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ファミ通文庫 のアーカイブ

耳刈ネルリと十一人の一年十一組

 石川博品・著、うき・イラスト、ファミ通文庫。
 3月9日(火)読了。

 シャーリック王国の予言書『大ネルリ未来記』。
 その書を祖国の風習上は成人したネルリは手にしていた。
 大喜びで占い師感覚で学生達へ未来記の予言を告げるネルリ。
 だが、その予言はやがて不吉な内容を示し始めて......

 異文化コミュニケーションというかやたらと言葉遊びやネタまみれの一人称で語られるレイチとネルリの物語もこれで完結。正直、ちょっと大慌てで風呂敷を畳んだ感は否めないんですが、元々一発ネタに近い内容なので早めに畳んだのは正解のような気もします。国々の文化の違いが反映されたキャラクター設定が面白かったんですが、レイチ視点しかないのがネックだったようにも思います。他のキャラの御華詩なんかも面白そうなんですがねぇ。

 てなところで、次は『ライトノベルの楽しい書き方5』です。

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ disc4

 田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
 1月31日(日)読了。

 ギャルゲー『エターナル・イノセンス』の世界を現実に投影し、その主人公の立場を手に入れた都築武紀。
 様々な事件を乗り越え、彼は、既に現実の存在となったヒロイン達の幸せを願って自分に出来ることを考え始めていた。
 辛いこともヒロイン達のためと思えば満たされる日々を送っていたのも束の間、ある日目覚めると、世界が変わっていた。
 そのとき、ヒロイン達の隣には......

 ギャルゲーの世界を現実に投影すると、何が起こるのか? そんな if を一つ一つ積み上げていくシリーズ第4弾。

 これまでで積み上げられたメタな存在が更に踏み込んできて、武紀が迎える危機。この構図は来るべきときが来た、という風情ですな。前巻で、虚構と現実の対立構成はメタな存在から『仕組まれた現実』としての構図に落とし込まれていましたが、その先に至る前哨戦のような意味合いですかねぇ。確かに、自分自身を主人公の立場に投影した以上、乗り越えなければいけない問題でしたしね。

 あと、毎度のことですが、この作品を読んでいると色々と既存のゲームのことを思い出します。というか『 Kanon 』ですが。主人公と結ばれなかったヒロインの運命ってどうなるんだろうなぁ、とか、そんな思考実験。で、その運命を《遡って》救おうとするのが、この物語の武紀の行動原理ってことでしょうか? 用語的にはハーレムエンドになるんでしょう。が、そんな生やさしいモノでもなくて。『卒業~Graduation~』だと『人間失格』と言われてしまう、そんなルートを自分の手に入れた現実の中で虚構に縛られながらもどうにか切り開こうとする御華詩。今回でそんな方向にまとまった気もしますね。

 また、作中現実が虚構とマージされたことで、高橋さんが巻を重ねる事に活発に動き出したのも良いですねぇ。魔術サイドになると出てこれないとある科学の人みたいなことはもう無いでしょう。『現実のヒロイン』という、当たり前の存在なのにこの作品内では特異点とも言える彼女がどう絡んでくるかも興味深いところです。

 何はともあれ、4巻発売おめでとうございます。そして1周年ですね。

 てなところで次は『純愛をさがせ!3』ですな。

狂乱家族日記 拾弐さつめ

 『世界会議』の後、人間と人外の垣根が取り払われ世界に平和が訪れていた。
 狂乱家族も、凶華が職探しをしたり、月香が単身バカンスに出かけていたり、それぞれの生活を満喫していた。
 しかし、完全な平和など歪んだもの。
 それは『悪』を切り捨てるということ。
 だから、悪党、黄桜乱命が立ち上がる。
 舞台は正夢町。
 そうなれば、彼女と因縁のある銀夏も動くことになり......

 『裏社会編』開幕! そしてこれは遂に語られる銀夏の物語でもあります。
 これまで家族のことを常に思いつつも、どこか距離をとっていた存在の彼ですが、今回は彼の因縁が根底にあります。
 今まで仄めかされつつも、明示されなかった謎が明かされつつ、やるせない恋の物語は日日日にしては珍しいオーソドックスな内容ですが、この狂乱の中にあるからこそそれが光るというか、後半は引き込まれるモノがありました。

 また、何気にお父さん大活躍ですな。凶華ともすっかり夫婦漫才が板についた感じですね。そして、優歌...... 巻を重ねる事に黒い時間がさっぱり延びてますが、これはこれで成長なんでしょう...... 微妙ですが(;^^)

 今回は前編のようで話は次に持ち越し。素直に待ち遠しいですな。

 てなところで次は『無限のリンケージ2 -ディナイス・ザ・ウィザード-』です。

"文学少女"と恋する挿話集《エピソード》2

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 11月1日(日)読了。

 反町亮太は男子生徒に人気の琴吹ななせのファンだと周りには思われていた。
 しかし、彼が本当に好きなのはその友人の森(名前はNG)だった。
 自分の気持ちを素直に伝えることも出来ず、当の森にも琴吹が好きだと勘違いされて応援されてしまう始末。
 思い悩んだ彼は、中庭のポストについつい悩み相談の手紙を投函してしまう。
 かくして、彼は"文学少女"天野遠子と関わることになって......

 いやぁ、いい裏話ですねぇ。あのとき、クラスメート達はこんな動きをしていた、というか。本編で描かれた心葉が遠子先輩と出会ってから彼女が卒業してしまうまでの間のエピソードを、美事にまとめていますねぇ。正直、琴吹ななせというヒロインは非常に厳しい役回りに思えますが、確かに文学作品ではよくある立ち位置とも言えますな。多くの悲劇を内包したシリーズの裏側で、こういった人間模様があったというのはちょっとホッとします...... でも、これ読んでから最終巻を流し読みしてみたら端々のななせや森や亮太の想いが過ぎってより切なくなりました。いい、挿話集です。何だかんだで、まだ"文学少女"の世界を楽しめるのは本当に嬉しいことですねぇ。見習いの方も続きが楽しみです。

 てなところで、次は『灼眼のシャナⅩⅨ』です。

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ disc3

 田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
 10月7日(水)読了。

 都築武紀がギャルゲー『エターナル イノセンス』のヒロイン達を現実に投影して半年が過ぎていた。
 ヒロイン達は今や完全に日常を共にする血の通った人間であり、彼女たちの幸せを第一に考えることを自らに誓い過ごしてきた。
 だが、そんな武紀に試練が訪れる。
 義理の姉妹である春海と夏海の実の父親が二人を引き取ると申し出てきたのだ!
 どうするのが春海と夏海の一番の幸せに繋がるのか?
 武紀は重大な選択を迫られて......

 『ギャルゲー』という虚構が現実に投影されることで生まれる様々な齟齬が原動力となるシリーズ第三弾。
 今まで積み上げたモノが動き出して、そもそもの『何故、ギャルゲーの世界が投影されるのか?』と言ったメタな部分に言及がありつつ、世界観が安定してきた感じですね。特に、現実サイドのキャラが動いたことで既にヒロイン達が現実の存在であるという構図が強調されていますね。もう、既にゲーム世界との対比は終わりを迎えて、現実に存在する少女達として、幸せを模索する段階に入ったということですかね。高橋さんもどんどん絡んできてますし。

 今回のテーマは、確かにゲームではよくあるパターンながら、現実では社会的に問題があるというか、そう言った内容。掘り下げて考えていて、こういったことを考える思考実験は楽しいですねぇ。それを展開させる伏線の提示と回収がシステマチックなのは変わらずですねぇ。綺麗すぎて可成り初期で答えには気付きましたが(;^^) ただ、こうやってみると、まだまだ『ゲームだから許されていたけれど現実では......』というテーマは幾らでも出てきそうなので、今後の展開に期待です。

 あ、あと、四阿ちゃんレギュラー化で眼鏡枠も万全。あとがきの絵師さんのイラストも素敵です。

 何はともあれ、3巻発売おめでとうございます!

 といったところで次は『二人で始める世界征服4』です。

狂乱家族日記 番外そのご

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 9月7日(月)読了。

 鬼の一族、姫宮。
 狂乱家族によって崩壊したその一族の末娘、姫宮零子。
 今は、狂乱家族の良心とも言える乱崎優歌として、普通の小学生(でもちょっと最近黒い)の生活を送っている。
 そんな彼女にも、時に萌えが求められ、時に過去の亡霊と出会うこともあり......

 そんな優歌をメインに据えた短編集でした。
 馬鹿話と暗い話が混ざり合った構成ですが、この中では『姫宮否七の花いちもんめ』が最も好きですねぇ。
 姫宮の過去、千花と優歌の過去、千子と零子の兄である否七の屈折した家族愛の物語。
 何か、やっぱり日日日のこういうノリが嵌ります。正直、他と比べて相当の暗さを誇る一品ですが逸品でもあります。まぁ、何か、この御華詩と『姫宮零子のかごめかごめ』は何かライトノベルというよりは文学的だなぁ、と思ってたら日日日もそういう意識はあったようですな。日日日作品では特に新風舎の作品が好きだった身としては時々こういうのを書いてくれると嬉しいですな。

 てなところで次は『狼と香辛料 ⅩⅡ』です。

耳刈ネルリと奪われた七人の花婿

 石川博品・著、うき・イラスト、ファミ通文庫。
 8月11日(火)読了。

 第八高等学校の一大行事である演劇大祭が近づいていた。
 本来であれば農芸隊の活動に明け暮れる筈のレイチだったが、ネルリが勢いで優勝候補のチェリに演劇大祭での勝負を挑んだために事態は急転直下。
 気がつけば、一年十一組全体を巻き込んで演劇大祭に出場することになる。
 果たして、その無謀な挑戦の結果や如何に......

 異文化コミュニケーションな御華詩第二弾。
 今回は基本部分に『演劇』を取り入れたのがよい感じで、前作よりもいい感じに世界観が伝わってきたように思います。典型的な演劇の構造を下敷きにしてはいますが、頓知の効いた御華詩なんかもあってそれ自体も楽しめました。又、暈かしながらも政治的な焦臭い部分も出てたりして、それでいて暗くならないのは持ち味でしょうねぇ。
 また、最後にちょっとした転機を迎えた気もするのでこの先どうなるのか気になるところでもあります。

 てなところで次は『バカとテストと召喚獣2』です。

バカとテストと召喚獣

 井上堅二・著、葉賀ユイ・イラスト、ファミ通文庫。
 7月1日(水)読了。
 第8回えんため大賞編集長特別賞受賞作。

 文月学園では、ちょっと変わった制度があった。
 学年が上がる際に行われる振り分けテストの成績順位に基づくクラス編成では教室の設備までもがランク分けされる。
 しかし、そのランクを覆す下克上のシステムがあった。
 クラス対抗の試験召喚戦争、試験の点数がダイレクトに戦力となる戦い。
 そんな中、吉井明久はダントツの馬鹿さで最下層のFクラスに所属していたがとある理由で下克上を目指して......

 今更な感もありますが気になって読んでみましたということで。
 ふむふむ、予備知識無しで読んでみたのですが、まっことタイトル通りの御華詩ですな。シミュレーションRPGっぽい雰囲気でパラメータを課目と試験の点数にしたようなシステムが上手く話に活きていて新鮮な風味を感じました。全体的にテンポが良くて読みやすいのも良いですな。ただ、面白いと思ったモノの続きを読む時間があるかどうかが問題です(;^^)

 てなところで次は『ビスケット・フランケンシュタイン』です。

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc2

 田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
 6月5日(金)読了。

 ギャルゲヱの世界をこの現実に呼び出してしまうという奇跡。
 その中心に居た都筑武紀は、ある日の学校帰りに一人の少女に声を掛けられる。
 隣に住む理恵と似た声のその少女は、何と小学校の頃に転校によって離ればなれになってしまった幼馴染みだった。
 しかしその再会は、ヒロイン達との日々に亀裂を生じさせることとなる。
 時を同じくして公園に現れた巨大な木。
 恋愛成就などの御利益が囁かれているが、その設定は多くのゲームで似たような設定が語られるモノだ。
 何のゲームか判然としないまま、彼は再び別の奇跡に巻き込まれて......

 『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!』第二弾登場。
 虚構と現実の交錯によって生じる軋轢などが描かれるのが魅力の作品ですが、今回は前回より更に踏み込んだ内容となっておりますな。今回は武紀では無い誰かが起こした奇跡。複数のゲームの設定が同じ舞台に登場すると、どうなるのか? そんなことが描かれています。
 全体的には確信犯的に積み上げたフラグを回収したり回収できなかったりと言った構成になっていてシステマチックなのは前作同様です。ただ、ギャルゲー的な思考を逆手に取って事件に結びつけていく手法は前作では飛び道具的なモノになっていましたが、その辺りが今回は普通にノベルゲームのフラグ獲得とイベントの関係性になっているように感じました。少し大人しくなってしまった感は否めませんが、シリーズとして世界観を引き継ぐ落としどころとしては妥当とも言えましょう。少なくとも、今回で全体の世界観が確立されたので色々と話を膨らませる自由度が出てきたように思います。
 それでもやっぱり、作中ゲームの内容が登場人物たちのさらっとした説明だけなのが微妙なところでした。もう少し作中ゲームのシーン再現があった方が個人的には感情移入できたようにも思います。これは本当に個人的嗜好ですし、多分、そういう路線は敢えて作中ゲーム話は飽くまで非現実であることを強調する意味で避けてるところもあるんでしょうが(;^^) 作中作は読者の視点では容易に作中現実と混同してしまいますしね。

 こんなことを考えていると、ふと『虚無への供物』とか『匣の中の失楽』とかを思い出しました。そういえば、これをギャルゲーでやるとこんな感じになるのかもしれないなぁ、と思ったり。

 何はともあれ、第二巻発売おめでとうございますなのです。

 とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ レオン・ザ・レザレクター4』です。

臆病な僕と噛みまくりの魔女

 ゆうきりん・著、千葉サドル・イラスト、ファミ通文庫。
 5月14日(木)読了。

 異世界から現れる人類の敵たる《お隣さん》が現れて久しい世界。
 少年少女は《バイト》と称して弱い《お隣さん》を狩るのが一般的となっていた。
 そんな中、チームの足を引っ張ってばかりで主に囮担当の倶木瞳が頑張って攻撃を担当した日。
 やはり上手く倒せず追い詰められた彼は、突如現れた《魔女》に魅入られ......

 タイトルの印象で内容は全く予想せずに読んだのですが、読んでみると、人類は逞しいというか、侵略者から身を守るために戦うのが当たり前と鳴っている世界での御華詩でした。短い中で世界観がしっかりと描かれていて自然と話に入っていけました。特に、《魔女》に関する設定は面白いですねぇ。あと、某武器の呼称が頑なにドイツ語だったり。
 面白そうな設定は色々あれど、まだ提示されただけで終わっているところもあってどうやらシリーズとして続けるようなので暫くは追いかけて見たいと思います。

 とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ チェイシング・クリムゾン』です。

"文学少女"見習いの、初戀。

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 5月11日(月)読了。

 日坂菜乃はこの春から通う高校をふらりと訪れていた。
 昼と夜の狭間の黄昏時。
 そこで、彼女は黄金色の校庭で泣き崩れる少年の姿を見つけた。
 それが全ての始まりだった。
 聖条に入学して程なく、友達と部活巡りをしている際に偶然にその少年が誰なのかを知る。
 途端、気持ちが止まらなくなる。
 「わたしを文芸部に入部させてください!」
 気がつけば、少年、井上心葉に向かって、そう叫んでいた。
 これは"文学少女"を想う少年への、"文学少女"見習いの少女の、決して実らないであろう初戀の物語......


 いやぁ、なんか読み終わってまだ暫くこの御華詩を楽しめる感動に心が満たされました。
 あの後、三年生になった心葉の成長と、必死に絶望的な初戀に立ち向かう菜乃の物語がもう少し読めるかと想うと嬉しくて溜まりません。
 まぁ、相変わらず淡いイラストに騙されると、人間の内面を生々しく描いた内容のヘビーさに打ちのめされますが。今回は本当に、優しくも壮絶な御華詩です。やり切れませんねぇ。
 テーマは『心中』ですかねぇ。ハッピーエンドとは何か? というのは本当に難しい問題ですな。とは言え、今回の主人公である"文学少女"見習い、日坂菜乃の相手が井上心葉という時点で切ないモノがありますが、それに立ち向かう彼女の姿もいいですねぇ。何はともあれ、次が待ち遠しいです。

 てなところで次は『黒姫のユズハ2』です。

耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳

 石川博品・著、うき・イラスト、ファミ通文庫。
 4月10日(金)読了。
 第10回ファミ通文庫えんため大賞優秀賞受賞作。

 『本地』のエリートと『王国』の王族が集う第八高等学校。
 レイチ・レイーチイチは親のコネで入学することになっていた。
 その道中、シャーリック王国の王族の付き人として同じ八高に入学するワジと列車に乗り合わせ友人となる。
 八高に付くと、ワジの主人であるネルリとその護衛であるナナイと出会い、同じクラスで学ぶこととなった。
 本地と王国、文化の違いから考え方も異なり、何かと問題も孕みつつ学園生活は幕を開けて......

 ふむむ、タイトルの印象からもっと残酷というか強烈は御華詩を想像していたのですが、内実は異文化コミュニケーションとその壁への挑戦というか、そんな感じの青春活劇...... だったと思います、多分。とりあえず、語り部のレイチが真面目な流れでもエロ系の妄想トークをかます辺り、『藤堂家はカミガカリ』に通じるモノを感じたりしますが、これは可成り些細な連想で、全体的には確かに独特な世界観と語り口を形成していたなぁ、と感じました。正直、プロット自体は淡々としたモノなんですが、その語り口で引っ張られる感じですね。物語的にはどうとでも続けられそうな感じなので次はどうなるのか、気になるところではあります。

 とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS 3』です。

狂乱家族日記 番外そのよん

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 3月26日(木)読了。

 過去の残酷な事実を知った『ぱちんこ屋(というパン屋)の娘さん』こと鷹縁切子は自分探しの旅の途中。
 幽霊に取り憑かれたり、ぼったくり温泉で働いて悪魔の陰謀(?)に巻き込まれたり、生物兵器に捕まったり。
 波乱万丈な旅を終え、帰ってきた彼女の成長は......


 という訳で、番外といいながら狂乱家族の一員にして最強の生物兵器でもある乱崎雹霞の想い人、鷹縁切子の物語となっています。
 本編を補完する内容で色々と設定が明らかになったりする部分もありました。特に尋常人工生命開発研究所の御華詩はよいですねぇ。日日日らしいと言うか、こういう古典やら御伽華詩などを絡めた構成が上手いですね。若干、中村奈々子のテイストを感じます。そうして、最後のシンデレラはまたこういうパターンと想わせて...... うん、無茶苦茶だけどいいラブコメですな。

 しかし、何気に乱崎家で一番まともに恋愛してますね、雹霞(;^^)

 とまぁそんなところで次は前回壮絶な引きだったので気になって仕方が無い最終巻『 SHI-NO -シノ- 君の笑顔』です。

狂乱家族日記 拾壱さつめ

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 2月16日(月)読了。

 『世界会議』に向かう道中、都市型飛行船マスカレイド号船内では未曾有の大事件が発生していた。
 黒幕は誰なのか?
 それさえも解らないまま、しかし『世界会議』は予定通り開催されることとなった。
 内容は事前に全く明かされず、世界中の要人を一カ所に集めたその会議の内容とは......

 『世界会議編』もしくは『閻禍伝説編』クライマックス!
 いやぁ、これは本当に盛り上がりますねぇ。今まで提示されてきた伏線の中でも最も肝となる閻禍伝説の本質が遂に明かされました。なるほどなぁ...... 本当に総まとめでこれまで仄めかされていた内容がほぼ綺麗に繋がりました。しかも、あのキャラこのキャラとオールスターの様相も呈していたり非常に贅沢な内容でその辺も嬉しいですねぇ。
 ちょっとしたすれ違いが招く悲劇。そんなモノはありふれていて。
 解り合えない苦しさ、それは誰もが抱えていて。
 これは他の作品にもみられる傾向に思えるのですが、今回の『世界会議』そんな人間の持つ業とも言えるモノを解決する一つの提案であり、日日日の思いなのかもしれませんね。そんなことを感じたりもしました。あの辺の持っていき方は良いですねぇ。

 こうして、いよいよ終わりが見えてきたところで次は語られているようで語られていない長男の御華詩、そして、母親の御華詩でラストというロードマップになりそうですね。まぁ、まだ暫くは続きそうなので楽しみに読んでいきたいと思います。

 てなところで、次は『狼と香辛料 Ⅹ』です。

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!

 田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
 2月1日(日)読了。
 第10回ファミ通文庫えんため大賞優秀賞受賞作。

 ある日届いた見覚えの無いメール。
 ......あなたの世界を変えてみませんか?
 胡散臭いにもほどがある内容だ。
 当然、何かのネタだろう。
 そう思いながらも微かに期待を抱きつつ、指示に従って事細かな設定を進めていった。
 結果、奇跡は起こった。
 居なかったはずの幼馴染みが、義理の姉と妹が、学園のアイドルが、彼の日常に当たり前に入り込んでいた。
 そう、彼、都筑武紀はこの現実を塗り替え、彼の大好きなギャルゲーの主人公の立場を手に入れたのだった。

 これは、非常に面白く興味深い作品でした。
 先ずなんと言っても、タイトルがよいですね。これしかないってぐらい嵌ってます。
 また、ギャルゲー的世界観は様々な作品で利用されていますが、その使い方もありそうでない感じで新鮮でした。
 ギャルゲーの世界に入り込んでしまうか、現実でギャルゲーの方法論を用いるか、そう言った使われ方がポピュラーな気がするのですが、この作品ではタイトルの通り「ギャルゲーの世界が現実にやってきてしまう」という構図があります。その構図がこの御華詩の肝になっています。

 主人公はそのゲームを繰り返しプレイしており、ヒロインの裏事情など攻略に至までのイベントを全て理解しています。その為、主人公はメタな視点でヒロイン達に接することになりますが、そこで、ギャルゲーの文法を用いつつ、そんなご都合主義のない現実との齟齬に晒されるなど、面白い状況が出来上がっています。詳しくはネタバレますが、その辺りの描き方が良かったと思います。期待通りに進まないのが結果としてサプライズになっていたり。伏線もキッチリ回収して綺麗に物語が収束しているのも良いですね。

 一つ気になった点を挙げるとすれば、その構図上、主人公のゲーム絡みの一人語りが説明的になりすぎるってところでしょうか。簡潔に整理された雑誌記事のゲームの紹介のような説明は非常に解りやすいのですが、若干淡泊な印象も受けました。ただ、立場的に他のキャラと話題に出来ない以上、地の文で書くしかないところはあるようにも思いますし、敢えて本来のゲームの主人公を見えなくしているのだとは思いますが、個人的には説明で済ますのではなく、ゲームの場面を主人公が回想しながら元のゲームのシーン再現などで描くようなところがあってもよかったかなぁ、と思わないでもないです。そうすれば、主人公が本来のゲームの主人公とのギャップで悩むところがもう少し掘り下げられたんじゃないかなぁと思ったりもしました。前述の通り、本来の主人公を余り見せるのは、読者によっては嫌がる人も居そうなんで難しいだろうなぁとも思うのですが、個人的にはもう少し元ゲームの主人公の人物像を知りたかったなぁと感じます(;^^)

 あともう一つ難を言うなら、サブにはいるのですがメインヒロインに眼鏡っ娘がいないこと。これは非常に残念です。そんな訳で、次回は●●ルートが実装されて続編が出ると嬉しいとか言ってみたりします。って、これは完全に個人的趣味ですね、済みません。

 総じて、優秀賞受賞も納得の作品と感じました。本当に、受賞おめでとうございます。
 本職との兼ね合いで大変とは思いますが、次回作も楽しみにしています。

 とまぁ、そんなところで次は『 under2 ~異界イニシエーション~ 』です。

"文学少女"と恋する挿話集(エピソード) 1

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 1月24日(土)読了。

 心葉が遠子先輩と出会って間もない頃。
 気の進まない心葉を遠子先輩が手を引かれて強引に文芸部室に連れ込まれおやつを書かされることが日常だった。
 そんな折、心葉は一人の上級生が自分に向ける敵意から遠子先輩にあからさまに好意を寄せていることに気付く。
 いっそ、遠子先輩とくっつけてしまえば自分は解放されるのでは?
 そんな風に考えて、その上級生の恋路の手助けをすることにしたのだが......

 MF 文庫 J 消化を優先したため、発売から少し時間が立ってしまいましたがようやく"文学少女"の短編集を読み終わりました。
 甘味の甘さを引き立てる為に加える塩分というか、決して優しいだけじゃないんだけど、だからこそいっそう優しく感じられる、そんな御華詩達でした。特に、本編の裏側やら後日譚を語る、美羽や、麻貴先輩や、流人それぞれの視点の作品が読めたのが嬉しいですねぇ。しかし、それにしても『御殿山体操』ってなんだ?(謎

 何はともあれ、本編が終わっても、もう少しその世界を広げる御華詩が読めるというのは嬉しいことです。『1』と付くからにはまだ最低1冊は出るはずですしね。

 そんなところで、次は『学園カゲキ! 5』です。

コラボアンソロジー1 狂乱家族日記

 日日日、田口仙年堂、佐々原史緒、櫂末高彰、佐藤了・著、x6suke、日向悠二、カヅキレン、甘福あまね、石田あきら・イラスト、ファミ通文庫。

 決意を秘めた一人の少女が超常現象対策局を訪れていた。
 地元で起こった子供の失踪事件を解決するため、祖母から聞いた"正義の味方"に助けを求めるために。
 かつて、御色町の平和を守ていた存在がそこには居るというのだ。
 だがそれは、"正義の味方"の実在を確認するためでもあって......
 ~『狂乱!ガーゴイル日記2054』~

 これは、ファミ通文庫のお祭り企画。『狂乱家族日記』と別作品をクロスオーバーさせるという試みです。まぁ、コラボ相手の作品はどれも読んだことが無かったんですが、それでも楽しめる内容でした。各作者とも、あの手この手で自作の世界に『狂乱家族日記』の登場人物を組み込んでいて、その辺りの手法も面白かったです。いや、約一名、そんなこと全く考えずにそのまんま取り込んじゃった人も居ましたが(;^^)

 てなところで、後は個別にさらっと。上記の手法は出来る限りネタバレさせずという縛りを組み込みつつ。


『狂乱!ガーゴイル日記2054』(日日日)

 日日日が描く『狂乱家族日記』と『吉永さん家のガーゴイル』とのコラボ。
 味のある一人称と、最後の着地点が日日日らしいですねぇ。
 若き日のあの人達も出てたり、ファンサービス的な向きも...... 多分あったと思います。


『御色町狂乱捕物日記』(田口仙年堂)

 田口仙年堂が描く『吉永さん家のガーゴイル』と『狂乱家族日記』とのコラボ。
 吉永さん家のガーゴイルが守る御色町に何やらおかしなやつらがやってきて......

 なんでしょう、狂乱家族も普通になじめそうな町なんですね、ここ。そして、母は強し、というそんな御華詩。
 吉永さん家ってどんな家なのか凄く気になります......

 ※『吉永さん家のガーゴイル』は未読です。


『狂乱スイート日記 世界で一番ふしぎな遭遇』(佐々原史緒)

 佐々原史緒が描く『スイートホームスイート』と『狂乱家族日記』とのコラボ。
 レーゲンシュヴァンツ共和国の領主の血を引く一彦の元に届いた拾得物は......

 なるほど、『家族』というテーマが共通してるってことですな。その辺りの対比は非常に興味深いモノがありました。
 また、ピコリーちゃんって...... ああ、こうやって登場してるんですね(;^^)

 『スイートホームスイート』ってどんな話か気になってきました......

 ※同作者の『暴風ガールズファイト!』は1巻だけ読んでますが『スイートホームスイート』は未読です。


『狂乱すごろく階段日記』(櫂末高彰)

 櫂末高彰が描く『学校の階段』と『狂乱家族日記』とのコラボ。
 階段部の神庭幸宏は、とある日曜日にあり得ないモノに呼び止められて......

 なんか、一番普通なところに来てる気がするんですが一番『狂乱家族日記』とノリが変わらない御華詩だった気がします。
 それより、『学校の階段』ってこういう御華詩だったんですね。興味が出てきました......

 ※『学校の階段』は未読です。


『狂乱家族になってよネ!』(佐藤了)

 佐藤了が描く『わたしの Knight になってよネ!』と『狂乱家族日記』とのコラボ。
 佐倉恭子とちょっとした仲違いをした御影裕也の前に突如現れたのは......

 これは中々よい感じのいいラブコメですね。凶華様と凰火の関係を上手く活かしていたと思います。あと、優歌の黒さと(;^^)
 こういうノリは本家『狂乱家族日記』では中々描かれないところなので非常に楽しめました。

 あと、裕也の立ち位置とか『わたしの Knight になってよネ!』がどんなものか気になります。

 ※『わたしの Knight になってよネ!』は未読です。


 と、何か色々術中に嵌っている感もありますがこんなところで次は『とらドラ! 4』です。

"文学少女"シリーズ再読

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 9月22日(月)開始、9月30日(火)完了。

 1日1冊ペースで思い立って再読しました。
 今月のノルマは未達になりましたが、それでも、やってよかったなぁ、と思います。

 "文学少女"が何を感じながら、心葉の側にあったのか。
 それによって、心葉が何を感じていたのか。

 一読では中々深みまで読み解けなかったモノが、続けざまに読むことでしっかりと読み取ることが出来ました。
 本当に、よく考えられて丁寧に積み上げられていますね。時に、ミスディレクションを交えつつ、それも心地よい騙され方で。

 又、私自身は元々ミステリばかり読んでた人間で、この作品の根底にあるミステリ的な部分に惹かれたのもあります。
 でも、この作品は純然なミステリではありません。"文学少女"は"推理"はしないのです。彼女がするのは飽くまで"想像"とされています。「~とわたしは"想像"するわ」というのが彼女の決まり文句でした。

 実際、ミステリとしてはアンフェアな部分も多々あります。ですが、彼女が行うのが"想像"だからこそ、それは決して禁じ手ではないのです。想像の翼は常に空想の天へと羽ばたくことが許されているのですから。

 この作品は、ライトノベルという不定形の分野の中でミステリ的な方法論を絶妙のバランスで成立させた希有な作品という側面も持つのかもしれません。再読して、一読目で漠然と感じていたモノがこうして言葉になりました。

 とはいえ、そんな技巧的な部分はさておいても素敵な御華詩でした。
 ここには天から降り注ぐマナのような、沢山の素敵な言葉があふれていました。

 人とは決定的に違うのに人と同じフリを続ける道化の。
 求めても届かない禁断の愛に飢え渇く幽霊の。
 過去の過ちを繰り返さぬ為の自らの誓いに繋がれた愚者の。
 輝かしい才能の為に穢れることを余儀なくされた天使の。
 慟哭の中で幸いの地を求める巡礼者の。
 朧な鏡花水月のごとき愛を孕んだ水妖の。
 そして、狭き門をくぐり神に臨む作家の。

 そんな決して幸福とはいえない悲劇的な物語のに、想像の光を当て、秘められた優しさを見いだす"文学少女"のことを。

 忘れません。

 ここ数年、意識的に読書量を増やしてそれなりに本は読んできたつもりです。
 その中でも、このシリーズは特別心の深い部分に刻み込まれる作品となりました。

 今、このとき。

 この作品と出会い、再読し、深く触れられたことを本当に嬉しく思います。

"文学少女"と神に臨む作家(ロマンシェ) 下

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 9月2日(火)読了。

 すみれのような笑顔の先輩だった。
 困ったとき、苦しいとき、蹲る僕の手をそっと握って立たせてくれた。
 数々の物語を読み解いて、その闇を優しく照らす光を見いだしてくれた。
 そんな"文学少女"とその作家の御華詩......

 素敵な御華詩でした。
 この作品と出会えて本当によかったと思える、そんな作品でした。
 遂に完結して嬉しくもあり寂しくもあります。
 今は、この天から降り注ぐマナのように甘く優しい余韻に浸っていたい、そんな気分です。

 決して気楽に読める作品とは言い難い、でも、その重苦しく陰惨な中にも必ず暖かなモノを残してくれる、そんな"文学少女"の在り方。それは又『見立て』を美事に用いた良質のミステリとしての側面も示します。

 物語を様々な視点から深い奥まで見通し、登場人物の心情を読み解く。その時、すみれ色のリボンのセーラー服に長い三つ編みを揺らす"文学少女"は、鼻緒だけが赤い黒ずくめの拝み屋のようでもあります。そうして彼女が告げるのは、一見残酷な運命の中に秘められた優しさや思いやり、愛情といった暖かな感情を浮き彫りにし、事件の当事者達を絶望から救う福音。

 なんと残酷でなんと優しい物語だったのでしょう。
 この中には、人間の感情の闇と光がありありと浮かび上がっていました。
 今、私はただただその余韻に浸りたい。
 願わくば、狭い部屋の窓辺で、パイプ椅子に体育座りしながら、この本を手に......

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狂乱家族日記 拾さつめ

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 8月22日(金)読了。

 狂乱家族の子育て騒動も一段落したころに届いた『世界会議』への案内。
 主催者の意図が全く読めない中、乱崎家の面々は特に危機感もなく家族旅行感覚で臨もうとしていた。
 しかし、そんな甘い考えは通用せず、彼らは大きな試練に晒されることになる。
 果たして、不解宮ミリオンは何のために『世界会議』を開こうとしているのか......

 段々と謎が明かされていく『閻禍伝説』編ですが、今回も大きな謎が明かされて物語も核心に迫っています。

 まぁ、そんなのそっちのけで相変わらずの狂乱...... と思ったらちょっと様相が違っています、というかいつも狂乱をまき散らす凶華様が珍しく弄られてたりしてて、今回の中心は不解宮ミリオン、でしょうか。

 内容は詳しく触れずに言えることは...... 月香、はっちゃけ過ぎ。前回で家族としての絆が強まったとは言え、方向性が(;^^) まぁ、積極的に動くようになっただけで、そんなにキャラ自体は変わってないような気がしないでもないですが、日日日の年齢的になんでネタがそんなに古いのか。でも、うん、お父さんとお揃いはいいことだと思います。

 何はともあれ、色々大変なことになりつつええところで終わってたので次が待ち遠しいです。

 とネタバレ避けてどうでもいい内容でしたがこの辺で日日日祭は終了して次は『ギャルゴ!!!!!3~地上最強G級大全~』です。

暴風ガールズファイト

 佐々原史緒・著、倉藤倖・イラスト、ファミ通文庫。
 7月17日(木)読了。

 幼稚園からの一貫教育のミッションスクール、聖ヴェリタス女学院。
 高等部に進学した麻生広海はそれまで通り級長に任命され、一人中途入学者の面倒を見るよう教師に頼まれる。
 その彼女、五十嵐千果はラクロスで日本一を目指す、自称「嵐を呼ぶ、女」。
 だが、ラクロス部は何年も前に同好会に格下げされていた!
 それでもめげず、千果は日本一を目指して、それ以前に先ずは部昇格を目指して、仲間を集め始めるのだった。
 広海も立場上、その面倒を見る羽目になって……

 これは、いい。
 プロット的にはよくあるパターンなのですが、扱うスポーツがラクロスという少し珍しいモノであるのと、何よりキャラの配置が絶妙で、読み終わって非常に心地よい作品でした。語り部の広海のキャラも、きっちり後半で活かされて、ドタバタしてるのにきっちり収束するのが素敵でした。あと、そんなノリで嶋さんも全然伏せずに堂々とかましてくれる濃いネタも上手く中和してましたねぇ。まさか、あんなネタまで…… とか。

 ストーリーについてはいつもの方針でネタバレるので詳しくは書かず、取りあえず近いうちに2巻も読みたいと思います。うん、こういう作品を読むと色々といい気分になりますねぇ。

 とまぁ、そんなところで次は『とある魔術の禁書目録16』です。

狂乱家族日記 番外そのさん

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 6月5日(木)読了。

 暗殺者の父からその技術を叩き込まれた竜骨寺柊雨。
 しかし、彼は父の後を継がず、幼い妹と共に母の残した中華料理屋『謝々飯店』を継いでいた。
 これは、そんな数奇な中華料理屋とご近所の狂乱家族の交流の物語……


 ……でそんなに間違ってないと思われる、そんな番外編でした。いやはや、作者自身も言っていましたが、どれも心温まる御華詩で非常に心地よい読後感でした。

 以下、ものすごく簡単な個別印象など。


【謝々!暗殺中華!】

 アニメで先にオチを知っていましたが、それでも活字で読むとええですねぇ。狂乱家族といい関係になれそうですな。
 つか、狂乱家族はここ以外出入り禁止っぽいですが。

【雨宿りデカメロン】

 『謝々飯店』と同じ商店街の韓国料理屋の娘と、デカメロンの意地っ張り同士の交流物語。つくづくいい奴だなぁ、デカメロン。

【チクタクワニに気をつけろ♪】

 今回の中でも珠玉の優歌と兄の役に立ちたい一心の竜骨寺椿姫の奮闘物語。でも、最凶小学生コンビ誕生の瞬間かも知れませんね、これ。

【サクラチラリズム】

 あの旅行会社の社長令嬢、桜井ちえり再登場! うん、ちえりの立ち位置は確かに狂乱家族日記には必要ですねぇ。だからこそ何気に人を見る目が確かな凶華になんだかんだで気に入られてるんですよね。
 で、内容的には…… 優歌の黒さが光ったり月香の芸風が変わったり、が印象的でしたねぇ。


 とまぁ、こんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ まぁぶる2』です。

狂乱家族日記 九さつめ

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 5月9日(金)読了。

 『来るべき災厄』を退け、平穏が戻るかと思われた狂乱家族の乱崎家。
 しかし、その直後からこの家族に大きな難題が科される。
 それは…… 赤ん坊!
 訳ありの集まった家族であるが故に、まともな幼少期を送ったことのない面々は苦労しながらも子育てに励むが……

 第三部開幕! ってな訳で、これまでは狂乱的事件の数々でしたがここからは伏線回収と共に『家族』にスポットの当てられたシリーズとなる模様。今回は、優歌と月香がメインで、かつて姫宮の末娘としてあんな目にあってきた優歌が妹との接し方に苦悩したりしつつ、閻禍の謎にも迫ります。狂乱分が控えめながら、やっぱり日日日作品はこういうノリの方が好きですねぇ。本当に『絆』ってモノがどういうモノか色々考えてるなぁ、と感じます。
 アニメの方もその辺りを押さえた中々の良作と個人的には思っていますが、いよいよ起承転結の『転』を迎えた原作の行く末が非常に楽しみです。というか、ここがまだ『転』というのが嬉しいです。


 とまぁ、そんなところで次は『ぜふぁがるど』です。

”文学少女”と神に臨む作家(ロマンシェ) 上

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 5月1日(木)読了。

 遠子先輩の卒業が近づいている。
 受験が忙しいはずなのに相変わらず文芸部室に現れ、心葉の産み出す”おやつ”を食す日々。
 しかし、確実に別れは近づいていた。
 そんな中、とある切っ掛けで心葉は吹っ切った過去を呼び戻され苦悩することとなる……

 いよいよ、”文学少女”の御華詩も最終章を迎えました。
 今回は遂に、これまでは客観的な読者として読み解く立場にあった”文学少女”天野遠子の物語。
 驚くほど語られない彼女の謎が解き明かされていきます。
 それは、どんな味の物語になるのか? それは読んでのお楽しみということで触れませんし、まだ下巻がありますから何とも言えません。しかし、本当に、この作品と出会えてよかったなぁ、と思える内容です。心葉と遠子の物語。最終的な味わいがいかなるモノか楽しみです。

 とまぁ、そんなところで次は『よくわかる現代魔法1 new edition』です。

世界樹の迷宮~去りゆくモノたちへの鎮魂歌~

 嬉野秋彦・著、日向悠二・イラスト、ファミ通文庫。
 1月25日(金)読了。

 タイトルの通り、来月には2が発売する Nintendo DS 専用ソフト『世界樹の迷宮』のノベライズ作品です。
 原作は、昨今では珍しくなった古風でストイックな3DRPG。主人公は自分で創ったキャラクター。彼ら彼女らは全く言葉を発しません。飽くまでプレイヤーの分身として無個性=プレイヤーに自由に想像の余地がある、そんなオールドゲーマーには懐かしささえ感じさせるシステムだけに、自由にキャラを設定できる分、こういうノベライズには向いていますね。

 大雑把に言えば、それなりに名の知れたあるパーティーの人間模様。彼らが苦難を乗り越えて、第二階層の最深部に潜む『森の王』に挑む御華詩です。
 ネタバレとかの関係もあって、内容的には序盤の物語ですが、プレイヤーには序盤でも登場人物達にはそこが序盤かどうかなど解らないわけです。常に死と隣り合わせの冒険を続けています。そんな「このとき、きっとキャラクター達はこんな境遇だったんだ」という部分が、パーティー内の人間関係を交えつつ上手いこと描写されてたなぁ、と感じました。プレイヤーキャラ以外は、ゲームのままなので、ギルド長やら酒場の女将、商店の店主などの想いなどが見れたのがよいですね。ただ、原作で描かれない人間模様に主眼を置いて丁寧に描写している分、アクションが不足気味で中々盛りあがら無いのだけが難点ですね。

 とまぁ、そんなところで、次は『とある魔術の禁書目録15』です。

狂乱家族日記 番外そのに

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 1月20日(日)読了。

 短編集ではありますが、連作短編的に、かつての鬼の一族、そして今は、狂乱家族の一員である乱崎千花がメインの日常を綴る、全体で一つの物語となっています。まぁ、『日常』と言ってもろくなモノではないのですが。

 狂乱家族の中にあって唯一生物学的にまともな、でも生い立ちはまともではない千花。自身がかつて虐げられたからこそ、人に優しくなれる、彼女の一人称で語られる物語からはそういったものが一つの大きなテーマとして感じられました。個人的解釈ですが、再三日日日作品の根底には『絆』というモノがテーマとして根付いていると感じています。今回も友情とか愛情とか、そういったモノが感じられました。特に、五重必殺学園(史上希にみる頭の悪い「お嬢様学校」)の友人たちとの関係は本当にいいですねぇ。

 あと、番外という割には最後の書き下ろしは本編にも大きく絡んでくる内容だったのでこのシリーズは発行順に読むのが吉と思います。

 とまぁ、そんなところで次は『ヒトカケラ』です。

”文学少女”と月花を孕く水妖(ウンディーネ)

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 1月3日(木)読了。

 今年最初は大好きな”文学少女”シリーズから開始です。
 時間軸が少し戻って二冊目の後の番外編的な御華詩ではありましたが、今後につながるところもあったりして油断なりません。
 これまで基本的には裏方に回ることの多かった理事長の孫娘、『姫』と称される姫倉麻貴がメインの御華詩。

 姫倉の別荘へ、麻貴によって呼び出された遠子と心葉。
 最初はのんきに過ごしていた二人は近くの街でその別荘のいわくを知る。
 その山奥の別荘ではかつて惨劇があったのだ!
 しかも、八十年前の事件の関係者の末裔達が当時と同じ配役で用意されていて……
 果たして麻貴は何を企んでいるのか?

 とまぁ、古色蒼然としたミステリのモチーフが揃えられていてミステリ好きの身としてはそれだけでワクワクしたりしながら読んでいました。時々仄めかされた『姫倉』という血に縛られた麻貴の物語と過去の惨劇に関わった先祖とを重ね合わせながら”文学少女”が読み解いた物語は切なく哀しくも美しく強い、心に残るモノでした。ネタバレを避けて見立ては明かさないようにしていますが今回もその辺は見事ですねぇ。決してただ幸福なだけではなく、そこへ至るまでに数々の不幸を身に受ける生々しい物語なのですが、だからこそ読者にとって近く感じられるのかもしれません。

 やっぱり、ネタバレを気にすると抽象的になりますが、こんなところで。次は『アストロノト!』です。

狂乱家族日記 八さつめ

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 9月18日(火)読了。

 『宇宙人編』下巻にして、このシリーズの一つの山場『来るべき災厄』の顛末が語られる待望の八さつめ。
 地球が第ピンチの割に、誰もがマイペースだったり一方では暗躍していたり。人間の欲望ってのは結局そういうレベルのモノなのですねぇ。根っからの悪人も居なければ真性の善人も居ない。そんなことが感じられます。
 御華詩的には番外編で登場した人たちも紛れ込んできたりして賑やかな狂乱が繰り広げられます。
 今回のテーマはズバリ『恋』。
 それは、『傾城』だの『傾国』だのという言葉にも象徴されるように、時に城や国さえも傾けるモノ。それが、今回は言うなれば『傾城』ならぬ『傾「星」』。勿論、その星とは地球。一つの恋が発端となった、地球を巻き込んだ大騒動を肴に、我らが凶花様はまたまた奇策とも言える宴を開いて……

 とまぁ、そんな感じの御華詩。実は、大筋の方だけではなく、これまでに展開されてた『恋』の御華詩も少なからず絡んできますがそちらは読んでのお楽しみ。

 若干あざとさが目につくようになってきたこのシリーズの萌え描写ですが、まぁそれも若さ故。つか、そんなに日日日はツンデレ好きなのか? とは言え、それでも相変わらず端々にはっとさせられるような家族に対する情愛の形を示す辺りは深いモノがあります。
 そんなこんなで、ここまでで第二部完。次回よりこれまでの伏線回収の第三部ということでまだまだお楽しみはこれからですね。

 とまぁ、そんなところで次は『ネクラ少女は黒魔法で恋をする5』です。

”文学少女”と慟哭の巡礼者(パルミエーレ)

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 9月4日(火)、読了。

 冬。
 遠子先輩の大学入試も近づき、文芸部室で遠子先輩のおやつを書いて過ごす日々も残り少なくなった頃。
 心葉は遂に、その最大の過去の瑕と向き合う。
 少し前から仄めかされた、あの少女が登場し、様々な思いが絡み合い、残酷な物語が展開する。
 その物語を、”文学少女”天野遠子はどう読み解くのか……

 いや、もう本当にこのシリーズは素晴らしいですねぇ。今回もネタバレを避けて見立てとか語らないようにしますが、多分このシリーズは内容的には重たい部類だと思います。
 登場人物達の多くが、深い心の傷を背負っています。
 今回は特に、これまでも再三描かれてきた、心葉のトラウマが描かれます。
 そして突きつけられる、彼の想いと現実のギャップ。それを取り巻く人間の思惑。
 心の傷から決して目をそらさず、むしろ抉るような物語。そう、抉り、膿を出さなければ、癒えない傷もあります。生きるとは、結局そういうことなのかもしれません。
 正直、相当残酷な御華詩と言ってもよいでしょう。そこには生々しい少年少女の想いが描かれています。絵空事ではなく、身近な問題の積み重ねとして起こりうる、苛酷な人間模様。
 それでいて、最後の最後、”文学少女”に読み解かれたとき、絶望の中に一滴の希望を見いだすことが出来ます。人間は、強くもないけれど、そんなに弱くもないのですね。

 そして、次はいよいよこの作品中の異端。本を食べる”文学少女”という妖怪、天野遠子先輩の御華詩となるのでしょう。
 彼女だけは、「本を食べる」という明確な人外性を発揮しています。その意味は? 今巻末の意味深な言葉とも合わさって気になって仕方がありません。また次も出たら速攻で読む所存。

 とまぁ、そんなところで次は気軽に読める『リミットレス3』です。

狂乱家族日記 番外そのいち

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 6月14日(木)読了。

 『番外』ということで短編集ですが、中々いい短編書きますねぇ。どれも笑いあり涙ありでいいエンターテイメント。
 特に、最初の『旅行も呪いも計画的に♪』は素晴らしい。何しろ、絵師さんの陰謀で眼鏡率アップ! 表紙を飾るちえりさんに、コスプレで眼鏡装着の凶華様。うん、いい。
 あと、印象的だったのは『月曜日に猫を拾う』です。これはタイトルからあからさまなミスディレクションでしたが、やっぱり、ミステリ読みでないと騙される人も居るんでしょうねぇ。そんな若干ミステリチックな仕掛けがあったりしつつ、狂乱家族の出来る以前の御華詩を、とある大学生の視点で素敵に綴っています。ドリンダちゃんいい人だ。

 つか、やっぱり根っからの悪人居ないなぁ、日日日作品って。根っからの善人も居ないんですが。そこがまたいいところですねぇ。救いがあります。それがエンターテイメントの王道とも言えるでしょう。

 そんなこんなで一ヶ月にわたる日日日祭りは終了。まだ手に入っていなくて未読は残ってますが、一旦日日日離れて次は『刀語 第六話 双刀・鎚』です。

狂乱家族日記 七さつめ

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 6月12日(火)読了。

 『宇宙人編』上巻。メインは月香と凶華、ですかね?
 なんというか、全体としては『異文化コミュニケーション』が一つのテーマでしょうか。個にして全なる完結した存在と、個体が独立した存在との意識の差。『恋』というキーワードを軸に展開する中々に興味深い御華詩でした。
 なんというか『来るべき災厄』は以外な存在でしたがそれ以上にかなり早い段階でわかったもののそれでも個人的に意外な存在だけ提示されてた人の方が驚きだったり、意外性もあって楽しめました。
 まぁ、最後の最後になんかえらいことになってますが、これが下巻でどう解決するかが楽しみです。

 ……しかしホント、根っからの悪人っていませんね。

 とまぁ、まだ出ていない下巻まで全体の決着は保留として次は『狂乱家族日記 番外そのいち』です。

狂乱家族日記 六さつめ

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 6月10日(日)読了。

 帝架編(?)これにて決着、な御華詩。
 人間VS動物、という構図を突き詰めていって、なんとも人間らしい方法で決着が付いたのは素直に上手いなぁ、と思ったんですが…… いや、日日日ってこれ書いた頃って有権者になるかならないかって頃だったような気がするんですが、それであのネタとは世間をよく見ていますね。
 それと、動物と人間の対立の下りは『アンダカの怪造学』の怪造生物と人間の対立と通じるモノを感じました。やっぱり、この辺りも日日日のテーマなんでしょうねぇ。ただ、より身近なだけに考えさせられることも多いですねえ。
 あと、時々、本当に20歳(当時)か? と思うネタが出てくるんですが、これは担当の差し金なんでしょうかねぇ。往年のジャンプネタとかならまぁ解るとして、このネタって一般的なのかなぁ(;^^) ってか、若い人はネタってことも解らないでしょうねぇ、これ。私ぐらいの世代ならメロディーが付いてしまうフレーズですがね。
 あと、なんか基本的に根っからの悪人っていないですよね、日日日の作品って。そんなことも感じさせられた御華詩でした。

 とまぁ、どうでもいいところを中心に書いてますが、内容的にはこれまで積み重ねられた謎のかなりの部分が明かされて物語も多分佳境に入りそうな雰囲気です。引き続きの7巻に期待というわけで当然次は『狂乱家族日記 七さつめ』です。

狂乱家族日記 伍さつめ

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 6月7日(木)読了。

 今回は褐色皇帝の血族にして百獣の王の帝架がメインの御華詩。でも、発売においつて居ませんが二ヶ月連続刊行の一月目ということで上下巻の『上巻』なのでことの顛末は引き続いての『六さつめ』読んでのお楽しみですが…… うん、ここまででも十分過ぎる問題提起でしたねぇ。

 詳しくはネタばれるんで控えると何も語れん気もしますが、ライオンの帝架とその旧知でもあり、人間に恨みを持つマダラとの関係を中心にして、人間と動物の在り方というか、人間の不自然さ見たいなモノが描かれてます。確かに、そうなんですよね。人間は人間に住みやすいように突き詰めて結果として自然を壊し遠回りで無自覚な自殺をしている種族。そんなことを考えさせられました。

 とかなんとか重いテーマを見いだしつつ、一つ大きな謎が明かされるんですが確かに字面が間抜けだったり。でも、何となくこれまでで感じられてた内容なんで順当なところとは思いました。

 はてさて、今回の事件がどのような結末を迎えるのか、引き続き『狂乱家族日記 六さつめ』を読むデスよ。

狂乱家族日記 四さつめ

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 6月5日(火)読了。

 今回は、閻禍の細胞から生まれた最強の生物兵器、元・黒の十三番、現、乱崎雹霞(みだれざきひょうか)がメインで、その裏側で千花の成長物語でもある、そんな御華詩。
 タイトルでもある『狂乱家族日記』が各章の冒頭に書かれているのがこのシリーズの一つの特徴なんですが、今回はそれを上手いこと使ってますねぇ。いや、正直前の巻が若干反則気味だったんで。

 ある意味、一番悲惨な出自を持つ雹霞ですが、そんな彼の初恋と過去。その二つが絡み合って辿り着いた落としどころはでも、やっぱり日日日らしいオチですねぇ。しかし、なんでいちいちあんな壮絶な人生を描けるんだ… やっぱり文学的ですね、そういうとこは。詳しくはネタばれるので伏せますが。一方で、狂乱家族の中にあって一介の少女でしかない千花のちょっとした成長が描かれているのもまたよし。あと、夫婦漫才に磨きが掛かってきましたね、凰火と凶華。もう誰がみても仲良し夫婦。いい絆です。

 そしてまた、今後に向けても大きな動きがあってようやくここから本編って感じですが、まぁ、現時点であと3冊は本編が出てるのでとっとと読みたいと思います。

 そんな訳で次は『狂乱家族日記 伍さつめ』です。

狂乱家族日記 参さつめ

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 6月1日(金)未明、読了。

 むむむ、なるほどなるほど。死神三番はこういう方でしたか。そんな訳で、参さつめだからか三角関係な御華詩でしたが、確かにそれでこそ凶華と凰火の絆がより力強く描き出されますねぇ。また、死神三番の凰火への想いの落としどころは絶妙でした。上手いですねぇ、こういう言い回し。

 今回は他の家族は途中退場で途中からは凰火を挟んだ凶華と死神三番の女の闘いという風情なのですが、その辺はネタばれるので割愛。色々と過去が見えてきたとだけ。

 とまぁ、そんな訳で引き続きというかここからは狂乱な日々というわけでお次は『狂乱家族日記 四さつめ』です。

”文学少女”と穢名の天使(アンジュ)

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 5月8日(火)、読了。

 いやぁ、よかった。ええ作品でした。読み終わって先ずは、もう素直な感想を述べたい、そんな心境です。
 陳腐な言葉ですが便利な言葉です。でも、読んだ後にこれだけ色々なモノが残る作品は辺に飾るのも無粋にして『ええ作品』と抽象的に述べることこそ粋とも思えます。

 はてさて、今回もいつものごとく見立てがありますがやはりネタばれるので伏せておきます。
 そんな今回のメインヒロインは心葉君に思いを寄せる琴吹ななせ。彼女の親友であり、音大附属高校で声楽を学ぶ少女を巡る物語。歌やってる人間なんで今までよりも感情移入度高い分、色々と来るモノがありました。なんか、最後の方は痛ましくて痛ましくて、でも、決してそれだけではないことが解って。そうしていつものごとく物語を読み解く”文学少女”天野遠子先輩はやっぱり愛すべきキャラですねぇ。
 一方で、心葉は今回の事件に関わるとある人物の中にかつての自分を見つけつつ、少しずつ少しずつ自分の避けてきた過去と向き合います。そんな彼が最後に見いだした素朴なモノには、胸打たれるモノがありました。
 決して甘いだけではない。渋み辛みがあるからこそ人間は素晴らしい。文学を味で表する遠子先輩は、その実、様々な人生を味わっているのかもしれない。そんなことを思ったりもしました。うん、本当に、人間ってどこまで行っても人間なのですね。

 そして、次の巻では遂にその過去の最大の象徴と向き合うことになりそうです。そうなると、次も出来る限り速攻読破を目指します。


 とまぁ、そんなところで次は『刀語 第五話 賊刀・鎧』です。

狂乱家族日記 弐さつめ

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 2月14日(水)未明、読了。

 何だか読むのに間あいてますがようやく弐さつめ。
 このシリーズはストレートに『家族』というものが描かれててよいですねぇ。どんなにそれぞれがというか母親が突出してですが無茶苦茶に見えても、血のつながりどころか種さえも違っても、そこに家族という絆は成立する。それが『家族』というものについてより深いモノを導き出しているように思えます。

 今回のテーマは新婚旅行。でも、この狂乱家族乱崎一家の旅行がまともに行くわけも無く…… という訳で、やっぱり騒動が起き、家族の危機に一丸となって立ち向かう、そんな物語。今回のメインは雹霞と優歌でしょうか。この二人の共通点を上手く使った筋立てで、悲しいけれどええ御華詩でした。

 とまぁ、そんなところで、次は『うらにわのかみさま 2』です。

”文学少女”と繋がれた愚者

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 1月9日(火)読了。

 前巻に引き続いて今巻も文句なしの良作でした。
 このシリーズは文学作品を下敷きにしています。今回は、ストレートに文芸部の文化祭の劇としてとある文学作品を、心葉や遠子、更にはその他の身近な人間を巻き込んで演じることになります。その中でとある人物が演じることになった登場人物が、実は彼の過去と重なる部分があって…… といった内容です。
 上記の『劇』というモチーフに暗示されるように、今回の話がこれまでと大きく異なるのは、今までの事件では自覚的な読者であった心葉も遠子も、登場人物的な立場になることです。そのため、彼はこれまでよりもずっと深く、自分の過去と向き合うことになります。
 その結末は読んでのお楽しみですが、正直、今回もいつものごとく重たいテーマの御華詩です。イラストはふんわりしてますが、中身は生々しいです。でも、だからこそ心動かされるモノがあります。生々しいのはまた、純粋であると言うこと。結局、過去の文学作品に描かれた人間の様々な感情は、今にも通じるものがある。まだまだ人間捨てたモンじゃない、そんなことを感じさせられる作品ですね。全くタイプが異なる作家ですが、日日日作品に通じるモノを感じたりもしました。人間万歳。

 そんなところで、次も重いですが『 SHI-NO -シノ- 愛の証明』です。

ときむすび

 築地俊彦・著、加茂・イラスト、ファミ通文庫。
 11月14日(火)読了。

 ふむ、一冊完結でさらっと読めてよい感じですな。
 基本的には公言されているとおり青春モノですな。
 高校生の仲良しグループの中で起こるちょっとした事件が色々と発展したり繋がったりしていって最終的な真相に至る、という非常に分かりやすい構成の御華詩でした。高校生活の描写とかは、参考になる点が多々ありました。登場人物達のやりとりが自然で、高校生活の空気がよく感じられました。
 ただ、最後の方の急展開は若干急過ぎた気がしないでもないです。相当にインパクトのある場面の筈なのさらっと行ってしまって少し拍子抜けしてしまいました。まぁ、読んだ後の感覚は上手い具合に中和されていてよいのですが。
 あと、イラスト上は眼鏡娘を二人も装備している割にそういった描写が全く無かったのは大きなマイナスですな。

 とまぁ、そんなところで、次は『マルドゥック・ヴェロシティ1』です。

神宮の森卓球場でサヨナラ

 野村美月・著、衣澄れい・イラスト、ファミ通文庫。
 9月29日(金)、読了。

 卓球場シリーズ最終巻。これは良いシリーズでした。
 何というか、素朴で、素直で、色々と忘れていたことを思い出させてくれるというか、読後気持ちいい作品です。
 今回で遂に朝香達は大学を卒業することになります。それぞれの進路に向かうことになります。ただ、朝香は卒業を控えて進路に悩んでいます。

 就職は一応決まったけれど、それが本当にやりたいことなのか?
 作家になる夢はどうするのか?
 東京に残るべきか福島の実家に帰るべきか?

 そんな悩みと向かい合い、最後には自分の道を見出す、そんな朝香の成長譚として非常に楽しめました。
 まぁ、本筋は、これ以上異界の出来事に巻き込まないために一般人の朝香達から卒業と同時に卓球の巫女である華代子の記憶が消されて仕舞うことを、ロイヤル=ハーモニー=スペシャル=ボイス=オーケストラが知ってしまって云々…… といった内容ですが、やっぱり、朝香一人称なのでその事件を通して未来を見詰める姿が印象的でした。それと、やっぱり仲間っていいなぁ、と思います。

 と、心に染みたところで、次は『神曲奏界ポリフォニカ~スパーティング・クリムゾン~』です。

あだたら卓球場決闘ラブソング

 野村美月・著、衣澄れい・イラスト、ファミ通文庫。
 9月21日(木)、読了。

 今回は語り部である素敵眼鏡っ娘朝香の恋物語。
 相変わらず、強引な設定なんだけれども何か納得させられるというかどうでもよく思わせる展開は美事です。うん、ウルトラ怪獣大百科に載りそうだけど、それも全然平気。
 また、今回の舞台は安達太良な訳で合唱王国福島な訳ですが、日本地理の苦手な私は普通に『合唱王国福井』と素で打ち間違えてました。福島県の皆さんご免なさい。『福島』って大阪の次の駅のシンフォニーホールの最寄り駅の印象が強すぎて中々県として認識できないのですよ。。
 閑話休題。
 まぁ、合唱の描写の突っ込みどころはともかく、歌と心情の絡め方は毎回いい具合ですな。眼鏡も維持されましたし。次で最終巻ですが読むまでには少し間が空きそうです。

 とまぁ、そんな訳で、次から6冊連続で『ゼロの使い魔4』以降を順に読んでいきます。因みに、一ヶ月以上掛かるとこの上に来月発売の外伝『タバサの冒険』も続いてしまうので、それまでには終わりたいです。

”文学少女”と飢え渇く幽霊(ゴースト)

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 9月5日(火)、読了。

 これは久々に心に残る良作でした。
 前作と同様、とある文学作品を下敷きにしたストーリーです。まぁ今回のモチーフの作品名を出すとその作品を知っている人にネタバレしてしまうので避けますが、その辺の使い方が非常に上手いのです。
 今回の物語の登場人物達も、前作とはまた異質な重たいモノを背負っています。それも、生々しく壮絶なモノを。”文学少女”らしく上述のモチーフの作品に言及しながら作中登場人物とモチーフの登場人物が合わさって絡み合っていく部分は綺麗にパズルのピースが嵌っていってゾクゾクします。こういうの大好きです。
 表現がややこしいのですが、作中で『主要登場人物が織りなす物語の読者』としての文芸部部長の天野遠子と井上心葉の在り方も興味深いモノがあります。彼女と彼は自覚的に読者たろうとします。そして、読者であるからこそ見えるモノをその登場人物達に告げることになります。この辺の構図もよいですね。それでいて、心葉がその登場人物に共感しつつ、その物語と自分の過去を見比べたり、彼の心の動きを描く上でも効果的です。
 そんな訳で、このシリーズは注目度上位に上げて、今後も出たら速攻読破で行きたいと思います。

 さてでは、次は『アストロ!乙女塾!星のプリンキピア(下)』です。

那須高原卓球場純情えれじ~

 野村美月・著、衣澄れい・イラスト、ファミ通文庫。
 8月27日(日)、読了。

 卓球場シリーズ第二弾。何故卓球? ということは気にしてはいけません。
 今回もまた、ロイヤル=ハーモニー=スペシャル=ボイス=オーケストラの面々が色々巻き込まれていますな。ともあれ、中軸となる村と生け贄と鬼の対比とか、実はその辺がしっかりしてるんでノリで押し切られてるようで納得いくところもあるのがこの作品の魅力なのかも知れません。何より、語り部が眼鏡娘ですから、ええ。次の表紙を飾りますよ。

 ……後半、内容と関係なくなってきましたが、まぁ、そういうこともままあるということで。

 次はずっと気になっててようやく入手した『神栖麗奈は此処にいる』です。

ななついろ☆ドロップス

 市川環・著、いとうのいぢ・イラスト、ファミ通文庫。
 7月28日(金)読了。

 今年4月に発売された同名ゲームのノベライズ。
 ゲームの方も『恋愛初心者どきどき★アドベンチャー』と銘打つだけあって、温かい雰囲気でしたが、こちらも心地よい御華詩でした。
 内容的には、すももシナリオの終盤を、すももと石蕗君それぞれの視点で描いて内面がより掘り下げられていて、ゲームプレイした身としては嬉しい内容です。さりげなく、ノナのいいところも描かれてましたし。まぁ、時間軸的にすももシナリオ最終章が中心となっているのでゲームのネタバレを多分に含んでいるのはご愛敬ということで(;^^)

 さて、心地よい作品を読んだこれからはMF文庫J新人賞受賞作、もしくは受賞作家作品を続けざまに。先ずは、一作品だけ読むのが遅れていた第0回の『世界最大のこびと』。その先はいよいよ発売された第2回受賞作品に移ります。

狂乱家族日記 壱さつめ

 日日日・著、x6suke・イラスト、ファミ通文庫。
 7月24日(月)、読了。
 第6回ファミ通文庫えんため大賞佳作受賞作。

 なんでしょう、このタイトルがこれ以外ないという御華詩は。
 奇妙だけれど、創られたものだけれど、でも、家族以外の何者でもない。
 今まで読んだ日日日作品とはまたちょっと違う雰囲気でしたね。
 でも、これを読んで今まで漠然と感じていた彼の作品の根底にあるテーマは『絆』なのかなぁ、とかそんなことを感じました。それも、ちょっと標準と外れた者が望む、人並みな絆。本作は本当にそれだけが突き詰められる物語と感じました。
 破壊神の因子を持つ子供達が家族として絆を深めることで世界の平和を保とうという作戦の顛末が大雑把な筋立てです。まぁ、生物兵器やライオンやクラゲらしき何かが紛れてる訳ですが、彼らの関係、ただ人並みな家族愛を求め、其れを得、家族の為に無茶をして、そんなドタバタ劇は本当に狂乱としか言えない家族の日記ですな。シリーズが一番進んでますが、追い追い読んでいきたいと思います。

 さて、次は『アストロ!オトメ塾! 星のプリンキピア(上)』です。

赤城山卓球場に歌声は響く

 野村美月・著、衣澄れい・イラスト、ファミ通文庫。
 7月19日(水)、読了。
 第3回ファミ通エンターテイメント大賞小説部門最優秀賞受賞作。

 『“文学少女”と死にたがりの道化』の作者のデビュー作。何故かタイミング悪く見つからなかったので読むのが遅れました。
 で、読んでみて、また自分にピンポイントに嵌るキーワードがあって嬉しいですね。少なくとも、中学で卓球部。中学3年から合唱をして今に至る身には合唱と卓球という組み合わせだけで心の琴線に触れまくりデス。
 正直、相当にご都合主義で強引な展開なんですが、それはそれで綺麗にまとめているのがよいですね。オチも歌を上手く絡めて心地良いです。
 何より、語り部に当たる村上朝香が中々よい眼鏡娘なのがよいですな。

 とまぁ、そんなところで、次は新創刊のHJ文庫より『串刺しヘルパーさされさん』です。

”文学少女”と死にたがり道化(ピエロ)

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 5月7日(日)、読了。

 完全にタイトルでの衝動買いだったんですが、かなり当たりでした。
 何故か本を食べてしまう自称”文学少女”やら、元覆面美少女作家の少年やら登場人物が魅力的に描かれていますな。
 そんな設定だけ観ると、コメディっぽく取られるかもしれませんが、そんなことはなく、結構重い内容の御華詩です。
 大筋としては太宰治作品をモチーフにしてどこか人と違うことにコンプレックスを感じる少年少女達の姿が描かれているのですが、その辺の絡め方が絶妙で、気が付いたらすっかり引き込まれて止まらなくなって、読み終わってました。落ち込んだときに太宰治を読むと共感してしまうというか、そういう文学作品の力を表面的な部分だけでなく、様々な角度から描かれていてよいですね。その究極が本を食してしまう文芸部部長の天野遠子という訳ですな。

 どうやら、これがシリーズ一冊目でまだ続くようなので追いかけてみようと思います。

 さて、次はストック切れてるので後で買いに行きます。
 案外「人間失格」とか買ってくるかもしれません(;^^)

PEACE@PIECES

 小林正親・著、いとうのいぢ・イラスト、ファミ通文庫。

 行き場を見失い彷徨える御霊よ、死神候補生ナギの導きにより無に帰れ!!

 と秋月凪の言葉で始めてみましたが、これは私が最近嵌ったゲームであるところのユニゾンシフト『 PEACE@PIECES 』のノベライズです。
 死神候補生(ピーシーズ)が死神になるために人間の中に混じって魂を無に返す修行をするというのが骨子となる世界観で、物語の舞台はその修行に適した力の集まる場所の一つ『遊華総合学園』。この学園の教師・村上久斗が自分の暮らすの転校生で実は死神候補生(ピーシーズ)の百瀬玉(ももせひかる)の魂用の銃で誤って撃たれたことから死神候補生(ピーシーズ)の修行に巻き込まれていく…… というのがこの小説、ゲーム共通の御華詩の導入です。

 読んだ感想としては比較的原作に忠実でありながら、ちょっとしたアレンジも上手いこと効いていて楽しめました。若干、伏線の回収が性急に感じたのは元のボリューム考えると致し方ない部分もあるでしょう。
 ヒカルとナギの友情に焦点が絞られているので、ゲームのヒカルシナリオとナギシナリオの総合的な雰囲気ですね。ただ、その為に他のヒロインの扱いがあんまりなのが残念でした。
 あと、ゲームプレイした人が突っ込みたくなるけど突っ込んではいけないこと。

 さて、死神候補生達は、死神の力を使った後の回復はどうしてたんでしょう?(爆
 はい、それを描写したらファミ通文庫から出せませんね(;^^)

 あと、挿絵がゲームと同じいとうのいぢというのもポイントが高いですな。

 とまぁ、そんな訳で、次はアニメ絶賛放映中で小説の方も売れに売れているハルヒシリーズ最新巻『涼宮ハルヒの憤慨』です。

永遠のフローズンチョコレート

 扇智史・著、ワダアルコ・イラスト、ファミ通文庫。

 殺人鬼の少女と不死の少女とあらゆることに無頓着な少年の三角関係の物語…… なのかなぁ?
 思えば雰囲気のようなモノで衝動買いした作品ですがそれはつまり正解だったのですね。衝動を得られたという時点で。私の嗜好に非常にマッチした作品でした。読む人は選びそうですが、『殺人鬼と不死者』という図式が上手く生きた作品ですね。また、『意味』というものの意味、『現実』と自分の関係とか『嘘』と本当とか、様々な概念を錯綜とさせながらも結局は『日常』。そんなややこしいようで誰しもが考えてしまうような虚無感じみたモノが感じられる物語でした。

 何か抽象的に過ぎるかも知れませんがそういう読後感の作品でした。面白い面白くないとかではなく、ただ『読んで良かった』と思いました。この雰囲気の中で『殺人鬼と不死者』のテーマが出てくる『月姫』をパロったシーンは笑えましたが。

 最後に、上条理保はよく解った眼鏡っ娘でした。殺人鬼ですが。

 さて、次は血腥いのは同じだけど全然雰囲気が違う『撲殺天使ドクロちゃん7』です。

To Heart アンソロジーノベル

 『だいすき。』
 あすか正太・著、むっちりむうにぃ・イラスト
 『秋の風は彼方へ』
 武乃忍・著、小池定路・イラスト
 『初めての quarrel 』
 氷上慧一・著、香川友信・イラスト
 『二人きりの夏夜』
 新井輝・著、あらきかなお・・イラスト
 ファミ通文庫。
 1月21日(土)未明、読了。

 二次創作の勉強もかねて、私にとって非常に大きな存在である『To Heart』のアンソロジーノベルです。なんか、読んでると色々懐かしい気持ちになったり、作品それぞれの切り口に思うところがあったりで感傷的な気持ちが大きかったですね。
 ただ、どうにも『秋の風は彼方へ』以外、誤植っぽいのものも有りますが、ここぞという場面で原作との矛盾が出てたりして若干興ざめする部分もありました。芹香嬢は『オカルト研』、あかりの幼なじみに対する呼称は『浩之ちゃん』『雅史ちゃん』です。あと、これは仕方ないところもあるかも知れませんが、『二人きりの夏夜』の保科委員長の関西弁に違和感がありました。保科委員長なら「~するわけあるかい!」ではなくて「~するわけあらへん!」だと思うのですが。てか、由宇と混ざってる??
 とまぁ、こんな風に突っ込みが厳しくなってしまうのが二次創作の怖いところだなぁ、と非常に勉強になった次第。あ、勿論、話としてはどれも楽しめたのですがね。

 とまぁ、そんなところで、次は…… ストックが沢山あるので明日の気分で

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