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2010 のアーカイブ

傾物語


 西尾維新・著、 VOFAN ・イラスト、講談社 BOX 。
 12月30日(月)読了。

 夏休みの終わり。
 阿良々木暦は一つの危機を迎えていた。
 このままでは由々しき事態を招きかねない。
 状況打破のため、忍の力を借りることとなる。
 いよいよ忍の力が発動したとき、阿良々木暦の頭にふと浮かんだのは八九寺真宵のことで......
 これは、八九寺真宵を巡る物語。

 うん、これは、面白い試みですねぇ。SF的な要素を積み上げて、この世界観だから許される範囲で綺麗に着地させている印象です。伏線の回収など、ミステリ度も高いですな。あと、えらく懐かしいネタを......

 なんというか、良い意味でダマされたと言える御華詩。これは、第二シーズンの次巻も楽しみです。

 てなところで、次は『前略。ねこと天使と同居はじめました。二匹目』です。

猫物語 白

 西尾維新・著、 VOFAN ・イラスト、講談社 BOX 。
 12月27日(月)読了。

 新学期の始まる朝。
 いつものように家を出た羽川翼は、一匹の虎と行き会う。
 どうやら怪異らしいが、折り悪く暦は別件で動けない。
 そうして否応なく、羽川翼はその怪異に立ち向かうことになるのだが......

 セカンドシーズン開始、ということで今までとは大きく異なる構成の御華詩ですねぇ。
 ようやく、先送りにしていた問題が片付いたというか羽川翼の真実が示される、そんな御華詩でした。そして、その示された真実には多くの部分で感情移入出来るものがあり何かと考えさせられる内容でもありました。って、作中でレアケースみたいに言われることを当たり前にしていたりしましたね。

 そして、この裏で展開していた別件。
 それが語られるであろう『傾物語』を引き続き読む次第であります。

猫物語 黒


 西尾維新・著、 VOFAN ・イラスト、講談社 BOX 。
 12月27日(月)読了。

 ゴールデンウィーク。
 暦は大型連休を特に喜ぶ出もなく、起こしに来た妹と戯れていた。
 その後、出かけた先で偶然にも羽川翼と行き会う。
 そうして、彼女の事情を知ることとなる。
 そのときは、それだけだった。
 だが、やがて事態は大きく動きだし......

 遂に語られたゴールデンウィークの物語。
 結末以外は経緯不明だった部分が明らかにされます。これはまた、羽川翼という『人間』の物語でもありました。阿良々木君の羽川への思いというか立ち位置というか、その理由が明確化する御華詩でもありましたねぇ。
 馬鹿馬鹿しいネタに伏線が忍ばされていてさりげなく回収されていたりが楽しい内容ですねぇ。まぁ、辻褄の合わせ方というか色んなところがアクロバティック過ぎて真似したら怒られるようなネタのオンパレードだったようにも思いますが(;^^)

 てなところで引き続き『猫物語 白』です。

真庭語

 西尾維新・著、竹・イラスト、講談社 BOX 。
 12月27日(月)未明読了。

 真庭の里では大きな改革が迫っていた。
 現在、一人の頭領が統べる組織を十二の頭領に分割しようという試み。
 そんな折り、彼らの権勢争いに全く興味を示さず我が道を行く男がいた。
 彼は、真庭蝙蝠という......

 『まにわに』の初代の皆さんの御華詩。
 蝙蝠、喰鮫、蝶々、白鷺の御華詩でしたが、特に印象的だったのは喰鮫ですねぇ。なんか、その平和主義死相はジロー・スズキ(※魔法少女プリティ・ベル)にも通じてますし

 てなところで今日は眠すぎので簡単にして次は『猫物語 黒』です。

喰 -kuu-

 内田俊・著、まりお金田・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月25日(土)読了。
 第6回MF文庫Jライトノベル新人賞優秀賞受賞作。

 本気になれるものを探しながら、叔父の店でバイトをする戌井八千代、通称『ハチ』。
 彼は、その店で一人の少女の本気を目にする。
 心を揺さぶられたハチは、その少女にいきなり告白してしまう。
 「......一つ、条件をだしていいですか?」
 そう言って少女に導かれて訪れたのは......

 『大食い』をテーマとした熱い御華詩。かつてスポーツに打ち込んだ主人公が、スポーツと大食いに挑むことの間で見出す共通項が中々に新鮮でした。言うべきことを言う人が居るというか、キャラ配置も上手いこと行ってますねぇ。二つ名もなるほど、と思わせる考証が入ってて、馬鹿馬鹿しくも心地良い。とにかく食べまくってる話ですが、萌えより燃えで熱くなります。ああ、二郎系をマシて食べたくて仕方ない......

 てなところで次は講談社BOX消化に入って今更『真庭語』です。

KAGEROU

 齋藤智裕・著、ポプラ社。
 12月25日(土)未明読了。
 第五回ポプラ社小説大賞受賞作。

 廃墟と化したデパートの屋上に一つの影があった。
 その影は、今にもフェンスを越えようとしていた。
 だが、そこにあり得ないほどタイミング良く闖入者が現れる。
 どうしたものか思案した結果、一気にフェンスを越えてしまうことを選んだのだが......

 不用意に語るとネタバレになりそうですが、中々面白い切り口ですねぇ。特に最後の方のとある言葉にはハッとさせられたり、非常に印象的な物語でした。
 これは、帯にある通り、確かに『命』を巡る物語。それでいて、ともすれば重くなりがちな話題を、ちょっと恍けたような主人公の性格が緩衝材にして入りやすくなっている印象です。まぁ、その辺りに若干某流水的なものを感じたりしたので、そういうノリを受け入れられるか人を選ぶ気はします。で、私は大好きな訳ですが(;^^) ともあれ、素直に次回作が出たら読んでみたいと感じました。

 てなところで通常運用に戻って次は『喰 -kuu- 』です。

世紀末オカルト学院

 水上清資・監修、綾奈ゆにこ、浅川美也、砂山蔵澄、高木明日香、伊藤美智子、大野木寛・著、森見明日・イラスト、MF 文庫 J 。
 12月23日(木)読了。

 白魔女は使い魔の背に乗り夜を駆ける。
 皆神山に不穏なモノを感じたのだ。
 だが、そこで不測の事態が発生する。
 ボウガンで撃たれ、あえなく地に落ちる。
 そこで出会ったのは、穏やかな中年。
 彼は、神代純一郎と名乗り......

 B級ノリを遺憾なく発揮し、昨今のオリジナルアニメとしては存在感の非常に大きかった『世紀末オカルト学院』の公式アンソロジー。本当、色々と補完されていてBD買う程度に嵌った身としては嬉しい限り。
 以下、収録された作品毎に。

『ちぃの初恋』

 衝撃の正体を現した教頭が神代純一郎学長と出会う御華詩。
 それが切っ掛けで、巡り巡ってああなったと......

『JKの微笑み』

 オカルト学院らしい御華詩ですねぇ。こずえ的な位置にJKがというか。
 でも、その中で何故JKとスマイルがいつも連んでいるかが明かされるという、嬉しい内容です。

『もえる、こずえ』

 これはいつものオカルト学院。そうとしか言えない御華詩。
 こずえ、いいキャラだ...... 彼女あってのオカルト学院と言っても過言ではない。

『大地満ちる美しい風』

 美風の過去が明かされる御華詩。アニメの方の彼女を見る目が変わること請け合いという素敵な内容ですねぇ。特にラストが秀逸。そうでなくっちゃね。

『ブンメーの扉』

 アニメのマヤ側の時間軸での後日譚。あのラストとの間を埋めるというか、あのラストに向かう切っ掛けを描いた内容で、色々と思い出して良いですねぇ。文明はやっぱり文明という御華詩でもあるんですがね(;^^)


 てなところで次は『 KAGEROU 』です。

ツイてない!2~悪魔幼女は男がキライ~

 三門鉄狼・著、みけおう・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月22日(水)読了。

 『妹』の身に降りかかった危機をどうにか乗り切った真琴。
 これでサキュバスともおさらばと思ったのも束の間、フェレスの妹のリリスが現れて、またまたフェレスの言うがままに働かされることとなる。
 今度の目的は『リリスの男嫌いを直すこと』。
 こうして、色んな場所で何故かサキュバスになってリリスのサポートをすることになるのだが......

 ダブルミーニングなタイトルの御華詩、第二弾。
 今回は悪魔姉妹がメインですな。でも、その姉妹の関係を通して真琴と奈月の関係も描かれたりしてて、ここからようやく本題、って感じですねぇ。

 てなところで次は『世紀末オカルト学院』です。

ツイてない!~悪魔のしもべはサキュバス男子~

 三門鉄狼・著、みけおう・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月20日(月)読了。

 女性的な容姿にコンプレックスを持つ奏《かなで》真琴《まこと》。
 彼は、その容姿がもたらしたとある事件がきっかけで妹と険悪になってしまっていた。
 そんなある日、彼は悪魔フェレスと出会い、止むに止まれぬ事情でサキュバスにされてしまう。
 そう、インキュバスではなく、サキュバス。
 かくして、彼はサキュバス=女の姿で女性の精気を集めることになって......

 『ツイてない』のダブルミーニングが中々素敵なラブコメ...... というかエロコメ?
 サキュバスになる事情やら、そのエロコメを合法化する設定がいい感じです。ベタな展開ながら楽しい御華詩でした。
 まぁ、あからさまに次へ続いた印象なので、続けて読みます。
 てな訳で次は『ツイてない!2~悪魔幼女は男がキライ~』です。

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その2 さよならの週末はささやかな終末

 葉村哲・著、ほんたにかなえ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月18日(土)読了。

 宗司と一乃のゲーム同好会。
 そこにキリカも加わって既にそこはラブコメの坩堝。
 戦う相手の居ない異能は恋の鞘当てに無駄遣いされる日々。
 それでも、スルーする宗司の鈍感力にやきもきしながらも一乃とキリカのアタックは続く。
 だが、その異能には、代償が必要で......

 日常系異能バトル第二弾。
 今回はキリノのターンですな。何となく予想していた設定とは言え、上手く活かしてますねぇ。一見するとありがちな日常系の甘々なコメディなんですが、意味のない異能というものを逆手にとって、何かしら影のある登場人物達の在り方がいいアクセントになっています。確かに、この作者らしい御華詩ですな。次も期待。

 てなところで次は『ツイてない!~悪魔のしもべはサキュバス男子~』です。

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その1 ごく個人的な世界の終わり

 葉村哲・著、ほんたにかなえ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月16日(木)読了。

 ゲーム同好会。
 それは、クラスメート森塚一乃の秘密を知ってしまった白崎宗司が彼女と交わした契約の場。
 二人、共にあることが彼女の助けになると信じた宗司が選んだ選択。
 だが、そこで繰り広げられるのは......
 益体のない日常だった。

 これは、いい。
 中二的ルビ使いまくりの異能が出てくるんですが、日常系。
 これ、混ぜちゃったらどうなるのか? そんな実験的な部分もありますが、私には結構ツボでした。
 ただ日常を送る中で、どこかで異能の在り方が気になって、それがいいアクセントになっています。
 そうして、ラストで明かされる事実で色々とやられた感じ。
 なんだろう、ありそうでなかった雰囲気が楽しいですねぇ。

 てな訳で、引き続き『おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その2 さよならの週末はささやかな終末』です。

暴走少女と妄想少年2

 僅かながらも武瑠に友人を作ることに成功した善一。
 その際、半ば勢いで告白して振られたが懲りずに餌付けを続けつつ、それなりに穏やかで楽しい日々が流れていた。
 だが、これで満足していてはいけない。
 もっと友達を作らないと。
 そして、その候補として白羽の矢が立ったのがクラスでも浮いた存在の内田杏子で......


 全体的にテンプレート的な要素をがっちり押さえた手堅い印象の御華詩。
 飛び道具だらけこのライトノベルがすごい!大賞受賞作の中では、前巻から引き続いて比較的従来のライトノベル読者層に読み易い内容かなぁ、という印象ですねぇ。

 ただ、やっぱり前巻同様話が動き出すのが遅いというか新キャラも出てくるのが遅くて、最初の方は読むのがしんどかったというのが正直な所。最後まで行けば筋立ては面白いんですが、半分ぐらいまでは読むモチベーション維持が結構大変でした。まぁ、何より笹瀬先生の出番が少なすぎたのも大きな要因でしょうが(;^^) まぁ、ようやくスタートラインに立った感じなので次が勝負、ですかねぇ。

 てなところで次は『おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その1 ごく個人的な世界の終わり』です。

この中に1人、妹がいる!2

 田口一・著、 CUTEG ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月12日(日)未明読了。

 再び掛かってきた『妹』からの電話。
 結局、将悟の不安は解消されず、せっかく仲良くなった女の子達にも、やはり疑心暗鬼になってしまう。
 しかも、ここ数日は毎朝毎朝早朝に『妹』からの電話で起こされて寝不足の日々が続いていた。
 流石に限界が来て、昼休みに保健室で仮眠しようとしたところで芽衣と出会す。
 そうして彼女と親しくなり、とうとう彼女の経営する『いもうとカフェ』にも足を運んで......

 今回は芽衣のターン。ヒロイン中、唯一の先輩なのですが......
 うん、『妹』という設定が上手く物語の動力になってきましたねぇ。前巻から想定通りの展開ではありましたが、まだまだ『妹』という設定で楽しませてくれそうです。

 てなところで次は割り込みで『暴走少女と妄想少年2』です。

この中に一人、妹がいる!

 田口一・著、 CUTEG ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月9日(木)読了。

 帝野《みかどの》将悟《しょうご》は大企業『帝野グループ』社長の子息。
 若くして世を去った父の跡を継ぐため、英才教育を受けた後、両親が学んだという深流院学園に編入した。
 その目的は、父の遺言に従って一生の伴侶をさがすことだった。
 だが、新生活を迎えた彼の元に『妹』からの誕生日プレゼントが届く。
 奇しくも、父には隠し子の噂があった。
 血が繋がっていながらも、それを隠して将悟と結婚することを要求する『妹』。
 当然、正体は明かさない。
 その後、早速幾人かの女の子と親密になるが、常につきまとう不安。

――彼女が血の繋がった妹だったら?

 かくして、誰か解らない妹の影に怯えながらの学園生活が始まった......

 これは非常に面白い設定ですねぇ。
 乱暴に言えば、大企業の跡取り息子が嫁探しをするハーレムものですが『妹』という存在が上手く機能して葛藤が生まれていて、安易に誰かと引っ付くことが出来ない図式。女の子は可成り積極的ですが、それでも相手と血が繋がっていたら...... という自制心で危機(?)を回避する流れは上手く出来ているなぁ、と思います。

 てなところで続きが気になるので引き続き『この中に一人、妹がいる!2』です。

ゼロの使い魔19~始祖の円鏡~

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、MF文庫J。
 12月7日(火)読了。

 ガリアでの戦いも無事に終わり、領地ド・オルニエールに帰還した才人達。
 だが、その胸中は穏やかではない。
 このハルケギニアに迫る危機。
 それを防ぐにはエルフに挑まねばならない。
 鍵を握るのは『虚無』。
 そうして、全ての担い手を揃えるべく動く中、才人の屋敷に襲撃者が現れ......

 今回は、エルフが大きく絡んできて段々と秘密が明かされていきながら、物語は終盤に向かっていますねぇ。
 再び才人を襲う危機。でも、その中に嬉しいサプライズもあったりして。
 衝撃的な過去が示されたりもしつつも、いいところで終わっていたので次が楽しみです。

 てなところで次は『この中に一人、妹がいる!』です。

ちがたり。

 刈野ミカタ・著、 Yuyi ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月6日(月)読了。

 紫十字学園第二図書館には『白銀の吸血鬼』が棲んでいるという。
 そこに知を捧げれば願いが叶う、そんな噂が流れていた。
 そうして集まった『知』(?)について語り世界の真実を見出そうとする者達が居た。
 雨夜《あまや》冥利《めいり》を委員長とする第二図書委員会。
 これは、その委員会に所属する者達の『知』を語る物語......

 間違ってはいないはず、ということでそんな御華詩。
 『吸血鬼』の『血』と『知』を結びつけた言葉遊び的な設定は中々好みですねぇ。ちょっと本題に入るのが遅いというかこの終盤が最初の方にあればもっと盛り上がったかなぁ、と思いながら次に期待です。

 てなところで次は『ゼロの使い魔19~始祖の円鏡~』です。

ダブルアクセス3

 樋口司・著、のりたま・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月5日(日)未明読了。

 7月1日。
 その日、巧は妹のヒナの誕生日を盛大に祝うはずだった。
 楽しい祭の準備は、しかし無駄になる。
 小町からの助けを求める電話の声。
 事態は急転し、巧はどんどんと追い詰められて......

 仮想世界と現実世界が交錯する御華詩、完結。
 急展開で解決していない問題も残っていますが、着地点としてはいい感じですねぇ。正直、ここにきてようやく人間関係が整理されてきたので、これで終わるのは勿体ないとも思います。でもまぁ、次に期待です。

 てなところで次は『ちがたり。』です。

彼女と二人で「C」体験

 石川ユウヤ・著、稲垣みいこ・イラスト、MF 文庫 J 。
 12月3日(金)読了。

 伊沢令人は姉の残したメモの謎を解くため、マイコン部を訪れていた。
 マイコン部部長の七尾夕は、そのメモに大金の価値があるという。
 しかし、それには三人目が必要らしい。
 そこで都合良く現れた織姫葵。
 マイコン部には求めるものがないと去ろうとする彼女を令人は思わず呼び止めて......

 C言語をエッセンスに繰り広げられるドタバタラブコメディ...... と思いきや、姉の残したメモを巡るボーイ・ミーツ・ガールでジェットコースターな御華詩でした。
 『ミサキの一発逆転』を『鳳凰堂みりあは働かない!』の主人公が語ってるような印象ですな。筋立て自体は悪くないんですが、職業プログラマとしてはツッコミ所が目立ちすぎたのが玉に瑕。これで有資格ってどんなに簡単な資格試験なんだ......

 でもまぁ、ライトノベルとしてはそれぐらい薄めないと難しいんでしょうねぇ。タイトルのインパクト優先っぽいですし。その辺考えるともどかしいものがあります。

 だから、最後に一つだけ突っ込ませて下さい。

#include
int main() {
printf("節子、それ『C』やない『C++』や!\n");
}


 てなところで次は『ダブルアクセス3』です。

かぐや魔王式!第8式

 月見草平・著、水沢深森・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月2日(水)読了。

 九月の三連休の直前。
 満月達は『新世界構築会議』の面々に温泉旅行を提案するが、輝夜の反対によって一度は却下される。
 だが、今後の活動資金を求める輝夜に愛が米倉家の伊豆の別荘に眠る財産の話をしたことで状況は一転。
 こうして『新世界構築会議』の面々は温泉に、宝探しに波瀾の三連休を迎えることになって......

 温泉旅行な第8式は米倉愛メインですな。
 比較的オープンな六道と満月に対して一歩引いたところにいる彼女がちょっと成長する、そんな御華詩。
 まぁ、全体的に番外編感が漂っていたというか前のラストの続きがうやむやな状況だったので、次はその辺がフォローされることを期待します。

 てなところで次は『彼女と二人で「C」体験』です。

竜王女は天に舞う3

 北元あきの・著、近衛乙嗣・イラスト、 MF 文庫 J 。
 11月30日(火)読了。

 温泉旅行を手に入れて積極的にシグを誘うシャルロッテ。
 二人っきりでいくことを望むロッテだが、その温泉があるのは行き先は『棺』があるとされる地。
 必然的にルノアも連れて行く必要がある。
 リラも巻き込んで騒動になるが、期せずして新たな任務が与えられる。
 奇しくもその目的地も温泉地で......

 竜王女がその呪縛から逃れるためにパートナーと共に戦う物語第三弾。もしくは狼耳眼鏡っ娘(喋るとエロい)な幼馴染みに振り回される少年の物語。
 今回は温泉話でありつつ、ルノアの過去やらも出てきて、更に、ルッツも動き始めたりこれからに繋がる要素が色々出てくる御華詩でした。相変わらずシグはボロボロになってますが、それが仕様なので仕方が無い。これは、続きが楽しみです。

 てなところで次は『かぐや魔王式!第8式』です。

白銀の城姫《ベルクフリート》3

 放浪の〈城姫〉シャトレアの〈城主〉となったリンツ・レンハイト。
 二人は、レティーツィア率いる土竜技師団《マオルヴォルフ》と急遽合流し、エリッセとも再会を果たす。
 戦況の急激な変化により、パリへと向かうことになる土竜技師団《マオルヴォルフ》。
 奇しくも、リンツとシャトレアが再会を望む大陸最大の建築士、マイスター・ストランゼンもパリの地にあるという。
 こうして、リンツはパリへと向かうのだが、そこで待ち受けていたのは......

 歴史上の城砦を擬人化した精霊とその城主の物語、第三弾。
 城を擬人化する上での能力やら、『建奏術』という特殊能力の設定が非常に魅力的だったのですが、どうやらこれで一区切り。ちょっと寂しいものがありますね。
 とは言え、急ぎ足ながらもリンツとシャトレアの旅の終着点としては綺麗に落ち着いたように思います。エリッセの扱いが若干酷い気がしたり、ここにきてモン=サン=ミシェルが活躍し過ぎな気もしたりしますがね。まぁ、次回作に期待というか、ここでドルイドさんが帰ってくると素直に嬉しい。

 てなところで次は『竜王女は天に舞う3』です。

まよチキ!5

 あさのハジメ・著、菊池政治・イラスト、 MF 文庫 J 。
 11月26日(金)読了。

 駆け落ち騒動が終わり、夏休みも残り少なくなった頃。
 休み中も容赦なく行われる課外授業最終日にそれは起こった。
 ジローの隣の席から聞こえた謎の音声。
 「にゅ」とは一体何なのか......
 
 看板通りに迷える執事とチキンな俺のラブコメ第五弾。
 今回は、夏休み終盤を舞台とした短編集でした。これまでに登場したヒロイン達一人一人にスポットを当てながら、それぞれのジローに対する立ち位置が整理されて次の二学期編に繋がる、といった構成でした。その結果、まぁ、予想の範囲ですが、拗れそうな要素も浮き出しつつ、さてさてどうなるやら?
 あと、ちゃんと鳴海ナクルルートも実装されそうな流れなのでこれからも安心です。因みに、彼女のために放映前からアニメ版BDの購入は既に決定事項。パンがなければ眼鏡をかければいいじゃない。

 とまぁ、そんなところで次は『白銀の城姫《ベルクフリート》3』です。

まよチキ!4

 あさのハジメ・著、菊池政治・イラスト、 MF 文庫 J 。
 11月23日(火)読了。

 夏休み、約束通りマサムネに食事をご馳走になった帰り、ジローはスバルと出会う。
 唐突に駆けられた言葉は、

――一緒に駆け落ちしよう。

 唐突な言葉に慌てるジローの意識は、程なく闇に沈む。
 気が付くと、海辺の高級旅館で奏が微笑んでいて......

 遂にアニメ化も決定した、迷える執事とチキンヤローのラブコメ話第四弾!
 今回は夏休みということで海で水着で浴衣でとサービス満載の内容となっています。
 前巻で主要キャラが出そろったということで、メインのジローとスバルの関係、そしてそれを取り巻くマサムネと奏の態度、それらが絡み合って良い塩梅のラブコメとなってきています。
 が、それよりも何よりも、『パンがなければ眼鏡をかければいいじゃない!』と豪語するメガネジャンキー、鳴海ナクルが素晴らし過ぎてもうお腹が一杯です。彼女の台詞は名言ばかりで感涙にむせぶこと多数。多分、本編の楽しみ方を完全に間違っていますが、今から彼女のアニメでの活躍が楽しみでなりません。(飛躍しすぎ)

 そんな風に取り乱しつつ、引き続き『まよチキ!5』に取りかかります。

オトコを見せてよ倉田くん4

 斉藤真也・著、フミオ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 11月20日(金)読了。

 突然現れた婚約者、そら。
 しかも、他の婚約者達が彼女を負かさなければ母親公認で結婚式まで段取りが組まれていた!
 愛依と小夜、更にありすや久遠までもが加わってそらに挑むが......

 一気にシリーズとしての根底を固めにきたなぁ、という御華詩ですな。
 馬鹿馬鹿しくも派手な展開もありつつ、五股に落ち着いたってことでしょうか。
 結構、グダグダっぽいところもあったんですが、今後、この設定がどう活きてどういうストーリーが展開するか、ですな。

 てなところで次は『まよチキ!4』です。

オトコを見せてよ倉田くん3

 斉藤真也・著、フミオ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 11月18日(木)読了。

 夏休みを利用して豪華客船を貸し切ってのバカンスを満喫していた優樹達。
 しかし、ちょっとした勢いやら何やらで、優樹、愛依、小夜、ありすの四人は無人島へと漂流することになる。
 なんとかサバイバル生活にも慣れてきた頃、この無人島と思った島に他にも誰かが居ることに気付いて......

 成り行きとかそういった止むに止まれぬ事情があって、中学生に二股を掛けることになった年上好きの男子高校生のドタバタラブコメディ第三弾...... って、何か巻を重ねる毎に股が増える仕様なんでしょうか(:^^)
 今回はとにかく水着を出すための御華詩ということで、番外的な内容という印象でした。まぁ、先に繋がる伏線もチラホラとは出ていますがね。なので、次巻に期待。
 という訳で引き続き『オトコを見せてよ倉田くん4』です。

D-breaker #3

 二階堂紘嗣・著、フルーツパンチ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 11月16日(火)読了。

 蛍火との戦いからしばらくの時が過ぎた頃、突如ノエルが倒れる。
 どうやら、それは蛍火から受けた咒《カーズ》によるもので、治療の為に優馬たちは重層世界調律機関の本部へと赴いた。
 だが、そこで彼らを待ち受けていたのは......

 世界のバランスを取る=調律を行う者達とそれを崩す=歪曲を行うモノの対立の物語。
 優馬とノエルの過去も語られ、二人に焦点を当てた物語はこれで一段落、と言ったところですな。
 まだ、未回収の伏線が幾つかありますが、続きが出るのかどうか...... これはこれで綺麗に終わってはいますからね。

 てなところで次は『オトコを見せてよ倉田くん!3』です。

図書館迷宮と断章の姫君3

 おかざき登・著、ちゅ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 11月14日(日)読了。

 王国同盟とどうにか和解したい刻馬。
 しかし、王国同盟側は切り札を手にしていた。
 一方で、LLL《スリーエル》が遂にイクミの元へと伸びようとしていた。
 なんとしても、その手を逃れようと刻馬がとった手段は......

 図書館迷宮を巡る御華詩、これにて完結。
 タイトルロールが出てきたところで、終わってしまったのは勿体ないかなぁ、と思います。色々と解決仕切っていない問題もありますし。それでも、物凄く駆け足でしたが収まるべきに収まって、あの悲惨な生い立ちからは良い形の結末に繋げたと思います。
 あと、どう考えても最終的に一番報われたのは誠十郎な気がして仕方が無い......

 てなところで次は『 D-breaker#3 』です。

図書館迷宮と断章の姫君2

 おかざき登・著、ちゅ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 11月14日(日)未明読了。

 ある日、刻馬のクラスに転校生がやってきた。
 サムライのようなその少女の名は、宗近刃紋。
 早々に刻馬と刃を交え、互いに腕前を認め合うこととなった。
 そんな彼女には尋ね人があった。
 かつて彼女を救ってくれた運命の人とは......

 『図書館迷宮』という設定や魔導書を行使しての魔法の設定が中々に楽しい御華詩第二弾。
 今回は、新キャラ投入を軸に一気に話を動かした感じですねぇ。
 まぁ、早々にバレバレな設定に気付けなかったことに凹みつつも、サクッと楽しんで読むことが出来ました。

 てなところで次は続きの『図書館迷宮と断章の姫君3』です。

すいーとブラッド

 三原みつき・著、 REI ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 11月12日(金)読了。

 阿部春明は安倍晴明の末裔で陰陽師を自称していた。
 そんな彼が、クラスメートのかおるに説教をされた後の帰り、全く周りと交流しようとしない詩絵を見掛ける。
 気になって追いかけた所、彼女の大きな秘密を知ることとなる。
 その結果、詩絵との距離が急速に縮まることになって......

 これは、陰陽師の面白い解釈ですねぇ。一見無茶苦茶なようで、冷静に考えればあながち間違っていない、この着眼点はいいですな。その結果として『嘘』というものが人間にとってどういう意味を持つのか? そんな観点から展開するラブコメですかねぇ。一方では異質なものの対立という構図も秘めていてそこは前作とも共通する部分ですね。今回でようやく人間関係がスタートラインに着いたような感じなんで次に期待です。
 てなところで次は『図書館迷宮と断章の姫君2』です。

神明解ろーどぐらす3

 比嘉智康・著、すばち・イラスト、MF文庫J。
 11月10日(水)未明読了。

 下校か、十勝の前に大いなる試練が待ち受けた。
 それは、夏休み!
 学校が休みということは下校も出来ないということである!
 ゆゆしき自体に、彼はモラトリアムをゲットすることに成功する。
 それは......

 『下校』を至上の喜びとする主人公の視点で描かれる日常系ラブコメ、になってきた感じですな。
 とは言え、今回のラストはかなりキツイですが、それでも、ここまでの伏線が一気に動いてこうなった訳で。
 今まで四人で居ることが当たり前だった十勝、千歳、まりも、さきっぽの関係が、ここからどう動いていくのか、続きが楽しみでなりません。

 てなところで次は『すいーとブラッド』です。

神明解ろーどぐらす2

 比嘉智康・著、すばち・イラスト、MF文庫J。
 11月8日(月)読了。

 下校に情熱を燃やす十勝にとって、ゴールデンウィークは大敵だった。
 その敵も去り、彼の前に訪れたのは十週間の祝祭日の無い日々。
 週に五日きっちり下校できるその十週間を彼はGW《ゴールデンウィーク》10と名付ける。
 そうして、折角だからとGW10に各自下校の目標を立てることになり......

 たかが下校、されど下校で笑いあり涙ありというような物語が展開するシリーズ第二弾。
 読んでて暖かい気分になれますねぇ。十勝いい奴だ。
 それでいて、ラブコメ的な要素も入ってきてまたそれがさりげなくていいですな。
 確かに、それは四人での下校い一席を投じる要素ですし、どうなるか次が楽しみです。

 てな訳で引き続き次は『神明解ろーどぐらす3』です。

緋弾のアリア7~火と風の円舞《キャスリング・ターン》~

 赤松中学・著、こぶいち・イラスト、 MF 文庫 J 。
 11月6日(土)読了。

 キンジ達の乗る東京へと戻る新幹線が何者かにジャックされた!
 特殊な爆弾が仕掛けられ止めることもままならない。
 相手はキンジやアリアを手玉にとり、京都でレキに重傷を負わせた『万武《ワンウー》』。
 暴走特急が東京へ着けば、ジ・エンド。
 限られた時間の中で乗り合わせた武偵達で事に当たるキンジ達だが......

 レキを中心とした物語の収束。そして、新たな始まり。
 完全にレキがヒロインとなったかと思えばアリアの方もしっかりフォローされてたり、そつない展開ですねぇ。
 まぁ、白雪の扱いが可成り酷い気もしますが、そういうキャラだから仕方ない。
 後は、表紙のジャンヌが制服姿なのに何故裸眼なのかが......
 ともあれ、次も楽しみです。

 てなところで次は『神明解ろーどぐらす2』です。

不堕落なルイシュ2

 森田季節・著、伊東ライフ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 11月5日(金)読了。

 那智を救うため、兄の元を訪ねるミタマ。
 しかし、兄は引きこもりをこじらせて山ごもりの末に悟りを開いた修験者。
 加えて、極度の男性恐怖症。
 兄の潜伏する修行場を訪れたミタマは、彼のテリトリーには当然の壁にブチ当たる。
 男子禁制。
 兄に会うためには、修行所をクリアせねばならない。
 だが、足の悪い那智だけでそんなことは到底不可能で......

 不老不死となった人類が、人口爆発を防ぐために六十歳で処分される世界。
 寿命を外的要因に委ねる人類にとって、家族とは何なのか?
 『死』の概念がどこか違ってしまった世界での、家族の物語、これにて完結。
 うん、最後が若干駆け足だった気もしますが、2冊で綺麗にまとまったと思います。狂った世界観のようで、純粋な愛の物語だったとも言えますな。このオチは、人を選びそうですが私は好みでした。丁度良い塩梅の読後感。

 てなところで次は『緋弾のアリア7~火と風の円舞《キャスリング・ターン》~』です。

不堕落なルイシュ

 森田季節・著、伊東ライフ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 11月4日(木)読了。

 人間が不老不死となった世界。
 人口爆発を回避するため、定年退拭として六十歳で『処分』されるのが当たり前になっていた。
 そんな世界で絶大な権力を持つ神倉家の実質的な跡取り、神倉ミタマ。
 彼は、クラスメートの凡庸な生まれの贄川那智と恋に落ちた。
 しかし、彼女は不運から数日後に『処分』されることが決定されてしまう。
 何とか、那智を救おうとミタマは妹の涙珠に助力を請うて......

 これは面白い世界観ですねぇ。
 色んな部分をデフォルメしつつも、行き着いた世界としては充分に合理的で納得の行く世の中です。
 そんな世界で、『テスト』が得意、つまりは『教科書に載っていることなら何でも解決できる』、それでいて応用力が皆無なので『教科書に載っていないことは何も出来ない』という主人公のミタマのキャラ付けが皮肉が効いていてよいですな。
 ただ、悲惨な世界観の中で描かれているのは歪みまくって一周回って純粋な『愛』の物語だったとも思えます。やっぱり、ダークな路線ですが、ここからどんな物語が展開するのか楽しみにします。

 と言いつつ、既に2巻が出ていたので次は引き続いて『不堕落なルイシュ2』です。

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc6

 田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
 11月3日(水)読了。

 どうにか咲の窮地を救った後。
 武紀の元に従妹の麻衣がやってきた。
 世界改変である程度の記憶があることもあり、冷や冷やとすることもありながら、麻衣もヒロイン達とそれなりに打ち解ける。
 だが、武紀の目的を彼女は全力で拒絶した。
 それと時を同じくして、世界改変の効果がおかしくなり始めて......

 メタな構造を自覚した上でのSF的な要素が増してきた六冊目。
 今回の事件は、確かに起こるべくして起こったモノですが、それに対する対処は興味深いモノがありました。それが許されるなら、一つの理想型ではありますからね。とは言え、それに甘んじることなく、武紀達は立ち向かっていきます。
 この世界の仕組みはまだはっきりとはさせられていないというか、深い部分は外伝の方で紐解かれそうですが、自覚的にそれらを活用すると話の幅も広がっていきそうですな。まぁ、今回のラストなんかは、正にそんな感じで。正直、次が待ち遠しい。
 また、 Fandisc からの流れで四阿ちゃんも『投影されたヒロイン』としてきちんと扱われるようになったのは嬉しいことですね。眼鏡っ娘がいないなんてギャルゲーとして破綻していますから。そもそも最近のギャルゲーは...... っと脱線した。
 それと、 huga がツボでした。いやぁ、時間の無さがヒシヒシと伝わって来ます。次は fuga ですかね。

 とまぁ、そんなところで次は『不堕落なルイシュ』です。

ひなあられ

 日日日・著、指子・イラスト、講談社ノベルス。
 10月31日(日)未明読了。

 早朝集合の修学旅行。
 旅行バスに乗り込んだ筈が、気が付くと教室の中。
 しかも、頭にはバケツのようなモノが被せられている。
 一体、これから何が起こるのかと思うと、突如、顔の解らない誰かが信じられない行動をして......

 ふむ、自重しない日日日作品とも言えましょうか、人間の心の闇を生々しく描く短編集ですな。でも、やっぱりこういう部分に踏み込めるのが日日日の持ち味とも感じるので、こういうラノベの制約外の話をもっと書いて欲しいとか思ったり。まぁ、奇しくも直前に読んだ『みにくいあひるの恋』では可成り頑張ってましたが。
 
 多視点の一人称視点の積み重ねというスタイルは一貫していて、それで定番のギミックなんかも仕込みつつ、ジャンル的にはミステリと言うよりはホラーですかねぇ。個人的には最後の『オレオ』が好きです。とは言え、このパターン好きですね、日日日。

 てなところで次は『ギャルゲヱのセカイよ、ようこそ! disc6 』です。

みにくいあひるの恋4~哀しみのない自由な空へ~

 日日日・著、みことあけみ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 10月28日(木)読了。

 治療と称して、あひるが連れ去られてしまった。
 陀衣は遊菊達の協力を得て、懸命な捜索を続けている。
 しかし、そんな陀衣の態度が『兄妹』の絆を脅かすものとして茜子には面白くない。
 あひるを求めるほど、すれ違う陀衣と茜子。
 遂に、陀衣は茜子に重要な言葉を投げ掛け......

 恋が死に至る病であった世界での物語、完結。これはいい御伽華詩でした。
 『恋』が災厄だった世界。でも、誰もにとって死に至る病ではない世界。
 だからこそ、『恋の病』は特別で。
 不治の病という最強の免罪符。
 やるせない嫉妬。
 ここには、人間の内面のどうしようもなく脆い部分もさらけだされていました。
 それは、人間のみにくさ。でも、みにくさを自覚して乗り越えようとするからこそ、美しい。
 『恋』を災厄として描くことで逆説的にその美しさが浮き彫りになる、そんな御華詩でした。
 そんな容赦のない運命に抗った一つの恋の物語は、『ハッピーエンド』でした。
 どんな『ハッピーエンド』かは読んでのお楽しみ。
 しかし、本当こういうのが上手いというか好きですね、日日日。人間が大好きだからこそ書ける物語だと思います。

 てなところで次は続けて日日日作品で『ひなあられ』です。

ゴミ箱から失礼いたします4

 岩波零・著、異識・イラスト、 MF 文庫 J 。
 10月26日(火)読了。

 ひょんなことから命がけで氷柱を救うこととなった萌える太こと萌太。
 お互い憎からず思いつつもあと一歩が踏み出せない二人。
 そんな状況に、氷柱の父が妙な提案をしてくる。
 子煩悩な筈の彼が、条件次第ではゴールデンウィークの最後に氷柱と二人で旅行に行ってもよいと言うのだ。
 何か裏があると想いながらも、その条件に従う萌太だったが......

 ゴミ箱を巡る物語も遂に完結!
 妖怪の考証が中々楽しい御華詩でしたが、それも順当なところに落ち着いた感じですな。
 しかし、四冊も読んでいるとゴミ箱に入っている主人公が普通に見えてくるのですから、人間の順応力とは凄いモノです。
 あと、どうしても主人公とは相容れない部分が出てしまったのが残念。なんてことを幼馴染みに言いやがりますか、この萌える太は!
 てなところで次は『みにくいあひるの恋4~哀しみのない自由な空へ~』です。

とある魔術の禁書目録《インデックス》22

 鎌池和馬・著、灰村キヨタカ・イラスト、電撃文庫。
 10月25日(月)読了。

 益々激化する戦乱の中、浮かび上がった神殿『ベツレヘムの星』。
 巨大な神殿で右方のフィアンマの野望に立ち向かうのは、一人の高校生だった。
 地上では、非人道的兵器に立ち向かった無能力者の少年が、因縁の相手と対峙する。
 また、一人の悪党は、ようやく守るべきモノを守るための糸口を掴む。
 文字通りの人智を越えた力が渦巻く中、それぞれが主人公として、フィナーレへ向かって突き進む......

 『神の右席』編完結!
 いやぁ、長かった。でも、それだけの内容だったと思います。浜面がここまで昇格するとは思ってませんでしたが、ここまで来ると彼は欠かせない存在ですね。そして、一方通行《アクセラレータ》も何かしらを見付けました。そして、我らが上条さんは...... まぁ、読んでのお楽しみですが。第三次世界大戦という途方もない事件を引き起こしましたが、この後の世界をどう描くのか? 素直に楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『ゴミ箱から失礼いたします4』です。

えむえむっ!10

 松野秋鳴・著、 QP:flapper ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 10月24日(日)未明読了。

 月日は巡り、学年が一つ進んだ春。
 第二ボランティア部も新入部員勧誘の季節。
 だが、ドM治療と男性恐怖症治療がメインの活動内容を新入生にみせる訳にもいかない。
 そうして、美緒様が提案したのが......

 そうか、太郎達も二年生になったんですねぇ。でも、まだまだ治療は必要で。
 そんな中で、太郎はフラグ量産して本格的ラブコメ展開になろうとしています。まぁ、何かしら抱えた者のある登場人物達のパズルのような恋模様は楽しいので、今後も楽しみですな。
 で、人気投票結果発表はメタな感じで、まぁ、漫画ではよくあるタイプですがラノベではここまでやるのはノリ的に結構珍しかったかも。個人的には意外な結果で、これも楽しめました。
 まぁ、BDも本日全巻予約したことですし、次も楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『とある魔術の禁書目録《インデックス》22』です。

えむえむっ!9.5

 松野秋鳴・著、 QP:flapper ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 10月23日(土)読了。

 今日もまた、太郎の体質治療のための活動が繰り広げられる『第二ボランティア部』。
 だが、その人間関係は若干変化が訪れていた。
 そうして、太郎を巡った嵐子と美緒様の恋の鞘当ての筈がやっぱり太郎は気持ちよくなって......

 うん、いつも通り。番外編だけに何でもありなのがよいですねぇ。
 しかし、太郎、無自覚にフラグ立てまくりですねぇ。この新キャラは今後に絡んでくるのか?
 そして、今回一番何でもありだったのが間宮さん。そうか...... うん、すごく既視感があるんですが、そのノリも許される世界観になってますね。で、酷い目にあう花片さん...... 基本、酷い目にしか遭ってない気もしますが、ちょっといい目も見れたような。その運命、プライスレス。

 てなところで次は引き続いて『えむえむっ!10』です。

神曲奏界ポリフォニカ インタルード・ブラック

 大迫純一・著、 BUNBUN ・イラスト、GA文庫。
 10月22日(金)読了。

 メニス帝国の警察法では、定期的な射撃訓練が義務づけられていた。
 通例、それは年に一回なのだが、例外的に射撃訓練の義務が発生することもある。
 その日、マティアとマナガは半年も経たずに二度目の射撃訓練を受けていた。
 銃が苦手なマティアは、そんな状況に辟易として......

 無頼の男が酒場の隅で、歯を喰いしばり、喉の奥に号泣を呑み込んで、それでも肩の震えを隠しきれずにむせび泣いているような、そんな渋いマチヤ・マティアとマナガリアスティノークル・ラグ・エデュライケリアスの物語である黒のポリフォニカ。
 様々な因縁から解放され、出会うべくして出会ったレオンガーラ・ジェス・ボルウォーダンとサジ・シェリカの物語となる筈であった金のポリフォニカ。
 共に、大好きな作品でした。数多読んできた中でも、続きを待ち遠しく思っている作品でした。
 もう、その続きを決して読むことが出来ない喪失感に、ただ、今は、流れるままに涙を流し、キーボードに向かっています。
 でも、この作品と出会えたことは、本当に幸せなことでした。幸せだからこそ哀しいのです。哀しいのは幸せなのです。
 素敵な物語を産み出して下さった大迫純一氏に感謝の意を示すと共に、ご冥福をお祈り致します。

 さて、湿っぽいのはここまで。
 気持ちを切り替えて次は『えむえむっ!9.5』です。

断罪のイクシード~白き魔女は放課後とともに~

 海空りく・著、純珪一・イラスト、GA文庫。
 10月20日(水)読了。
 第2回GA文庫大賞優秀賞受賞作。

 藤間大和が不吉な夢を見た日、彼のクラスに一人の転校生が現れた。
 彼女の名は東雲静馬。
 早速質問攻めに会う静馬だが、早々に冷淡な言葉でクラスメート達を遠ざける。
 それを放っておけない大和は、彼女をなんとかクラスの輪に入れようと画策する。
 こうして、大和の静馬への善意から始まった関係は、やがて、凄惨な事件へと繋がって......

 『善意が招く悲劇』というテーマを根底に描かれる静馬と大和の物語。色んな伝奇物の要素を再構築してソツなくまとめたという風情で、ライトノベルをよく読む層にはとっつき易い御華詩といったところですな。
 そんな舞台装置の中、物語を通して、大和の善意がヒロインの静馬の心情をどうこじ開けるか? その過程が上手いこと描かれていたと思います。最後のカタルシスはなかなかよいですな。
 ただまぁ、伝奇部分でよくも悪くも類似のネタが色々と思いつき過ぎて、正直、特筆すべき点が挙げ辛くもあります。まぁ、確実に他とちょっと違うと感じたのはエロコメ部の描写の生々しさでしょうか。だからこそ、公式ページの紹介はああなるんでしょうねぇ...... あ、あと、眼鏡分が枯渇してると思うんだ、うん。

 何はともあれ、発売おめでとうございます!

 てなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ インタルード・ブラック』です。

"文学少女"見習いの、卒業。

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 10月15日(金)読了。

――これは、失恋が約束された初戀、その結末。

 冬。
 親友の瞳が、菜乃の恋する心葉と付き合い始めたという。
 何故?
 理由は、聞いても教えてくれない。
 時を同じくして、現れた新しい司書の先生。
 それは、瞳のかつての家庭教師の先生で......
 瞳の過去と向き合い、結果的に心葉とも向き合うこととなった菜乃。
 様々な事件を通じて、心葉と時を過ごしてきた、その結末。
 果たして、菜乃は、どう、その恋を終えるのか......

 外伝"文学少女"見習い、菜乃の物語、完結。ここ暫く読書ペースが落ちていたのに、中盤以降止まらず、気が付くと一気に読んでしまっていました。やっぱり、"文学少女"は私の中で特別な作品だということを実感します。
 そうして、ここまで清々しい気持ちで読み終えられるとは...... いい意味で期待を裏切る、素敵なラストでした。いつも通り、生々しい人間の内面を詳らかにするような、優しいだけではなく厳しい物語でしたが、最後の最後の『卒業』は素晴らしく印象的でした。そして、巻末のサプライズも。
 心地よい読後感に浸りながら、粛々と読書は続きます。

 そんな訳で次は『断罪のイクシード~白き魔女は放課後とともに~』です。

ささみさん@がんばらない3

 日日日・著、左・イラスト、ガガガ文庫。
 10月14日(木)未明読了。

 鎖々美が引きこもりをこじらせてしまった!
 愛しの妹と会えない神臣は禁断症状が出そうな勢い。
 なんとか、鎖々美に会おうと邪神三姉妹に協力を請う。
 だが、鎖々美は強行に誰と会うことも拒み続ける。
 それは、鎖々美が抱えている問題によるもので......

 第一部・完。『がんばらない』というテーマが上手いことこれまでの流れに乗っていてよいですねぇ。その後に繋がるキャラの顔見せもいい塩梅です。
 色々と各キャラの立ち位置は明かされつつもまだまだ謎の多いシリーズですが、変な集団も出てきたりで益々謎は深まったような、却って分かり易くなったような...... まぁ、第二部を楽しみにしたいと思います。
 あと、ちょっと視点の違う、たまのクラスメートが語り部となる今回の特別編は可成りよかったですねぇ。ええ御華詩です。やっぱり日日日はこういうの上手いですな。

 てなところで次は『"文学少女"見習いの、卒業。』です。

ファンダ・メンダ・マウス

 大間九郎・著、ヤスダスズヒト・イラスト、このライトノベルがすごい!文庫。
 10月10日(日)未明読了。
 第一回このライトノベル文庫がすごい!大賞栗山千明賞受賞作。

 最新鋭の防犯システムが導入され、世界一となった横浜港。
 そこに佇む倉庫の一つで倉庫番をするマウス。
 くそったれの職場の同僚。
 彼の元に突然訪れ求婚してくる少女。
 彼を溺愛する姉に溺愛する男友達に姉をで回する屈強な男。
 マウスは、全てを受け入れ、今日もまたいつも通りに過ごす......

 ハードボイルドというかSFというか、何か、色々と懐かしい気持ちに浸りながら夢中になって読んでました。これは、抜群に面白い。万人には勧めませんが(:^^)
 もう、何を語ってもネタばれそうなので困りますが、ぐちゃぐちゃなようで一本筋の通った主人公のマウスを、気が付くと無茶苦茶カッコイイと感じていたという感覚。もう、彼の魅力が全て持っていきます。だから、多分、これはハードボイルド小説なのだと思います。混乱してます。でも、爽快です。それがこの読後感ですああそうかい? って感じで。

 とまぁ、混沌としてますがこのライトノベルがすごい!大賞受賞作をようやく全部読み終えたので次から通常運用。先ずは、手近にあった『ささみさん@がんばらない3』です。

伝説兄妹!

 おかもと(仮)・著、 YAZA ・イラスト、、このライトノベル文庫がすごい!文庫。
 10月7日(木)読了。
 第一回このライトノベル文庫がすごい!大賞特別賞受賞作。

 柏木は働かない。
 詩人になってやると思っていた。
 でも、努力も何もしていない。
 そんなで生きられるほど世の中甘くない。
 家賃は滞納して追い出される寸前。
 お金は無く、食料も底を尽きる。
 空腹をしのぐために山に食べ物を探しに行って、そうして、出会う。
 一人の幼い少女。
 だが、彼女の書いた詩はとんでもないもので......

 現代の御伽華詩というか、伝説というなら昔話的なノリの御華詩ですな。駄目な人間の生々しい言い訳と苦悩は文学的でもあり。正直、主人公は本気で駄目人間ですが、だからこそ光る物語でしたねぇ。最後の方は、特に。読み終わってみると、非常に心地よい後味でした。何か、細かいことを書くとネタバレざるを得ないので語りませんが、いい味のある作品というのは確か。この味が今後どう活きていくのか次作にも期待です。

 てなところで、次は『ファンダ・メンダ・マウス』です。

僕たちは監視されている

 里田和登・著、国道12号茶・イラスト、このライトノベル文庫がすごい!文庫。
 10月3日(日)読了。
 第一回このライトノベル文庫がすごい!大賞金賞受賞作。

 IPI症候群《クローラ》。
 その俗称は情報収集プログラムに由来する、情報社会の弊害。
 秘密に飢え、秘密を知ることに拘泥してしまう病。
 時にそれは暴力や自傷を伴い、患者の死さえも珍しくはない。
 そんな秘密に飢えた患者のために、国家的に自らの生活を動画配信する職業があった。
 IPI配信者《コンテンツ》と呼ばれる人間は、公開レベルを設定して患者へと自らの私生活を晒していた。
 そうすることで、コンテンツの秘密を臭わせ患者の秘密を求める欲求を満たすのだ。
 これは、そんなコンテンツの少年少女の物語......

 これは面白い。
 ネット社会の負の面を上手く利用して、正に向けてたり。情報依存を病として捉えた『クローラ』の概念が妙にリアリティがあって、その治療法としての『コンテンツ』の設定も理に適っています。そんな、架空の社会問題をテーマにしながらも、終始少年少女の物語になっているのがよい。少年少女達の人間関係の中でも『秘密』をキーワードに、綺麗に伏線がまとまっているのもいいですな。中盤以降、一つの大きな秘密が明かされてからの展開が気持ちいいですねぇ。よかった部分を書くとネタばれるので書けないのがもどかしいですが、非常に読後感のよい作品でした。

 てなところで次は『伝説兄妹』です。

ランジーン×コード

 大泉貴・著、しばの番茶・イラスト、このライトノベル文庫がすごい!文庫。
 9月29日(水)読了。
 第一回このライトノベル文庫がすごい!大賞大賞受賞作。

 言葉が命の源となる。
 言葉で子孫を増やしていく。
 そんなコトモノが公になって30年足らずで、世界の有り様は変わっていた。
 コトモノは、コトモノの言葉が紡ぎ出す『物語』の中を生きる。
 ロゴは、そんなコトモノの『物語』を記述する能力を持ってきた。
 最初は、同じ施設の少女のために。
 それからは、仕事として。
 だが、突如『物語』を破壊する存在が現れて......

 うむ、口絵部分の引用だけで引き込まれる世界観でした。
 『言葉』が産み出す『コトモノ』。
 彼ら彼女らの間でだけ通じる認識の在り方。
 脳内の『物語』に応じて、様々に行われる外形化。
 また、別のコトモノに対して影響力を持つメタコト。
 読んでて、ゾクゾクしますねぇ。
 全体を通して、認識やら言語を扱うフランス現代哲学を髣髴としました。
 クラクラと酩酊するように、楽しめる御華詩でした。
 この世界観は様々な可能性を秘めています。
 そこが、大賞の理由でしょうねぇ。
 正直、この厚目の一冊で、ようやく世界観の一端が形成されたとも言える内容でしたし。

 ただ、こういう概念的な部分を楽しむタイプの作品、私は大好物なんですが一般的なライトノベル読者層にはどうなんだろう? というのはあります。恐らく、拒否反応示す人も少なくないでしょうね。とは言え、このラノ文庫は可成りの販路を持っているようで、駅売店やらコンビニでも置いていたりします。そこで、普段ラノベを読まない層に読まれると、また評価も違うんじゃないかなぁ、と思います。特にSF読者とは意外に相性がいいかもしれませんね。そんな、戦略性も感じさせる作品でした。でもまぁ、そうなると、正直、ハードな路線でギャグパートとかは全部排除した方がよかったようにも思います。

 とまぁ、一冊読みきって『ようやっと始まった』と感じる作品だったので、次に大きく期待します。

 てなところで、次は『僕たちは監視されている』です。

暴走少女と妄想少年

 木野裕喜・著、コバシコ・イラスト、このライトノベル文庫がすごい!文庫。
 9月17日(金)読了。
 第一回このライトノベル文庫がすごい!大賞優秀賞受賞作。

 沖田善一は、期待に胸を躍らせながら高校の入学式へ向かっていた。
 そうして、新入生を迎えるべく華やかに飾り立てられた校門を潜ろうかというそのとき。
 空から女の子が落ちてきた!
 舞い降りる天使かと思いきや、その落下点は善一の両肩。
 美事に折れる、鎖骨。
 「私の友達になってくれないか?」
 そんな声が聞こえてきたが、彼の意識はフェードアウト。
 こうして、入学初日に救急車に運ばれることとなった。
 彼が、自分をそんな目に遭わせた少女が明華《あけはな》武瑠《たける》と言う名で、クラスメートだと知るのは、少し後の御華詩......

 という感じで始まるボーイ・ミーツ・ガールの王道ラブコメ、ですな。
 本当、端的には『王道』で事足りる、良くも悪くもそんな御華詩でした。
 基本ラインとしては、善一が暴走少女、武瑠に友達が出来るように色々と手を尽くして...... ということになります。その顛末は、青春モノとして心地良い内容でした。最後の方は、可成り盛り上がって、ベタだけれどもベタな良さ、が描けていたと思います。なるほど、こういうのは市場的にも有利ですし、一つの才、であります。故に、受賞に至ったのだろうなぁ、と思いました。
 ただ、そうなるまでが長い...... 正直、物語が動き出すのが後半からなので前半はノリと勢いだけなので「これからどうなるんだ?」「この伏線ってどうなるんだろう?」とかを楽しみに読むタイプの人には読み辛い内容でした(;^^) 文章自体は読み易いんですが、モチベーション維持が辛い。そこが勿体ないなぁ、と感じる作品でもありました。あと、笹瀬先生がもっと活躍すれば......
 とは言え、終盤からは一気に話が動いてキャラも立って、最後には今後に繋がるドラマが展開されていますから、続刊に期待、というところですな。何はともあれ、木野さん、デビューおめでとうございます。

 てなところでこのラノ大賞を続けて次は『ランジーン・コード』です。

白鷺このはにその気はない!

 早矢塚かつや・著、熊虎たつみ・イラスト、一迅社文庫。
 9月13日(月)読了。

 小清水祐貴《こしみずゆうき》にとって、恋愛とは百合であった。
 女の子同士がいちゃいちゃするのを眺めることこそが至福。
 特に彼が注目していたベストカップル(=脳内カップリング)は、クラスメートの白鷺このはと、柊桐佳《ひいらぎきりか》の『この桐』だった。
 二人を見ているだけで心がほかほかする、それがノータッチを旨とする変態紳士、祐貴の信条だった。
 だが、ある日、そのささやかな幸福は崩れ去る。
 呼び出された体育倉庫裏で、彼は、件の白鷺このはに告白されてしまうのだ!
 「ごめん、俺は女の子じゃないから君とは付き合えない!」
 魂の叫びをぶつける祐貴だったが......

 いや、これは面白い題材ですな。
 百合にしか興味が無く、決して自分を恋愛の渦中に含めない祐貴と、彼に思いを寄せるこのは。
 そして、このはの親友の桐佳と、彼女に突如アプローチを開始する咲良《さくら》先輩。
 この四角関係を軸にした、じゃんけんのような恋愛模様を描く御華詩。
 変態紳士を自負する祐貴が何故持てるのか? とかいう部分もキッチリ理由付けされていたりで、人物も掘り下げられていて百合好きの変態性を全面に出したコメディかと思いきや、シリアス成分もそれなりにあったり、結構しっかりした物語でした。うん、これは次が楽しみです。特に、さと子の出番がもっと欲しい......

 てなところで次から話題のこのライトノベルがすごい!文庫に入ります。
 最初は木野さんの『暴走少女と妄想少年』です。

理の守護神さま。三.血塗れの統率者《ブラッディ・レイン》

 十目一八・著、すまき俊吾・イラスト、GA文庫。
 9月7日(火)読了。

 RICの企みの前に手痛い敗北を喫した時雨。
 だが、このままでは終われない。
 出来うる限りの手段を講じ、RICの次の一手を食い止めるべく作戦を立てる。
 そうして、いよいよRICが動き出して事態は急転し......

 主人公が時雨から魅袖に交代しつつ、各勢力、因縁の戦いが各所で繰り広げられるシリーズ第三弾。
 何というか、要素要素は楽しいのですが、ちょっと詰め込み過ぎかなぁ、というのが正直な印象。いっそ2冊というか、前の巻と合わせて3冊ぐらい使ってそれぞれの場面を掘り下げた方がよかったように思います。全体的に、竜頭蛇尾感が否めなかったので。でも、設定は中々面白いので、ここからどう展開するか、続けて読んでいきたいと思います。

 てなところで次は『白鷺このはにそのけはない!』です。

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! Fandisc

 田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
 9月2日(木)読了。

 武紀達の通う高校では、文化祭が近づいていた。
 そんなある日、夏海のクラスメートである拓海がクラスの出し物で悩んでいる場面に遭遇する。
 話しを聞いてみると、比較的おおらかな武紀のクラスと違い、どうやら夏海のクラスは熱心に取り組んでいるようだった。
 そこで、武紀が自分のクラスの出来事を語ったことで、拓海は出し物のアイデアを得る。
 それから数日後。
 武紀のクラスに、四阿ちゃんが現れる。
 珍しいこともあるものだと思ったら、武紀「責任を取ってください」と迫られて......

 なるほど、こりゃ、確かに Fandisc ですねぇ。本編の隙間を埋めるような短編集。各短編のタイトルは、もしかしたらエ...... もとい、ギャルゲのタイトルのパロディなのかと思いますがどうなのか。まぁ、二つしか解りませんが(;^^) 短編集ということで、個別に簡単にまとめます。


・梅雨が明けるころに

 1巻終盤の御華詩。1巻のラストに説得力を持たせる面もありますが、唯一の理解者として、ゆうきが如何に頼りになる存在かが見える御華詩ですな。


・いつか花咲く、愛もある

 タイトルに絡められているように、咲と高橋さんの和解の切っ掛け。
 高橋さんの語られなかった重要なエピソードが語られてたり、清々しい御華詩でした。


・姉のちときどき胸さわぎ

 春姉の悩みの御華詩。なんというか、お色気分補強ですな。これも、まぁ、 Fandisc らしい御華詩ですね。
 でも、そんな悩みは不要だと思うのです、うん。

・俺の妹のばあい

 夏海と大変なことになる御華詩。色んな意味で成長したんですね。


・すくぅ~るメイド

 今 Fandisc の本編です。表紙にも出てたから間違いありません。
 四阿ちゃんが攻略対象じゃないのが間違ってたんです。致命的なバグです。
 そのデバッグの成果が込められたパッチがこの御華詩。

 とある事情で四阿ちゃんと秋葉に行くことになってしまう武紀。カップルと間違われる定番のイベントをこなしながら、最後に辿りつくのは......

 四阿ちゃんが補完されたことで話にも広がりが出そうで、今後の四阿ちゃんの活躍が楽しみです。

  
・攻略仕様のアンチノミー

 これは、作品の構造を活かした非常に面白い趣向の御華詩でした。
 ゲーム内の存在が現実の存在となったことで生じる様々な齟齬が根底にありますが、その構図から導かれるメタな展開がいいですねぇ。

 そして、通して読んでみると、 Fandisc と言いながら、何気に重要な情報もあったりして本編にも絡んできそうな予感がします。

 何はともあれ、ここのところの立て続けの発売、おめでとうございます。もう、7冊なのですねぇ。

 てなところで次は『理の守護神さま。 三.血塗れの統率者』です。

ライトノベルの楽しい書き方6

 本田透・著、桐野霞・イラスト、 GA 文庫。
 8月29日(日)読了。

 お互い素直になれない剣と八雲は相変わらずの『暫定』を言い訳にした煮え切らない関係を続けていた。
 そんな二人に訪れる試練。
 剣の書いたライトノベルがなんと実写映画化されるという。
 そこで現れる八雲の恋のライバル!
 それでも、素直になれない剣に業を煮やしたゆうなも八雲の暫定彼女を宣言して......

 剣と八雲は微妙な距離で安定している感が出てきてましたが、恋愛模様がようやく大きな一歩を踏み出す、そんな御華詩ですな。ずっともどかしい思いをしてきたので、ここからの展開が楽しみです。
 そして、何気に妻夫木さんと小栗さんがコンスタントに出てたりでクラスメートも賑やかになってきました。今後の小栗さんの活躍に期待です。(多分、本編には全く関係ない)

 てなところで次は『ギャルゲヱのセカイよ、ようこそ! Fandisc 』です。

りーち☆えんげーじ!2 -子孫繁栄! 国立栄華学園中等部-

 海堂崇・著、 CH@R ・イラスト、GA文庫。
 8月27日(金)読了。

 国立栄華学園中等部二年生一同は、臨海学校に訪れていた。
 平太は渚と美紀に挟まれる形で周囲ににらまれつつも、曖昧な態度をとり続ける。
 一方、そんな様子を見せつけられて龍馬はこの臨海学校こそは! と奮い立つ。
 またいつものように失敗すると思いきや、文句なく可愛い千歳司と仲良くなることに成功していた。
 それが面白くないアリスは......

 人口減少に対する対策としての不純異性交遊が奨励される学園を舞台としたラブコメ第二弾。
 今回は、平太の親友、龍馬とアリスを巡る御華詩、ですね。まぁ、ベタもいいところというか初っぱなから最後まで予想通り過ぎる展開ですが、それはまぁ、王道ということでしょうな。ただ、それを軸に話が展開するので、いっそ龍馬を主役にして平太と渚、美紀のトライアングルは裏に回してしまっても良かったように思います。正直、平太の鈍さがちょっとウザイですし(;^^)
 最後の最後も1巻からの予想通り過ぎる展開ですが、次はどうなるのか? 楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『ライトノベルの楽しい書き方6』です。

生徒会の八方~碧陽学園生徒会議事録8

 葵せきな・著、狗神煌・イラスト、富士見ファンタジア文庫。
 8月24日(火)読了。

 会長達の卒業式を明日に控えた夜。
 杉崎鍵は、しかし、幼馴染みと共に温泉旅館に居た。
 かつての関係を修復するためか、二人っきりで一夜を過ごすことに。
 果たして、鍵は生徒会と決別して幼馴染みを選ぶのか......

 とまぁ、シリアスな部分もありつつ、基本はいつも通りでした(;^^) ただ、色々と趣向は凝らされていましたねぇ。
 今回は特に、知弦さんと深夏の内面が楽しいですねぇ。大詰めも近いと言うことか。最後は会長、ってことなんですかね。
 鍵も色々とぶっちゃけて無茶苦茶言ってはいますが憎めないキャラでもありますな。

 てなところで次は『りーち☆えんげーじ -子孫繁栄! 国立栄華学園中等部-』です。

とある魔術の禁書目録《インデックス》21

 鎌池和馬・著、灰村キヨタカ・イラスト、電撃文庫。
 8月22日(日)未明読了。
 
 第三次世界大戦が始まって10日余りが過ぎた。
 それぞれの守るべきモノのためにロシアに訪れた三人の主人公達は未だ目的を果たせずに居た。
 そんな中、右方にフィアンマはその目的に着実に近付きつつあった。
 その結果生まれたのは大天使の力を持つ存在で......

 主人公三人が同じ地に立ち、互いに微妙に絡み合いながらも、それぞれの目的に邁進しています。
 何というか、上条さんはいつも通りですが、巻を重ねる毎に狡いぐらい浜面が主人公になっている気がしますね。
 あと、裏表から三者三様になったら悪党はどこにいったのやら(;^^) でも、こういう奴だからいいんですよね、一方通行《アクセラレータ》は。でも、何気に今回一番格好良かったのは、ローマ教皇な気もします。
 まぁ、細かい内容に触れないとこんなところですな。正直、3視点プラスαを並行に描いてるために話が余り進んでないですし(;^^)

 てなところで次は『生徒会の八方』です。

森口織人の陰陽道 巻ノよん

 おかゆまさき・著、とりしも・イラスト、電撃文庫。
 8月19日(木)読了。

 初雪と同じ所に立つために、陰陽道を歩むことを決めた織人。
 そして、日頃世話になったお礼として、式神達と共に手作りした手套を初雪にプレゼントしようとする。
 だが、何故か邪魔が入り上手く行かないでいると、次第に状況はこんがらがってしまう。
 あれよあれよと言う間に衝撃の事実が次々明かされ、最大の危機を迎える織人。
 果たして、彼の運命や如何に?

 完結、ですな。
 どうにも、慌てて店じまいした感は否めませんが、細々とした所にもきちんと伏線があってそれらをどうにか収拾させて着地させたのはよかったと思います。正直、部分部分が1冊でいいようなところもあって、本当に勿体ない印象もありますが、これも仕方のないことですな。次回作に期待、ということで。

 てなところで次は『とある魔術の禁書目録《インデックス》21』です。

最強彼女黒髪めがね

 終倉敷・著、鳴見なる・イラスト、ガンガンノベルス。
 8月16日(月)読了。
 第六回スクウェア・エニックス小説大賞佳作受賞作。

 人類の敵、ブルーマンデーの怪物。
 通常兵器では太刀打ち出来ないその存在に勝てるのは、ただ一人。
 風紀委員長、、黒髪めがね。
 そんな彼女に、僕はある日告白され、付き合い始める事になる。
 こうして、僕の日常は大きく変化して......

 これは、徹底して黒髪めがねという素直クールなヒロインの魅力を描く御華詩、ですな。
 世界か、僕か? を問われるヒロイン。
 世界を守るために唯一無二のヒロインに対する自分の無力さに葛藤する僕。
 そんな手垢のついたプロットを上手く活かして、めがねの可愛さを表現しています。
 色々と小技を使っていて、ちょっとばかり混乱を招く部分もありますが、そこはめがねの素晴らしさでカバー。
 何というか、仕掛けが色々合って細かいところを語るとネタバレるので語りませんが、本当、眼鏡最強という御華詩でした。

 そんなところで次は『森口織人の陰陽道 巻ノよん』です。

ともだち同盟

 森田季節・著、角川文庫。
 8月16日(月)読了。

 弥刀は自身が女性的であることにコンプレックスを持ち、上手く人付き合いが出来ず、友達と呼べる存在が居なかった。
 そんな彼が、高校に入って千里《ちさと》と出会い『ともだち同盟』を結んだことで初めて友達と呼べる存在を得ることが出来た。
 元々千里と『ともだち同盟』を結んでおり、弥刀と同じ部活に所属する朝日《あさひ》も交えた三人の関係を、弥刀は大切にする。
 だが、そんな三人の関係がある日突然朝日が弥刀に告白したことで、大きく揺らぎ始めて......

 ダークでありながら、純粋な物語、ですかね。千里、弥刀、朝日。男一人に女二人、という状況。単純な三角関係には堕ちず、その関係に自称『魔女』である千里の呪いが染み渡るとどうなるか? という御華詩。

 これは、人を選びますが可成りいいですねぇ。ダークだけど、悪くない読後感。正直、読みにくい部分もあるのですが、その全てをひっくり返すように鮮やかな解決は、それまでモヤモヤしたものを綺麗に洗い流してくれました。『ベネズエラ・ビター・マイ・スイート』で感じたモノを更に突き詰めたような、恐らくは森田季節らしい作品、ということなのでしょう。今後は、一般文芸の方もチェックしてみようと思います。

 てなところで次は『最強彼女黒髪めがね』です。

難民探偵

 西尾維新・著、講談社。
 8月12日(木)読了。

 優秀な学生だからといいところに就職出来るとは限らない。
 窓居証子は、就職先の選り好みの末に家族にも譲歩せず、進退窮まっていた。
 そうして泣きついた祖母から、就職活動を続けるチャンスを得る。
 それは、多忙な推理作家である叔父の雑用の手伝いを代償に、半年の期限付きで世話になることだった。
 大金持ちの叔父の側に居ると就職に対する危機感を失うという危機感を持ちつつ、エントリーシートを書く日々を送る証子だったが、ある日、叔父の知人である根深陽義と出会ったことで一つの事件に巻き込まれることとなる......

 就職難やらネカフェ難民やらの時事ネタを交えたミステリのようなそうでないような、そんな探偵小説。ミステリとしては定番とも言える道具立てをここまでいじり倒すのも一興ですな。ネタバレるので、内容には触れませんが、ミステリの虚構と現実の対立項のようなモノが描かれる、そんな御華詩でした。うん、こういうのも楽しいですな。

 てなところで次は『ともだち同盟』です。

私の優しくない先輩

 日日日・著、碧天舎。
 8月11日(水)上京の徒の新幹線車中にて読了。

 西表耶麻子は、南愛次君の事が大大大好きだった。
 だが、彼女は身も心も弱かった。
 何度も、ラブレターを書いては捨てる日々。
 そんな13回目のラブレターを『優しくない先輩』である不破風和に見られ、自分の愛治への秘めた想いを知られてしまう。
 こうして、半ば強引に耶麻子の恋の手助けを申し出る不破先輩だったが......

 長い時間が空いてしまいましたが、未読だった日日日受賞作最後の一本を遂に読了。
 人によっては好みが分かれるところですが、私はこういったお話は大好きです。ああ、日日日に嵌った時点で読めていれば、と思う切なくも素敵な御華詩でした。このセンスは素晴らしいというか、やっぱり日日日は一般文芸の方が好みだなぁ、と思ったり。『ちーちゃんは悠久の向こう』と甲乙付け難いですな。

 てなところでハードカバーをやっつけるターンなので次は『難民探偵』です。

第2回GA文庫大賞受賞作家アンソロジー ふれっしゅ!!

 九辺ケンジ、海空りく、冬木冬樹、裕時悠示・著、鶴崎貴大、純珪一、すまき俊悟、たかや Ki ・イラスト、GA文庫(GAマガジン VOL.4 付録)。
 8月10日(火)読了。

 目が覚めると、柔らかい感触に包まれたと思ったらそこにはサブリナが......
 バランスを気にする妹の許可が得られた日に何故か拉致られるように山奥につれられて......
 下駄箱の前でうろうろする少女に声を掛けずには居られなくて......
 ある日、弟子から急にほっぺにちゅーを迫られて......

 強引にダイジェストですが、第二回GA文庫受賞作の既刊『ふぁみまっ!』『踊る星降るレネシクル』と今秋発売予定の『精......』じゃなくて『断罪のイクシード』『かんなぎ家へようこそ!』の企画短編集。前者二作はともかく、後者二作は本編未発売という無茶振りですな(;^^)
 以下、作品毎に。

『ふぁみまっ! パーティ×パーティ』

 1巻の直後、出来る人だけどサブリナが絡むと駄目になるソフィアさんを巡る御華詩。
 笑いの中に少しいい話が交じっている、そんな感じですな。
 まぁ、やっぱりいずなさんみたいなキャラが個人的にはいいというのが結論。

『断罪のイクシード―黒金の鍛冶屋と白の魔女―』

 本編発売前からタイトルを弄られてる海空りくさんのデビュー作。
 短い中に世界設定をちりばめつつバトルも交えて濃い内容になっていたと思います。こういう師匠はよいですねぇ。
 が、こんな中二病的設定の伝奇モノを本編発売前にというのは世界観を掴むには少し無理があったような(;^^) まぁ、気になって本編にっていうのが狙いな気もしますが(;^^) まぁ、そんなの無くても私は買いますが。

『かんなぎ家へようこそ! ヒナちゃんのラブレター』

 これも、本編発売前なのでキャラが掴めてませんが、主人公の座敷童の為人は分かったような気がします。
 全体的に軽妙で、会話劇としてよく出来ているという印象ですな。ただ、よくあるパターンと言えばよくあるパターンなんで、他のキャラも絡んでくる本編がどんなものか楽しみにしたいと思います。

『踊る星降るレネシクル あなたが触りたいのは可愛いほっぺですか? それともメロンなあべしですか?』

 すまるとレンヤの日常の一幕。ただし、乾の入れ知恵付き、というそんな御華詩。
 なんでしょう、本来すまるの魅力をどうこうというべきなんでしょうが、乾が期待を裏切らなさすぎてもう乾の印象しかありません。まぁ、手堅い印象ですな。


 とまぁ、本当ざっとですがこんなところで次は碧天舎版を先日ゲットした『私の優しくない先輩』です。

灼眼のシャナⅩⅩ

 高橋弥七郎・著、いとうのいぢ・イラスト、電撃文庫。
 8月9日(月)読了。

 遂に復活を遂げた"祭礼の蛇"。
 そして為される『大命宣布』。
 それはフレイムヘイズ陣営に多大なる衝撃をもたらした。
 かくして追い詰められたフレイムヘイズ兵団は体制を立て直すべく、撤退を開始するのだが......

 ここにきて"蛇"の真意が見え、いよいよラストが見えてきましたねぇ。
 立場が違えば見えるモノが違う、そんなことが描かれていた御華詩でもあったように思えます。
 長い長い戦いも、恐らくは次のエピソードで恐らくラスト。
 果たしてどういう結末を迎えるのか、楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『第2回GA文庫大賞受賞作家アンソロジー ふれっしゅ!!』です。

とらドラ・スピンオフ3! 俺の弁当を見てくれ

 竹宮ゆゆこ・著、ヤス・イラスト、電撃文庫。
 8月6日(金)未明読了。

 高須竜児には野望があった。
 ひょんなことから家政夫のごとく家事を代行することとなった大河の家。
 そこには、竜児の家では想像も付かない最新式の斜めドラム式洗濯機があった。
 その洗濯機でお気に入りのパンツを洗ってやろうという野望だ。
 かくして、チャンスが訪れる。
 バレたらどうなるか知れたものではない。
 果たして、竜児は無事にパンツの洗濯を終えることができるのか......

 表題作は単体で別記事として上げたので二本目の短編『とらとら!』から。
 そんな訳で、今までの未収録短編を網羅した最後の『とらドラ・スピンオフ』でした。
 大分間は開いてますが、やっぱり、いい空気のある作品世界ですねぇ。
 色々なコンセプトモノもあってパラレルワールドやらファンタジーやらが介入してたりもしますが、それはそれで。
 特に『不幸のバッドエンド大全』の亜実がバッドエンドといいながら「あれ? 土俵に上がれてるからこれってハッピーエンドじゃ?」と突っ込んでみたり、よく考えたら気まずいままだった能登と麻耶の後日譚『ラーメン喰いたい透明人間』の二本が印象的でした。

 てなところで次は『灼眼のシャナⅩⅩ』です。

バッカーノ! 1710 Crack Flag

 成田良悟・著、エナミカツミ・イラスト、電撃文庫。
 8月4日(水)未明読了。

 ロットバレンティーノの街に、一人の詩人にして劇作家、ジャンピエールという男が居た。
 彼は、様々な縁によって後に『不死者』となる者達と出会う。
 特に、その中の一人と出会ったことで彼の名声は一気に上がることとなる。
 だが、それが後に贖えぬ罪となることに、彼はまだ気付いていなかった......

 ジャンピエールの残した手記の形で紡がれる、ロットバレンティーノ時代のヒューイとエルマーを中心とした物語。
 この頃のヒューイは興味深いですねぇ。まだまだ不死者になっていませんが、この経験がヒューイがあんな風になった大きな要因でもあるようですな。まぁ、こんな風に過去の話ながら、現代の黒幕の御華詩とも取れるのですがね。
 また、彼らが不死者になる、あのアドウェナ・アウィス号の事件は次で語られるようなので楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『とらドラ・スピンオフ3! 俺の弁当を見てくれ』です。

前略。ねこと天使と同居はじめました。

 緋月薙・著、明星かがよ・イラスト、HJ文庫。
 8月1日(日)読了。
 第四回ノベルジャパン大賞銀賞受賞作。

 五月連休の前日。
 高校教師の水上悟は残業を終えて帰路の途中、ダンボールに入った『ソレ』を拾った。
 白、黒、白黒、三匹の子猫と。
 白いTシャツ姿の、女の子。
 こうして、悟に家族が増えることになったのだが......

 ふむふむ、比較的ありがちな御華詩ではあるのですが、エンターテインメントらしい、笑いあり涙ありのええ御華詩って感じですな。ちょっとばかし前半エ●ネタに頼りすぎてる嫌いはありますが、まぁ、掴みとしては已むを得ない部分かもしれませんね。それでいて、最後には提示された伏線が綺麗に収束させて、綺麗なオチが付いてるのはいいですねぇ。その辺りが評価されての受賞、でしょうか。それとも、エ●枠?
 とまぁ、最後の冗談はさておき、デビューおめでとうございます。

 てなところで次は『バッカーノ! 1710 Crack Flag 』です。

狂乱家族日記 拾参さつめ

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 7月31日(土)読了。

 第七天獄《セブンスヘブン》の決着の後、『鬼ヶ島』は群雄割拠の体を示していた。
 そんな中、家族と離れ離れとなった凰火は、優歌、小紅、死神三番と狭いながらも領地を確保して暮らしていた。
 平穏に日々を過ごしながらも情報を集め各勢力の配置を掴んだ頃、離れ離れとなった家族を捜すため、凰火は動き始めることを決める。
 そうして動き出した彼らが最初に向かったのは......


 『裏社会編』完結! これは、狂乱家族の中で唯一過去との柵が解決していなかった銀夏の物語でもありました。
 銀夏を捉えていた過去は現在に追いつきます。これで、ようやく彼も狂乱家族の一員となった、そんな御華詩。
 詳細を語るは無粋ですが、本当、今まで積み上げた家族の絆が美事に繋がった、そんな御華詩でもありました。こういうところに日日日らしさを感じます。何気に『鬼ヶ島』の理念も深いですしねぇ。悪とは何か? 悪はどう世界と向き合えばよいのか? そんな問いに平和な解決を付けようという試みでした。
 これで、家族全員が過去を乗り越えたことになり、次回からいよいよラストエピソード『地下帝国編』の開幕。もう、最後まで目を離さず読み続けたいと思います。

 てなところで次は『前略。ねこと天使と同居はじめました。』です。

退出ゲーム

 初野晴・著、角川文庫。
 7月28日(水)読了。

 わたしはこんな三角関係を絶対認めない。
 高校生になって九年ぶりに幼馴染みのハルタと再会したチカ。
 とある事情で引きこもるハルタを引きずり出したのは、彼の明晰な頭脳を借りるため。
 時は文化祭前。
 毎年ジョークで届く文化祭中止を求める脅迫状が、今年は洒落にならない自体となっているようで......

 久々にミステリに回帰。青春ミステリという煽りに引かれて読んでみましたが、これは大当たり。
 根底には、吹奏学部の部員を増やしてコンクールの大舞台を目指すという分かり易い目的があり、事件が解決すると部員が増えるという全体を通してのテーマを持つ、連作短編。学園モノとして取り扱われるのは一癖も二癖もある学生達が繰り広げる事件の数々であり殺人事件は起こりませんが、基本は本格。日常に紛れ込んだ謎が意外性を持って解決されるカタルシス。特に、最後の『エレファンツ・ブレス』の後半はぞくっとしましたねぇ。こういう驚きがミステリの醍醐味ですな。

 と、やっぱりミステリが好きと確認しながらラノベに戻り次は『狂乱家族日記 拾参さつめ』です。

ささみさん@がんばらない2

 日日日・著、左・イラスト、ガガガ文庫。
 7月27日(火)未明、読了。

 諸々の乱痴気騒ぎを経て引きこもりを卒業し、学校へと通い出した月読鎖々美。
 だが、少し疲れが出てきていた。
 そうして帰宅した自宅の兄の部屋で見付けた謎のDVD。
 好奇心に釣られて再生したそのDVDには、覚えの無い自分の姿が......

 何だか緩いようなシリアスなような日本神話をベースとした御華詩第二弾。
 三部構成でどれもテイストが違うという実験的な御華詩でもありますが、このラストは良いですねぇ。日日日はやっぱりこういうノリじゃないと。第二部以降はシリアスな感じですが、物凄い重いテーマをオブラートに包んでさらっと描いてるのは美事。まぁ、これでもキツイと感じる人もいるかもしれませんが(;^^) やっぱり日日日作品の魅力は人と人の絆だなぁ、と再確認した気分でした。

 てなところで次は突発的に購入した『退出ゲーム』を先にやっつけます。

末代まで! LAP2.丑三つトライアングル

 猫砂一平・著/イラスト、角川スニーカー文庫。
 7月24日(土)読了。

 見えるということが切っ掛けとなり、老婆走の世界に足を踏み入れた『心霊研究院三号童子』。
 だが、彼には自分の老婆が居なかった!
 本格的に老婆走を始めるに当たって、先ずは老婆を手に入れなければならない。
 そうして、三号は夜の寂れた道を訪れる。
 そこには、タクシー運転手を震え上がらせたババアが居るという......

 レースの道具立てを上手く幽霊やらに置き換えた御華詩第二弾。作者が一番祟られそうですが、幽霊達と人間の価値観の違いやらが面白いですな。今回、三号は老婆走の道を大きく踏み出すことになりますが、そこにお岩と花子の悪霊心(?)が絡んだりしてきます。ちょっとばかり語り部の三号の鈍さ加減が青臭く感じたりもしつつ、それはそれで楽しめました。次も、そろそろ出る頃ですな。
 てなところで次は『ささみさん@がんばらない2』です。

全死大戦2~少女覚醒~

 元長柾木・著、 BUNBUN ・イラスト、角川文庫。
 7月18日(日)読了。

 『敗北鑑定』の能力を持つ荻浦嬢瑠璃は飛鳥井全死の奴隷である。
 出会いの後、行方不明扱いとなっていた彼女は、主の命により復学する。
 主の意図を把握できずに戸惑いながらも、勝利者の王国を気付くべく日常を過ごす嬢瑠璃。
 そうして、彼女が辿り着いたのは......

 単行本『荻浦嬢瑠璃は敗北しない』の加筆修正による文庫化。
 この世界観に触れるのは、やはり刺激的でした。自走性システム、内面化の否定、可能性マトリクスなどなど、登場する概念も前巻に比べて更に分かり易くなっていますし。まぁ、相変わらず大仰な表現なだけで大したことないんですがね、嬢瑠璃の言ってることって(;^^)
 こうして、文庫化されたのを機に続刊が出ると期待しつつ、続きを待ちます。

 てなところで次は『末代まで!  LAP2.丑三つトライアングル』です。

全死大戦1~サイレント・プロローグ~

 元長柾木・著、 BUNBUN ・イラスト、角川文庫。
 7月13日(水)読了。

 平穏を重んじ、日々のルーティンをこなすことを幸福とする香織甲介。
 彼のルーティンには、しかし、殺人が含まれていた。
 特に理由無く、習慣としての殺人を繰り返す。
 そんな彼に、安全な対象を提示する飛鳥井全死。
 ある日のルーティンの帰り道。
 電車に乗り合わせ全死に見初められた為に、一人の少女が塗り替えられ......

 『飛鳥井全死は間違えない』の加筆修正を加えた文庫化。
 既に、単行本は既読ですが大分記憶が古くなっていたのでここで補完できたのは有り難いことです。
 やはり、私の性分には合いますねぇ。物語でもキャラクターでもなく、正にこの作品の文脈《コンテクスト》が。
 恐らく、この場合のコンテクストは文脈という字義よりも、 Web アプリケーションなんかの Context に近いんでしょうねぇ。
 そう捉えれば、システマティックに解釈も可能でしょう。まぁ、メタテキストの書き換えをインジェクションのすり替えのように捉えたりとかはちょっと格好を付け過ぎて微妙なんでしょうが、そういった思考実験的な楽しみがありますな。
 まぁ、そんな内容であるが故に、可成り人を選ぶ作品だとは思いますが、私は存分に楽しめる作品でありました。

 てなところで引き続き『全死大戦2~少女覚醒~』です。

無限のリンケージ3~レディ・フェンサー~

 あわむら赤光・著、せんむ・イラスト、GA文庫。
 7月10日(土)読了。

 強豪ディナイスとの闘いを通して調子を上げたラーベルトは、一部リーグで快進撃を続けていた。
 そんな折り、次の対戦相手が突如変更となった。
 何とその相手はラーベルト同様、飛び道具を用いずに機動性を重視した近接戦闘型の剣士だった。
 しかも、その相手は、ラーベルトのチームのメンバーとなにやら因縁があるようで......

 いやいや、1巻1戦という形、良いですな。試合を軸にしつつも、それに絡む人間関係が面白い。それを通して、サクヤの成長が描かれてますし。今回の彼女の活躍は、やっぱり今までの積み上げの結果なのでしょうねぇ。
 そして、本編に絡まなくても存在感のありすぎるディナイス。流石です。こういう魅力的なおっさんキャラがいるのはいい。今後も、活躍してくれそうですし。次も確定しているようですし、発売を楽しみにします。

 てなところで次は『全死大戦1~サイレント・プロローグ~』です。

月見月理解の探偵殺人2

 明月千里・著、 mebae・イラスト、GA文庫。
 7月9日(金)未明読了。

 都築初の所属する放送部に突如現れた新入部員。
 星霧交喙というその下級生は、親友の仇を追っているという。
 そして、その仇『ドッペルゲンガー』と呼ばれるスパイが他ならぬ姉の花鶏であるらしい。
 奇しくも『ドッペルゲンガー』を月見月理解も追っていた。
 彼女に逆らえない初は交喙に協力しつつ情報を得ようとしていたのだが......

 ふむ、相変わらず評価が難しいというか、しんどい作品ですな(;^^) まぁ、ミステリとしては露骨にアンフェアなんですが、そこは本格として読もうとする我が身の持病とも言えましょう。真相は予想の範疇というかバレバレなのを、アンフェアな方法で覆い隠していて、最後までその確認作業って印象でした(;^^)

 ただまぁ、大がかりな舞台装置を用いた殺人ゲームも、その解決の顛末も、結局は新ヒロインの星霧交喙を活かすためだけの舞台装置に過ぎないと考えればまぁ、理解(字義通りの意味です)は出来るんですがね。読者に推理させる気はあんまりないんでしょうねぇ......

 まぁ、なんだかんだ言いながら続きが出たら読むんですがね(;^^)

 てなところで次は『無限のリンケージ3~レディ・フェンサー~』です。

神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS 6

 榊一郎・著、神無月昇・イラスト、GA文庫。
 7月5日(月)読了。

 世界に危機が迫っていた。
 〈嘆きの異邦人〉は遂にその悲願を達成するための道具を手に入れた。
 そんな危機に立ち向かうのは、若き神曲楽士達。
 ユフィンリー、レンバルト、フォロン、ウォルフィス、ミゼルドリット、そして、コーティカルテ。
 三人と三柱は〈嘆きの異邦人〉の本拠地へと向かう......

 学生編、完結! まぁ、後日譚がキネティックで出てますが、おまけの短編で社会人編に突入、ということでしょう。
 エンターテインメントらしい王道展開でラストを迎えましたねぇ。キネティック読んでりゃもっと早くに辿り着いた結末ですが、こうして本で読んだのだからそれでよし。ただ、全部読んでる別シリーズの絡みで偶然見たサイトでこのラスト近くのサプライズを知っていたのだけが残念...... 知らなかったら狂喜乱舞だったのですが、色んな意味で(;^^)
 まぁ、ポリフォニカ世界はまだまだ続くので今後も楽しんで行きたいと思います。

 てなところで次は『月見月理解の探偵殺人2』です。

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! addon シルバーブレット1

 田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
 7月4日(日)読了。

 年頃の妹に日々いいように弄られる秀之。
 彼は人知れずこの世界に秘められた仕掛け『フェアリーテールシステム』について探っていた。
 いつも通り、ピンチに陥ったヒロインを救いに駆けつけたとき、驚愕の事態に直面する。
 なんと、そのヒロインの手を取り、共に追ってから逃げていたのは、秀之の妹、愛子で......

 二ヶ月連続刊行おめでとうございます。そんな好調な『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!』外伝開幕、ですな。

 『ゲーム世界の現実への投影』という思考実験的な内容に、根拠を与えるための外伝シリーズ、といったところですね。高橋兄の視点のもと、本編では描かれない舞台裏に注力した、そんな御華詩。
 『ゲーム世界の現実化』という部分をヒロインの投影に注力してギャルゲー的な展開とその先を描くのが本編なら、こちらは、そういったギャルゲーで登場する様々な異能を利用しての能力バトル的な外伝、とも言えますね。時々、本編に登場した名前がちらほら出てきたりして、ニヤリとさせられるサービスもあったり。もう一つの見方としては、本編では中々活躍出来なかった高橋さんに脚光を浴びせる御華詩とも言えますな。彼女の背負っているモノも描かれたり、今後の伏線は色々と登場しています。

 恐らく、このシリーズと本編が合流した所で世界の謎もはっきりしそうなんで、どう落とすか? 双方の続きを楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS 6』です。

純愛を探せ!4

 速水秋水・著、玲衣・イラスト、 GA 文庫。
 6月30日(水)読了。

 魔界に紛れ込んだ一人の人間。
 記憶を失った彼に語りかける謎の魔族。
 『語り手』と名乗り、人間に語り聞かせるのは一人の魔神を巡る物語。
 そう、魔族でありながら、しかも、虚言と姦淫を司る身でありながら、純愛を求めた魔神の物語。
 その魔神は、カルマと言って......

 タイトルに偽りなくエロゲ風味のテイストも交えつつ魔神と純愛のミスマッチを描く今作も遂に完結! 魔神カルマが最終的にどうなったのか? それは読んでのお楽しみです。
 連作短編形式での最終巻ってどうなんだろう? と思ってたんですが、色々と描けなかった部分を補足しつつ綺麗に話を纏めていてすっきりした読後感でした。まぁ、何か、カルマ以外の魔神達がよく動いていてそいつらの活躍をもっと見たくなったのは悩ましい所ですが(;^^) でも、この心地よい読後感はよいですな。

 てなところで次は『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! addon シルバーブレット1』です。

ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚 魔法の材料ございます3

 葵東・著、蔓木鋼音・イラスト、 GA 文庫。
 6月29日(火)読了。

 赤熱病の際に手助けを貰ったリリアーナ王女の成人の儀にモーリアの町に招かれたシャルト。
 サシャも連れて二人訪れたその町は水の都。
 出迎えたリア=メイに引っ張られる形で海にいったりバカンスとなるかと思いきや、不穏な空気を察知する。
 なにやら、この町を舞台に悪しきことを企てる輩がいるようで......

 何か今回は仕入れに苦労はしていない気がするんですが、そんなシリーズ第三弾。
 ファンタジーの世界設定に現実世界の設定を上手いこと融合させてたり、魔法使いと一般人の対立やら世界観もしっかりしてて、話も面白いんですが、やっぱり前巻同様、面白かったけれど何か違和感があるような、そんな読後感。個人的な趣味嗜好の問題ですが、どうにもすっきりしませんねぇ...... まぁ、次に期待です。

 てなところで次は『純愛をさがせ!4』です。

爆熱天使Xサン 見さらせ正義の一番星!!

 日日日・著、 TNSK ・イラスト、角川スニーカー文庫。
 6月26日(土)読了。

 かつて、世界は圧倒的な力を持つ<正義の味方>に侵略されていた。
 だが、彼らを統べる<正義機関>が崩壊した時、悲劇は幕を開ける。
 機関の崩壊は、機関から供給されていた<正義の味方>の命の源である<聖氣>の枯渇を意味する。
 そうなれば、<聖氣>を得る術はただ一つ。
 他の<正義の味方>から奪う。
 かくして、地球上では<正義の味方>同士の共食いが始まった......

 日日日の新作のテーマは<正義の味方>。
 お約束を交えつつも、破滅的な世界観で破滅的な闘いを繰り広げる痛快アクションでありますな。余り難しいことは考えず、細かいことは突っ込まず、そういうものだと受け入れてどっぷり浸かって楽しむのが吉、そんな作品でした。
 でも、タイトルキャラのXさんよりも、婦警さんが格好良すぎて困ります。なんだ、この懐かしいヒーローの匂いは。ある種のノスタルジーとも言えるカタルシスを感じます。もう、2作目も企画に入ってるようなんで次も楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚 魔法の材料ございます3』です。

"文学少女"と恋する挿話集《エピソード》3

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 6月23日(水)読了。

 "文学少女"天野遠子に思いを寄せる柔道部の牛園。
 遠子先輩から逃れようと画策する心葉は牛園と遠子先輩の仲を取り持つことに。
 果たして、『牛魔王』と呼ばれた牛園に賞賛はあるのか?
 どうにか遠子先輩の好きな本を牛園に読ませて話の端緒としようとするのだが......

 牛園先輩再びな御華詩に、メイドの御華詩、夕歌と毬谷先生の御華詩、そして、その後の竹田さんの御華詩。
 時間が行ったり来たりしていますが、この世界を味わえることが素直に嬉しいですねぇ。特に夕歌と毬谷先生に絡んだ御華詩は歌に携わっているだけにより身近に感じられる部分もあったり、竹田さんは個人的に物凄い感情移入できるキャラなんで心に染みたり、400ページ近いボリュームで楽しませて貰いました。次は見習いですねぇ。そちらも楽しみです。

 てなところで次は『爆熱天使Xサン』です。

オルキヌス4 稲朽深弦の調停生活

 鳥羽徹・著、戸部淑・イラスト、 GA 文庫。
 6月20日(日)読了。

 オルキヌスに配属された新人だった深弦も自力で実績を重ねつつあった。
 だが、師匠である秋永壱里の不在がバレると強制的に任を解かれる状況に変化は無い。
 協会をどうにか誤魔化して事務所に戻った深弦は、突然の来訪者に唖然とする。
 彼女が開いた扉の前に立っていた女声。
 それは、秋永壱里に他ならなかった......

 神獣住まう島での血なまぐささのかけらもないゆるい調停の物語、これにて完結。
 いやはや、この緩い空気は読んでて癒されるのでちょっと寂しいモノがありますねぇ。
 全体としては、深弦の成長が上手く描かれていたと思います。特に、今回のラストエピソードはいいですねぇ。定番とは言え、心地よいラストでした。
 この物語の根幹をなす調停=会話のテンポは大好きだったので、この作者が次にどんな御華詩を書くか楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『"文学少女"と恋する挿話集《エピソード》3』です。

狂乱家族日記 番外そのろく

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 6月18日(金)未明読了。

 山口聖は焦っていた。
 それは、些細な事件。
 弟の清が、急に友人の恋の相談をしてきたのだ。
 微笑ましいことだと見守るかと思いきや、聖は狂乱する。
 そう、彼女は弟を溺愛していて......

 とまぁ、こんな感じで千花の学友達の御華詩メインでした。
 何でしょう、それぞれの視点で語られる聖と静の話は中々新鮮でした。しかし、すっかり黒いのが当たり前になった優歌とか親バカというかバカ親が板についてきた凰火とか...... 短編集だと時間軸も行ったり来たりなので発見もありますな。
 でも、それでも変わらない凶華様はやっぱり最強なんでしょうね。

 てなところで次は『オルキヌス4 稲朽深弦の調停生活』です。

生徒会の火種~碧陽学園生徒会黙示録

 葵せきな・著、狗神煌・イラスト、富士見ファンタジア文庫。
 6月16日(水)未明読了。

 碧陽学園の生徒会。
 その、特殊なシステムの成り立ちにも理由があった。
 それは、かつて碧陽学園にくすぶった一つの火種の末路。
 偶然、その秘密を知ってしまった知弦と鍵は......

 まぁ、多分、間違ってはいない。
 番外編と言うことで鍵のクラスメート達の活躍ありの御華詩。
 中目黒君はどんどん真冬好みになっていたり守の扱いはどんどん悪化したりする中、巡はちょっと良い感じの役回りでしたねぇ。そして、生徒会のシステム誕生秘話はよい御華詩でした。こういうのがあるのが侮れませんな。それと、真冬の話も内容はともかく真冬にとってはちょっといい御華詩。残念な子から少しは持ち直した...... かは別問題ですね。

 てなところで次は『狂乱家族日記 番外そのろく』です。

破小路ねるのと堕天列車事件

 木戸実験・著、山本ケイジ・イラスト、スマッシュ文庫。
 6月14日(月)読了。

 妄想癖のある文学少女の破小路ねるのに告白し、彼氏彼女の関係となった砂島直也。
 ぎこちなくも、休日の初デートを終えた夜、二人の学校に不可解な事件が起こる。
 校舎に電車が突っ込んだのだ。
 それだけなら、脱線事故とも思えるが、学校は最寄りの線路から1キロ以上離れている。
 それ以前に、その電車はまるで天から降ってきたように屋上からまっすぐ校舎に突き刺さっていたのだった......

 ライトノベル的なミステリを意識的に書いた作品と言うことで興味深く読みました。
 まぁ、なんというか、ちょっと詰め込み過ぎな気もしますが、話としてはどうにか辻褄はあっていたように思います。ミステリの定番とも言える素人達の推理合戦とかもツッコミ所が多過ぎでしたし、そもそも真相がアンフェアもいいところですが、それ故のライトノベルなのでしょうね(;^^)

 てなところで次は『生徒会の火種~碧陽学園生徒会黙示録3』です。

プシュケープリンセス3

 刈野ミカタ・著、萩原音泉・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月14日(月)読了。

 幻想世界《プシュケー》の『王位争奪戦』を大詰めを迎えていた。
 火ノ見はテュエッラの意見を受けて遊園地を訪れる
 人が多い場所であれば敵を見付けられる可能性が高いということだった。
 だが、当然本音はそんなところには無かったのだが、空気を読まない火ノ見は舞やセレネも同行させる。
 機嫌の悪いテュエッラと二人で話そうと舞とセレネと分かれたのだが、そこでテュエッラは妙な『縁《イデア》』を感じ取る。
 その発生源である学校へ二人は向かったのだが......

 『幻想世界』の代理戦争を『現象世界』にて行うシリーズ三作目にて無事完結。
 舞台を限定して可成り小さく纏めた感はありますが、急ぎ足ながら決着は付けられたように感じます。まぁ、特に急いだと感じたのは火ノ見のデレだと思いますが(;^^) 女性キャラより、この主人公の設定が面白かったなぁ、と個人的には思います。
 まぁ、プラトンをまともに勉強した人間にはこのギリシャ哲学に登場する用語の使い方に違和感があったりするんですが、そこを突っ込むのは無粋でしょうな(;^^)

 てなところでようやくMFのストックが終了したので次は『破小路ねるのと堕天列車事件』です。

ラグナ・クラウン3

 三門鉄狼・著、白田太・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月12日(土)読了。

 『ベイカー』でのマリアを巡る事件解決後、唐突にマキアート学院に転入生が現れた。
 それは、なんと王女、セヴィリアだった
 『ベイカー』での一件を受けての潜入調査を目的ということだがどうにも行動は微妙だ。
 そうしてロック達との学院生活を始めたセヴィリアではあったが、程なく、新たな転入生が現れる。
 誰有ろう、薔薇の女王。
 かつて、セヴィリアが滅ぼした筈の彼女が何故現れたのか?
 敵対する意志はないようなのだが......

 王道ファンタジー、これにて完結、ですな。面白くなってきた所だったのでちょっと残念な気もします。
 馬鹿だからこそ、余計なことに惑わされず間違えないロックや、恋心と王女の間で揺れるセヴィリア、そして、『ベイカー』の一件でロックを意識し始めたマリア、とキャラ配置が整ったところでしたからねぇ。でも、その辺りの関係を一冊で可成り強引ではありますが派手に消化して終わったのは良かったと思います。その傍らで、ベタながら人間の業とか、結構深いテーマもあったようにも思います。まぁ、次回作に期待、ですかねぇ。

 てなところで次は『プシュケープリンセス3』です。

みにくいあひるの恋3~ロボットは待ちくたびれた~

 日日日・著、みことあけみ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月11日(金)未明読了。

 『人魚島』での事件の後、陀衣はあひると距離を置き、『妹』の茜子の側にいることにしていた。
 茜子は映画研究会で文化祭に向けて制作する映画の脚本を担当していた。
 かつて、閏高校であった悲劇を元にしたその映画の撮影を巡り、映研副部長の黄梨花は『三大美少女』の投入を考える。
 そうして、半ば強制的に再びあひると近付いた陀衣は......

 恋が現実に死に至る病だったらどうなるか? そんな思考実験とも言える『恋の病』を巡る物語第三弾。
 今回は、陀衣とあひるを絡めつつも、茜子の親友吟とその兄である風太を中心とする御華詩でした。ただ、そのもって生き方が壮絶というか何というか、可成りえぐい展開でした。まぁ、それも日日日の持ち味の気もしますが、今回はラストがラストだったんで、これをどうハッピーエンドに持って行くのか、楽しみなような怖いような、そんな感じです。

 てなところで次は『ラグナ・クラウン3』です。

ゴミ箱から失礼いたします3

 岩波零・著、異識・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月9日(水)読了。

 『妖怪ゴミ箱男』となった小山萌太は人間に戻るチャンスを掴むも、諸々の事情により戻れないでいた。
 そんな彼が彩音とデートをすることになったところ、何故かそこに現れる氷柱と沙紀。
 なし崩し的に四人で行動することになるが、そんな女性陣の行動の意味を計りかねる萌太。
 そんな彼の鈍さが、やがて取り返しの付かない方向に向かって......

 ゴミ箱に入った少年を巡るラブコメ、第三弾。うん、多分これで間違っていないはず。
 何というか、彩音が不憫であったりしますが、今回は表紙にも登場して大分キャラに勢いが付いてきましたねぇ。
 一方では氷柱も色々と分かり易くなってきてたりしつつ、今回の一件で何がどうなるのか、楽しみなところですな。まぁ、その氷柱を巡るあれこれは、可成りばかばか強い展開ですがそれが通るのは持ち味ですねぇ。

 てなところで次は『みにくいあひるの恋3~ロボットは待ちくたびれた~』です。

かぐや魔王式!第7式

 月見草平・著、水沢深森・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月9日(水)未明読了。

 ハラグロこと錦織の生徒会入りが決定し、また、アイドルマスターという新たな仲間も入り順風満帆に見えた『新世界構築会議』。
 しかし、その矢先に輝夜が学校へ来なくなってしまった。
 その理由を探るため、初めて自ら会議を招集するハラグロ。
 そうして、輝夜の家を訪れた『新世界構築会議』のメンバー達は衝撃の事実を知る!

 今回は、輝夜と、生徒会長&舞の二編の中編でありました。まぁ、話的には繋がってはいるんですが。
 しかし、何というか、錦織が回を重ねる毎に駄目なキャラになってますねぇ。もう、周囲の女性陣に弄られるのが板に付いてきてますし。新メンバーのお陰で拍車が掛かった気もします。でも、一番怖いのは多分、米倉さん。これですっかり『新世界構築会議』のメンバーの立ち位置も出来上がって分かり易くなりましたねぇ。で、それが、今回のラストを受けてどう動くのか? 次は修羅場の予感ですな。

 てなところで次は『ゴミ箱から失礼いたします3』です。

聖剣の刀鍛冶《ブラックスミス》9

 三浦勇雄・著、屡那・イラスト、MF文庫J。
 6月7日(月)読了。

 着々と復興が進む独立交易都市。
 年越しの祭で一時の幸せを味わったのも束の間、一人の刺客が都市へと迫っていた。
 そして、セシリーと別行動を取っていたアリアが偶然鉢合わせ攫われてしまう。
 かくして、セシリーはアリア奪還のため、一路敵地へと赴くのだが......

 気が付けばもう9冊目ですねぇ。セシリーがどんどんと成長する中、ルークがリサが、そしてアリアが色々と失っていきます。
 それでも、セシリーならなんとかしそうな、そんな熱さはやはり心地よいですねぇ。色んなピンチが押し寄せてくる中、それらがどう打破されていくのか? ここからは見所が沢山ありそうです。素直に続きを楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『かぐや魔王式!第7式』です。

ダブルアクセス2

 樋口司・著、のりたま・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月6日(日)読了。

 相変わらず貧乏生活中の桃井兄妹。
 夏を控えてクーラーを導入する費用も無く厚い日々を過ごす中、巧の元に仕事のメールがやってきた。
 今回は、少し毛色の違う探索系のクエストだった。
 厄介なクエストと言うことで巧と栞は仲間を捜して臨むのだが......

 仮想世界を舞台としたネットゲームと現実の交錯する御華詩第二弾。
 今回は謎解きというかクイズ要素満載でした。まぁ、知識問題以外は簡単だったのですが頭の体操には良い感じですな。
 その裏では、妹やら弟やらが動き始めていたり物語も動いていましたねぇ。そして、この引きだと次が気になって仕方がありません。なので、次を楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『聖剣の刀鍛冶《ブラックスミス》9』です。

天川天音の否定公式4

 葉村哲・著、ほんたにかなえ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月6日(日)読了。

 長月学園では学園祭が近付いていた。
 準備が慌ただしい日々の中、雪道を囲む女性陣はそれぞれに動き始める。
 告白を決意した瑛子。
 自分の気持ちに気づき始めた天音。
 そして、領域の動きを察知したシロコ。
 一方、少女達の思いをよそに御堂叶流も暗躍し......

 様々な『式』を巡る物語も第四弾。一応、決着なんですかねぇ。
 ラブコメ的な要素もありながら、繰り返す闘いなど神話的な要素を秘めつつ、全体的には殺伐とした空気が流れていて内包している雰囲気はよいですな。今回のクライマックスは中々容赦ない展開で素敵でした。
 また、この作品は御堂叶流のあり方の物語だったようにも思います。彼女の動機は興味深いものがありますねぇ。

 そんなところで次は『ダブルアクセス2』です。

まよチキ!3

 あさのハジメ・著、菊池政治・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月5日(土)読了。

 ジローは通学途中、漫画のようにトーストを加えた女の子と衝突しました。
 ただ、ちょっと違ったのは、その女の子は原付に乗っていたのです......
 そんな形でスバル様のファンの少女、宇佐美マサムネと出会ったジローは、彼女の謀略により近々開かれる学園祭まで恋人の振りをすることになった。
 ジローは先にスバルと学園祭を回る約束をしていたのだが、それも保護にせざるをえない。
 そんな事情を知らないスバルは傷ついて......

 早々のコミカライズが決まった男装執事とチキンヤローのラブコメ話第三弾!
 うん、この手のシリーズでどうしても陥るとおりジローの鈍さはもどかしいですな。でも、大分スバルは素直になってきた感じです。そこに、今回の新キャラ、宇佐美マサムネも絡んで、今後は更に盛り上がりそうですねぇ。
 で、もう一人の新キャラの鳴海ナクルは...... うん、素晴らしいキャラですね。でも、『パンがなければメガネをかければいいじゃない』って物凄く聞き覚えのあるフレーズなんですがこれって偶然??

 とまぁ、そんな感じで次は『天川天音の否定公式4』です。

緋弾のアリア6~絶対半径《キリングレンジ》2051~

 赤松中学・著、こぶいち・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月3日(木)読了。

 イ・ウーとの闘いが終わった直後。
 急速にキンジとの距離を詰めてきた少女がいた。
 彼女の名はレキ。
 天才的なスナイパーの彼女は、キンジのモノとなることを望むのだが......

 イ・ウーとアリアの因縁が決着し、新展開を迎えた第1巻。
 ここからはレキの物語と予告されていたとおり、彼女とキンジの物語となっています。アリア...... 不憫だ。
 正直、展開自体はベタベタなんですが、見せ方が上手いですねぇ。最後の最後のオチも今回のシリーズに深く関わってくる情報を端的に示してますし。何はともあれ、次が楽しみです。

 てなところで次は『まよちき!3』です。

荒瀬はるか、容赦なし!3

 熊谷雅人・著、魚・イラスト、 MF 文庫 J 。
 6月2日(水)読了。

 クリスマスが近付いていた。
 竜弥達の住む地域では『ホワイトツリー』と呼ばれるスポットを男女が手を繋いで一回りすると幸せになれるという噂があった。
 そんなホワイトツリーにはるかは竜弥を誘う。
 何か裏があるのではないかと辟易とする竜弥であったのだが......

 退魔師名門のおちこぼれ少年と、天才的な退魔術の使い手ながら末端の家の出の荒瀬はるかによる退魔の物語、これにて完結。
 う~ん、最近は3冊進行みたいですが、ちょっと物足りないというかこれからって感じだっただけに寂しいですねぇ。はるかのキャラ付けは秀逸だったように思うんですが、それがここにきて活きてきただけに勿体ない印象は否めません。次回作に期待ですねぇ。

 てなところで次は『緋弾のアリア6~絶対半径《キリングレンジ》2051~』です。

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc5

 田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
 6月1日(火)読了。

 世界の改変からどうにか復帰した後のこと。
 咲の様子がおかしかった。
 武紀はどうにかして彼女の悩みを知ろうとしても上手くいかない。
 理恵や周囲の協力を得ても、結局その悩みは解らなかった。
 そうこうする内、咲の身に大変な事態が降りかかって......

 ゲーム世界の現実投影、という題材から、メタな存在によるSFチックな流れとなってきたシリーズ5冊目。
 今回は、ゲームのことよりもSF的なノリが特に印象的でした。これは、メタな世界が大分形を明確にしてきた空なんでしょうね。『エターナルイノセンス』などの特定のゲームではなく、『現実』と『虚構』の関係として抽象度が一つ上がったというか、そんな感じですね。なので、内容的に特定のゲームに繋がったりはしませんでした。まぁ、全然違うレイヤーで某キャラのネーミングで『らぶデス』を思い出しましたがわからないならわからないでいい。
 大分、この作品世界の真実に向かって情報が開示されてきて色々と推理を巡らせる段階に来ましたが、まぁ、素直に続きを楽しみにしたいと思います。来月には外伝も出るようですし、そちらもヒントになるでしょしね。
 あと、高橋さんの存在の意味が大きくなったようにも思います。彼女の立ち位置もこなれてきていい感じです。

 まぁ、そんな感じで、5巻発売&順次刊行おめでとうございます。好調ですねぇ。

 てなところで、次は『荒瀬はるか、容赦なし!3』です。

ごくペン!3

 三原みつき・著、相音うしお・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月31日(月)未明読了。

 毒マムシ学園の建て直しは順調に進んでいた。
 だが、立て直し以前から在学している卒業間近の三年生は学生らしい体験を全くしていない。
 そんな彼らのために、凛子は〈毒マムシ学園のアツイ冬〉を企画する。
 それは、林間学校・スキー教室・修学旅行・卒業旅行を兼ね備えた一大企画。
 学園の生徒縁のホテルに安く泊まれると、津軽海峡を目的地に毒マムシ学園一同は旅立つのだが......

 はぐれものの学校を『極道』で立て直す、そんなテーマの作品もこれで完結。
 まぁ、途中でまとめに入ってるのが感じられましたが、やっぱり色々とストレートに言いたいことが伝わってきて心地いい御華詩です。そして、オチも秀逸です。この1冊で主要なキャラは一通りその課題に決着を付けてますし、まだまだ毒マムシ学園は躍進を続けるのだろうなぁ、と感じられる、そんな御華詩でした。
 ......でも、もうちょっと読みたかったなぁ、というのが正直な所。

 てなところで次は『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc5 』です。

烈風《かぜ》の騎士姫2

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月27日(木)読了。

 男として立派な騎士を目指すカリン。
 ドーヴィルの闘いで功績を残し、マリアンヌ姫の覚えも目出たくなり騎士見習いでありながら名を知られる存在となっていた。
 一方、カリンの面倒を見る騎士、サンドリオンは死んだはずのかつての恋人が生き返っていたことを知り、衝撃を受ける。
 その真相を掴むべく、単身捜査を続けるのだが......

 サンドリオンに主眼を置いた御華詩となっていましたが、いい感じに持っていきましたねぇ。今回は、本当美味しい所を沢山持って行きましたな。ナルシスとバッカスも味のある立ち位置で野郎キャラが魅力的なのが素晴らしい。よく考えたら、基本男世界が舞台になってるから当然なんでしょうが、普段は馬鹿だけど決めるときは決めるって典型的なノリが心地いいですねぇ。
 まだまだ、謎は残っているので続きも楽しみです。

 てなところで次は『ごくペン!3』です。

白銀の城姫《ベルクフリート》2

 志瑞祐・著、上田夢人・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月25日(火)読了。

 リール要塞の攻防後。
 リンツとシャトレアはマイスター・ストランゼンを追って戴冠都市ランスを訪れていた。
 奇しくも、英雄ジャンヌ・ダルクを称える祭りの中、息抜きも兼ねて羽を伸ばすことにしたリンツ達。
 しかし、街では〈青髭公〉による子供の誘拐事件が起こっていて......

 城擬人化作品第二弾。城の性質やら中世の建築物の設定が活きていてよいですねぇ。
 今回はヒロインとしてのシャトレアの魅力を引き立てつつ、シリーズ通しての目的を明確にしたりシリーズ2冊目としていい感じの内容ですな。最後では、何かお約束な展開になってますが、これもまた一興。素直に続きが楽しみなシリーズです。

 てなところで次は『烈風《かぜ》の騎士姫2』です。

三流木萌花は名担当!3

 田口一・著、をん・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月23日(日)読了。

 いよいよ第二巻の完成が近付いた頃。
 突如、孝一の家にイラスト担当の輪廻姫が転がり込んでくる。
 どうも、母と考えが合わずに飛び出してきたらしい。
 そこに、打ち合わせのために萌花がやってきて自分も共に暮らすと言い出して......

 ライトノベルの舞台裏を描く今シリーズも最終刊。最後は、輪廻姫(本名:井中トメ子)を通してのイラストレーターの御華詩でした。
 表紙の効果やら、イラストにする場面の選定やら、文庫であるが故の考慮点など、言われて見ればなるほどということが沢山ありました。また、輪廻姫自体の物語もいい感じでした。面白い素材で終わるのが残念とも思いますが、これぐらいがいい塩梅とも言えます。章扉の架空ラノベプロットネタが大変でしょうし(;^^)

 てなところで次は『白銀の城姫《ベルクフリート》2』です。

えむえむっ!9

 松野秋鳴・著、 QP:flapper ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月20日(木)読了。

 紆余曲折を経て、遂に付き合い始めた太郎と嵐子。
 しかし、それと同時に第二ボランティア部を揃って首になってしまう。
 どうにか、部活に戻して貰おうと懇願するも、美緒は頑として譲らない。
 そんな第二ボランティア部に、よからぬ輩が忍び寄り......

 アニメ化決定で益々勢いの付いた今作も遂に9巻。ドMと男性恐怖症とドSの三角関係? 的な方向に進んだというか何というか、今までの積み上げによってここからスタートとも思える御華詩ですな。このキャラ配置は本当、良くできてますからねぇ。これからの展開が楽しみです。
 あ、あと、雪之丞がなんだかんだで美味しいキャラですね。

 てなところで次は『三流木萌花は名担当!3』です。

D-breaker #2

 二階堂紘嗣・著、フルーツパンチ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月18日(火)読了。

 ある日突然、優馬の前に現れた『特殊追跡班《レースランナー》』の少女、窪双美理梨《くぼふたびりり》。
 彼女は、優馬が凶悪な歪曲士に狙われていると告げ、理梨とノエルが護衛になると言う。
 奇しくも、時を同じくして神隠し事件が起こる。
 その事件と歪曲士の関係を疑う内、優馬の幼馴染みであるあゆきの身近なところで神隠しが発生し......

 比較的オーソドックスな能力バトルモノですが、今回はテーマが面白かったですねぇ。ちょっと強引な感じでしたが、最後の最後で綺麗にまとまっていたと思います。ただまぁ、風呂敷が広がっただけで未回収の伏線も多々見受けられるんでそれは続刊での回収を期待、ですかね。

 てなところで次は『えむえむっ!9』です。

神明解ろーどぐらす

 比嘉智康・著、すばち・イラスト、MF文庫J。
 5月16日(日)未明読了。

 池田十勝は高校入学式の帰りに立ち寄ったデパートの催事場で3人の少女と出会った。
 見目麗しいにも関わらず自分に全く自信がないネガティブ嗜好の千歳キララ。
 可愛らしい外見だがナルシスト気味な丹下まりも。
 小学生と見紛う小ささだが高校生カメラマンとして活躍する富良野咲。
 そうして始まる、十勝の下校ライフ。
 そう、これは、下校に並々ならぬ情熱を燃やす少年の物語......

 色々と裏はありそうですが、『ギャルゴ!!!!!』と違って今回は何気ない日常というか『下校』だけで構成された御華詩でした。のんびりしていたり、鈍かったり勘違いが甚だしかったりでもどかしくもありますが、路線は面白いですねぇ。予想される裏によっては化けてきそうなので続きも楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『 D-breaker #2 』です。

図書館迷宮と断章の姫君

 おかざき登・著、ちゅ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月12日(水)読了。

 突如、一つの街を飲み込んで『図書館迷宮』が現れた世界。
 それから十六年を経て、『書物』を用いる『読書魔法』を使う適正を持つ子供達が生まれていた。
 九条刻馬は、『読書魔法』の使い手を養成する学校に在籍しながら『読書魔法』を忌避している。
 そんな彼が、ある日幼馴染みの家で人化した書物の少女と出会って......

 うん、迷宮探索の物語であり、本の内容を魔法として用いる設定など、中々楽しいですな。
 ダンジョンRPG的な世界観なので、前作よりもリアルに人死にが出たりするハードな世界観ではありますが、根底には前作で見せた優しい空気があってホッとします。シリーズの導入と言うことで未回収の伏線もあったりするので、先ずは次を楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『神明解ろーどぐらす』です。

ラグナ・クラウン2

 三門鉄狼・著、白田太・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月10日(月)読了。

 セヴィリア率いるルルカ大隊によるローズ・クイーン討伐から数日が過ぎていた。
 その報奨として仲間の一人、マリアの連続殺人容疑を晴らすため霧の都『ベイカー』に向かう。
 だが、到着早々セヴィリア一行はマリアの古巣の自警団に拘束されることになる。
 そこを、侍女のマツダと入れ替わったセヴィリアが切り抜け、ロックと共に捜査を行うことになったのだが......

 二冊目と言うことで作品世界の掘り下げとか終わった設定の続きの伏線やらがありますが、基本はマリアの容疑を晴らすための捜査。で、名前と特徴からロンドンがモデルになっているからか微妙にミステリチックな御華詩でした。まぁ、真面目に推理する必要もないレベルですが、ラノベの場合はこれぐらいがいい塩梅なんでしょうねぇ、とかそんなことを感じたりしました。
 でも、ロックの馬鹿でエロいけど仲間思いとかベタな設定が活きてて読んでて楽しい御華詩です。今回でまだ続く余地は出ているんで続きも読みたいと思います。

 てなところで次は『図書館迷宮と断章の姫君』です。

ゴミ箱から失礼いたします2

 岩波零・著、異識・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月5日(水)読了。

 ひょんなことから『妖怪ゴミ箱男』となってゴミ箱に入った生活を送る小山萌太。
 そんな彼も、遂に人間に戻れる時がきた。
 ようやく自分の足で地に立つ喜びを味わうも束の間、布団に入って目覚めると自分がゴミ箱になっていた!
 どうやら、再び『妖怪ゴミ箱男』となってしまったようだが......

 主人公が基本的にゴミ箱に入っているという御華詩第二弾。
 テンポのいい掛け合いと、バカバカしい妖怪の設定がよい塩梅ですねぇ。
 そして、ヒロイン達の関係も示されてラブコメ展開もしやすくなった感じです。
 まぁ、ここからどう展開するのか解りませんが、続きが出たら読んでみたいと思います。

 てなところで次は『ラグナ・クラウン2』です。

鳳凰堂みりあは働かない!3

 石川ユウヤ・著、シロガネヒナ・イラスト、 MF 文庫 J。
 5月4日(火)読了。

 ニートを目指すお嬢様、鳳凰堂みりあのハローワークとなった火車ヒイロ。
 今日も今日とてお嬢様の我が儘に従う日々を送っていた。
 だが、そんなある日、彼の前に一人の美少女が現れる。
 『愛』を何より大切にする彼女、杜若怜央はヒイロの理想のご主人様だった。
 彼女はみりあからヒイロを奪おうとするのだが......

 ニートを目指すお嬢様と小銭が絡むと超人的な力を発揮する少年との物語もこれで完結っぽいですな。
 面白いテーマだっただけに、勿体ない気もしますがこれぐらいで閉じた方がよいようにも思います。
 風呂敷を畳むために可成り急展開でしたが、何とか他のヒロイン達の物語、特に円については補完されていたのでよしとします。
 とまぁ、そんなところで次は『ゴミ箱から失礼いたします2』です。

かぐや魔王式!第6式

 月見草平・著、水沢深森・イラスト、 MF 文庫 J 。
 5月1日(土)読了。

 仮面優等生、錦織の悲願である生徒会選挙が近づいていた。
 だが、突如その覇道に立ちふさがる存在が現れた!
 その名は『弓削満月《ゆげみつき》』。
 転校生でありながら、あっという間に男子の心を掴み、その勢いで生徒会に立候補したのだ!
 しかも、満月は幼稚園の頃の錦織の初恋の相手でもあって......

 ここにきて新キャラ投入ですが、これで停滞気味の錦織と輝夜の関係も動きそうになってきましたねぇ。
 まぁ、話の方は本当にベタですが強引ながらきちんと計算されたオチは心地よいですな。
 あと、巻を重ねる毎に米倉さんの黒さが増してるのは気のせいでしょうか(;^^)

 てなところで次は『鳳凰堂みりあは働かない!3』です。

プシュケープリンセス2

 刈野ミカタ・著、萩原音泉・イラスト、 MF 文庫 J 。
 4月29日(木)読了。

 この世界から消えてしまった妹を追う柊火ノ見。
 彼は、幻想世界《エリュシオン》の王位継承戦争に巻き込まれていた。
 そんな彼の前に現れたのは、以前の闘いでその存在を失った筈の幻想世界人《プシュケー》、セレネによく似た少女。
 幻想世界を巡る謎の手がかりを得ようと彼女に近づく火ノ見だったが......

 全体的に正統派の異世界人の力を借りたバトルモノ。今回でシリーズとしての謎のようなモノも出てきて方向性が出てきたような雰囲気ですな。結構大胆に動かした部分もあるので、ここから何処に行くかも引き続き読んでいきたいと思います。

 てなところで次は『かぐや魔王式!第6式』です。

わるぷるキス!3

 内山靖二郎・著、ニリツ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 4月28日(水)未明読了。

 夏花の様子がおかしい。
 何やら、魔法の制御が効かず態度も子供っぽくなってしまっている。
 どうやら、魔法風邪という病気らしい。
 本来なら子供が掛かる病気だがジギタリスの影響で掛かった可能性が高い。
 そうして、綾音と優人は薬の材料を取りに行くことになるのだが......

 魔女に対して隔離政策が採られた世界での、魔女と人間の対立構図を軸とする御華詩も、ちょっと寂しいですがシリーズ完結となりました。広げた風呂敷は閉じ切れていませんが、それでも、大事な部分は押さえた形だったかなぁ、と思います。正直、あと1冊で残りの部分が描かれると読んでるときは思ってたんで、残念な気持ちも大きいです。とは言え、これで別シリーズを書くことになるかと思いますが、出来れば『クダン』の続きが読みたいですねぇ。

 てなところで次は『プシュケー・プリンセス2』です。

ぱんどら!2

 西野かつみ・著、蔓木鋼音・イラスト、 MF 文庫 J 。
 4月27日(火)未明読了。

 ひょんなことから魔女ハルマの下僕となった富士山清貴。
 彼は、ハルマと協力してパンドラの箱から解き放たれた<災厄>を追っている。
 だが、最近は<災厄>が大人しくしている折り、ハルマとの行き違いによって関係がぎくしゃくしてしまい......

 まぁ、なんというかバカな御華詩ですな。今回は特に、間の繋ぎというか伏線提示をのんびりしつつ日常を描いたとかそんな雰囲気です。前半は『かのこん』ってそういや最初の頃はこれぐらいソフトだったかもしれないなぁ、とかいう感じでしたが後半はようやく話が動き出してここからって印象ですな。あと、あとがきのバカさ加減に磨きが掛かっていますね(;^^)

 てなところで次は『わるぷるキス!3』です。

ゆうれいなんか見えない!

 むらさきゆきや・著、むにゅう・イラスト、GA文庫。
 4月24日(土)読了。
 第1回GA文庫大賞奨励賞受賞作。

 調敦志は幽霊が見えてしまう体質だった。
 だが、他人に見えないモノが見えても変人として見られるのがオチだった。
 高校では、そんな自体に陥らないようにしたのだが、通学途中に同じように幽霊が見える少女と出会う。
 彼女はかつての敦志のように人前でも幽霊が見えることを隠そうとせず、それを退治することが正しいことだと信じていた。
 幽霊が見えることを認めたくない少年と、気にしない少女。
 その出会いが、やがて......

 ふむ、非常にオーソドックスな御華詩でしたねぇ。人と違う能力を持ったが故の孤立に悩んだ少年が、同じ能力を持つ少女と出会って変わっていく過程、というのが主軸ですな。
 ただまぁ、ヒロインが小学生ってところが特異点、ってことですかね。何か消化不良な部分が色々あったんですが、既に2巻が決まっているということでその伏線なんでしょうな。

 てなところで次は『ぱんどら2』です。

ふぁみまっ!

 九辺ケンジ・著、鶴崎貴大・イラスト、GA文庫。
 4月20日(火)読了。
 第2回GA文庫大賞奨励賞受賞作。

 ある日、大滝和己の元に一つのダンボール箱が届けられた。
 結構な重さのその箱を開くと、中には綺麗な女の子の人形が入っていた。
 何も身につけていないその人形にドギマギしていると、不意に目を開く。
 そう、人形だと思っていたのは人間の女の子。
 しかも、
 「お兄ちゃんっ!」
 そう言って、和己に抱きついてきたのだ。
 こうして、ダンボール箱で届けられた妹との和己の生活が始まった......

 ふむ、物凄く王道な御華詩ですな。住む世界の違い、家族に飢えた感情、そう言ったモノがストレートに描かれた御華詩でありました。まぁ、突っ込み出すとキリがないですが、そう言った部分は気にせず気軽に読むのが吉ですな。世界観的には続けやすい設定なので、予告からどんな話になるか、次も読みたいと思います。

 てなところで次は『ゆうれいなんかみえない!』です。

踊る星降るレネシクル

 裕時悠示・著、たかや ki ・イラスト、GA文庫。
 4月18日(日)読了。
 第2回GA文庫大賞奨励賞受賞作。

 闘いが全てのミカホシ学園に転入してきた連動レンジ。
 彼は、離ればなれになった幼馴染みを追ってきたのだった。
 だが、その幼馴染み、沙良瑞貴は学園の頂点に立つと同時に眠り続けていた。
 また、瑞貴が目ざめるのを待ち望む一方で、瑞貴のライバルを自称する少女、舞波すまるを指導することになる。
 こうして、すまるの師匠としての日々が始まったのだが......

 何というか、手堅い作品ですねぇ。エンターテインメントの要点を押さえているというか。
 正直、そんなに斬新なネタがあるでもなく、個別の要素を取り出せばどこかで見たような聞いたようなネタがほとんどです。
 ただ、それを上手いこと組み合わせて魅せる御華詩になっていて、読んでいてどんどん話に乗せられていきました。
 これは確実に続いていくでしょうから、今後の展開にも期待したいと思います。

 てなところで次は『ふぁみまっ!』です。

オトコを見せてよ倉田くん!2

 斉藤真也・著、フミオ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 4月15日(火)読了。

 倉田優樹のクラスにやってきた転校生、兎月ありす。
 自分の好みの美少女で喜んだのも束の間、彼女は妖調査員だった。
 何でも、優樹が二股を掛けることになって幼馴染みの愛依とその親友小夜が正体がばれるようなマネをしていないかの調査に来たらしい。
 彼女らに近しい優樹に協力を求め、一週間の調査が開始されて......

 年上好きが年下の幼馴染みとその親友に二股を掛けることになるドタバタラブコメ第二弾。
 今回は新キャラも入って、シリーズとしての形を作っていこうという雰囲気の御華詩ですな。
 そのありすは、結構キャラ付けは色々と詰め込まれてて若干微妙ながら、まぁ、最後は上手いこと収めたなぁ、という感じです。
 これで、話は膨らみ易くなったようにも思えるので、次も読みたいと思います。

 てなところで次は順序を入れ替えてGA文庫大賞受賞作『踊る星降るレネシクル』です。

竜王女は天に舞う2

 北元あきの・著、近衛乙嗣・イラスト、 MF 文庫 J 。
 4月13日(火)読了。

 《竜の箱庭》学園は活気づいていた。
 交流戦という名目での学園祭が近く開催される為だ。
 だが、シグは止むにやまれぬ事情で交流戦へ参加することになった。
 対戦相手は《串刺し令嬢》の異名を持つエリーゼ。
 勝ち目どころか命の保証さえ無い戦いを強いられたシグは......

 剣と魔法と銃と飛行機とワイバーンな感じのファンタジー世界の物語第二弾。
 《ヴァルハラ舞踏会》はちょっとお休みで、今回はヒロインの立ち位置がはっきりさせる御華詩という感じですな。
 意地っ張り×2といざという時に勇気が出ない×1。前者二人が似て非なるものでその対比は面白いですねぇ。
 そして、次があればサービス回(?)。とりあえず出れば読みます。

 てなところで次は『オトコを見せてよ倉田くん!2』です。

とある魔術の禁書目録《インデックス》20

 鎌池和馬・著、灰村キヨタカ・イラスト、電撃文庫。
 4月10日(土)読了。

 右方のフィアンマの企みにより、世界情勢は大きく変化した。
 ロシアから学園都市への宣戦布告により、第三次世界大戦が勃発していた!
 そんな戦火のロシアに、三人の少年が居た。
 イギリスで眠る一人の少女を束縛から解放するために右手を握った少年。
 護るべき存在の為に悪の道を進んだ超能力者の少年。
 愛する少女を救うために翻弄されるままロシアの地に降りた平凡な少年。
 彼らがそれぞれの道を進む中、遂に科学と魔術がぶつかりあう戦争が始まっていた......

 広大なロシアという同じ舞台に集った主人公達の戦いが始まりました。
 更には彼ら以外の視点も交えて各所で進行する戦争。ちょっととっちらかった感は否めないのですが、ラスト近くのワクワク感が溜まりません。何というか、ここは経過点で次が本番のようにさえ思いますね。
 あと、上条さんが一種の神格化されたところがあるので、その分本当の無能力者の視点として、浜面優遇されすぎのような(;^^) 何はともあれ、早く次が読みたいと思える御華詩でした。

 てなところで次は『竜王女は天に舞う2』です。

狼と香辛料ⅩⅣ

 支倉凍砂・著、文倉十・イラスト、電撃文庫。
 4月8日(木)読了。

 ホロの故郷ヨイツを目指す旅も終わりが見えてきた。
 そうして立ち寄ったレノスの町でロレンスは一つの取引を持ちかけられる。
 その取引は魅力的であり、また、回り回ってヨイツを守ることにも繋がる。
 だが、その取引に乗れば、ホロとヨイツに向かうことは時間的に不可能となってしまう。
 こうして、ロレンスはホロとのヨイツ行きと商売の板ばさみにあって......

 もうそろそろ旅も終わりが近づいていますねぇ。これまで積み上げた人間関係と新しい人物との出会い。
 今回は、再び登場したエルサがいい役回りをしていますねぇ。商売を挟んでのホロとロレンスの関係も一歩前進した感じで、この旅がどういう結末を迎えるのか楽しみです。

 そんなところで次は『とある魔術の禁書目録《インデックス》20』です。

這いよれ!ニャル子さん4

 逢空万太・著、狐印・イラスト、 GA 文庫。
 4月4日(日)未明読了。

 いつもニコニコ隣に這いよる混沌に悩まされていた真尋は更なる悩みの種を抱えていた。
 旅行に行っている筈の母が目の前に立っていた。
 その足下には全身にフォークを突き立てた異形の姿。
 まさか、母もそちら側の人間なのか?
 苦悩する真尋に告げられる真実は如何に!


 と、多分、そんなに間違っていないと思います。
 今回の見所は執拗なまでのクトゥルフ神話ネタの数々...... って、いつも通りですね、うん。そういう意味では安心して読める一品です。好き嫌いは完全に分かれそうと言うか、直前に読んだ『文芸部発マイソロジー』の葉月先輩の反応が楽しみな作品であります。まぁ、私はこのノリが大好きですが。それだけに、限定版をゲットし損ねたことが未だに心残りです。あと、今回の新キャラのルーヒーさんの再登場を期待です。
 てなところで次は『狼と香辛料 ⅩⅣ』です。

文芸部発マイソロジー3

 早矢塚かつや・著、きくらげ・イラスト、一迅社文庫。
 4月1日(木)読了。

 アースガルドを襲ったクトゥルフ神話の邪神達。
 その驚異を退けるため、クラフティアの神々を中心にまとまるギリシア神話を始めとした各神話の神々。
 かくして、神話世界は戦いに彩られ、寛二達は世界の真実を知ることに......

 文芸部員が自分たちで創作した神話世界で神となり、気が付けば別の神話と交錯していく、そんな御華詩も完結。
 葉月先輩が愛するクトゥルフ神話を出した時点でおかしなことになっていましたが、まぁ、何でもありで勢いがある展開は良かったですねぇ。それ神話じゃねぇ! ってのが混ざってたり。
 読み終わってみると、この作者って結局こういった世界そのものと人間を対話させるようなテーマが好きなのかと思ったり。ただ、本当に勢いだけで突き進んでしまったので結構面白い仕掛けの御華詩でオチも読めるけどいいオチだと思ったんですが、世界の真実やらの提示が性急すぎてちょっと勿体なかったようにも思います。とりあえず、第二部か次回作に期待、ですな。

 てなところで次は神話繋がりで...... 『這いよれ!ニャル子さん4』です。

りーち☆えんげーじ -子孫繁栄! 国立栄華学園中等部-

 海堂崇・著、 CH@R ・イラスト、GA文庫。
 3月28日(日)読了。

 国立栄華学園。
 少子化対策として、中高一貫のその学園では恋愛の授業が取り入れられていた。
 また、学年毎の人気投票なども行っており、積極的に男女交際が推奨される特殊な学園だった。
 そんな学園に通う中等部二年の八島平太は、ひょんなことから学年でも一、二を争う人気を誇る敷島美紀の秘密を知ってしまう。流されるまま、直近の人気投票で二位に甘んじた彼女が一位を奪還する手助けをすることになった平太だったが......

 非常に手堅いオーソドックスなラブコメですが、男女交際を積極的に後押しする学園の設定がよく出来ていて、これから先も色々と話を広げて行けそうに感じます。舞台が用意されていれば王道だけでもこれだけ話を回せるんだなぁ、と。少なくとも次は出るようなので、また読んでみたいと思います。

 てなところで次は『文芸部発マイソロジー3』です。

神曲奏界ポリフォニカ ピュアリー・ホワイト

 高殿円・著、凪かすみ・イラスト、GA文庫。
 3月23日(火)絶賛読了。

 過去から帰ってきたスノウ達は学生生活に戻っていた。
 プリムローズが学生会の役員に選出され、それと時を同じくして始まった『巫女姫プロジェクト』。
 精霊島の墜落を防ぐため、学生達手動で動き始める画期的なプロジェクトだった。
 だが、そのために禁譜の解放が提案されていた。
 200年前、その禁譜による悲劇を目の当たりにしたスノウ達は複雑な心境だったが......

 いよいよ新展開にして最終章。スノウ達が将来に向けて動き始める御華詩ですね。ただ、その道は平坦ではなく、非常に大きな流れに巻き込まれていくことになるでしょう。女神達も動き始めて、更には師匠も登場して、これからはオールスター展開になりそうで楽しみですな。特に、これからスノウがどうなるのか? まぁ、他のシリーズで示唆されてはいますが、その経緯がどうなのかはここで描かれるんでしょうしね。そこがやはり一番の見所ですな。

 てなところで次は『りーち☆えんげーじ -子孫繁栄! 国立栄華学園中等部- 』です。

試験に出る竜《ドラゴン》退治

 日昌晶・著、あかやま壽文・イラスト、スマッシュ文庫。
 3月21日(日)読了。

 王立聖ゲオルギウス高等学校竜退治科の新入生、エリック。
 祖父の言葉を信じて竜退治の騎士になるべくその名門学校の門を叩いたのだが、既に竜退治は時代遅れ。
 そのため、竜退治科には彼の他には三人の少女しかいなかった。
 たった四人の竜退治科。
 魔法科にバカにされながらも、竜退治の勉強をするエリック達だったのだが......

 新創刊レーベルということで早速チェック。まぁ、他にも理由はありますが。
 全体的に何か変な表現ですが軽さに重きを置いているというかそんな印象ですねぇ。イラスト多めで文章の密度も低くてさらっと読める、そんな御華詩です。まぁ、部分的に竜退治というか鎧や乗馬に関するペダンティズムが見られたりするのがちょっと異質と言えば異質なところですねぇ。
 一冊使って世界設定とキャラ紹介のようでまだまだ何も始まってない感じなので、今後どうなるか、といったところです。


 てなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ ピュアリー・ホワイト』です。

理の守護神さま。 二.和気喧噪の三姉妹《 La sinfonia de familia 》

 十目一八・著、すまき俊吾・イラスト、GA文庫。
 3月20日(土)読了。

 実質的には時雨が統治する実験都市、岸扇町。
 樹理は、身分を隠してその町で暮らすこととなった。
 そんな彼女の護衛に付くのは、時雨の部下である三人の娘達。
 個性的な彼女たちに振り回されながらも、家族として楽しく過ごす樹理だったが、街には不穏な企ての陰が忍び寄っていて......

 何というか、前作が序章でここからが本編、といった感じですな。魅袖が主人公ということですし。
 世界観的には、こういった特殊な力を持つ人間を受け入れる環境として街一つ用意したことで色々と動きやすくなった雰囲気ですな。ここが舞台となって暫くは物語が進んでいくのでしょう。受賞作の2巻として、綺麗に話を持って行ったなぁ、という印象です。

 てなところで次は新レーベルから『試験に出る竜《ドラゴン》退治』です。

ノブレス・オブリージュ2 ~成瀬春水の艱難~

 小松遊木・著、甘塩コメコ・イラスト、GA文庫。
 3月15日(月)読了。

 文化祭が近づくと、ルミナス・フォースは毎年恒例の劇の準備に忙しかった。
 そんな日々の中、親友同士の春水が七海の命を狙っているという噂が流れていた。
 誰もが春水と七海の信頼関係を疑っていなかったが、亜未はそんな噂を信じたくないと思いながらも、疑いを捨てられずにいた。 そうして、偶然見かけた春水の後をつけたところ......

 赤い眼鏡ととんがり眼鏡の御華詩...... じゃなくて、剣術使いの少女達の友情の物語、第二弾。
 『信頼関係』をテーマに、何というか根本的な内容は少年漫画的でしたね。若干綺麗過ぎる気もしますが、心地良い王道の物語。実は百合テイストが苦手なのでこういうノリだと安心して読めます。

 とまぁ、そんなところで次は『理の守護神さま。 二.和気喧噪の三姉妹』です。

"文学少女"見習いの、傷心。

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 3月13日(土)読了。

 心葉を想う菜乃は、思い出作りの為に文芸部で文化祭に出ることを提案する。
 しかし、心葉は首を縦に振らない。
 それでも菜乃がしつこく食い下がっていると、合唱部の部長の十望子が訪れる。
 何でも、文化祭で合唱部が上演する音楽劇のシナリオを心葉に頼みたいと言うことだった。
 心葉は渋ったモノの、十望子の言葉に翻弄する内に引き受けることとなる。
 だが、その音楽劇には怪物の陰が見え隠れしていて......

 あのラストの空白期間を埋める御華詩第二弾。
 今回は菜乃だけではなく、ななせの物語でもありました。
 やっぱり、淡い水彩画の挿絵とは裏腹に心の底の綺麗な部分も汚い部分もさらけ出すような物語ですが、本当に解り合うためにはそこまで踏み込まないといけないのも事実。今回の物語の主要人物達は勿論のこと、心葉が抱え、乗り越えようとする闇にも見立ての物語がシンクロしていてそういう部分も非常に興味深い御華詩でした。本当、こうして新たな"文学少女"の物語が読めるのは嬉しいですねぇ。次で終わりなのが寂しいような気もしますが、変に引っ張られるよりは清々しく追われそうにも想います。まぁ、まだ先みたいですが楽しみにしておきます。

 てなところで次は『ノブレス・オブリージュ2~成瀬春水の艱難~』です。

ライトノベルの楽しい書き方5

 本田透・著、桐野霞・イラスト、 GA 文庫。
 3月11日(木)読了。

 お互い好きあっているにも関わらず剣のライトノベル創作の為という条件を免罪符とした暫定彼氏彼女の関係の八雲と剣。
 だが、文化祭のイベントで二人は暫定付でも彼氏彼女の関係であることを周囲に認められていた。
 そうして迎えるクリスマス。A組B組合同でのパーティーが開催されるという。
 この機会に互いの『暫定』を外そうとする剣と八雲なのだが......

 タイトル通りなのか何なのか、女子高生ライトノベル作家とその担当編集の従兄弟のラブでコメですねぇ。剣のメンタルの弱さというか面倒臭さはすっかり定番化して、周囲も扱いに困りつつも慣れている雰囲気ですが、やはりすれ違うと言うか。
 今回は今までの内容に沿っては居ますがちょっとばかりメタな仕掛けもあったりしつつ、色々と実験的な内容も含んだ御華詩でした。これはこれで面白いというか方向性は定まったようにも思えます。若干、割を食っているゆうなとかの立場が気になったりしますが、まぁ、続きも楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『"文学少女"見習いの、傷心』です。

耳刈ネルリと十一人の一年十一組

 石川博品・著、うき・イラスト、ファミ通文庫。
 3月9日(火)読了。

 シャーリック王国の予言書『大ネルリ未来記』。
 その書を祖国の風習上は成人したネルリは手にしていた。
 大喜びで占い師感覚で学生達へ未来記の予言を告げるネルリ。
 だが、その予言はやがて不吉な内容を示し始めて......

 異文化コミュニケーションというかやたらと言葉遊びやネタまみれの一人称で語られるレイチとネルリの物語もこれで完結。正直、ちょっと大慌てで風呂敷を畳んだ感は否めないんですが、元々一発ネタに近い内容なので早めに畳んだのは正解のような気もします。国々の文化の違いが反映されたキャラクター設定が面白かったんですが、レイチ視点しかないのがネックだったようにも思います。他のキャラの御華詩なんかも面白そうなんですがねぇ。

 てなところで、次は『ライトノベルの楽しい書き方5』です。

戦う司書と世界の力

 山形石雄・著、前島重機・イラスト、集英社スーパーダッシュ文庫。
 3月6日(土)読了。

 武装司書もことごとく倒れ、絶望の魔王による世界の滅びは目前に迫っていた。
 世界は滅びるべきである。
 絶望の魔王の意志は絶対だ。
 しかし、それを食い止めようとする者達がいた。
 一人ひとりは小さな力かもしれない。
 だが、彼ら彼女らの思いは滅びを防ごうと......

 戦う司書の物語も遂に完結。重厚な世界観の中で『幸福』を巡って繰り広げられた様々な物語がどう落ち着いたのか?
 それは、読んでのお楽しみでありますが、本当、サービス精神満載で、途中からもうぐいぐいと引き込まれてしまいました。
 これまでの積み重ねが結実して、素晴らしいラストだったと思います。語りたいけどことごとくネタばれるのでもどかしいですが、何度も何度も驚かされ喜ばされながら物語を追うのは幸せな一時でした。また、次回作にも期待したいと思います。

 てなところで、次は『耳刈ネルリと十一人の一年十一組』です。

ゼロの使い魔18~滅亡の精霊石~

 ヤマグチノボル・著、兎塚エイジ・イラスト、MF文庫J。
 3月4日(木)読了。

 どうにかルイズと再会することが出来たサイト。
 離れた期間は結果的に二人の距離を近づけることとなっていた。
 一方、ガリアを舞台に暗躍するロマリアの野望を砕くべく、アンリエッタ達と共に作戦に望む。
 だが、その先に待ち受けていたのはハルケギニアを揺るがす恐るべき事態で......

 苦難を乗り越えてルイズとサイトの関係も落ち着いて来たところで、今度は世界の方がとんでもないことになっていきましたねぇ。今まで積み重ねたモノが上手いこと活きて、いよいよと物語も大詰めに向かっているように感じられます。
 虚無とは何か? その辺りの意味も仄めかされつつ、ここからは新章となります。そして、否が応でもこれからはあの勢力との対峙が必至となりました。まだまだどうなるか分かりませんが続きも楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『戦う司書と世界の力』です。

聖剣の刀鍛冶《ブラックスミス》8

 三浦勇雄・著、屡那・イラスト、MF文庫J。
 3月3日(水)読了。

 帝政列集国の襲撃から十日ほど、独立交易都市は復興の途にあった。
 比較的平和な時を過ごすルークは、思い立ったかのように動き始める。
 目的を果たすため、療養中にも関わらず家に居ないセシリーを探して都市を歩く。
 幾度かのすれ違いの末、遂に見つけたセシリー。
 だが、何故か彼女は看護服を着ていて......

 新章開始の第八巻。今はまだ準備段階ですが、色んな要素の足音が聞こえてきますねぇ。
 世界情勢も大きく変化してしまい、緊張状態を強いられていくことを感じさせながら、その裏で蠢く者達。
 かなりえげつないところもあったりしますが、その準備された者達がぶつかるときに何が起きるのか?
 これからの展開を楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『ゼロの使い魔14~滅亡の精霊石~』です。

ダブルアクセス

 樋口司・著、のりたま・イラスト、 MF 文庫 J 。
 3月1日(月)読了。

 桃井巧は事情あって貧乏だった。
 それでも、若干特殊なオンラインゲームのテストプレイの仕事をしながら妹のヒナを養って日々を過ごしていた。
 ある日、そんな彼の家の隣に、美少女が引っ越してきた。
 しかも、同じクラスに転校してきたその美少女、立花栞との出会いを運命的に感じた巧。
 確かに、運命的だった。
 だが、それは甘い恋愛話ではなく......

 オンラインと現実を交錯させた往年のSF的な構図の物語ですが、主人公のコンプレックスとかその解決とかの描き方は前作の空気感を感じさせますね。2作目第1巻ということで物語の構図を提示する部分が主題になっていました。まぁ、正直部分的にちょっと登場人物同士の会話と心情の動きに強引さを感じたりもしたんですが、テーマが中々面白いので次にも期待ですねぇ。

 てなところで次は『聖剣の刀鍛冶《ブラックスミス》8』です。

天川天音の否定公式3

 葉村哲・著、ほんたにかなえ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月27日(土)読了。

 夏休みに瑛子の誘いで彼女の家の別荘へと訪れた雪道、天音、シロコ。
 別荘に到着し、雪道が自分に宛がわれた部屋に入ると、何故か先客が居た。
 アラバスターのような白い肌を持つ少女の名はコッペリア。
 『領域』の関係者と思われる彼女を警戒しつつも、雪道達は彼女を匿うこととなって......

 更に燃料投下の第三弾といいますか、そんな御華詩ですな。ラブコメチックな日常の中に紛れ込む非日常というか、物語の中心となるコッペリアに関わるとある描写は結構面白い試みだなぁ、と感じました。ただ、ラブコメを前面に出しつつも『式』を巡る神話的な雰囲気も強まってこの作者の持ち味のようなものが感じられる内容でした。
 こうして、ラブコメチックな日々と『式』を巡る戦いがどこへ進んでいくか、続きを楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『ダブルアクセス』です。

かのこん14~どきどき☆らぶれっすん~

 西野かつみ・著、弧印・イラスト、MF文庫J。
 2月25日(木)読了。

 小山田耕太と源ちずるは今ではすっかり全校に響き渡るバカップル(主に性的な意味で)。
 3年生になった耕太と何故か留年したちずるは遂にクラスメートとなる。
 そんな始業式の日から、アイジンの望といつものごとくやらかしていた。
 周囲があきれる中、とある新入生はそんな二人に驚くべき申し出をしてきて......

 何だかんだと続いているバカップルの物語も巻を重ねてきましたねぇ。
 子供が出来たり波瀾万丈ですが、高校三年生になって描写はエスカレートし続けてます。その陰で着々と進展しているたゆらと朝比奈さんのストーリーもよいですな。まぁ、そういった部分がクローズアップされがちですが、メインのストーリーも着々と進行していよいよシリーズのクライマックスに向かってきたというところでしょうか。このまま最後まで続けて読んでいきたいと思います。

 てなところで次は『天川天音の否定公式3』です。

まよチキ!2


 あさのハジメ・著、菊池政治・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月24日(水)読了。

 ゴールデンウィークがやってきた。
 ジローは妹の合宿により、一人で休日を満喫できるはずだった。
 だが、世の中そんなに甘くはない。
 妹が合宿に出かけて程なくしてかかってきた一本の電話が全てを台無しにする。
 そうして、なんだか分からないうちに秘密を抱えた学園の王子、スバルがジローの執事として家に泊まることになって......

 男装執事系ラブコメ第二弾。
 まぁ、こういう受賞作の2巻らしく登場人物の立ち位置を汎用的にする感じで、いい具合にラブコメめいてきましたねぇ。女性恐怖症、男装と弱点が明確になっていて、キャラの動機付けも分かりやすいので、この調子で巻を重ねれば読みやすいラブコメシリーズになりそうですな。

 てなところで次は『かのこん14~どきどき☆らぶれっすん~』です。

ごくペン!2

 三原みつき・著、相音うしお・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月23日(火)読了。

 エリートコースを外れ、幼なじみの権田原凛子を追って訪れた毒マムシ学園にやってきた五十嵐真太郎。
 彼は、再会した凛子と共に学園の騒動をどうにか収め、今ではその学園をよくするための改革に乗り出していた。
 だが、そんな娘の活動を知るよしもない凛子の父が学園の調査に乗り出して......

 学園極道ラブコメというか、何でもありな感じになってきましたが、それでもブレないメッセージが伝わってくるいい御華詩でした。ここまで露骨にメッセージを込めた作品って最近は珍しいようにも思います。でも、共感を呼ぶメッセージだということでしょう。人に認められること、それがどれだけ嬉しいことなのか。今まで人に認められないでいた子供達がどうなるのか...... まぁ、基本はドタバタラブコメなんですがね。あと、新キャラは眼鏡を掛けているのかどうなのか今一微妙です。

 てなところで次は『まよチキ!2』です。

みにくいあひるの恋2~死にぞこないの人魚姫~

 日日日・著、みことあけみ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月21日(日)読了。

 あひるを巡る騒動も一段落した後。
 遊菊の一言で『公認カップル』として後押しされることとなったあひると陀衣。
 それは、あひるの『病』に取っては悲劇に向かうことでもあった。
 当然、その対抗策も遊菊は考慮していた。
 何でも、あひるの『病』の特効薬が存在すると言うことで......

 『恋の病』が死に至る病となった世界での切ない恋物語第二弾。
 サブタイトルの通り、今回のモチーフは若干ハイブリッドですが『人魚姫』です。こういうの、上手いですねぇ、日日日。
 本来のハッピーエンドが避け得ないデッドエンドとなる状況下での書く人物達の心情がよく描かれていて、やり切れない気持ちになりますが、そんな生々しさが魅力の作品ですな。今回のラストでまたまた状況は大きく動いてきたので、この悲劇的結末が約束された恋物語がどのようにハッピーエンドとなるのか、続きを楽しみにしたいと思います。

 てなところで次は『ごくペン2』です。

三流木萌花は名担当!2

 田口一・著、をん・イラスト、 MF 文庫 J 。
 12月6日(日)読了。

 弱小三流木出版社の起死回生の策として、ライトノベルを書くことになった時任孝一。
 担当編集であり、クラスメートでもある三流木出版の社長の娘、萌花の協力のもと、どうにか1冊の本を世に出すことに成功した。
 だが、それは始まりに過ぎない。
 ライトノベルは、シリーズ化してこそのモノである。
 早くも、萌花は2巻のプロットを孝一に求めるのだが......

 いや、なんかすごい心に響く御華詩でした。今回は、ライトノベルを書くという視点よりも、その本がどう世に出て行くのか、をデフォルメしつつ描く無いようだったのですが、本当、著者から読者までの間にどれだけの人間が関わっているのか、そして、読者に届くと言うことがどれだけ大きなことなのか、考えさせられる御華詩でした。これは、別にライトノベルに限らず、作家に限らず、何かしらを創る仕事をしている人間には共通するモノだと思います。また、商業に限らず、同人でも同じ。
 初心に帰るというか、色々と思い出させてくれる御華詩でした。完全に感想ばっかりで内容に触れていませんが、前巻では活躍できなかった風見鶏さんが活躍してたり、新キャラが中々いい役回りだったりという以上は、読んでのお楽しみということで。

 てなところで次は『みにくいあひるの恋2~死にぞこないの人魚姫~』です。

白銀の城姫《ベルクフリート》

 志瑞祐・著、上田夢人・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月16日(火)読了。

 偉大なる建築士、マイスター・ストランゼンのただ一人の徒弟、リンツ=レンハイトは逃げていた。
 いきなり、我が身を襲った悪夢のような事態。
 何とか追っ手をやり過ごすも、限界が訪れる。
 いよいよ、逃げられない。
 絶望がリンツの心を支配しかけたとき、彼の目の前には美しい城を思わせる少女が現れ......

 新シリーズ開幕。城に宿る精霊的存在としての〈城姫〉の概念は非常に面白いですねぇ。
 端的に言えば、城の擬人化。城の特性を特殊能力にしていたりして、その発想が面白いですねぇ。
 また、周辺の設定として建築に魔法的要素を加えた〈建奏術〉など、建物、とりわけ城砦をテーマとした世界観が新鮮でした。これは、先が楽しみなシリーズです。
 ......いや、正直、ドルイドさんももっと読みたかったんですがね(;^^)

 てなところで次は『三流木萌花は名担当!2』です。

D-breaker

 二階堂紘嗣・著、フルーツパンチ・イラスト、 MF 文庫 J 。
 2月14日(日)読了。

 世界を《歪曲》の魔の手から人知れず守る『調律士』。
 そんな調律士見習いの優馬は初めての大きな任務で訪れた廃マンションの屋上で美しい少女と対面する。
 しかし、彼女は優馬の話を聞かず、一方的に銃口を突きつる。
 意味ありげな言葉と共に銃弾は放たれ、優馬は足場の崩落に巻き込まれて......

 世界の歪曲と調律の対立に基づいた設定の、オーソドックスな能力バトルモノ、といったところでしょうか。冒頭の意味ありげな言葉の押収やら、端々に言葉遊びや気取ったような比喩表現が入っていて、味を出している雰囲気は前作に通じる気がします。今回はまだまだ導入。役者が揃ってここから物語りは始まるようなので引き続き読んでいきたいと思います。

 てなところで次は『白銀の城姫《ベルクフリート》』です。

オウガにズームUP!4