にまっとうな理由で購入した本書。
 読んでみて、その選択は正しかったと思いました。何というか、ダークな御華詩です。
 物語普通を嫌い何かと奇矯な行為を好む主人公、宵本澪が、いじめられっ子の砧川冥子から告白されるところから始まります。澪はそこに普通でないモノを感じて冥子に興味を持つが、その為に魔女達の戦いに巻き込まれて…… とこれだけ書くと構図的にはそんなに珍しいモノではないのですが、その動機やらがもうどうしようもない。これは読んで受けるべき衝撃なので詳しくは語りませんが、これだけ吐き気を催すほどの悲惨な自体を澪や冥子が受け入れていく様がよく描かれているのがよいです。救いがあるかないかは別として。
 そんな風に痛々しい作品なんですが、そういう部分を除いて共感、否、響心したとある事件の最中で死に直面した主人公の言葉。
 ~夢枕に立てたら言ってやろう。コンタクトを止めないと呪ってやる~
 素晴らしいですね。

 とまぁ、そんなところで次は『フェスティバル上等。』です。

サインをつかめ!

 長谷川昌史・著、桜井熾竜・イラスト、電撃文庫。
 12月8日(金)読了。

 ピンチのときに届く「サイン」と呼ばれるメールにまつわる四人の少年少女のある一日の事件簿。
 想いを遂げたい少年、想いを告げたい少女、刺激を求める少女、計画を実行したい少年。
 朝の占いに始まって、その内容に絡めつつ、四人の視点が入れ替わり立ち替わり、事件の様々な側面を追っていく形で綴られます。が、こういう構成だと、どうしても『聖エルザクルセイダーズ』を思い出してしまいます(;^^) 上手いこと、この構成は活きていたと思います。
 まぁ、いつものごとく細かいネタバレは避けて大筋だけですが、何というか、竜頭蛇尾というか。
 始まりからそこから始まる事件の絡め方とか、意図的に少し時間軸を前後させたりと言った読者の意識の操作は上手いなぁと思ったんですが、エピローグが無ければもっとよかったと思います。
 それぞれが体験する事件には謎があってそれは当然解決されるのですが…… う~ん、端的に言って『アンフェアなミステリー』。ちょっと無理矢理辻褄を合わせすぎというか、本当に惜しい作品でした。まぁ、私がミステリ好きなために、そういうところは神経質になってしまうので、気にしない人はノリで流せるかとは思いますが。

 と、ちょっと辛口な内容になってしまいましたが、それはそこまでが面白かったが故なので本当に惜しい。

 で、次は『ぼくと魔女式アポカリプス』です。

桜乃きらほの夏色救急箱

 月見草平・著、裕龍ながれ・イラスト、MF文庫J。
 12月6日(水)、読了。

 相変わらず、安心して読める内容でした。
 今回は短編二本+本編といった構成。
 まず、短編一本目が鞠菜と委員長の御華詩。物理部の活動内容ってコンピューター部みたいなことやってたんですね。五目並べのアルゴリズムに絡めて鞠菜を励ます委員長が素敵です。
 次が朝永の一日ですが、これがまたクールな朝永の人間的な一面が見れて楽しい内容でした。
 そして、これらのキャラクターの掘り下げがその後の本編の人間模様に活きているのがよいですねぇ。本編は朝永、きらほ、鞠菜、委員長の4人で朝永の海辺の別荘へ旅行に行く御華詩。まぁ、朝永なんでそんなハーレム状況でも色気のある話には全くなりません。鞠菜が大変なことになったりしましたが(;^^)
 そこから、きらほの過去と関わる話になっていく訳ですが、その辺の持って行き方が若干苦しい部分がありつつもいい具合です。朝永ときらほの関係が少し変わってきて、これからの展開に期待です。

 とまぁ、そんなところで次は『サインをつかめ!』です。

レンズと悪魔 1 魔神覚醒

 六塚光・著、カズアキ・イラスト、角川スニーカー文庫。
 12月3日(日)読了。

 円盤(レンズ)を媒介として悪魔を召喚し、その能力を己が身に付与して使役することが一般化された世界での御華詩。
 比較的オーソドックスな異能力バトルモノですが、上記の円盤を目に装着する能力発現方法が非常に気になります。召喚のルビとか(;^^) だから、敢えてそれはここでは書きません。

 そんな世界で、父の死の謎を追うエルバは父親が残した不思議な力を持つ円盤を持っています。それが実は魔王の分身とも言える魔神との契約に関わる特殊な円盤で…… という訳で、魔王の瞳とされるその円盤に選ばれた強い望みを持つ8人がお互いに魔神の力を用いて戦って最後に残った人間が魔王の力を得るという『八眼争覇(ディアボリック・パーティー)』がこの物語の中核となるモノですな。
 『望みを叶えるためにバトルロイヤル』という構図は『自分が望みを叶えるということは他人の望みを潰す』という側面があるわけで、だからこそ、より強い意志と覚悟が求められます。その辺は押さえた内容ではありますが、どうにも主人公のエルバの『父の仇討ち』という動機の深さだけが若干弱く感じられたのが残念。まぁ、それは父への想いの深さが、エルバよりも父のかつての仕事場であるバベルヘイズ博物館の少女達の方が深く感じられる描写が多かったんで相対的にそう感じてるだけとも思えますが。

 キャラクター的には多分『右手が万力』というメインヒロインの設定がインパクトを期待してるんでしょうが、正直それよりもオーラン先住民の『誰もが眼鏡を掛けている』という設定の方が印象的でした。能力の媒介が媒介なんで、この設定が無ければある種の宗教的理由から焚書にせねばならないところでした。でも、その設定が余り生きてないので、今後きっとオーラン先住民の里かなんかが出てきて、どっちを向いてもメガネ! どこまで行っても眼鏡! という展開を期待して続きも読んでいきたいと思います。

 では、次は『桜乃きらほの夏色救急箱』です。

神曲奏界ポリフォニカ~インフィニティ・ホワイト

 高殿円・著、きなこひろ・イラスト、GA文庫。
 11月30日(木)未明、絶賛読了。

 すっかりはまりこんでしまったポリフォニカの過去の物語。
 グラナード家のメイドは眼鏡で剣の達人でそんな彼女を音楽院へ半ば強引に推薦した押しかけコントラバスは梅干しがお好きな、そんな御華詩。
 ……って端折りすぎ。

 何というか、他のポリフォニカ世界から見ると大昔の話であの精霊の過去が出てきたりしてニヤリとした。またこちらの世界との絡みを使った遊びがあったりするのも非常に楽しい作品です。思わず口ずさむあの歌。こういうのは本当に面白いですな。
 それで居て、作中で音楽に対してスノウが気づいたことは、音楽をする身としては凄く共感できるモノでした。そういった部分もまた、ポリフォニカ・ワールドの魅力ですな。
 あと、愛されてるなぁ、ミノティアス。

 ただ、今回はちょっと次へ続くって感じなので次巻が待ち遠しくて仕方ありません。でも、少し間が開きそうな感じです。まぁ、これからどんどん広がっていくポリフォニカ・ワールドなので、白に限らず追いかけて行きたいと思います。

 さて、次は『レンズと悪魔』です。

串刺しヘルパーさされさん2~呪われレボリューション~

 木村航・著、中村哲也・イラスト、HJ文庫。
 11月28日(火)、読了。

 『呪い』という形で、何らかのハンデを背負った少年少女の御華詩。今回は、その『呪い』と向かい合ってどうするかを思い悩むのがメインと思われます。タイトルの『レボリューション』ですな。前半はキヨラ、中盤でさされ、後半でアンニョロと云った感じ。
 全体を通すと『呪い』と『祝福』という相反するあり方の『生きている幽霊』との接し方。更には『呪い』で生まれた存在との関係とか、中途でさされが思い悩んでいた『幸せとは何?』という問題が提起されているように感じました。ただ、その関係でキヨラ達の母親の話が半端に感じられたのが残念です。ちょっと後半の為の伏線的存在感が強かったような。その代償として、後半のアンニョロとその対となる祝命者との話はよかったんですが。確かに、呪いが解けるのが必ずしも幸せとは限らず、また、祝福を受けることが不幸に繋がることもあるとか、そう言った矛盾と向き合うというのが今回のレボリューションだったように思います。呪われてても幸せにはなれる、ということなんでしょう。それは、確かにそうだと思います。

 とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ インフィニティ・ホワイト』です。

マルドゥック・ヴェロシティ 1

 冲方丁・著、ハヤカワ文庫。
 11月24日(金)読了。

 前作と同様、3冊で全体をなす内の最初の1冊なので、正直半分ぐらいまでは話が全く動かなくて辛かったです(;^^)
 が、それだけ枚数を掛けて各登場人物達の背景を描いているので動き出してからの後半は非常に面白いですね。まだ事件は始まったばかりではありますが、ボイルド達がどうしてマルドゥック・スクランブルのときのような状況になっていくのか、興味深くあります。三週連続刊行でもたもたしている内に最終巻まで発売しているので近いうちに続きも読んでしまいたいと思います。

 では、次は『串刺しヘルパーさされさん2~呪われレボリューション』です。

神曲奏界ポリフォニカ~サイレント・ブラック~

 大迫純一・著、BUNBUN・イラスト、GA文庫。
 11月16日(木)読了。

 うわぁ、こりゃまた、いいですねぇ。
 やっぱり一言で評するなら『渋い』です。
 今回も前作同様の倒叙物構成。でも、前回よりもミステリ度合いは薄目。ちょっと伏線が見え見え過ぎな気がして、倒叙物の醍醐味とも言える『犯人を追いつめていく緊迫感』に欠ける気がしたんですが、別の大きなテーマででしっかり補ってるあたりそつのない造りです。つか、他のシリーズとの関わりとか考えるのも楽しかったり。もう完全にポリフォニカ世界にはまってしまってます。キネティックノベルも買ってしまいましたし(;^^) 白も新しいのが出てたり、毎月つきあうことになりそうな予感がひしひしとしています。

 因みに、持ち出すのを忘れた『マルドゥック・ヴェロシティ』の代わりに予定を変更してこちらを先に読了してたりします。
 そんな訳で、次こそは『マルドゥック・ヴェロシティ』です。

ときむすび

 築地俊彦・著、加茂・イラスト、ファミ通文庫。
 11月14日(火)読了。

 ふむ、一冊完結でさらっと読めてよい感じですな。
 基本的には公言されているとおり青春モノですな。
 高校生の仲良しグループの中で起こるちょっとした事件が色々と発展したり繋がったりしていって最終的な真相に至る、という非常に分かりやすい構成の御華詩でした。高校生活の描写とかは、参考になる点が多々ありました。登場人物達のやりとりが自然で、高校生活の空気がよく感じられました。
 ただ、最後の方の急展開は若干急過ぎた気がしないでもないです。相当にインパクトのある場面の筈なのさらっと行ってしまって少し拍子抜けしてしまいました。まぁ、読んだ後の感覚は上手い具合に中和されていてよいのですが。
 あと、イラスト上は眼鏡娘を二人も装備している割にそういった描写が全く無かったのは大きなマイナスですな。

 とまぁ、そんなところで、次は『マルドゥック・ヴェロシティ1』です。

神様のおきにいり2~びしゃがつくの巻

 内山靖二郎・著、真田茸人・イラスト、MF文庫J。
 11月12日(日)、眼鏡の聖地巡礼の帰路にて読了。

 ふむ、妖怪の考証なんかがなかなか面白かった今作ですが、やはりほのぼのしてていいですね。肩の力を抜いて読むことが出来ます。やっぱり、妖怪の有り様の使い方が上手くて楽しめました。『転ぶ』の概念は確かにそういうことですしね。
 ただ、どうにも主人公の鈍さ加減がもどかしいです。見え見えの展開は狙ってのことでしょうがくどいというか、気づかないにもほどがあるというか。まぁ、それがMF文庫J的な構造のサンプルとしては非常によい資料となるわけですが。
 取り敢えず、鯖江帰りだけに、幼なじみの瑞穂と、担任の本間先生が眼鏡なのでよしとします。

 とまぁ、そんなところで次は「表紙に眼鏡娘が居る」という理由だけで購入した『ときむすび』です。

かのこん5~アイをとりもどせ!~

 西野かつみ・著、弧印・イラスト、MF文庫J。
 11月12日(日)読了。

 ……これ、全年齢向けですよね?
 取り敢えず、読み終わった最初の感想はそんなところです。
 いや、毎回エスカレートしてるというか、あとがきの内容を鑑みるに編集さんも落としどころ考えるの大変そうですなぁ。
 今回は要約すると『魔乳が微乳になって魔乳に戻るまでのお話』。これまでの総決算の乳小説です(;^^)
 まぁ、個人的にはそっちはどうでもよくて、朝比奈さんがちょっとクローズアップされていたのがよい具合でした。朝比奈委員長のためにこのシリーズを読んでると言っても過言ではないです。ええ、耕太とちずると望のバカップル with 愛人よりもたゆらの朝比奈委員長に対する不器用なアプローチとそれに対する朝比奈委員長の取り違えを楽しむのが吉です。

 とまぁ、そんなところで、次は『神様のおきにいり2 びしゃがつくの巻』です。 

ピーターパン・エンドロール

 日日日・著、新風舎文庫。
 11月9日(木)、読了。

 これは、非常に心に染みる作品でした。いや、本当にいろんなことを忘れてしまってますね。
 タイトルにあるとおり、永遠の子供の象徴であるピーターパンのエンドロールが主題。
 虚構と現実。
 その稜線が曖昧となってしまった少女の視点で描かれる、本当に些細なことに気づくまでの物語。
 その課程が、本当に素朴でよいのです。
 作者自身の言にもある通り、彼の他の作品に比べれば相当に地味な御華詩ですが、だからこそ持ち味がよく出ています。
 その上、何でしょう、作者自身に引っかけている部分もあるからか妙に説得力のある内容でした。だからって私小説ではあり得ないのですが。悲しくも暖かいモノも残る、そんな素敵な物語でした。

 ほとんどのシリーズに触れてますが、日日日の真価は新風舎の一連の作品にこそあると感じてる今日この頃です。

 さて、次はもう完膚無きまで雰囲気を変えて『かのこん5~アイをとりもどせ』です。本気でえらいギャップです(;^^)

タバサの冒険~ゼロの使い魔外伝

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、MF文庫J。
 11月7日(火)、読了。

 元は携帯用の小説の文庫化。『ゼロの使い魔』シリーズの貴重な眼鏡娘タバサが学業の裏でやっている、本編では描かれなかったお仕事の話。タバサがこなす1ミッション1編で4編が納められた短編集。
 読み始めてすぐに大きな秘密があっさり明かされて驚きつつも、よく考えたらその秘密が明かされないと小説として成立しにくいですね。そのお陰で、大分タバサの人格が掴めてきました。
 納められていた話の中では、最後の話がベタですが好きですねぇ。タバサの内面が周囲を通して特によく現れていたと思います。キュルケとの関係とか、ルイズに対する評価とか。眼鏡だけでなく、魅力的なヒロインですな、タバサは。

 とまぁ、さらっとそんなところで次はガラっと変わって『ピーターパン・エンドロール』です。

神曲奏界ポリフォニカ~ストラグル・クリムゾン

 榊一郎・著、神無月昇・イラスト、GA文庫。
 11月5日(日)未明、読了。

 今回は前巻の直接の続き。ツゲ神曲楽士派遣事務所の面々のリベンジがメインです。
 中でも、タイトルの通り、前の巻で謎のダメージを負ったコーティカルテの状態と、それに対峙して別れを予感し思い悩むフォロンの姿がよく描かれています。そもそも神曲楽士と精霊の関係のあり方の不自然さ、その中にあっても更に特異性を持つフォロンとコーティカルテの関係。それらを通して、世界全体の精霊と人間の関係が問われます。恐らく、これは他のシリーズも通して一つの大きなテーマだと思いますが、この先どういったことになっていくのか非常に楽しみです。でも、その辺の起源的な部分はやはり白の方で描かれるのでしょう。
 ……結局、白と黒のポリフォニカも続けて読んでいくことになる訳ですな。キネティックノベルの方も買っちゃいましたし、ポリフォニカ・ワールドは読書の主軸の一つになってますね。

 と、そんなところで次は『タバサの冒険』です。

ギロチンマシン中村奈々子~義務教育編~

 日日日・著、大出長介・イラスト、徳間デュアル文庫。
 11月1日(水)読了。

 なんだろう、インパクトのあるタイトルやら設定の割になんか文学的な作品と感じたのは穿ちすぎでしょうか?
 『人間とロボットの稜線』というある意味SFでは手垢のついた内容ながら生々しいものを感じました。まぁ、作者が『怨念と劣等感』と明言しているのであまりそっち方面に深入りするのもどうかと思いますが、萌えだの燃えよりもそう言った部分が目につきました。そして、今回は名前が深い意味を持ちます。それが何かは読んでのお楽しみですが、それもまた一つの絆。
 あと、ロボットでも千紗はいい眼鏡であることも忘れてはなりません。何か気合い入った眼鏡描写で素晴らしい。

 とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ~ストラグル・クリムゾン~』です。

フレイアになりたい

 岡崎裕信・著、中村博文・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。
 10月31日(火)、読了。

 全く予備知識無く読み始めてしばらくしてどうでもいいような良くないようなことに驚きました。●●●ェ●何やってるの??????? とまぁ、そんな訳で作者が同一人物と気づかず冒頭のシーンを「どっかで読んだシチュエーションだなぁ」とか思ってた間抜けな読者ですみません。

 改めまして、これは、世界を思いのままにする能力と、未来を見通す能力。互いの能力でこの世に天国をもたらす運命にありながら夢半ばで諸々の事情で大きなハンデを背負うこととなった少女達の物語。
 世界観的には同作者の『滅びのマヤウェル』と同じもので、『神格能力』とかが出てきます。その中でも別格の扱いを受ける、その鬨の声一つで新米の兵士さえも歴戦の勇者に仕立てるという『フレイア』の能力を巡る物語となっていきます。だけれど、その辺の持っていきかたがかなり心にクリーンヒットしました。何より、このタイトルが上手い。とても深い。タイトルロールが初めて登場するシーンはグッとくるものがありました。そして、読んだ後にはがらりと印象が変わります。いいですねぇ、こういうタイトル。

 まぁ、できる限りネタバレしないように書いてますが内容的には熱くて乱暴でそれでいてとてつもなく優しく、だからこそ厳しい物語。シリーズとして続くのかと思いますが、マヤウェルの方とのリンクも気になります。あちらも好きなシリーズなんで楽しみが一つ増えて時間がまた減りますがそんなことは些細なことです。

 さてでは、次は『ギロチンマシン中村奈々子』です。

神曲奏界ポリフォニカ~インスペクター・ブラック~

 大迫純一・著、BUNBUN・イラスト、GA文庫。
 10月28日(土)未明読了。

 渋い。これはものすごくいい。端的に説明するなら『ポリフォニカ世界で刑事コロンボ』。これが上手く世界観を処理してるものだからグイグイ引き込まれます。最後の『黒猫の三角』(森博嗣)バリのミスディレクションの判明も心地よいですねぇ。なんか、ミステリ好きの部分が刺激されまくってます。いやぁ、これ、かなり本格的な倒叙物ミステリです。
 で、時間軸的にはポリ赤と平行しているので、このマティア&マナガコンビは赤にも出てたりして、こっちにもユフィンリーとか出てたりそういった部分もシェアード・ワールドの楽しいところですねぇ。これで、全シリーズ追いかけることになりそうです、ポリフォニカ。

 とまぁ、そんなところで、次は『フレイアになりたい』です。

SHI-NO -シノ- 天使と悪魔

 上月雨音・著、東条さかな・イラスト、富士見ミステリー文庫。
 10月24日(火)、読了。

 今回は、『加害者が自殺する』という同じ構図に基づいた事件が中心となる御華詩。
 なんでしょう、『天使と悪魔』というのはよく出来たサブタイトルです。あと、事件について語るとネタバレルのでそれはやめて、大枠を見ると、平凡で善良な大学生の僕と、彼岸を行き来してしまえる漆黒の魂の少女、支倉志乃の物語は、ある意味ここから始まるのかも知れません。志乃の在り方とかは非常に興味深く、それと対比になる僕が飽くまで『家族』としてそれに対する。それはきっと一つの幸福なんでしょう。そういったモノが感じられました。
 あと、相変わらずな鴻池キララ先輩に加えて、新キャラの涼風真白も中々素敵眼鏡娘で眼鏡的にもよい作品です。

 てなところで、次は『神曲奏界ポリフォニカ インスペクター・ブラック』です。

とある魔術の禁書目録 11

 鎌池和馬・著、灰村キヨタカ・イラスト、電撃文庫。
 10月22日(日)読了。

 前回の大覇星祭編後、学園の後日談が来るかと思いきやいきなりイタリア旅行。序盤の旅行があたった幸運を疑い続ける彼の姿がなんともいえません。まぁ、勿論そんな楽しい旅行なんてあるわけが無いのですが。
 今回は、そんな訳でイタリア編。イタリアと言えば十字教の勢力が強い地という訳でローマ正教絡みの人達がこぞって再登場しています。更に、前の時に敵対していた天草式の面々とかも。つか、当麻はフラグ立てすぎでそりゃインデックスも気が気じゃないでしょう。

 そんな感じで新キャラ少なめですが、やはり熱い。特に今回は当麻に影響されたのか『法の書』絡みの時には護るべき対象だったオルソラの活躍が素敵です。そうか、信仰の無い人に教えを説くのが仕事なんだから、そりゃこの能力は納得です。相変わらず熱い当麻はともかく、今回の功労者はオルソラでしょう。つか、色んな今までの設定の使い方上手いですねぇ。色んな人の魅力再発見で当麻のフラグが立ちすぎてこの先どれだけ噛みつかれるのかが見物です(;^^) って本命は誰なのか今一分からんままオイシイヒロインをばっさり切るのがこの作品の見所なので、恐らく次は美琴なんですが果てさてどうなるか……

 とまぁ、そんなところで、次は『SHI-NO -シノ- 天使と悪魔』です。

撲殺天使ドクロちゃん 8

 おかゆまさき・著、とりしも・イラスト、電撃文庫。
 10月17日(火)読了。

 何だかんだでもう8巻も出たんですねぇ。早いモノです。
 前巻に引き続いてどんどんラブコメ分が増しているのはよいことです。
 あと、移動中に読むと危険ですね。南さんが桜くんに対して行った英語の質問が秀逸過ぎます。田辺さんの返しも相俟って電車の中で危うく不審者になるところでした(;^^)
 何はともあれ、疲れた頭をリフレッシュさせるには丁度良い御華詩でした。

 とまぁ、そんなところで次は『とある魔術の禁書目録11』です。

戦う司書と黒蟻の迷宮

 山形石雄・著、前島重機・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。
 10月15日(日)、読了。

 今回は、切ないというかやり切れないというか、そんな気持ちになる御華詩でした。
 でも、ある意味、一つの幸せが描かれていたのかも知れません。
 これは『その状況が何故成立し得たか?』がメインの御華詩なので細かいところは書きません。
 ただ、始めは意味不明にしか思えないところから関係者の思惑が少しずつ明らかになる中で、普通にはアリエナイ選択を行った理由が説得力を得ていく過程が絶妙でした。これだけの背景を描き出せるのは本当に技ですねぇ。本当によくできた御華詩です。
 あ、相変わらずハミュッツさんは戦ってました。それしかないですからね、この人。

 とまぁ、そんなところでまたがらっと変わって次は『撲殺天使ドクロちゃん8』です。

イチゴ色禁区 1.夏の鳥居のむこうがわ

 神崎リン・著、文倉十・イラスト、スニーカー文庫。
 10月13日(金)読了。
 第10回スニーカー大賞奨励賞受賞作。

 ふむ、なんというか、ギャルゲというよりエロゲ的な主人公の一人称で、妄想しては思いとどまるというパターン連発、正直適当に言葉並べてるだけとか思いつつも、読んでみるとそれなりに面白い御華詩でした。筋立てはまぁ、型どおりですが、その文体が読みやすいですね。拒絶反応示す人も多そうですが。ありきたりのようで新鮮というか。あとヒロインの属性として『スネデレ』って言葉を売り出す戦略ですが果たして。確かに、その通りのキャラですが。

 と、記号的部分はさておき、物語の中核を為す神社と神と神子の関係とか、その辺りの設定は非常によく出来ていたと思います。その裏付けがあるから下手するとただ妄想並べ立てるのがかなりの比率締めてても話として成立するのでしょう。
 なんというか、いきなり「1」がついてるんでシリーズ化ですが、しばらく追いかけて観たいと思います。投げっぱなしの伏線も結構あったので。

 では、次はガラっと雰囲気変わって『戦う司書と黒蟻の迷宮』です。

キミを救う最初の呪文2

 須藤項・著、なごやこーちん・イラスト、MF文庫J。
 10月9日(月)、読了。

 なんでしょう、もう、無茶苦茶なんですがどうにか辻褄を合わせたというかタイムパラドックスの解消の仕方が強引にも程があります。でもまぁ、それでも御華詩としては成立しているのが面白いところ。
 取り敢えず、細かい突っ込みを「しても無駄」と達観して、ありのままを読み流すのが最良の楽しみ方と思います。それがライトノベルトしての一つの在り方なのは確かですし。
 そんな風に前の設定を反則的に覆して、今回の頭が痛くなりそうな設定の新キャラを加えて主要登場人物と話の基本構図が出来上がりました。なんかキン肉マンのサンシャインとザ・ニンジャの交代よりも強引な気もしますが、それでもシリーズとしての体を為したということでしょう。まぁ、これはこれで楽しいので続けて読んでいきたいと思います。

 さて、次は『イチゴ色禁区 1.夏の鳥居のむこうがわ』です。

ヤクザガール・ミサイルハート

 元長征木・著、緒方剛志・イラスト、Z文庫。
 10月6日(金)読了。

 印象的なタイトルに惹かれて買ったのですがこれは当たりでした。
 原爆が落下する直前で食い止められた、今の歴史とは異なる歴史を歩んだ広島が舞台の物語。
 そんな中、ジュブナイル・サミットと称されたイベントに参加するために来日したアメリカ人の少年アドルファス・クーリッジはヤクザの鉄砲玉として生きる榊塚アカリに、チンピラに絡まれたところを救われる。
 そうして、アドルファスは感じるところがあってアカリをヤクザから抜けさせようと無謀にもボスに直談判するも、鉄砲玉としての生き方に疑問を持たないアカリが受け入れるわけはなく、余りに一方的な行為に容赦なくアドルファスに向かい白刃を閃かせる…… さて、アドルファスの運命やいかに?

 と、そんなボーイ・ミーツ・ガールな御華詩。嘘ではないがかなりミスリーディングですが、それでいて本筋なような。飛び散る血飛沫弾ける人体降り注ぐ肉片とそんな痛快活劇ではありますが、何か、不思議と雰囲気のある物語でした。テーマは、『なすべきことをなす』ということと『選択』。この辺の絡みが話に深みを持たせています。

 あと、これだけ人を斬殺しまくって、容赦なくって愛想も無いのに『可愛い』と形容したくなるヒロインは凄いです。

 どうやら、まだ続きそうなので次巻も読もうと思います。

 と、そんなところで次はガラっと雰囲気を変えて『キミを救う最初の呪文2』です。

暗闇にヤギを探して

 穂史賀雅也・著、シコルスキー・イラスト、MF文庫J。
 10月3日(火)、読了。
 第二回MF文庫Jライトノベル新人賞優秀賞受賞作。

 ふむ、なるほど。正直、筋書き的にはそんなに真新しい感じはしないんですが、書き方というか、持っている空気がちょっと新鮮でした。恐らく、その辺りが新人賞受賞の要因でしょうね。手堅く安定した作品よりも、不安定でも何かを持った作品。そういう評価が妥当と思える御華詩でした。

 話の提示の仕方とかが面白くて話に引き込まれて一気に読んだんですが、それだけのモノを持ちながら、何か消化不良気味というのは否めないというか、物語としての完成度は他の受賞二作の方が上に思えました。ただ、書き出しのセンスと、選択肢を箇条書きにしてゲーム的な雰囲気を出す手法やら、やっぱりいい空気を持っていると感じました。この空気をどういう方向に持って行くか、次回作以降に期待です。

 と、次は『ヤクザガール・ミサイルハート』です。

神曲奏界ポリフォニカ~スパーティング・クリムゾン

神曲奏界ポリフォニカ~スパーティング・クリムゾン
 榊一郎・著、神無月昇・イラスト、GA文庫。
 10月2日(月)、読了。

 いや、すっかり作品世界に心酔しています。本当によく出来ているなぁ……。
 前に過去話で眼鏡メイド大活躍な「エターナル・ホワイト」読んだのもあってコーティカルテに関する印象が変わってたり、何か上手いこと嵌められている気もしますが、楽しめているのでよし。黒も近いうちに読みたいです。
 今回はユフィンリーが中々よい味出してましたねぇ。どんな業界でも若き天才がぶち当たる壁というか。その辺の描写が非常に楽しかったです。それでいて、後半のカーチェイス。何か引き込まれて先が気になって仕方なかったです。そして辿り着いた結果……
 何というか、早く次が読みたいというのが一番の感想です。後書きに寄ればすぐに出そうなんで出たら速攻チェックの方向で行きますです。

 では、次は第二回MF文庫Jライトノベル新人賞優秀賞受賞作『暗闇にヤギを探して』です。

神宮の森卓球場でサヨナラ

 野村美月・著、衣澄れい・イラスト、ファミ通文庫。
 9月29日(金)、読了。

 卓球場シリーズ最終巻。これは良いシリーズでした。
 何というか、素朴で、素直で、色々と忘れていたことを思い出させてくれるというか、読後気持ちいい作品です。
 今回で遂に朝香達は大学を卒業することになります。それぞれの進路に向かうことになります。ただ、朝香は卒業を控えて進路に悩んでいます。

 就職は一応決まったけれど、それが本当にやりたいことなのか?
 作家になる夢はどうするのか?
 東京に残るべきか福島の実家に帰るべきか?

 そんな悩みと向かい合い、最後には自分の道を見出す、そんな朝香の成長譚として非常に楽しめました。
 まぁ、本筋は、これ以上異界の出来事に巻き込まないために一般人の朝香達から卒業と同時に卓球の巫女である華代子の記憶が消されて仕舞うことを、ロイヤル=ハーモニー=スペシャル=ボイス=オーケストラが知ってしまって云々…… といった内容ですが、やっぱり、朝香一人称なのでその事件を通して未来を見詰める姿が印象的でした。それと、やっぱり仲間っていいなぁ、と思います。

 と、心に染みたところで、次は『神曲奏界ポリフォニカ~スパーティング・クリムゾン~』です。

うらにわのかみさま 1

 神野オキナ・著、龍炎狼牙・イラスト、HJ文庫。
 9月27日(水)読了。

 沖縄を舞台にした八百万の神ネタのシリーズ…… で、間違ってはいないと思われます。
 神の座を狙う『神もどき』の侵入を水際で防ぐお役目を担う眼鏡女子高生、垣華ユウが活躍する変身アクション活劇。小ネタも効いていて非常に楽しめました。
 シリーズ一作目ということで、前述の『神もどき』を食い止めるためのルールとか、敵味方の構図とか、その辺を提示する内容でしたが非常に興味を引かれました。取り敢えず、今後も追いかけるシリーズの一つに加えることは決定しました。

 さて、次は卓球場シリーズ最終巻『神宮の森卓球場でサヨナラ』です。

ゼロの使い魔9~双月の舞踏会~

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、MF文庫J。
 9月25日(月)、読了。

 おお、何か本当に余裕を持って今月で追いついてしまいました。
 ここまで読んだ感想としては、本当にキャラクターがよく動くなぁ、と。つか、折角ルイズと進展しそうなところで、予想はしてましたがとんでもない人が参戦してきたり(;^^) サイトも大分成長したというか、そういう側面でも今回は非常に楽しめる内容でした。名実共に立派になってますしねぇ。
 でも、何よりも、ラストのあの人の登場は本当に嬉しかったです。確かに、匂わせては居ましたが期待を裏切らないというか。続けざまだけに哀しい期間は短くて済みましたが、これがリアルタイムに追っかけてたらもっと感動したでしょうねぇ。
 あと、今回久々に活躍したけど大変なことになってる人の行く末も気になります。何気に、姫さんの次ぐらいにヘビーな状況ですな(;^^)

 とまぁ、そんなところですっかり堪能したところで、次は『うらにわのかみさま』です。

ゼロの使い魔8~望郷の小夜曲~

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、MF文庫J。
 9月25日(月)、読了。

 順調に読了していよいよ8巻目。前巻で戦争は一区切りですが、出番少なくともそこでアンリエッタの背負ったモノの大きさが居たたまれません。それを敢えて直視させるマザリーニ卿の心遣いがいい。何か、ドタバタしてるだけでなく、やっぱり裏では確かに『戦争』があって犠牲になってる人が居る。そこから目を逸らさないことが世界に深みを出しているのでしょう。
 あと、ギーシュがカッコイイところを見せてますね。何だかんだで出番多いですが、大概がアレな感じなんで、初めてかもしれませんね、こんなシリアスなの(;^^)

 そして話は次のステップに。なるほど、タイトルロールはまだまだ発展するということなのですな。先が楽しみ…… となったところで現時点で出てるのは後1冊。

 そんな訳で、次は『ゼロの使い魔9~双月の舞踏会~』です。

ゼロの使い魔7~銀の降臨祭~

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、MF文庫J。
 9月25日(月)未明、読了。

 非常に順調なペースで読了しています。以前に同じようにシリーズモノを読破しようとしたときとは比べものにならないペースですね。まぁ、それだけ勢いが付くほど引き込まれているのも大きいですが。
 前巻から戦争が本格化している訳ですが、その最高潮というか、非常に嫌な形に落ち着けたというか。名誉を重んじる貴族の感性と日本人高校生の感性のギャップとか、結構ヘビーな内容も含みつつ、既にパターン化したルイズとサイトのすれ違い具合が異常にもどかしく感じてきますが、最後の方は本当に切ないですなぁ。サイトが今までに無く格好いいんですが、状況が状況だし。一方でシエスタが巻数重ねる毎に大胆になってますな(;^^)
 あと、全然本筋には関係ないしネタバレるので詳細は書きませんが、とある描写を読んで出渕裕の功績はでかいと思いました(謎

 そんな訳で現状あと2冊。次は『ゼロの使い魔8~望郷の小夜曲~』です。

ゼロの使い魔6~贖罪の炎赤石~

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、MF文庫J。
 9月24日(日)、読了。

 そんな訳で一気に読んだんですが…… 哀しいけどこれ、戦争なんですね。
 段々きな臭くなってきたと思ったら、戦争のやり切れない部分が一気に出てきたというか、精神的にダメージのでかい御華詩でした。
 ここまで読んだ流れとサブタイトルからメインとなる人物と展開は予想が付いたんですが、実際に読むと予想以上に辛いモノでした。うう、あの人が…… サイトの精神的ダメージただでさえきついのに。
 前半は、ルイズの帰郷話で相変わらずのシエスタとルイズのドタバタだったんですが、後半に入ると急展開で正直、そのドタバタが遠い昔に思えました。少なくとも同じ巻とは。

 そんな感じで非常に期になるので『ゼロの使い魔7~銀の降臨祭~』を引き続き読み始めます。

ゼロの使い魔5~トリスタニアの休日~

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、MF文庫J。
 9月24日(日)、読了。

 番外編的な短編集と思いきや、実は色々本筋にも絡んでいて読み応えありました。
 基本的に軽いノリですが、若くして女王となったアンリエッタの苦悩とかはよく描かれているなぁ、と思います。裏にはきな臭い戦争が続いてるんですよね、ハルケギニア。つか、この世界の女性はなんであんなに大胆なんだ(;^^) あと、キュルケとタバサの出会いもええ話でした。こっちは完全に番外って感じですが、前巻で描かれた二人の絆の裏付けというか、タバサの内面がまた少し見えてきたのがよいですね。

 とまぁ、手短ですがこの辺で。引き続いて『ゼロの使い魔6~贖罪の炎赤石~』です。

ゼロの使い魔4~誓約の水精霊~

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、MF文庫J。
 9月22日(金)、読了。

 なんだろう、破壊力高いですな、この作品。
 取り敢えず、アニメオープニングのシエスタの姿の謎が解けたというか、ギーシュとマリコルヌが馬鹿でよいですな。PCゲームの『グリーングリーン』のバッチグー達のノリを思い出しました。
 あと、ルイズの台詞と内面のギャップがしっかり描かれてるのもよいですな。サイトとのすれ違い具合ももどかしいながら、このまま続くんだろうなぁ、と。それと、終盤のサイトの決め台詞はグッとくるモノがありました。気を持たせるの上手いなぁ。
 それでいて、最終的にはアンリエッタを中心としたとても哀しい御華詩だったりします。でもまぁ、綺麗にまとまったので、今後の展開に期待です。

 そんな訳で、祭開催につき、引き続いて『ゼロの使い魔5~トリスタニアの休日~』です。

あだたら卓球場決闘ラブソング

 野村美月・著、衣澄れい・イラスト、ファミ通文庫。
 9月21日(木)、読了。

 今回は語り部である素敵眼鏡っ娘朝香の恋物語。
 相変わらず、強引な設定なんだけれども何か納得させられるというかどうでもよく思わせる展開は美事です。うん、ウルトラ怪獣大百科に載りそうだけど、それも全然平気。
 また、今回の舞台は安達太良な訳で合唱王国福島な訳ですが、日本地理の苦手な私は普通に『合唱王国福井』と素で打ち間違えてました。福島県の皆さんご免なさい。『福島』って大阪の次の駅のシンフォニーホールの最寄り駅の印象が強すぎて中々県として認識できないのですよ。。
 閑話休題。
 まぁ、合唱の描写の突っ込みどころはともかく、歌と心情の絡め方は毎回いい具合ですな。眼鏡も維持されましたし。次で最終巻ですが読むまでには少し間が空きそうです。

 とまぁ、そんな訳で、次から6冊連続で『ゼロの使い魔4』以降を順に読んでいきます。因みに、一ヶ月以上掛かるとこの上に来月発売の外伝『タバサの冒険』も続いてしまうので、それまでには終わりたいです。

ゼロの使い魔3~始祖の祈祷書~

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、MF文庫J。
 9月21日(木)未明、読了。

 いやはや、俄然面白くなってきました。1巻から匂わせていた内容がようやくここで出てきていよいよ本編開始と言った風情ですな。
 そして、ルイズって自然なツンデレだなぁとか思ったりしました。言葉で定義されると記号化されてしまうんですが、その記号を示すためでなく、純粋にこういうキャラで、それがツンデレと言えるというか。まぁ、何かシニフィアンとしてのツンデレと単純化されたシニフィアンとしての「~な訳じゃないんだからね」みたいな言動だけでない自然さを感じたという次第。
 あと、シエスタ、アニメ版より頑張ってるというか暴走してますなぁ(;^^)

 とまぁ、今回でちょっとハルケギニアは大変なことになってしまいましたが、果てさてどうなるか。まだまだ、現時点で出てるだけでも5冊残ってますが近いうちに読んでしまいたいとおもいます。

 そんなところで続けて読みたいのですが、それは少し先にしてお次は『あだたら卓球場決闘ラブソング 』です。

うそつき~嘘をつくたびに眺めたくなる月~

 日日日・著、新風舎文庫。
 9月19日(日)読了。

 これは、まぁ、ジャンル的には『恋愛小説』ですな。ただ、このタイトル通り素直には進みませんが。ただ、色々と考えさせられる内容でもあり、気が付くと一気に読んでしまってました。

 以前から日日日の作品って『絆』がテーマのように勝手に解釈してるんですが、今回もそうですな。それも『絆』として最も解りやすいようで誰もさっぱり正しい答えなぞ見つけることの能わない『愛』とかういものです。高校生の恋愛を描いてこういう話になるのは彼の持ち味でしょうが、案外、今の高校生はそういう風に考えたりもするんでしょうか。私も答えを持たない身なので何とも言えませんが、この作品で語られる内容は非常に興味深いものでした。

 そして、私はやっぱり日日日作品はライトノベルより一般文芸の方が好みですねぇ。ライトノベルの方も好きですが、『ちーちゃん』といいこの『うそつき』といい、ライトノベルで用いられる記号的な内容を使わずとも、これだけのものが書けるというのは実力だと思います。そういった意味で俄然『ピーターパン・エンドロール』も楽しみになってきました。順番的に読むのは来月ぐらいにはなりそうですが。その前に『私の優しくない先輩』も探し出さないと……

 そんなところで、次は打って変わって『ゼロの使い魔3』です。

嘘つきは妹にしておく

 清水マリコ・著、 toi8 ・イラスト、MF文庫J。
 9月18日(月)読了。

 前々から何よりも印象的なタイトルが気になっていたのですが、読んでみるとタイトルからは全く想像できない内容ながらタイトルの絶妙さが感じられる良作でした。
 全体の構図は『バラバラにされて、色んな人の中に散らばってしまった劇脚本の物語を集める』というもの。物語のパーツは登場人物毎に別れて、その人物に通じるモノがある人物が持つことになるという仕組み。その、物語の役割と現実の人物の絡め方がよく出来ていました。
 大まかな流れ自体はそんなに真新しいモノでは無いんですが、登場人物の配置や物語の内容が明かされていくカタルシス、そして、はっきり言ってバレバレだけれど温かい気持ちにさせてくれるラスト。どれもが心地よくて、非常に読後感が爽やかです。うん、いい御華詩を読んだなぁ、と。

 さて、そんな気持ち良い作品の次は嘘つきつながりで『うそつき』です。

灼眼のシャナXⅢ

 高橋弥七郎・著、いとうのいぢ・イラスト、電撃文庫。
 9月15日(金)未明、読了。

 いやはや、間に一冊外伝的な話を挟んでの本編ですが、その辺も考えた構成になってるのがいいですねぇ。相変わらずの登場人物達の心理描写の巧みさは美事です。
 非常に重大な事態というか、確かに悠二が動くための必要条件が満たされた状況で、次のステップへ向かうそれぞれの少年少女の心の動きが見られたのが嬉しいです。それはまた、成長であり、挫折であり。
 まぁ、相手勢力の動きも目が離せませんが、それよりも、吉田一美の進路が非常に気になります。このままだと、●●●●●●●(ネタバレに付伏せ字)って可能性もあるのか…… とかトンデモ予想をしてみたり。
 あと、物語を彩るイラストも、カラーページが多くて嬉しい限り。挿絵の方もサービスカットあったり。本当に贅沢な内容でした。

 と、満喫した後は「嘘つきは妹にしておく」です。

神栖麗奈は此処に散る

 御影瑛路・著、電撃文庫。
 9月13日(水)、読了。

 これはまた、形容しがたい御華詩ですな。前編に当たる『神栖麗奈は此処にいる』の裏側というか”神栖麗奈”とは何モノかが示されるのですが、その仕掛けが凝っていてよいですね。各章のタイトルがその章の視点人物という形式は同じですが、その配置が絶妙でした。
 内容についてはどうやってもネタバレるので語りません。電撃文庫でありながら挿絵が一切無く、人を選ぶタイプの御華詩ですが私は大好きです。こういの書けるといいんですがねぇ。

 そんなところで次は『灼眼のシャナXⅢ』です。

エトセトラ上等。

 三浦勇雄・著、屡那・イラスト、MF文庫J。
 9月11日(月)読了。

 前回で一区切りということで、今回は受験勉強に追われる鉄平は脇で、曜子、文七、そしてゆかり&大目玉がメインとなる短編3本構成となっていました。
 それぞれ、結局、他の人間が主役になってもパターンは同じというか、凡人が出来る限り足掻くのが『上等』シリーズの所以な訳ですが、どれも非常によい御華詩でした。最初の曜子の話、文七の話も話のコアとなるキャラがよく描けてて、それだけの根性を見せる根拠になってますし、最後のはもうこれしかないなぁ、って感じでゆかりに大目玉をぶつけてきたのが非常に嬉しい展開。って、割食って大変な実に合う人が約一名居るわけですが(;^^) どれもこれも純粋にエンターテイメントとして楽しめる作品でした。
 あと、この3本は槍ヶ岳が三本立ての特別企画として仕掛けた内容であるため、時間軸が重なっているのですが、その辺の組み方も良い感じでした。

 とまぁ、そんなところで次は『神栖麗奈は此処に散る』です。

アストロ!乙女塾! 星のプリンキピア(下)

 本田透・著、うろたん・カット、集英社スーパーダッシュ文庫。
 9月7日(木)読了。

 引力、即ち愛。

 っていきなりジョジョネタですが、読めば的はずれなネタでもないことがお解り頂けるかと。いやいや、これは思いがけずいい御華詩でした。なんだろう、騙されてる気もするのですが、過去と現在を上手く繋げて、その中でヒカルの成長も描いて、本当にジャンプ黄金期のノリを出そうとしている感じでそれに成功しています…… って、強引な伏線の回収とか広げすぎた風呂敷の無茶なフォローもその範疇ですね。
 上巻から引き続き、歴史上の人物達の使い方が非常に面白いです。無茶苦茶なようで全く間違ってないところが。何というか、主にオカルト方面で実に多方面の要素が取り入れられていてそういったのが好きな人はニヤリとするところが多いですね。

 そんなところで次は『エトセトラ上等。』です。

”文学少女”と飢え渇く幽霊(ゴースト)

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 9月5日(火)、読了。

 これは久々に心に残る良作でした。
 前作と同様、とある文学作品を下敷きにしたストーリーです。まぁ今回のモチーフの作品名を出すとその作品を知っている人にネタバレしてしまうので避けますが、その辺の使い方が非常に上手いのです。
 今回の物語の登場人物達も、前作とはまた異質な重たいモノを背負っています。それも、生々しく壮絶なモノを。”文学少女”らしく上述のモチーフの作品に言及しながら作中登場人物とモチーフの登場人物が合わさって絡み合っていく部分は綺麗にパズルのピースが嵌っていってゾクゾクします。こういうの大好きです。
 表現がややこしいのですが、作中で『主要登場人物が織りなす物語の読者』としての文芸部部長の天野遠子と井上心葉の在り方も興味深いモノがあります。彼女と彼は自覚的に読者たろうとします。そして、読者であるからこそ見えるモノをその登場人物達に告げることになります。この辺の構図もよいですね。それでいて、心葉がその登場人物に共感しつつ、その物語と自分の過去を見比べたり、彼の心の動きを描く上でも効果的です。
 そんな訳で、このシリーズは注目度上位に上げて、今後も出たら速攻読破で行きたいと思います。

 さてでは、次は『アストロ!乙女塾!星のプリンキピア(下)』です。

桜乃きらほの恋愛処方箋

 月見草平・著、裕龍ながれ・イラスト、MF文庫J。
 9月3日(日)、読了。

 これは、非常に期待できるシリーズになってきましたね。正直、カルナも好きでしたがそれよりもスラップスティックにし易い上にオイシイキャラが多いので次が楽しみと思います。

 今回は、眼鏡娘であり、その持つ雰囲気から『委員長』と呼ばれる一度も委員長はしたことはない田中智子の自覚症状のないオカルト疾患を扱った物語と、吸血鬼を上手く作品世界にマッチする形でオカルト疾患として成立させて泣ける話にしつつ、先に続く伏線を提示する中編二作構成でした。
 『恋のインフルエンザ』は突発的に発生した朝永と委員長のデートを前作で朝永に救われて同じ高校に転入してきた毬菜が仰々しく尾行するのにきらほが巻き込まれる御華詩。その中で、朝永と中学時代から付き合いのあるというか中学時代に不良に絡まれたところを助けられたことがある割に前作で朝永をよく思わないようなことを言っていた理由が語られたりするのですが…… うん、委員長、アンタはポリシーのある眼鏡娘だ。疑いよう無く。これは、眼鏡的にもよい御華詩でした。まぁ、そことの対比できらほの朝永への思いが明確になる兆しが見えるわけで、その辺の伏線の使い方は綺麗です。っていうか、委員長鋭い。これで今後も話に絡んでくるからこのシリーズは安泰です。智子で委員長は違う人思い出したりしますがそれは偶然だと思います。
 『吸血鬼の治し方』は吸血鬼をオカルト疾患として定義して、それに幼くして罹患した為に両親に施設に預けられた少女の御華詩。子供嫌いの朝永と、その冷たさに反発するきらほの対比とか、それでいて助手というか看護師としてと理由付けつつもきらほを心配する朝永の優しい一面が出てきたり、朝永の師匠が登場したり、関連施設が出たり、本当にこれから先の展開を示す御華詩でもありました。これを読む限り、次以降も期待できます。

 とまぁ、なんだかんだ言って、第1回受賞作家の中で唯一シリーズを円満解決させて次シリーズに入っただけのことはある安定感のある物語でした。
 ……同じ第1回受賞作のゴーレム×ガールズの次はいつになるんだろう…点

 さて、では次は『 “文学少女”と飢え渇く幽霊(ゴースト) 』です。これも期待のシリーズなので楽しみ。

蟲と眼球と愛の歌

 日日日・著、三月まうす・イラスト、MF文庫J。
 8月31日(木)、読了。

 完結に向けて、若干強引な部分もありますが、一気に話が流れてきましたねぇ。救いがあるのかないのか、聖書の大胆な解釈を元に進む展開の結末は全く読めません。

 今回は、一人部屋と破局が中心となって、これで七つの欠片遂に全員集合と相成ります。ただ、そんな人外であるにもかかわらず、この二人の関係は非常によいモノでした。今までの誰よりもありふれた関係。他の欠片とは全く異質であるが故に人間らしい二人。微笑ましいです。が、残念ながらそれで終わりませんがね(;^^)

 それで、全体として感じたのは、前に狂乱家族日記の時にも書きましたが、やっぱり日日日のテーマは『絆』のような気がします。それも、『生易しくない状況にありながら維持される絆』。
 そういった視点でみると、賢木と鈴音とグリコ、殺菌消毒と不快逆流、狂清刑事と手長鬼、最弱と手長鬼、涙歌ととある人物のミッシングリンクとか、どれも大変なことになってるわけですが、そこから逆にその絆の強さ尊さのようなモノが感じられるのかなぁ、とか漠然と感じます。
 グロイ部分やら媚びた部分が目立ってたりしますが、こういった観点で見ると楽しめるなぁ、と個人的には思っています。

 とまぁ、そんなところで、次は明るく『桜乃きらほの恋愛処方箋』です。

神栖麗奈は此処にいる

 御影瑛路・著、電撃文庫。
 8月29日(火)、読了。

 説明が非常に面倒は御華詩ですが、すごく好みの話です。何と言っても、タイトル。読んでみると本当に『これしかない』というぐらい嵌っているのが素敵です。
 内容的には前作である『僕らはどこにも開かない』と同様に各章毎に視点キャラが変わって順番に物語が進行し、最後にそれらの終着点として”神栖麗奈”の真実に到達していくという仕掛け。ジャンルは特に意識されてないようですがミステリ仕立ての御華詩。人の心の弱さを抉るような、結構凹む人は凹むタイプで読む人を選ぶ気はしますが、これは俄然続編の『神栖麗奈は此処に散る』も近いうちに読みたいと思う程度には楽しめました。

 と、そんなところで次は『蟲と眼球と愛の歌』です。

那須高原卓球場純情えれじ~

 野村美月・著、衣澄れい・イラスト、ファミ通文庫。
 8月27日(日)、読了。

 卓球場シリーズ第二弾。何故卓球? ということは気にしてはいけません。
 今回もまた、ロイヤル=ハーモニー=スペシャル=ボイス=オーケストラの面々が色々巻き込まれていますな。ともあれ、中軸となる村と生け贄と鬼の対比とか、実はその辺がしっかりしてるんでノリで押し切られてるようで納得いくところもあるのがこの作品の魅力なのかも知れません。何より、語り部が眼鏡娘ですから、ええ。次の表紙を飾りますよ。

 ……後半、内容と関係なくなってきましたが、まぁ、そういうこともままあるということで。

 次はずっと気になっててようやく入手した『神栖麗奈は此処にいる』です。

ちょこッと Sister

 雑破業・著、南方純・イラスト、MF文庫J。
 8月23日(水)、読了。

 漫画のアニメ化を漫画版原作者がノベライズするという若干ややこしい位置づけの本作。四季を通じた物語を通してほのぼのとした雰囲気で登場人物達の立ち位置がよく解っていいですね。
 全て、漫画、アニメでは語られていない話なので、両方を観ていると更に深い心理描写がみれて嬉しいです。ってか管理人さんってあんなに妄想癖が(;^^)

 物語としては、最後の『秋~すてきな宝物~』が好きですね。ちょことゆりかと駆が旅先で行う、ほんのちょっとした冒険の御華詩。ストレートな内容ながら素朴で癒されます。

 とまぁ、そんなところで、次は『那須高原卓球場純情えれじ~』です。

神曲奏界ポリフォニカ~エターナル・ホワイト~

 高殿円・著、きなこひろ・イラスト、GA文庫。
 8月21日(月)、読了。

 300ページ超でやや長目にも関わらず、絶賛一気読みしてしまいました。
 何か、色々と絶賛ツボってます、主役のスノウドロップが。
 古風な話し方、お嬢様至上主義でお隣の軍人に刀を習って免許皆伝の腕前。そして、戦闘服には眼鏡を含む。
 他にも諸々心の琴線に触れるモノが出まくってました。

 で、内容ですが他のシリーズに比べてずっと昔の御華詩で、単身楽団などなく、普通に単体の楽器を演奏している時代。神曲楽士の名家であるグラナード家に使えるメイド、スノウドロップ。自身を拾ってくれたプリムローズお嬢様に心酔する彼女が、ひょんなことから幻の名器である『エターナル・ホワイト』の精霊ブランカに弾き手に選ばれたために、お嬢様と共に選ばれた者だけが入学を許される精霊島の中央精霊師学院へに特例で入学することになって…… といった内容。

 全体として『絆』が描かれています。その描かれ方が心地よい。
 又、赤のシリーズの時も書きましたが、音楽が力を持つ世界観にはやはり音楽に関わる者として惹かれます。特に単身楽団がない分、より身近に感じられますしね。まぁ、一番惹かれる部分はネタバレるのですが、スノウドロップはそういう意味でもツボです。

 てな訳で、赤よりも気に入ったので、このシリーズは出れば速攻チェックの方向で。

 さてでは、次はアニメから入ってコミックスも揃えてしまった『ちょこッと Sister 』の小説版です。

ゼロの使い魔2~風のアルビオン~

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、MF文庫J。
 8月20日(日)、読了。

 ルイズの婚約者が登場して、ルイズと才人の関係が問われてよいラブでコメなお話でした。
 でも、一方で、この巻の物語は大筋では非常に重たい話です。内乱により、とある国が正に滅び行く様が描かれます。多分、ここから戦争に発展していくんだろうなぁと。
 そんな滅び行く国へ密命を帯びて赴くルイズと才人が目にしたモノ、その辺、考えさせられるモノがありました。これって、置き換えればあらゆる組織に言えることですからね。

 まぁ、それでもキャラクターの魅力が抜群なんで凹んだりはしないのが救いですね。特に、インテリジェンスソードのデルフリンガーがいい味出してます。予想通りの正体だし(;^^) 何はともあれ、合間合間で読んでどうにか最新巻に追いつきたいモノです。

 と、そんなところで、次は『神曲奏界ポリフォニカ~エターナル・ホワイト~』です。

神様が用意してくれた場所

 矢崎在美・著、Fuzzy・イラスト、GA文庫。
 8月18日(金)、読了。

 なんか、ふんわりした作品でした。日常的なと日常と非日常の境というか、そんな怪異と身近に過ごしてきた探偵助手というか探偵事務所の雑用係の香絵が体験する物語。素朴な作品で探偵っていうのと微妙に食い違うようでしっくりくるそんな雰囲気がいいですね。ほわほわ。
 これこそ、前の思い作品読み過ぎて凹んでた時に読めばバランスとれそうな作品ですね。

 とまぁ、そんなところで次はファーストキスからは~じまる~♪ 『ゼロの使い魔 2』です。

隣人~ SAKURA in Pale Rose Bump Ⅳ ~

 在原竹広・著、GUNPOM・イラスト、電撃文庫。
 8月16日(水)、読了。

 続けざまになりましたが、続けざまなお陰で伏線覚えてたり少し得した気分、そんな作品。
 ちょっとミステリ色よりホラー色が強い感じでした。よって、ミステリ部分を期待する身としては少し物足りない部分があったのは否めません。犯人バレバレだし。
 ただ、その分、桜子と悟郎の関係が今までよりもしっかり描かれていたのでプラスマイナスゼロって感じですね。桜子の内面描写は本当に上手いなぁと思います。しかし、二人とも意地っ張りだなぁ(;^^)
 で、今回の被害者の一人の広田多美は素敵眼鏡娘で性格的にもポイント高かったです。次巻以降も継続して登場を望みます。

 あと、ここに書くのもなんなんですが、これ読んでて気付いたんですが、昨日読み終わった3巻『腐敗の王』。狡いネタがあるようなこと書いてましたが、訂正。ある意味、最初の巻から伏線になってたとも解釈できるので、全然狡くない。完全に私の読解力不足。うう、今頃気付くとは……

 とまぁ、そんなところで、次は『神様が用意してくれた場所』です。

腐敗の王~ SAKURA in Pale Rose Bump Ⅲ ~

 在原竹広・著、GUNPOM・イラスト、電撃文庫。
 8月15日(火)、読了。

 相変わらず、ライト・ミステリーというのが上手く嵌る作品ですね。ただ、若干ギリギリの線のネタがあったりするのは狡い。まぁ、一言だけヒントがあるので気付けないこともないので私の未熟さでもありますが、それでも少し強引(;^^) とはいえ、やはり楽しいのです。そういったパズル要素こそがこのシリーズの面白味だと思います。
 その一方で、桜子と悟郎の関係も少しずつ変わってきてその辺もよい具合。でも、進展は中々しなさそうですが。
 あと、『告解の家』という短編も合わせて収録されて居るんですが、それも心地よい作品。まぁ、道具立てが揃いすぎててすぐにオチが見えてきますが、短編にも馴染みますね。

 そんな訳で、仕入れの都合で連続ですが次は『隣人~ SAKURA in Pale Rose Bump Ⅳ ~』です。

アナザーホリック ランドルト環エアロゾル

 西尾維新・著、 CLAMP ・イラスト、講談社。
 8月11日(金)、11:59という際どい時間に浅草のビジネスホテルにて読了。

 これは、面白い。

 講談社ってことで京極堂を意識した描写があったりするのもいいですが、全体として、ミステリとしての体裁を持っているというか、全体的に戯言シリーズの雰囲気を感じる作風で嬉しいです。『デスノート』がJDKトリビュートの雰囲気だったのだとこれで気づいたり。何か、最近の西尾維新の作品というか、『ニンギョウのタマシイ』を読んだときにどうなるのかと思いましたが、やっぱりこういう作品を書いて欲しいと思います。
 というか、マンガに対する理解が深いのでこちらでも漫画的演出を巧みに小説表現と融合させていて非常に勉強にもなりました。
 言葉遊美(誤変換あらず)的なタイトルの『アウターホリック』『アンダーホリック』『アフターホリック』という三話構成なのですが、これらの関連のさせ方とかがよいですね。最後の『アフターホリック』にはなるほどなぁ、と感心させられました。先が読めると言えば読めるのですが、それがベタな展開だからではなく、的確な伏線が張られているからというのは作者の力量ですな。
 あと本筋とは関係ない部分で、四月一日(わたぬき)が新撰組で好きなのがカモミール...... じゃなくって芹沢鴨ってネタから何故か演劇部の被り物な人に話が発展して侑子さんが好きな『ぱにぽに』キャラが一条さんという分かり易い事実が発覚したり、その流れで綿貫響に至って四月一日が弄られるかという部分もフォローしてる辺り、西尾維新の慧眼には感心します。つか、そこで笑いを堪えられなかったので、ホテルで読んでて良かったとしみじみ思いました。つかスクエニとかメディアワークスネタはいいんですかね。講談社は比較的この辺緩そうですね、とか『デスノート』と比べてそんな出版社の内情も感じられたのは二冊続けて読んだ特典でしょうか。そういや、戯言シリーズもジョジョネタ満載でしたから、その辺はおおらかそうですね。つか、佐藤友哉『フリッカー式』で「志保ちゃん情報」「芹香お嬢様」とか出してたんでそういう文化なんでしょうね。

 それと、侑子さん眼鏡似合うなぁ...... つか、十三階段の参加資格が『眼鏡』だったりして、狐さんが眼鏡好きなだけじゃないような気もします。

 と、最後の方はどうでもいい話になってしまいましたが、原作のコミックにも興味を持たされる、非常に楽しめる作品でした。アニメは辛うじて見ているけれども原作未読の立場なんで、原作読んでると印象変わるかも知れませんが、これが私の感じたことです。

 では、次こそは『桜色 BUMP 』の続きで『腐敗の王』です。

DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件

 西尾維新・著、集英社。
 8月10日(木)、浅草のビジネスホテルにて読了。

 うん、何かミステリーらしいミステリーですね。

 今作は、メインが南空ナオミとLが原作中に名前が登場した『ロサンゼルスBB連続殺人事件』を解決する顛末が描かれています。よって、ほとんどデスノートは関係なかったり。そして、原作モノのノベライズで上手い手を使っています。これは読んでのお楽しみですが、利用できるモノは利用する西尾維新は流石ですね。あと、謎解きに愛と勇気と希望が絡んできたところは笑えました。そういったユーモアも含みつつ、冒頭の通り、ミステリとしての体裁が思いの外整った作品でした。まぁ、ネタバレしないように詳しくは書きませんが読みようによってはミステリ入門としても使えそうな部分もありました。

 とまぁ、ラノベに割り込んでのハードカバーでしたが、次は予定通りに『腐敗の王』か、もしかすると同じく西尾維新ノベライズによる『xxxHOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル』かです。どっちが先かは列の具合によりますね(;^^)

SHI-NO -シノ- アリスの子守唄

 上月雨音・著、東条さかな・イラスト、富士見ミステリー文庫。
 8月9日(水)、読了。

 小学五年生の少女と大学生の僕の純愛譚。
 というと語弊がありますが、それは一つの大切なテーマです。

 今回のテーマは「自分勝手な愛情」と「罪とは自覚すること」となっていますが、確かにその通りの内容ですが、その構成として『惨殺アリス』という他に無い、限定された学校の七不思議を絡めた構成が綺麗に嵌っています。また、若干伏線が強引な気もしますがミステリーらしい御華詩でもありました。用意された誤答と秘される正答、その辺を追っかけるのは楽しいです。

 で、やっぱり鴻池キララ先輩はいいキャラです。今回は挿絵も多くて嬉しいですな。

 とまぁ、そんなところで次は『腐敗の王』です。

ネクラ少女は黒魔法で恋をする 2

 熊谷雅人・著、えれっと・イラスト、MF文庫J。
 8月6日(日)読了。

 眼鏡娘がコンタクトにするまでの話……

 というのはひねくれすぎた見方。気を取り直して前作がとある少女の成長譚だとすると、今回は前回の成長により獲得した立ち位置を諸々の事情でリセットされたことに気付いた少女が似たような立ち位置の少年の成長を助ける御華詩となりましょうか。
 まぁ、黒魔法やその周辺の部分についてはあまり深く語られていないのでそちらが専門の方には不満やら突っ込みどころがあったりしますが、青春物語としてはよい形に仕上がっていると思います。
 また、演劇部が重要な役割を果たす訳ですが、その部長が語る演劇に対する想いには若干分野は違えど舞台での表現を嗜む身としては非常に共感を得る部分もありましした。
 ぶっちゃけ内容云々ではなく、話の持って行き方というかシリーズモノへの持って行き方が『ゴーレム×ガールズ』と同じ方向性となっているのを感じてしまったりしましたが、其れが瑕疵になるかどうかは判断の難しいところなので特に問題にはしません。そんな理屈抜きでよい作品だったのは事実です。

 と、そんなところで次は『 SHI-NO -シノ- アリスの子守唄』です。

かのこん4 ~オトメたちのヒミツ~

 西野かつみ・著、弧印・イラスト、MF文庫J。
 8月4日(金)読了。

 相変わらずバカップルのお話。すっかり全年齢対象でいいのか疑問に感じるレベルに到達しています(;^^)

 が、今回はバカップルの周囲のキャラ達に纏わる連作短編といった感じだったんですが、今までで一番面白かったです。澪と桐山の話とかは泣けますし、たゆらと朝比奈さん、というかたゆらが一方的に朝比奈さんを意識しまくってる話はやってることは無茶苦茶でかいですが微笑ましいですし。実は、その辺のキャラの方が立ってるんですよね。まぁ、さりげなく主人公の耕太も基本ヘタレですがカッコいい見せ場も出来てきてますし、今後の展開は期待できそうですね。もう少し、エロ担当のメインヒロインちずるには落ち着いて欲しいですが(;^^) てか、冗談抜きでこれ全年齢で売って大丈夫なのか心配なシーンが数カ所ありましたから…… まぁ、作者もあとがきでかなりぶっちゃけてるのでそれはそれで好感が持てますが。

 そんな訳で、お次は『ネクラ少女は黒魔法で恋をする 2』です。

時をかける少女<新装版>

 筒井康隆・著、貞本義行・イラスト、角川文庫。
 8月3日(木)、読了。

 アニメ映画が余りにも素晴らしかったので劇場で購入して一気読みです。『かのこん4』は次です。

 感想としては正統なジュブナイルですね。というか、もう40年も前の作品というので時代を感じつつも、普遍的なモノがあるというか。因みに表題作『時をかける少女』以外にも『悪夢の真相』『果てしなき多元宇宙』という短編も収録されているのですが、どれも古くて新しいというか、勉強になりました。ちょっと登場人物のお行儀が良すぎる印象もありますが、SFとしての普遍的な部分は抑えられていますね。
 『時をかける少女』と言えば、私の世代ならやはり原田知世版を思い出すかと思うのですが、確かに過去も未来も星座も越えて現代に甦っていますね。映画を観て、先ず『ラベンダー』というキーワードを探してしまった自分がいましたから。愛は輝く船なのですね。っと小説と関係ない話から戻すと、実は『果てしなき多元宇宙』が結構ツボったり。こちらも『時をかける少女』と同程度の普遍性を持つ作品に感じました。

 とまぁ、そんなところで、ゆよんゆやよんな小説に戻ります。

悠久展望台のカイ

 早矢塚かつや・著、ヤス・イラスト、MF文庫J。
 8月1日(火)読了。
 第二回MF文庫Jライトノベル佳作受賞作。

 なんというか、とてもよい御華詩でした。意図的かどうかはともかくメタ物語として非常にストレートというかこれ以上無いほど物語の物語という構成で、切なくて、でも温かい、そんな心地よい読後感の作品。正直、文章がちょっと怪しいんですが、それでも、登場人物の心情がよく伝わってきました。
 中でも、一つの物語の中核となる一人の少女の残した呪いは強烈でした。その辺りからぐっと盛り上がってきましたねぇ。この辺の呪いの解釈とか云いセンスしていると感じます。ただ、作者が現役高校生の為、受験戦争で当分次回作は無しというのは残念ですね。この流れで発展性ありそうなんですが。そんな先が楽しみな作品でした。

 さて、それでは次は『かのこん4』です。朝比奈さんの活躍に期待。

神様のおきにいり

 内山靖二郎・著、真田茸人・イラスト、MF文庫J。
 7月31日(月)読了。
 第二回MF文庫Jライトノベル佳作受賞作。

 そんな訳で遂に発売となった第2回受賞作です。
 家神様と家主の関係を軸とした妖怪モノ、といったところでしょうか。読後感は非常に良いですね。ラストシーンが上手い。
 ただ、若干唐突な進行が多いように感じたのも事実です。素材が面白いんですが内面描写にもう一ひねり欲しいというか、今一立ち位置の見えないキャラが約一名。まぁ、シリーズ化するともう少しキャラが立つかなぁと思いますが。
 とは言え、幼馴染み眼鏡娘はポイントプラス(ここだけ完全に感情論)

 何やら大層な事を書いてしまいましたが、第三回に応募してる身としては読みながらハラハラしていたのも事実(;^^) それだけに余計厳しく読んでしまった感もありますね。でも、よくも悪くもツボは押さえた作品だったと思います。

 さて、それでは次は続けて受賞作『悠久展望台のカイ』です。

世界最大のこびと

 羽田奈緒子・著、戸部淑・イラスト、MF文庫J。
 7月30日(日)、読了。
 第〇回MF文庫Jライトノベル新人賞入選作。

 先ず、なんと言ってもタイトルがよいですな。作中のテーマがよく現れています。
 こびとの世界に生まれながら、いつか通常の人間サイズになる定めにあるパウエルが「巨人の国」=通常の人間の世界へ来て…… という御華詩。
 色々と要所要所で先の読める展開ではありつつも、ほのぼのした雰囲気の中に血腥い話が絡んできたり、短い中で変化を持たせられた構成で楽しめました。とは言っても、全体的には優しい物語でホッとします。

 とまぁ、そんなところで、次はいよいよ第2回受賞作に移って『神様のおきにいり』です。

ななついろ☆ドロップス

 市川環・著、いとうのいぢ・イラスト、ファミ通文庫。
 7月28日(金)読了。

 今年4月に発売された同名ゲームのノベライズ。
 ゲームの方も『恋愛初心者どきどき★アドベンチャー』と銘打つだけあって、温かい雰囲気でしたが、こちらも心地よい御華詩でした。
 内容的には、すももシナリオの終盤を、すももと石蕗君それぞれの視点で描いて内面がより掘り下げられていて、ゲームプレイした身としては嬉しい内容です。さりげなく、ノナのいいところも描かれてましたし。まぁ、時間軸的にすももシナリオ最終章が中心となっているのでゲームのネタバレを多分に含んでいるのはご愛敬ということで(;^^)

 さて、心地よい作品を読んだこれからはMF文庫J新人賞受賞作、もしくは受賞作家作品を続けざまに。先ずは、一作品だけ読むのが遅れていた第0回の『世界最大のこびと』。その先はいよいよ発売された第2回受賞作品に移ります。

アストロ!乙女塾! 星のプリンキピア(上)

 本田透・著、うろたん・カット、集英社スーパーダッシュ文庫。
 7月27日(木)読了。

 何というか、これまでとガラリと雰囲気が変わってシリアス展開。とか思ったらジャンプ的展開を目指した確信犯とはやられました。
 で、今回は乙女塾と16~17世紀の錬金術の栄えた時代とが絡んでくる訳なのですが、オカルト関係好きな人間には出てくる人物も用語も心の琴線に触れまくりデス。科学と魔術の渾然一体感。これまでのおバカ展開もよかったですが、こういうのも良いですね。史実と虚構の混ざり方が絶妙で楽しめました。
 で、上巻ということで結局謎は謎のまま次に続いてしまってますが、ここに終わるという打ち切りネタで無く下巻で解決するので安心です。

 と、そんなところで次は『ななついろ☆ドロップス』。同名ゲームのノベライズです。

狂乱家族日記 壱さつめ

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 7月24日(月)、読了。
 第6回ファミ通文庫えんため大賞佳作受賞作。

 なんでしょう、このタイトルがこれ以外ないという御華詩は。
 奇妙だけれど、創られたものだけれど、でも、家族以外の何者でもない。
 今まで読んだ日日日作品とはまたちょっと違う雰囲気でしたね。
 でも、これを読んで今まで漠然と感じていた彼の作品の根底にあるテーマは『絆』なのかなぁ、とかそんなことを感じました。それも、ちょっと標準と外れた者が望む、人並みな絆。本作は本当にそれだけが突き詰められる物語と感じました。
 破壊神の因子を持つ子供達が家族として絆を深めることで世界の平和を保とうという作戦の顛末が大雑把な筋立てです。まぁ、生物兵器やライオンやクラゲらしき何かが紛れてる訳ですが、彼らの関係、ただ人並みな家族愛を求め、其れを得、家族の為に無茶をして、そんなドタバタ劇は本当に狂乱としか言えない家族の日記ですな。シリーズが一番進んでますが、追い追い読んでいきたいと思います。

 さて、次は『アストロ!オトメ塾! 星のプリンキピア(上)』です。

串刺しヘルパーさされさん~呪われチルドレン~

 木村航・著、中村哲也・イラスト、HJ文庫。
 7月21日(金)、読了。

 新レーベルには手を出してみるということでラインナップ中最もタイトルにインパクトのあった『串刺しヘルパーさされさん』です。
 大雑把に言えば、タイトルに偽りのない呪いの剣で串刺しになったちゃきちゃきの江戸っ子娘のさされさんが、ヘルパーとして接する同じく何らかの呪いを抱えた三兄弟と織りなす人情劇。『ピノキオと人魚姫』という作中劇と登場人物の絡みが非常によいです。
 ただ、シリーズもの前提ということでか、世界観の提示が非常にのんびりしていたたために、後半まで感情移入しにくかったのが残念です。裏を返せば、次が楽しみってことなんですがね。GA文庫創刊時の『ポリフォニカ』でも同じこと思ったので、新創刊レーベルの一冊目はそう言うモンだと割り切るべきなのでしょう。そういう細かいこと気にしなければ楽しめる作品であったことには違いありません。あと、眼鏡娘が装備されていれば更によかったと思いますが。

 さて、では次は日日日『狂乱家族日記』です。

赤城山卓球場に歌声は響く

 野村美月・著、衣澄れい・イラスト、ファミ通文庫。
 7月19日(水)、読了。
 第3回ファミ通エンターテイメント大賞小説部門最優秀賞受賞作。

 『“文学少女”と死にたがりの道化』の作者のデビュー作。何故かタイミング悪く見つからなかったので読むのが遅れました。
 で、読んでみて、また自分にピンポイントに嵌るキーワードがあって嬉しいですね。少なくとも、中学で卓球部。中学3年から合唱をして今に至る身には合唱と卓球という組み合わせだけで心の琴線に触れまくりデス。
 正直、相当にご都合主義で強引な展開なんですが、それはそれで綺麗にまとめているのがよいですね。オチも歌を上手く絡めて心地良いです。
 何より、語り部に当たる村上朝香が中々よい眼鏡娘なのがよいですな。

 とまぁ、そんなところで、次は新創刊のHJ文庫より『串刺しヘルパーさされさん』です。

ゼロの使い魔

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、MF文庫J。
 7月17日(月)、読了。

 単純にアニメが面白かったので原作に走ってみたという非常に解りやすい動機で読み始めてしまいましたが、いや、やっぱり面白いですね。貴族と平民、そこに割り込む異分子としての才人の立ち位置か、ルイズと才人の関係とか、中々楽しいものがあります。あと、文章がテンポ良くて読みやすいのもいいですね。
 まぁ、冊数が多いので追いつくのに時間掛かりそうですが、少しずつでも追いかけて行きたいと思います。

 で、次は『赤城山卓球場に歌声は響く』です。

ちーちゃんは悠久の向こう

 日日日・著、新風舎文庫。
 7月14日(金)、読了。
 第4回新風舎文庫大賞受賞作。

 ……なるほど悠久の『向こう』だわな。

 そんな読後感な作品でしたが、「これが日日日本来の文体なんだろうねぇ」とか感じながら読んでいました。
 今のところ『蟲と眼球と~』『アンダカの怪造学』の二作品を読んできた訳ですが、この作品は図抜けて自然な雰囲気がします。

 聖書に準えた今風の二つ名が頻発する『蟲と眼球~』。
 『怪造』という架空の学問を軸に展開する『アンダカの怪造学』。

 それらに比べればジャーゴンを含まない、飽くまで日常を舞台にした文学の世界に属するこの作品。今まで読んだ日日日作品で、一番よい作品だったと思います。

 学生だからこそ学歴社会に対する視点がシビアで説得力があるだとか、決して新しくない、一世紀以上も前の文豪が既に歩んだ道を今の視点で描くとこうなるのか、とかなんだとか、評論じみたことは書いても楽しくありません。そういうのは文章を自由に楽しむことを阻害する、作者でさえ作者の心情を間違えるような国語のテストででもやってください。性分としてついつい分析しまくりますが、綜合しないと新しいモノは出てこないので困りモノ、そんな自戒の意味も込めて。

 なんだか、こんなことを書く気分にさせられたですよ。

 さて、以下は結末についての私見。ネタバレる可能性があるので見たい人だけ反転させてどうぞ。
 そしてオープン部分の最後に『ゼロの使い魔』と、次の予定だけは宣言しておきます。

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灼眼のシャナ S

 高橋弥七郎・著、いとうのいぢ・イラスト、電撃文庫。
 7月11日(火)読了。

 今回は外伝集。短編集の形態で、どれもよいですなぁ。
 『マイルストーン』は大恐慌から数年後のアメリカを舞台とするマージョリーさんの過去話。フレイムヘイズの使命、価値観とその裏に潜む哀しみというか、そういったモノが異端とも言えるフレイムヘイズとの出会いと別れを通して描かれてます。今と昔、ここでの出会いが御崎町でのマージョリーさんにどう影響しているのかとか、色々と興味深い御華詩でした。
 『セレモニー』はシャナに対して最大の強敵である吉田一美の誕生会の一幕。最後の弟は反則ですねぇ。この辺の心理描写とか、やっぱこの作者上手いですねぇ。
 『キープセイク』は先代『炎髪灼眼の討ち手』と激しい戦いを繰り広げた『九垓天秤』のチェルノボーグの御華詩。敵側に当たるわけですがその中での彼女の想いと、周囲の気遣いが心地よいです。
 『狩人のフリアグネⅡ』は…… まぁ質問コーナーですな。

 本編の先が気になりますが、色々と裏事情も観れる楽しめる内容でした。

 と、次は日日日『ちーちゃんは悠久の向こう』です。

桜色BUMPⅡ~ビスクドールの夢

 在原竹広・著、GUNPOM・イラスト、電撃文庫。
 7月6日(木)、読了。

 先ず、怪異をミステリとして描くというのが良い感じだと、二作目を読んで感じました。なるほど、ライトノベル的なミステリとは斯くあれというか、良く出来てますね。本当に細かい部分でキチンと伏線を張って回収する。パズル的要素が楽しいですな。全体的に淡々とした印象の文体も嵌っています。
 とまぁ、間違えて4巻買ったからシリーズ全部買ってきた訳ですが、良い出会いであったと言えましょう。

 さて、次は『灼眼のシャナS』です。

青葉くんとウチュウ☆ジン3~やってきた迷惑王女

 松野秋鳴・著、超肉・イラスト、MF文庫J。
 6月27日(火)、読了。

 色々忙しい最中だったで三日遅れの読書日記になりました。
 この作品のコンセプトというか、第1回MF文庫Jライトノベル新人賞優秀賞の受賞理由としての伏線の丁寧な回収。やっぱり、その無駄の無さがよいですね。小ネタも意外なところで効いていたり。何と言うことは無い、日常的な事件が発展して、またまたえらいことになってますが、そこを乗り切るための道具立てがそんな小ネタでギリギリの線で用意されていたのは、正直展開が読めますが、その先に意外性があって気持ちいいですね。

 とまぁ、そんなところで、現在は『桜色BUMPⅡ~ビスクドールの夢』を読み始めています。

撲殺天使ドクロちゃんです

 編集長 :おかゆまさき
 執筆陣 :高橋弥七郎、築地俊彦、鎌池和馬、ハセガワケイスケ
      谷川流、水島努、成田良悟、時雨沢恵一
 イラスト:とりしも、CLAMP、いとうのいぢ、駒都え~じ
      渡辺明夫、しゃお、若月神無、氷川へきる
 電撃文庫。

 6月20日(火)、読了。

 なんというか、ここまで豪華にネタ振りまかれると心地よいですな。それぞれの世界でのドクロちゃん、楽しゅうございました。
 特に、谷川流氏のは…… なんか、ぐだぐだでしたが可成り笑わせて貰いました。ある意味、電撃らしい作品。今や会長である某氏が頻繁に登場していたマンガを思い出しました。あと、表紙で水島監督が書いてるのが気になってたんですが、ぐだぐだな中に某所表現で偽まるさんとうぷさんまで書いてたりしてどうなってるんだこの作品。
 まぁ、イラストのいとうのいぢさんのドクロちゃんもよかったり、何か、超豪華仕様な「見たいもの見せましょう」のコーナーでした。

 そんなところで、次というか現在『青葉くんとウチュウ・ジン 3』を読んでますです。

桜色 BUMP~シンメトリーの獣~


 在原竹広・著、GUNPOM・イラスト、電撃文庫。
 6月15日(木)、読了。

 なるほど、帯の通りライト・ミステリーってのは言い得て妙です。
 そんな感想を持たせられました。丁寧に積み上げられた伏線を丁寧に回収して、更に気持ちよく物語として完結させるところまで面倒を見てくれるのは派手さは無いですが、素敵なことですね。何か、色々と参考になりましたとも言える作品です。
 ……まぁ、元々間違えて4冊目をいきなり買ってしまったために遡って呼んでるわけですがこれも中々よいシリーズに思えるのでよい出会いだと思います。

 さて、次は一気に気分を変えて『撲殺天使ドクロちゃんです』。色んな人のドクロちゃんが楽しみです。

神曲奏界ポリフォニカ~ロマンティック・クリムゾン

 榊一郎・著、神無月昇・イラスト、GA文庫。
 6月12日(月)、読了。

 ようやく物語が動き出したと言いますが、前巻で提示された世界観が活きていますねぇ。
 今回はサブタイトルの『ロマンティック』という形容詞に観られるようにとある少年がヒトメボレした少女が実は精霊で…… という『身分違いの恋』ならぬ『種族違いの恋』を主軸に据えた物語。これは、主人公のフォロンとコーティカルテにも当てはまるもので、その辺りの対比も良い雰囲気でした。
 あと、『神曲奏界』というタイトルにあるとおり、音楽が力を持つ世界観とその辺りの考証は音楽やってる人間として共感できる部分もあったりします。
 基本は精霊達は神曲楽士の音楽を聴くことで力を得る、という図式が成り立っています。ただ、その音楽は録音では全く効果が無く、生演奏でなければならない。だからこそ、神曲楽士は単身楽団と呼ばれる演奏機械を自身の手で奏でることで精霊に力を与え、その見返りにその力を貸して貰うことになります。これは、つまりは聴衆の為に演奏するという音楽の基本。自己満足ではなく、聞いている人に喜んで貰うためにこそ奏でられる音楽。その純化された形としてのこの図式は非常に興味深く思いました。
 そんな訳で、時間が出来たらキネティック・ノベル版の学生時代の話も読んでみたいと思います。

 さて、では次は『桜色BUMP シンメトリーの獣』です。

桜乃きらほの魔法医カルテ

 月見草平・著、裕龍ながれ・イラスト、MF文庫J。
 6月9日(金)、読了。

 前作『魔法鍵師カルナの冒険』完結から3ヶ月。何となくタイトルが通じる雰囲気の新シリーズ開始です。

 桜乃きらほがある朝起きると尻尾が生えていた。
 突如自身を襲った変異を何とかしようとネットで見つけたオカルト専門の病院。
 そこで受けた診療の結果、この変異は自身のアストラル体の病気が肉体に及んだモノで……

 と、人体に起こるオカルトな現象をアストラル体の病と捉え、その診療を行う魔法医と、ひょんなことから彼の助手をすることになった桜乃きらほの物語です。

 オカルトな病気の考証が中々面白いです。これは、色々と応用効きそうですし、今後も話が膨らみそうだなぁ、と。
 又、魔法医がメインということで手術の描写もあったりする訳ですが、その辺が前作の鍵開けの描写のように手先の動きが細かく描かれていて映像が浮かびます。アストラル体なんで手術がグロくないのもまたよし。

 そんな訳で、シリーズ開始の登場人物紹介編ということを考慮してタイトルになってる人物以外の設定を隠したらなんか表面的な部分しか書けない訳ですが、今回も楽しめそうなんで続きは読んでいきたいと思います。

 ……委員長(ニックネーム)という素敵眼鏡娘もいますしね。

 では、次は『神曲奏界ポリフォニカ ロマンティック・クリムゾン』です。

アンダカの怪造学Ⅱ モノクロ・エンジェル

 日日日・著、エナミカツミ・イラスト、角川スニーカー文庫。
 6月6日(火)、読了。

 恐れの対象であり、実験材料であり道具であるとされるのが一般的な怪造生物を『友達』と呼び「怪造生物と人間が仲良く暮らせる世界を創る」ことを理想とする少女の物語。
 前巻の結末で背負ったモノをきっちり引き継いで、更にその理想への茨の道を歩む伊依。テーマが解りやすくてぶれないのが気持ちよい。また、その想いの強さが今回のキーとなるキャラでもある戦橋舞弓との対比でよりクリアになっているの配置もよい感じですな。正直、後半の謎解き部分はお粗末というかバレバレ過ぎる気がしないでもなかったですが、そこに至るまでの登場人物達の動機の描写で帳消しですね。というかその動機を表現するための事件と言うのが実際のところでしょうが。

 今回でシリーズモノとしてこれでもかというぐらい伏線が発生していますが、その辺りがどう回収されていくかも楽しみなところ。特に、今回本筋とは余り関係ない部分で見せた影文と舞弓の関係が気になりますね。まぁ、大体想像付きますが(;^^) また、少し時間を空けて続きを読みたいと思います。

 さて、次は『魔法鍵師カルナの冒険』の作者の新シリーズ『桜乃きらほの魔法医カルテ』です。

ジューンブライド上等。

 三浦勇雄・著、屡那・イラスト、MF文庫J。
 6月3日(土)読了。

 鉄平&ゆかり編完結! と言った内容でこれまでの話の構図を美事に活かした非常に気持ちのいい御華詩でした。
 いやぁ、この前に読んだ『絶望系』とは真逆です。正直先が読める展開なんですが、それは読者の期待を叶えているということに他なりません。そこに至るまでの焦らし方とか満を持しての登場とか、ベタな展開ながら熱いですね。特に今回は話の展開上、鉄平を除いた人々の熱い部分が見れたのが何より嬉しいです。特に槍ヶ岳がカッコイイ。これまでの態度の裏側に秘めた熱さが溜まりませんね。大目玉とのシーンはこのシリーズの中でも1,2を争う名シーンだと思います。それも今までの3冊の積み重ねがあったからでしょうねぇ。まぁ、鉄平はいつものことですが、あそこであの言い間違いをさせてしまう演出は上手いというか狡いです。
 と、一言で言うと「面白かった」作品です。

 そんなところで次は『アンダカの怪造学Ⅱ モノクロ・エンジェル』です。

絶望系 閉じられた世界

 谷川流・著、G・むにょ・イラスト、電撃文庫。
 6月1日(木)、未明読了。

 ふむ、趣深い御華詩でした。
 実験的な作品ながら、不可思議でもなく。
 『世界』というシステムを運用する装置としての存在。
 天使、悪魔、死神、幽霊。
 人間の果たす役割とは装置以上か以下か。
 不確定というよりも不安定。
 狂気と異端。
 ただ、それに対して心動かすことなく平静な気持ちで読めたのがどういう意味を持つのか?

 等と、5月に30分ほど遅刻して6月の一冊目の読了はこのような形に。
 そして、6月最初に読み始めるのは当然のごとく『ジューンブライド上等。』です。

くるくるリアル

 羽田奈緒子・著、x6suke・イラスト、 MF文庫J。
 5月27日(土)読了。

 「リアル」とタイトルにあるように<現実>がテーマですな。単純な<現実>では無く、異世界的な概念というか、「その人にとっての<現実>からみてこの世界は仮想世界にあたる現実世界」というか、そういったメタファに彩られていて興味深く読めました。
 まぁ、内容は基本がコメディなんでそんなに難しく考えるモノじゃないんでしょうが、「本当」ってなんなんでしょうねぇ、とちょっと考えてみたり。あと、魔法という概念も。そういった意味で楽しめた作品でした。

 さて、次は何を読んだモノか…… うむ、ただいまハルヒ絶好調な谷川流『絶望系 閉じられた世界』といきますか。

SHI-NO -シノ- 黒き魂の少女

 上月雨音・著、東条さかな・イラスト、富士見ミステリー文庫。
 5月24日(水)、読了。

 「永遠の生」と「命の軽さ」がテーマとされる、猟奇事件に惹かれる小学五年生の少女と大学生の僕の御華詩。
 何というか、本当に「生」と「死」がストレートに取り上げられていながら、語り部の立場にいる大学生の僕がいい緩衝材になって読後感はそんなに重くないです。っていうかあの終わりは上手いと思いました。
 ミステリとして密室殺人やら吸血鬼殺人やら集団自殺やらの事件が登場する訳ですが、それらに絡んで語られる志乃という少女の在り方が興味深いモノでした。正直、可成り怖いけれど。あとは、舞台が地元の大阪なので親近感を持ちました。でもベタな関西弁喋ってるのって鴻池先輩(眼鏡娘)だけでしたね。まぁ、それで必要充分とも言えますが。

 さてでは、次は『くるくるリアル』です。

とある魔術の禁書目録(インデックス) 10

 鎌池和馬・著、灰村キヨタカ・イラスト、電撃文庫。
 5月22日(月)読了。

 前回に引き続いて学園都市の大覇星祭とローマ正教の陰謀の御華詩。
 オールスター展開はやはり楽しいですな。で、珍しく秋沙が中心的な場面があったりしたんですが…… まぁ、なんだこういう星に産まれてるんですな、この娘。でも最後は暖かい終わりで心地よいですな。何気に、インデックスが実はよく解ってるということですね。メインヒロイン(?)の面目躍如といったところか。あと、ステイル&小萌先生という組み合わせが楽しすぎます。このフラグが今後どう活きてくるか期待しますが、この作者のことなので何巻先になることやら…… でも、作中時間って10冊で1ヶ月ほどしか進んでないんですよね、実は。そう考えると当人達にとってはそんなに放置プレイではないのかもと無理矢理納得して見たい気もしたりしなかったり。
 
 で、このシリーズの事件の基本となってるのが敵側の信念、というか宗教が絡んでるので信仰と呼んだ方がいいのか、そういうものなんですが、今回の敵コンビの片割れオリアナ=トムソンのそれは興味深いモノがありましたね。確かに、誰もがそう思うことでしょう。信仰という観点から突き詰めるとこの悩みというかジレンマは耐え難いモノに成りうるのも理解できますね。まぁ、結論に対しては当麻と同意見ですが(;^^)
 あと、もう一人の適役のリドヴィア=ロレンツェッティですが…… 要約すると「島本和彦の漫画かよ、お前」 最後の方は美味しすぎます。本気で怖いですが(;^^)

 とまぁ、楽しめたというか勢いで1日で読んでしまいましたというところで、次は『 SHI-NO -シノ- 黒き魂の少女』です。

紺碧のたまゆら~ヨミノユメ~

 神代明・著、岸和田ロビン・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。
 5月21日(日)、読了。

 『死』をもたらす瞳をもってしまった少女を中心とする物語。
 地元民と開発に訪れた新興組との対立の構図や、旧家に伝わる不思議な伝承、そして殺人事件と道具立てがミステリ好きの琴線に触れましたね。というか、全体通して読んだ感想は裏表紙のあらすじにあるホラーサスペンスという言葉に要約されてますね。ただ、ミステリ名物の名前のある人物が続々と死んでいくのが辛い人には辛いかも知れません。それも、原因とか考えると可成りやり切れないものがあったりしますし(;^^) 全体として重たい話ではありますが、読後感は悪くなかったですね。一冊で綺麗に完結していますが『新シリーズ』とか書かれてるんで続きが出たら読んでみたいと思います。

 さて、次は我慢できないんで『とある魔術の禁書目録10』を読んでしまいます。

デュラララ!!

 成田良悟・著、ヤスダスズヒト・イラスト、電撃文庫。

 いや、いつか読もうと思って中々機会の無かった成田良悟の作品を読んでみたわけですが、非常にテンポ良くて楽しめました。

 これは、歪んだ歪んだ物語。
 歪んだ恋の、物語。

 内容的にはプロローグで語られるこの言葉に全て集約されますね。
 そして、歪んでいるけど真っ直ぐな想い。歪んでるけど純愛なんでしょうね、これ。
 具体的にはネタバレるので控えるとして、ストーカーやらデュラハンやらが絡んでるんでその図式が更に面白いモノになってます。特にデュラハンの在り方は興味深いモノがありました。
 あと、この作品というか恐らくこの作者の手法だと思うのですが、場面と主観が比較的短いスパンでコロコロ切り替わりながら、その断片が繋がって一つの物語になっていくのが気持ちよかったですね。

 とまぁ、そんなところで、次は『紺碧ノたまゆら~ヨミノメ』です。

戦う司書と雷の愚者

 山形石雄・著、前島重機・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。
 5月12日(金)、読了。

 前作に引き続いて、これまた素敵な作品でした。
 人間の記憶が『本』とするなら、人生こそが物語。
 ホンのささやかなことを願ったある人物の夢が叶うまでの御華詩。
 それが構成の妙というか、道具立てが効果的に使われてどんどん話に引き込まれていました。こういう記号的な表現で人間の描写が深まっているというか。特にラスト辺りは感動的です。また、最後まで読むと『雷の愚者』というフレーズが深いですね。
 あと『戦う司書』のハミュッツ・メセタの方は相変わらずでしたがね。この人は色んな意味で反則的だなぁ……

 もう三作目が出ていて、このまま直ぐにでも読みたい気分ですが、ここは堪えて大量ストックから。
 お次は『デュラララ!!』です。

ホーンテッド!

 平坂読・著、片瀬優・イラスト、MF文庫J。
 5月9日(火)、読了。
 第〇回MF文庫Jライトノベル新人賞優秀賞受賞作。

 定期化する前の受賞作の存在をすっかり失念していたのでこの機に読んでみました。
 いや、テンポがよくて心地よいですね。「死んだ人間の1割がゴーストとして甦る」という無茶な設定を無理なく受け入れさせてくれるのはこのテンポの賜でしょうね。
 そんな訳で、告白された3分後にトラックに跳ねられてスプラッタな死体と化した幼馴染みがゴーストになってっていう御華詩。
 主人公が結構ええ性格しているというか、どこかの戯言遣いを彷彿とさせる嘘八百な野郎なんですが、時々鋭いことをいうのでハッとさせられます。軽い中にそういうのが混じるのが中々上手いなぁ、と感じました。あと、ネガティブ全開な死にたがり少女が出てくるのですが、その位置づけとかも興味深いものがありました。
 シリーズ物っぽいので、また折を見て続きも読みたいと思います。

 さて、次は『戦う司書と雷の愚者』です。先日沢山ストック創ったので今月いっぱいぐらいは持ちそうです。

”文学少女”と死にたがり道化(ピエロ)

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 5月7日(日)、読了。

 完全にタイトルでの衝動買いだったんですが、かなり当たりでした。
 何故か本を食べてしまう自称”文学少女”やら、元覆面美少女作家の少年やら登場人物が魅力的に描かれていますな。
 そんな設定だけ観ると、コメディっぽく取られるかもしれませんが、そんなことはなく、結構重い内容の御華詩です。
 大筋としては太宰治作品をモチーフにしてどこか人と違うことにコンプレックスを感じる少年少女達の姿が描かれているのですが、その辺の絡め方が絶妙で、気が付いたらすっかり引き込まれて止まらなくなって、読み終わってました。落ち込んだときに太宰治を読むと共感してしまうというか、そういう文学作品の力を表面的な部分だけでなく、様々な角度から描かれていてよいですね。その究極が本を食してしまう文芸部部長の天野遠子という訳ですな。

 どうやら、これがシリーズ一冊目でまだ続くようなので追いかけてみようと思います。

 さて、次はストック切れてるので後で買いに行きます。
 案外「人間失格」とか買ってくるかもしれません(;^^)

涼宮ハルヒの憤慨

 谷川流・著、いとうのいぢ・イラスト、角川スニーカー文庫。
 5月4日(木)読了。

 今回も面白かったですねぇ。因みに、この巻は長編ではなく、中編プラス短編といった構成でした。この辺はいつものことなんで慣れましたが(;^^)

 で、中編の「編集長★一直線」はSOS団が何故か文集を創ることになるという御華詩なのですが、いや、なんというか長門の書いた小説が面白い。あと、みくるの書いた話も専用挿絵まであって手が込んでいます。そしてキョンの書いた小説についてもまぁ、これは直ぐに叙述トリックには気付きますが、実はこの話全体で課題に対応しているように感じるのは考えすぎでしょうか?

 「ワンダリング・シャドウ」についてはもう長門の某台詞に尽きます。これは反則です。

 ……で、何故ハルヒの眼鏡姿の挿絵が無いのでしょうか? ページ捲る手に大きな期待を込めていたんですが。アニメがこの巻の内容まで続いて映像化されることを祈ります。(どこのことかは読んでのお楽しみ)

 あと、集合場所が西宮北口なんで、二編目に登場する駅はどう考えても芦屋川な訳で、大学の通学経路だったり、花見したりするところが舞台であることから映像が頭に浮かぶという楽しみもありました。てか、アニメでの映像化でSOS団の集合場所は若干アレンジされてましたがどう見ても阪急西宮北口駅の北出口ですし(;^^)

 と言ったところで次はタイトル買いの「”文学少女”と死にたがりの道化」です。

PEACE@PIECES

 小林正親・著、いとうのいぢ・イラスト、ファミ通文庫。

 行き場を見失い彷徨える御霊よ、死神候補生ナギの導きにより無に帰れ!!

 と秋月凪の言葉で始めてみましたが、これは私が最近嵌ったゲームであるところのユニゾンシフト『 PEACE@PIECES 』のノベライズです。
 死神候補生(ピーシーズ)が死神になるために人間の中に混じって魂を無に返す修行をするというのが骨子となる世界観で、物語の舞台はその修行に適した力の集まる場所の一つ『遊華総合学園』。この学園の教師・村上久斗が自分の暮らすの転校生で実は死神候補生(ピーシーズ)の百瀬玉(ももせひかる)の魂用の銃で誤って撃たれたことから死神候補生(ピーシーズ)の修行に巻き込まれていく…… というのがこの小説、ゲーム共通の御華詩の導入です。

 読んだ感想としては比較的原作に忠実でありながら、ちょっとしたアレンジも上手いこと効いていて楽しめました。若干、伏線の回収が性急に感じたのは元のボリューム考えると致し方ない部分もあるでしょう。
 ヒカルとナギの友情に焦点が絞られているので、ゲームのヒカルシナリオとナギシナリオの総合的な雰囲気ですね。ただ、その為に他のヒロインの扱いがあんまりなのが残念でした。
 あと、ゲームプレイした人が突っ込みたくなるけど突っ込んではいけないこと。

 さて、死神候補生達は、死神の力を使った後の回復はどうしてたんでしょう?(爆
 はい、それを描写したらファミ通文庫から出せませんね(;^^)

 あと、挿絵がゲームと同じいとうのいぢというのもポイントが高いですな。

 とまぁ、そんな訳で、次はアニメ絶賛放映中で小説の方も売れに売れているハルヒシリーズ最新巻『涼宮ハルヒの憤慨』です。

かのこん3 ~ゆきやまかぞくけいかく

 西野かつみ・著、弧印・イラスト、MF文庫J。
 4月30日(日)読了。

 やっぱりバカップルのお話。更に、段々年齢制限が必要な方向に進みかけています(;^^)
 前巻で色々と伏線が提示されていましたが、今回ある程度回収されてようやく全体としての物語の構図が見えてきました。まぁ、狐の妖怪だとあれだよなぁ、やっぱり、というところですが。おまえは其処で乾いてゆけ(違

 とは言え、ようやっとシリーズとしての体裁が整ったというか、あからさまに「続く」って感じだったので、まだまだ追いかけていこうと思います。

 さて、次は最近気に入ったゲームのノベライズということで『 PEACE@PEACES 』です。

蟲と眼球とチョコレートパフェ

 日日日・著、三月まうす・イラスト、MF文庫J。
 4月28日(金)未明、読了。

 うむ、何だか救いの無かった前巻と違い、何だか熱い御華詩でした。ここまでのオールスター勢揃いというか。まぁその配分的に、賢木と鈴音、そしてグリコの出番が余りなかったり、実は一番オイシイのは狂清刑事ではないかとか思ったりもしましたが。
 ただ、それによりスルーされそうだった登場人物にスポットが当たったことで、各登場人物達の立ち位置、目的意識と言ったモノが明確になって大分話の方向性が見えてきました。今回メインとも言える殺菌消毒や不快逆流などの役割の考証も面白いです。確かに、そういう解釈は成立しますね。あと、作者自身が言ってることですが、そう長く掛からず完結予定で何やらここまでの話の中に仕掛けがあるようで、それを考えて見るのも一興ですね。この話を読みながら漠然と感じていたのは『善悪の反転』というキーワードですが、果てさてどうなることやら。

 とまぁ、そんなところでお次は『かのこん3』です。出来れば今月中に読み終わりたいですな。

とある魔術の禁書目録(インデックス) 9

 鎌池和馬・著、灰村キヨタカ・イラスト、電撃文庫。
 4月25日(火)読了。

 うむ、今回は舞台が学園の大覇星祭という超大規模な運動会ってことで、比較的オールスターな雰囲気ですね。で、8のときの予測が当たってましたねぇ。今回、学園が舞台ということもあり、クラスメートの土御門が大活躍しています。で、当然学園中心なら美琴の出番も…… あれ? 他より出てるけど圧倒的に少ないぞ? やっぱりメインヒロインになれない運命にあるんでしょうかねぇ。まぁ、タイトルになってる人の方が扱い酷いですが(;^^) それよりも、運営委員としてクローズアップされたクラスメートの吹寄さんの方がメインっぽいと言うか。作者も開き直って「ヒロイン誰?」 とか言ってる始末ですが、この路線はこの路線で好きなので続けて言って貰いたいモノです。

 とは言え、今まででも一番大変なことになってる気もするので次がまた楽しみなのです。

 そんなところで次は『蟲と眼球とチョコレートパフェ』です。

 あ、『暗黒館の殺人』は疲れたのでしばらく中断です(;^^)

とくまつ~夜霧邸事件

 清涼院流水・著、牛木義隆・イラスト、徳間デュアル文庫。
 4月12日(水)読了。

 前作に引き続き、相変わらず文章表現に拘りがあって楽しいですね、流水大説は。なんだかんだで自分に多大なる影響を与えた作家でもありますし。「お話」を「御華詩」と書くようになったのが一番よく出る影響ですね。
 前置きはともかく、前作同様に見開き単位に展開する物語。要約すると夜霧邸という豪邸で1000人のボディガードが正体不明の犯人にどんどん殺されていく、そんな御華詩。なんというか、システマティックに最後まで透徹されるのが心地よいですね。他にも、カット(文末を揃える)とかライム(韻)とか、言葉遊美にも余念が無いです。タイトルにも沢山の意味が込められていて、唸らされます。トリプルミーニングでも足りない偏執的とも言える拘りがよいですね。
 で、あとがきで作者自身書いてますが、極端な人死にを描くのは人命を軽視するどころか逆に尊んでいるからこそだという主張には感銘を受けました。自分が死んだら終わりですからね。バーチャルな他人の死に触れてそれに対する登場人物達の心情を追体験して、逆説的に命の大切さを感じるってのは確かにこういう作品の一つの使命とも言えるでしょう。

 とまぁ、一応『館』ものだったということで、タイミング的に丁度良いこともあり、積ん読の中でも多大なる容積を誇る『暗黒館の殺人』に取りかかることにします。今月は読む本の冊数は減りそうですが、ページ数は変わらないですと前言い訳をしておきます(;^^)

オーパーツ・ラブ ~さようなら!? ファラオさま~

 ゆうきりん・著、酒井ヒロヤス・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。
 4月6日(木)、読了。

 第一部、完。
 いやぁ、面白かったです。ついに獏の親父が登場して、御堂家の秘密が明らかに。傍若無人の限りを尽くしてきたイプ様を退ける晩三郎。それで気付く家族としての絆。うん、ええ話です。特に、亜弐の立ち位置がよいですね。それと、清美も。でも、やっぱり英国紳士な犬頭人身のアヌさんが一番おいしいと思います。
 ああ、それと晩三郎の助手であるところの小泉さんも遂に登場したわけですが…… そうなるんですね、この話的には(;^^)

 てなところで、お次は『とくまつ』。流水大説です。

アストロ!乙女塾!~僕は生徒会長に恋をする

 本田透・著、うろたん・カット、集英社スーパーダッシュ文庫。
 4月3日(月)読了。

 ……って本当に出たよ、10万人生徒会長大行進。これで2万人妹の某作品に勝ってしまいました。
 相変わらずノリだけで進んでいるようでしっかりとご都合主義的にであれ話に収拾付いているのは素直に凄いと思います。どうでもいい伏線を意識して読むと面白いかも知れません。
 ネタ的には腐女子三姉妹の月子(つきこ)、つばめ、電子(でんこ)の三人組のネーミングが好きです。※ヒント:つばめは漢字で燕です。こんな風にやたらとジャンプ黄金期のネタが出るのは我々の世代には溜まりません。ストーリーについてはまぁ、裏表紙を見ればその通りをやってくれてますのでそちらを参照ということで。 なんというか、ネタが結構多岐に渡っているので色々と追求すると勉強になる作品でもありますね。役に立つかどうかは解りませんが(;^^)
 でまぁ、やはりホノカがよい眼鏡娘なのです。

 さて、それでは次は「オーパーツ・ラブ~さようなら!?ファラオさま」です。多分第一期シリーズ完。でも、確認しただけで第五期に突入しているので先は長いのです。

キミを救う最初の呪文

 須藤項・著、なごやこーちん・イラスト、MF文庫J。
 3月31日(金)、読了。

 『彼女はミサイル』の作者の新作。未来から来た魔法使いが歴史を変えるために奮闘する物語…… だと思います。
 彼女は~に比べて主人公が頑張っていますが根本はヘタレていてもどかしい思いをしますが、一方でそういったいじけた感情を描くのが上手いなぁと感じたりもします。また、主人公の特技とかの配置があからさまで正直第一章を読めばラストが予測できてしまうのですが、その辺りも伏線回収がキチンとしているということで。そういった習作的な雰囲気を感じつつも、登場人物のキャラ付けが良くできていて楽しい作品でした。まぁ、暴走気味でしたが、それもまたよし。
 あと、この作品で良かったのはタイトルにもある『呪文』。こんな凄い呪文は初めてみました。このセンスは素晴らしいと思います。ネタバレるので控えますが呪文の本質として間違っていないだけに楽しいのです。そうか、ここまで馬鹿丁寧な呪文もありなんだなぁ……

 と、いったところで今月も順調に読了ということで、現在は『アストロ乙女塾』中。何だかもっとぶっとんだ方向に行ってしまいますね(;^^)

オーパーツ・ラブ ~おいでやす! ファラオさま~

 ゆうきりん・著、酒井ヒロヤス・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。
 3月28日(火)、読了。

 シリーズ第二弾。いや、5年ぐらい前から始まってるシリーズなんで先はまだまだ長いんですが(;^^)
 前回で登場人物がしっかり描かれたところで、その辺が上手く活きてますねぇ。御堂という名から何となくそっち方面を連想させますがその通りで今回の舞台は古都京都。個人的に身近なところというか偶然にも昨日歩いた道がまんま出てきたりして意外な楽しみ方が出来ました。
 何というか、非常に読みやすくて思ったよりも早くシリーズを終えそうな気がします。まぁ、絶対量が多いんで今年一杯は掛かると思われますが(;^^) そして、どうして挿絵になかったのか亜弐の眼鏡姿。それだけが心残りです。眼鏡分は同じ作者の『めがねのこころ』で補充。若しくは、第三期の最初『オーパーツラブ3rd~ファラオさまとマヤの眼鏡~』ですね。

 とまぁ、そんなところで次は『キミを救う最初の呪文』です。

青葉くんとウチュウ☆ジン2~Xマス・スクランブル

 松野秋鳴・著、超肉・イラスト、MF文庫J。
 3月26日(日) Spring Memories 会場にて読了。

 なんということはないようで、一つ一つの要素が綺麗に組み上がってるのが心地よいですね。1話1話がキチンと完結している短編が繋がって長編になってるって感じで。
 そして、第4話がそこまでの内容から化けすぎです。良い意味で。
 先の通り、それまでの話の集大成なんですけど、そこまできっちり描かれているからこそ感じられる感動がありますね。読んでてどんどん話に引き込まれていくのを感じました。
 そして、オチも素敵。ホント、上手いなぁ、と思わせられる作品でした。

 そんなところで次は『オーパーツ・ラブ ~おいでやす!ファラオさま~』です。

お留守バンシー

 小河正岳・著、戸部淑・イラスト、電撃文庫。
 3月23日(木)未明読了。
 第12回電撃小説大賞大賞受賞作。

 いや、最近血なまぐさいのばかり読んでたんでホッとする作品でした。
 タイトルにもある『バンシー』を初めモンスターに属する者達の文字通り『お留守ばん』を綴ったお華詩。設定の妙もありますがモンスター達のずれた感覚と人間と通じる部分を上手く描いているなぁ、と感じました。
 非常に読後感がよいです。で、雰囲気が何かに似てると思ったらこの作品を強く推している深沢先生の『フォーチュン・クエスト』ですな。ともあれ、確かにこれは今のラノベの流れからすると余りない路線のように思います。その辺が大賞受賞なんでしょうね。タイトルも絶妙ですし。

 ……まぁ、血生臭いの書いて選外だったんですがね(;^^)

 とまぁ、過去に囚われずに前を向いて、次は『青葉くんとウチュウ・ジン2』です。

ホワイトデー上等。

 三浦勇雄・著、屡那・イラスト、MF文庫J。
 3月16日(木)読了。

 本当に発売した二ヶ月連続刊行にどうにかついていって読了しましたが、いや、面白かったです。これまでのシリーズがしっかり活きてて、ここで持ってくるべきを持ってきたというか、読んでて心地よいですね。話の組み立ても上手いなぁ、と思いました。

 三冊読んだ私見としてはこの作品の基本はクーンツの言う『時を刻む時計』なんですよね。何らかのリミットがあってそれに向かっていく時間軸が追いつめられていく様を演出するっていう。そこに身分違いの恋ってテーマがあって、それらが物語の根本になっています。その辺の使い方がよく出来ていて楽しめました。

 前回上げたイベントネタだと弾数が少なそうだというのも、今回の話に出てきた伏線で話の幅が出たと思うので今後はどういう方向に進むのかしっかり追いかけたいと思いますです。

 と、そんなところで、次は電撃小説大賞受賞作の『お留守バンシー』です。

撲殺天使ドクロちゃん 7

 おかゆまさき・著、とりしも・イラスト、電撃文庫。
 3月14日(火)読了。

 直前に読んだ『永遠のフローズンチョコレート』と同じく血腥い場面が出てきますが内容は全然違います。相変わらずテンションが高くて良い感じですね。
 何か少し前から南さんのフラグがちらほらしつつ、ラブコメ分が増加して楽しくなってきました。まぁ、何か桜くんは不幸だけど幸せなキャラですねぇ。でも、一番不幸なのはサバトちゃんでしょうけど(;^^)

 そんなところで次はまた日付合わせで『ホワイトデー上等。』です。

永遠のフローズンチョコレート

 扇智史・著、ワダアルコ・イラスト、ファミ通文庫。

 殺人鬼の少女と不死の少女とあらゆることに無頓着な少年の三角関係の物語…… なのかなぁ?
 思えば雰囲気のようなモノで衝動買いした作品ですがそれはつまり正解だったのですね。衝動を得られたという時点で。私の嗜好に非常にマッチした作品でした。読む人は選びそうですが、『殺人鬼と不死者』という図式が上手く生きた作品ですね。また、『意味』というものの意味、『現実』と自分の関係とか『嘘』と本当とか、様々な概念を錯綜とさせながらも結局は『日常』。そんなややこしいようで誰しもが考えてしまうような虚無感じみたモノが感じられる物語でした。

 何か抽象的に過ぎるかも知れませんがそういう読後感の作品でした。面白い面白くないとかではなく、ただ『読んで良かった』と思いました。この雰囲気の中で『殺人鬼と不死者』のテーマが出てくる『月姫』をパロったシーンは笑えましたが。

 最後に、上条理保はよく解った眼鏡っ娘でした。殺人鬼ですが。

 さて、次は血腥いのは同じだけど全然雰囲気が違う『撲殺天使ドクロちゃん7』です。

魔法鍵師カルナの冒険4~世界で一番好きなあなたへ

 月見草平・著、銀八・イラスト、MF文庫J。
 3月7日(火)読了。

 遂に、完結です。
 全体を総括して、やはり王道的な雰囲気で安心して読めるのがよかったですね。特に最後は本当に心地よい終わり方でした。こういうの読むとホッとします。
 王道といいながらも『鍵師』という耳慣れない職業をメインに持ってきて、物理的なモノから魔法の絡んだ様々な形態の『鍵開け』を通して展開する物語は新鮮な視点でした。人が二人以上いればそこに鍵が産まれる、というような表現が出てきたのも印象的でした。そういった、『鍵』を象徴的に捉えていたところがこの物語の魅力なんでしょうね。カルナの成長も徐々に自信を身に付けていく過程が丁寧に描かれていて、だからこそラストがこれだけ気持ちよく感じたのでしょう。

 4冊という程よい長さが丁度良かったのですが、あとがきで作者が述べているように短編集のような形でまたカルナ達の物語が読めるなら読んでみたいと思います。
 あと、余談ですが、3巻で色々と活躍したミラ師匠の後輩であるヴェルナさんが眼鏡装着していたのも非常に好印象でした。

 そんな訳で、次は『永遠のフローズンチョコレート』です。因みに、これは予定になかったのですが、出先で読み終わってストックを持って行くのを忘れていたので現地調達です。書痴まっしぐらですな(;^^)

滅びのマヤウェル~この愛がナイフでも~

 岡崎裕信・著、西E田・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。
 3月2日(木)、読了。

 今回も面白かったです。サブタイトルが作品テーマとなるという構成を意識しているだけ有って愛とナイフのメタファがよい具合に作品の流れを創っていました。新キャラの黒子さんも魅力的ですし、その魅力に惹かれるユーキの男心とかも良い具合です。あと、この巻の裏表紙でいきなり一巻の激しいネタバレがあるので注意が必要です。あと、何か某所でツンデレ分が突如発生とか、そんな部分も上手く取り入れてますね。って冷静に考えると結構マニアックな属性が揃ってるなぁ、この作品。
 でもまぁ、そんな中にあって真綾が背負う根源のテーマが重たいのでその辺がどう展開していくのか今後が楽しみです。

 さてさて、では次はいよいよクライマックスの『魔法鍵師カルナの冒険4』です。

R.O.D. 第十一巻

 倉田英之・著、羽音たらく・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。

 待望の、実に二年振りの本編にしてラスト前。
 正直、これだけ待たされて前の話どうだったかとか記憶がおぼろげなのを呼び起こしたりしつつ望んだのですが、プロローグでそんなモヤモヤした気持ちは吹っ飛びました。ってかこのプロローグ狡過ぎます。なんか、それだけで感動しましたよ。やっぱり『本が好き』というただそれだけが原動力となっている、そこへの共感はものすごいです。

 『紙使いとは何か?』
 『読子の中のドニーという存在』
 
 ここで改めて問われる物語初期からのテーマ。
 一方で打ちのめされた読子の元へとそれぞれ向かうドレイク、ねねね。
 作品のテーマも登場人物達も期せずして一堂に会すべく動く、そんな位置づけのお話でした。あと、アニメ版とコミック版では完全に悪役になってたジョーカーの位置づけというか内面の読めなさがなんとも言えずよいですな。上手いことはぐらかされているので未だ真意が見えてこないところが。多分、最後まで引っ張るんでしょうが、彼の動向も気になります。 
 しかし何より、全編を通して本に対する愛、メガネに対する拘りが感じられる素晴らしい描写の連続に感嘆するばかり。ああ、こんな表現ありなのか! って思うところもしばしば。残り一冊となりましたが、せめて1年後には発売して欲しいと思います。

 てな訳で、お次は『滅びのマヤウェル~この愛がナイフでも~』です。

銀盤カレイド・スコープ vol.2 フリー・プログラム:Winner takes all?

 海原零・著、鈴平ひろ・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。
 2月24日(金)、奇しくもトリノオリンピック女子フリー開催日に読了。
 第2回スーパーダッシュ小説新人賞大賞受賞。

 いや、もう半端なく面白かったです。フィギュアスケーターの緊張感、苦しみ、そしてその反動で産まれる快感。そんなものがタズサの視点でしっかり伝わってきて、スポーツ観戦にはさっぱり興味の無い私をしてフィギュアの世界に引き込んでしまうだけの力がありました。
 また、タズサのキャラクター。紹介文などからはもっと破滅的に性格の悪い人間を想像してたんですが、実際には不器用なだけで、口ほどに強くない、ちょっとばかり口の悪い少女なのですな。マスコミに無茶苦茶言ってるようでも内容的には至極まっとうで、どちらかというと今も変わらぬオリンピック至上主義の心ないマスコミに対する風刺のようなものも感じられました。誹謗中傷も甚だしいですしね。で、そんな逆境で潰れずトリノオリンピックへ至る支えとなったのが何故か彼女にとりついたカナダ人幽霊のピート・パンプス。この辺の配置も絶妙ですねぇ。
 そんな彼女がどういう結果を迎えたか、それは読んでのお楽しみ。

 全然意識してませんでしたが、2003年に発売したこの作品を申し合わせたようにトリノオリンピック初のメダルが女子フィギュアスケートで出た当日に読み終わったのも何かの巡り合わせでしょうか。別にどうってことは無いのですが、こういうシンクロで楽しめたのは今になって読んだ特権でしょうね。

 とまぁ、そんなところで、次はようやく発売した『 R.O.D. 』の最新刊です。

オーパーツ・ラブ ~いけません! ファラオさま~

 ゆうきりん・著、酒井ヒロヤス・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。
 2月21日(火)、読了。

 エジプトのお姫様が現代に甦って王国再興を目指す物語…… だと思います、多分。
 もう5年ほど前に出てて巻数もそこそこ出てるシリーズ第一巻であり、まだまだ物語はこれから始まるって雰囲気でした。ですが、一冊を使って各登場人物の立ち位置がしっかり描かれていてすっかり話に引き込まれていました。これはシリーズを追いたいと思いました。って一巻と間違えて二巻を買ってしまっていたので、少なくとも次は近いうちに読むことになるでしょう。
 実際は主人公を取り合うハーレム系のラブコメ方向になりそうな展開でしたが、その中にあってイギリス紳士なエジプト神の犬頭人身アヌさんが群を抜いてよい味を出していました。この配置もよく出来てますねぇ。

 と、そんなところで、次は一応旬な気もするので『銀盤カレイド・スコープ vol.2 フリー・プログラム:Winner takes all?』です。

アンダカの怪造学Ⅰ ネームレス・フェニックス

 日日日・著、エナミカツミ・イラスト、角川スニーカー文庫。
 2月19日(日)、読了。
 第8回角川学園小説大賞・優秀賞受賞作。

 くるさだんちゅらっ!
 という訳で『蟲と眼球と~』に続いて日日日の大量受賞作品の一つを。
 結論から言うと抜群に面白かったですね。面白味の要素をしっかり押さえているというか。空井伊依(すかいいいより)という少女の夢とそこへ向かう為の道のり。安易な綺麗事とならず、どうしようもない背負うべきものは背負っている。その中でまた、『旧態依然とした状況とその閉塞状況を打破する天才』というモチーフが説得力を持って描かれています。色々なモノに投影して考えられるテーマで、それはやはり今の若者の視点という利点が生きているのかなぁ、とか少し偉そうに分析してみたりもします。
 ただ、正直なところ、やはり同じく日日日ほどではないにしろ若くしてデビューした某氏との類似点を感じてしまいます。まぁ、『蟲と眼球と殺菌消毒』のは作風も近いので少し鼻についたのですが、こちらについてそれは飽くまで似た方法論を採っているだけの話で瑕疵と見なすほどのことはないと感じます。でも主人公の名前が x/y の人を思い出してしまうのは同じ方法論に基づいた故の必然に基づく偶然のように感じます。
 とまぁ、ここまで来たら、折をみて色々日日日作品は読んでみたいと思います。

 で、次は『オーパーツ・ラブ』です。

バレンタイン上等。

 三浦勇雄・著、屡那・イラスト、MF文庫J。
 2月18日(土)未明読了。

 前作は単発モノ的な内容でしたが、上手いこと繋げてきたなぁ、と思いました。ただ、タイトル的に弾数が少なそうなのが気になりますが。とはいえ、槍ヶ岳に加えて大目玉という眼鏡さんを追加した功績は称えたいと思います。って寝不足続きなのでノリが変ですね。軌道修正。

 基本的なコンセプトは前作と同様で日常の中に紛れ込む極限状態でどう行動するか? というのが根底のテーマですね。今回は鉄平だけでなく他にも色々と極限上等な状況に陥っていきます。その辺りの描写が良くできていて読んでいて楽しいですね。やっぱり怖かったら逃げるし、でも、逃げたことを公開するのも怖い。そんな葛藤が生々しく感じられました。これは、次回作も期待出来るかと思い今から楽しみです。ホントにホワイトデー上等。だったら来月の筈ですし。

 と、そんなところで、次は『アンダカの怪造学』です。

BLACK JOKER~少女たちの方程式~

 あくたゆい・著、風都ノリ・イラスト、富士見ミステリー文庫。
 2月14日(火)、読了。
 第5回富士見ヤングミステリー大賞奨励賞受賞作。

 ライトなミステリーとして、比較的オーソドックスなお華詩、というのが率直な感想ですね。主人公であるミシェルと真純の描写はよく出来ていると感じました。あとから追加されたという真純が孤高の天才的なミシェルの内面を描く上で確かに効果的に働いています。眼鏡娘ですしね。
 あと、この作品の中核を為す謎となる暗号は私が幼い頃に夢中になっていた推理クイズとかの本に載ってそうな内容でした。そんな訳で1時間ほどで解けてしまいましたが、まぁ、作中では一応そう簡単に解けない理由付けはあるのでよしとしましょう。パズルとして楽しかったのは事実ですしね。
 それに、本当の謎はミシェルそのものとも言えるのでそちらについては前述の通り丁寧に描かれていて好感が持てますな。ただ、その辺りもパズルのピースとして嵌りすぎているのでもう少し意外性があればよかったかなぁ、と思わないでもないです。

 とまぁ、そんなところでやっぱり『オーソドックス』というのがしっくりくる作品でした。まぁ、久々に読んだタイプの作品だったのでよい刺激になりました。

 では、次は日付に因む訳ではないですが『バレンタイン上等。』で。

灼眼のシャナ XⅡ

 高橋弥七郎・著、いとうのいぢ・イラスト、電撃文庫。
 2月10日(金)読了。

 う~ん、毎度のことながら内面描写は白眉。シャナと吉田一美の関係、友と教え子の間で懊悩するヴィルヘルミナの想い、現実を知った田中の苦悩、そして遂に登場したあの人の一途な想い。色んな人の心情がよく描かれていました。中でも取り分け、マージョリーさんが良いですねぇ。何か、やっと素直になったというか。まぁ、いきなり大暴れしてた気もしますがそれもご愛敬の麗しのゴブレットですな。
 また、技法としても前回を踏襲した仕掛けがあって、その辺りも巧みですねぇ。どうやら次の巻は少し先になるようなのでその間は来月発売のゲームで埋めましょう(勿論、予約済みです)

 そんな訳で一気読みとなりましたが、お次はストックから毛色を変えて富士見ヤングミステリー大賞奨励賞受賞作『 BLACK JOKER -少女たちの方程式- 』です。

かのこん2 ~はじまりはじまり

 西野かつみ・著、弧印・イラスト、MF文庫J。
 2月10日(金)未明読了。

 バカップルのお話。以上。
 ……まぁ、ラブコメとしては正直よくある展開のお話。その辺りも1巻のときとそんなに違わない印象です。まぁ、朝比奈さんがその辺り補って余りあるので私にとっては読む価値十分です。サブタイトルの通りここから物語が始まるって感じなんでどういう展開になるか楽しみではありますね。言い換えると、伏線張りまくって終わった感があるのでその辺は大人の事情も絡んでるんでしょうねぇ。

 そんなところで、次は本日ゲットしてきた「灼眼のシャナXⅡ」を先に片付けてしまいます。

銀盤カレイドスコープ VOL.1 ショート・プログラム : Road to dream

 海原零・著、鈴平ひろ・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。
 2月7日(火)、読了。

 いや、これを賞に応募したらそら勝てるでしょうねぇ。そんな納得の作品です。
 フィギュア・スケートという題材の真新しさもありますが、その題材の描き方が美事ですね。たまたま、週刊少年サンデーで連載中の「ブリザード・アクセル」を読んでいたお陰で技の名前と原理は大まかに知っているのも手伝って、動きがよく伝わってきました。 それと、主人公である桜野タズサは煽りなどでは性格の悪さがクローズアップされてましたが、今まで突き抜けたキャラを沢山見てきたせいか、何か、微笑ましく好感を持てる性格に感じました。ピートとの掛け合いとかもいい感じ。実際の内容は彼女の成長譚で心地よいカタルシスを味わうことの出来る作品でした。
 何か半端なところで終わってるように感じたら、どうも VOL.2 とセットで上下巻になってるんですね。近いうちに続きを読みたいと思います。

 でも、ストックがあるので次は彼女はこんと可愛く咳をして…… てな訳で「かのこん2」です。

イリヤの空 UFOの夏 その4

 秋山瑞人・著、駒都えーじ・イラスト、電撃文庫。
 2月5日(日)、読了。

 いい御華詩でした。
 イリヤという少女のあり方、それに対する浅羽。ボーイ・ミーツ・ガールの壮絶でもありありきたりでもある結末。何度もドキリとさせられながら、時には先を読むのが辛いとさえ感じながらも、その結末を確認するまでは止まれませんでした。
 全てを読み終えて、非日常に立ち向かうけれどもやっぱり人間はどこまで行っても人間というか、良い面も悪い面も本質部分はそうそう変わらないというか、そんなやり切れない気持ちにさせられます。でも、希望も絶望も結局は捉え方でしかなく。安易な解決など訪れることはないけれども信じることは出来るというか、そんなことを考えさせられました。
 とまぁ、極力ネタバレをしないようにしてるとさっぱりな感想ですが一読の価値のある作品ですね。うん。

 さてさて、良い作品を読み終えて気分がいいところで、ストックの中から次の選定……
 『銀盤カレイドスコープ VOL.1』に行ってみましょう。

イリヤの空 UFOの夏 その3

 秋山瑞人・著、駒都えーじ・イラスト、電撃文庫。
 2月4日(土)未明、読了。

 相変わらず、どこかとぼけたような味のある世界観がよいですねぇ。
 先ずは最初の話の晶穂と伊里野との闘いと友情とか微笑ましくて、いいなぁとか感じてました。
 でも、中盤以降からは、まぁ世界観考えると分かってはいましたが、急展開。緊迫した事態になってそこからはぐんぐんその情勢が気になって一気に読んでしまいました。「水前寺応答せよ」はタイトルもですがその演出方法が正に王道で否が応でも意識を持って行かれます。そんなめまぐるしい状況の中で辿り着いた浅羽の決断の行く末が気になって仕方ありません。

 そんな訳で、なるべく同じ作品を続けないようにしていましたがそれをかなぐり捨てて次は最終巻「イリヤの空 UFOの夏 その4」です。ああ、気になる……

ゴーレム×ガールズ 2 ~ふたごクリスタル

 大凹友数・著、KEI・イラスト、MF文庫J。
 1月31日(火)読了。

 うん、やっぱりこの御華詩大好きです。前作同様、派手さはないんだけれど読後感が抜群にいいです。

 今回は、大雑把に言って前作で提示されたゴーレムのテーマをまた別の側面から~文字通りゲームの別ルートのような手法で~描き出すというものでした。その手法も上手く嵌ってますし、場面場面で視点人物が変わることで感情描写も丁寧に行われています。 「操形学」というオカルティックな要素を含みながらも身近な問題が感じられるのがなんかよいのです。読んでて癒されますねぇ。また、主要登場人物の一人の片倉媛も良質の眼鏡娘で駄目押し。
 そして、今後を通してのテーマも出てきましたし、シリーズとして続きそうで嬉しい限りです。

 やっぱりべた褒めになりますが、ホントにツボに嵌るんですよ、この作品。だから、また一気読みしてしまいましたし(;^^)

 とまぁ、そんなところで次は…… 『イリヤの空、UFOの夏 その3』に決めました。

ネクラ少女は黒魔法で恋をする

 熊谷雅人・著、えれっと・イラスト、MF文庫J。

 1月31日(火)未明、読了。
 第一回MF文庫Jライトノベル新人賞佳作受賞作。

 最初の数ページを読んだ段階では魔女っ子メグの主題歌っぽい曲のゲームの主人公を思い出したんですが、読み進めると中々心地よい成長譚というか。その辺も計算されるっぽいんで詳しくは語りませんが、こういう話は好きですねぇ。ちょっとばかし話の展開があっけなさ過ぎる感もありましたが、全体としては主人公の空口真帆という少女の姿がよく描けていて気持ちよい作品でした。
 あと、やっぱり眼鏡娘は眼鏡のままが一番です。はい。

 さて、次は待望の『ゴーレム×ガールズ』の続編『ふたごクリスタル』です。

神曲奏界ポリフォニカ~ウェイワード・クリムゾン

 榊一郎・著、神無月昇・イラスト、GA文庫。
 1月29日(日)、読了。

 新創刊のレーベルの割に何か設定に関して読者がある程度知っていることも想定されている雰囲気を感じていたら、既にキネティックノベルで展開している作品だったのですね。
 骨子となる設定は『神曲楽士が奏でる音楽が精霊の力になる』というモノで、音楽にそれなりに長年関わっている人間としてはその辺りの考証が中々に興味深いですね。『単身楽団』で基本楽器以外は自動演奏させて……という辺りも面白いギミックです。
 そんな世界観とかが語られる全編『導入編』という印象で、正直なところそれなりに長めの話の割に若干の物足りなさも感じる作品でした。色々と伏線もあったのですがことごとく未回収でお預け状態というか。まぁ、この話からすると前日譚となるキネティックノベルの宣伝も兼ねてるとこがありそうです。その辺りは色々大人の事情があるようなのですが、それを『あとがき』でぶっちゃける作者も楽しいです。
 とはいえ、楽しめた作品ですので機会があればキネティックノベルにも手を出してみようかなぁ、と思います。

 さて、次はMF文庫Jライトノベル新人賞第一回受賞作最後の出版である『ネクラ少女は黒魔法で恋をする』です。

ALL YOU NEED IS KILL

 桜坂洋・著、安部吉俊・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。
 1月22日(日)、読了。

 非常に面白い構成の御華詩でした。
 繰り返される戦場というテーマと結びつけられたこの作品の本質部分が非常に興味深い。ところどころのウィットの効いた伏線も殺伐とした作品世界の陰惨さを緩和して読みやすく感じられました。
 本当に色々感じるところのあった作品なんですが、余り面白み部分について説明すると読んだときの衝撃が失われるのでこのぐらいにしておきます。
 ただ一言でまとめるなら、非常に素敵な作品でした。あと、何となく古き良きSFって雰囲気で、懐かしさも感じられました。

 さて、お次は新創刊のGA文庫から『神曲奏界ポリフォニカ』です。

To Heart アンソロジーノベル

 『だいすき。』
 あすか正太・著、むっちりむうにぃ・イラスト
 『秋の風は彼方へ』
 武乃忍・著、小池定路・イラスト
 『初めての quarrel 』
 氷上慧一・著、香川友信・イラスト
 『二人きりの夏夜』
 新井輝・著、あらきかなお・・イラスト
 ファミ通文庫。
 1月21日(土)未明、読了。

 二次創作の勉強もかねて、私にとって非常に大きな存在である『To Heart』のアンソロジーノベルです。なんか、読んでると色々懐かしい気持ちになったり、作品それぞれの切り口に思うところがあったりで感傷的な気持ちが大きかったですね。
 ただ、どうにも『秋の風は彼方へ』以外、誤植っぽいのものも有りますが、ここぞという場面で原作との矛盾が出てたりして若干興ざめする部分もありました。芹香嬢は『オカルト研』、あかりの幼なじみに対する呼称は『浩之ちゃん』『雅史ちゃん』です。あと、これは仕方ないところもあるかも知れませんが、『二人きりの夏夜』の保科委員長の関西弁に違和感がありました。保科委員長なら「~するわけあるかい!」ではなくて「~するわけあらへん!」だと思うのですが。てか、由宇と混ざってる??
 とまぁ、こんな風に突っ込みが厳しくなってしまうのが二次創作の怖いところだなぁ、と非常に勉強になった次第。あ、勿論、話としてはどれも楽しめたのですがね。

 とまぁ、そんなところで、次は…… ストックが沢山あるので明日の気分で

とある魔術の禁書目録(インデックス) 8

 鎌池和馬・著、灰村キヨタカ・イラスト、電撃文庫。
 1月19日(木)読了。

 楽しみにしているこのシリーズも8冊目。ホントにペース早いですね。今回は、3巻と5巻の話に関連があるので ktr は ktr は非常に楽しかったとお気に入りの言い回しを真似してみる。
 毎回視点が変わるこのシリーズ、今回は美琴を慕う風紀委員(ジャッジメント)の白井黒子が主人公。美琴をお姉様と慕う百合な人で空間移動能力者。そんな彼女の能力特性を活かした闘いの描写がよい感じ。特に最後の方の緊張感は美事でした。でも、やっぱり美琴の出番は…… 西尾維新とは別の意味でヒロインを「殺し」まくりますねぇ。とは言え、1巻で破綻しかねない話をここまで盛り上げてこれたのはその不要なモノは削ぎ取って焦点を当てた部分だけを描いてきた潔さにあるでしょうし。そのお陰で、次は誰の視点かと楽しみにしている自分に気付いたとか ktr は ktr は偉そうに分析してみたり。勿論、今の心境ですが。順番的には土御門がそろそろ動いても良い頃かと思うのですが。

 とまぁ、堪能したところで次はちょっと毛色を変えて「To Heart アンソロジーノベル」です。最近はイベント用に二次創作も書いたりしてますし、勉強の意味も込めて。時期的に To Heart 2 XRATED コンプしたとこでもありますしね。

滅びのマヤウェル~その仮面をはずして~

 岡崎裕信・著、西E田・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。
 1月16日(月)、読了。
 第4回スーパーダッシュ小説新人賞大賞受賞作。

 一言で、非常に楽しめる小説でした。まぁ、そうでなければこういった賞で大賞など受賞しないということでしょうね。
 全体としてはタイトルと秘密を持った主人公の一人称の展開、突飛な登場人物といった要素が一人称的なもどかしさを持ちながらも上手いバランスで惹き付けてくれてどんどん読ませる力を持っていました。
 ただ、やはりこれも現代の作品の持つ性質のようなものを感じさせる作品でした。私自身も感じているテーマなのでこれは本当に時代なのかも知れませんね。
 話の筋的には『そういう意味での』王道になってたりするのですが、文句なく登場人物の内面描写、特に神野真綾のキャラクターとそれを取り巻く設定の魅力が補って余りありますね。その辺がやはりライトノベルと称される娯楽小説の持つべき一つの性質なのでしょう。

 そんなことを感じつつ、次は楽しみにしていた『とある魔術の禁書目録』の最新刊です。
 

僕らはどこにも開かない

 御影瑛路・著、電撃文庫。
 1月13日(金)未明、読了。

 電撃文庫でありながらイラストなしという形式で内容的にも講談社ノベルスっぽい雰囲気。体裁的にはそういう印象の作品でしたが、その実、非常に読みやすい作品でした。
 複数視点の切り替わりによる内面描写に重点を置きつつ、一つの事件を巡るミステリ仕立ての物語。その辺りの描き方が上手いです。物語としては順当であり、作中人物としては意外な結末にたどり着くのも面白い。
 また、この作品に於ける『魔法』の概念が私の考えていたモノと近いモノで心地よく感じました。要するに非常に私の好みに合致した作品なのです。芸風が近いとも言います(;^^) そんな訳でこの人の作品は今後も読んでみたいと思います。

 さて、これで年始の鈍りも解消してどんどん読んでいきたいと思います。んな訳で、次は「滅びのマヤウェル」です。禁書目録はもう少し我慢。

魔法鍵師カルナの冒険3~流転の粉

 月見草平・著、銀八・イラスト、MF文庫J。
 1月10日(火)読了。

 今年一発目は芳しくないペースで開始です。
 まぁ、弾幕撮影に興じたり御神楽探偵事務所の所員と推理に勤しんでいたりしたのが原因ですが(;^^)

 で、カルナも第3巻。相変わらず王道で、全然内容は違うのですが先が見えて安心して読めるって意味で『涼風』に通じるモノを感じたりしました。若干ご都合主義なところとかも含めて。
 今回は、エクセラの内面やらマスターキーの正体やらに近づいて物語も佳境に入ります。どうやら次巻で完結のようで今回はそれに向けての伏線設置と回収の巻ですね。新登場のヴェルナは中々よい感じですが、どうにも百合な雰囲気が最近流行なのかと色々思うところもあったり。
 そんなこんなと言いつつも楽しめる作品ではあるので最後まで読む所存。

 そして次は禁書目録の最新刊と行きたいのを我慢してちょっと変化を付ける意味で購入した「僕らはどこにも開かない」(御影瑛路)です。

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