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ハヤカワ文庫 のアーカイブ
偽物語 下
西尾維新・著、VOFAN・イラスト、講談社BOX。
6月14日(日)未明読了。
『栂の木二中のファイヤーシスターズ』の姉、火憐の怪異から程なく。
あれが切っ掛けかは解らないが少しずつ兄妹の距離が近くなったような気がしないでもない阿良々木暦は、下の妹の月火抜きで火憐と二人で出かけた夏休みのある日、京都弁の女に道を尋ねられて答える。
それが、始まりだったのかもしれない。
ファイヤーシズターズの妹、月火。
彼女を巡る御華詩の......
『化物語』の後日譚終了。下の妹の御華詩ですが...... 思わせ振りに書いてみたモノの色々と対応に困る御華詩な木がしないでも無いですが詳しく語るとネタバレるので書きません。何というか、これを面白いと思ってこういうのを書いて新人賞に応募するのは太陽を徒手空拳で倒しにいくようなモノだとは思う内容でした。完全に趣味で書かれた御華詩というのはもう既に思い知らされているのでその辺りを心得た人向けの御華詩ではありましょう。
ただ、それでも随所にミステリ的な方法論が使われているのでその辺りは楽しいですねぇ。どうでもいい方面に使われてることも多々ありますが、それはそれでこのシリーズの持ち味ですし。
あと、何かイデア論を思い出しましたねぇ。結構、この御華詩のテーマには嵌っているように思います。完璧な三角形なんて概念上にしか存在しませんからね(謎
とまぁ、取り留めなく書いたところで次は『かぐや魔王式 第3式』です。
シュレディンガーのチョコパフェ
山本弘・著、ハヤカワ文庫。
2月29日(金)読了。
2006年に発売された単行本の文庫化作品。久々にSFらしい(=なんかしら凄そうな用語がリアルに飛び交ってる)作品を読んで、感覚が戻らずに若干ペースが遅くなったモノの、後半は夢中になって読んでました。いやはや、空想科学も楽しいですねぇ。
表題作の『シュレディンガーのチョコパフェ』は世界の崩壊とそれでも失われない何か。『奥歯のスイッチをいれろ』はタイトルから連想されるあの装置を絡めながらひとりの男の生き様。『バイオシップ・ハンター』は頻発するバイオシップによる海賊事件の意外な真相。『メデューサの呪文』は文明が衰退したと思われたインチワームの想像も付かない到達点。『まだ見ぬ冬の悲しみも』はタイムスリップのもたらすモノ。『七パーセントのテンムー』は「テンムー」と診断された恋人に不安を感じつつ辿り着いた境地。『闇からの衝動』は女流SF作家の驚くべき過去。
とまぁ、ダイジェストでそんな七編のSF短編集でしたが、どれも楽しめました。特に、『メデューサの呪文』と『七パーセントのテンムー』が良かったですねぇ。前者は『言語SF』とか語られたりしますが正にそんな感じ。多くを語るとネタバレますが、言葉をネタにした言葉を紡ぐというのをさらっと上手くやってるなぁ、と思いました。また、後者は「テンムー」という語幹と、その社会的な扱い、それに対する主人公の想いがよく出ていました。そして、これらの短編を読みながら漠然と感じていたことが解説で言葉にされていてすっきりしました。なるほど、異なる者同士もわかり合える筈、そういう思いなのですね。その辺りは非常に共感出来る部分で段々と引き込まれた大きな要因でしょうね。色々といい刺激を受けることの出来る作品でした。
とまぁ、そんなところで、次は『ゼロの使い魔13~聖国の世界扉~』です。
マルドゥック・ヴェロシティ 1
冲方丁・著、ハヤカワ文庫。
11月24日(金)読了。
前作と同様、3冊で全体をなす内の最初の1冊なので、正直半分ぐらいまでは話が全く動かなくて辛かったです(;^^)
が、それだけ枚数を掛けて各登場人物達の背景を描いているので動き出してからの後半は非常に面白いですね。まだ事件は始まったばかりではありますが、ボイルド達がどうしてマルドゥック・スクランブルのときのような状況になっていくのか、興味深くあります。三週連続刊行でもたもたしている内に最終巻まで発売しているので近いうちに続きも読んでしまいたいと思います。
では、次は『串刺しヘルパーさされさん2~呪われレボリューション』です。
マルドゥック・スクランブル The Third Exhaust ~排気~
冲方丁・著、寺田克也・カット、ハヤカワ文庫。
11月1日(火)未明読了。
いやぁ、圧巻でした、カジノでのブラックジャックバトル。後半には壮絶な物理的なバトルも在るには在った訳ですがそちらはエピローグ的に感じてしまいました。
このカジノのシーンは作者が地獄を見ながら書いたというだけあってすさまじい程の駆け引きの押収が精密なカードの動きの描写で描かれていて読んでて頭がクラクラしましたが、最後の最後で綺麗に収まって気持ちよかったです。
そんな、カジノシーンがやはり見所だったわけですが、終盤ではバロットや他の被害者ととシェルの類似点の提示、そしてボイルドが抱くウフコックへの拘りなど、これまでの内容が綺麗に収束していくのも見事でした。ただ、ちょっとカジノが長すぎてそこらの収束が急ぎ足過ぎた気がしないでもないですが(;^^)
と、普段は余り読まないハードなタイプの話だったんでよい刺激になりました。
さて、次は倉田英之をして「本田さんやりすぎ……」と言われる『アストロ!乙女塾!』(著・本田透)です。ええ、もう一気に方向転換というかなんというか(;^^)
スラムオンライン
桜坂洋・著、toi8・カット、ハヤカワ文庫。
10月22日(土)練習に向かう阪神電車内にて読了。
余り同じ作者は続けないようにしようと思っていたのですが、すっかりファンになってしまったので続けてしまいました。
この作品の主題はヴァーチャルな世界と現実世界との対比でしょうか。ヴァーチャルな世界と現実世界のレイヤードが一つの軸となっています。MMOなネットワーク格闘ゲームの世界で最強を目指し、現実世界ではクラスメート(金の取れるスマイルの眼鏡娘)と共に歌舞伎町の青い猫を探す主人公。その二つの世界の狭間を行き来して、彼が存在する意味を見出すまでのお話、と言えば大筋は外さない、そんなお話です。
ネタバレは控えるとしてこの作品で印象的だったのは先ずは格闘ゲームの描写の巧みさ。理路整然と技の組み立てが描写されていて作者自身可成り好きなんだろうなぁ、と感じました。私は3D格闘はまるでダメで一番得意な格闘ゲームは「イー・アル・カンフー」か「飛龍の拳」と応える人間なのでその辺は推して知って下さい。でも、用語は解るのでついていけないことはなかったです。
そして何より、ヒロインのパートタイム眼鏡娘(注:眼鏡を常用するのではなく、必要な時だけ装着する眼鏡娘のこと)である薙原布美子が素敵です。眼鏡娘の描写として非常に素晴らしい。流石、眼鏡好きを自負するだけはあります。これは本当に参考になりました。
とまぁ、結局眼鏡ネタに走ったところで、次は第一回MF文庫Jライトノベル新人賞の審査員特別賞受賞作品「彼女はミサイル」です。因みに、期せずしてまた同業者のライトノベル作家です。
マルドゥック・スクランブル The Second Combustion ~燃焼~
冲方丁・著、寺田克也・カット、ハヤカワ文庫。
10月16日(日)読了。
少し間に挟んようやく2巻目。今回は攻めに転じる部分ということで、1巻に比べて各キャラの動きが出てきて面白くなってきました。『楽園』のあり方やらボイルドの鬱屈した過去とか物語の根底部分も見えてきて、より世界に引き込まれました。
そして最大のバトルであるカジノシーンが楽しいですね。色々な勝負を通したバロットの成長とか、それを見守るドクターとウフコックの絶妙な立ち位置とか。単純にポーカーとか単体ならそれなりに例もあるのでしょうが、ポーカー、ルーレット、ブラックジャックと様々な種目を選びつつ、カジノの裏の仕組みなども絡めた高度な頭脳戦が楽しめました。作者が拘った部分というのがよく伝わって、カジノの場面になってから読むペースが全然違いました。
そして、最後の大勝負前でこの巻は幕を閉じて続きが気にはなりますが、少し間に挟んで続きに移りたいと思います。
そんな訳で、次は同じくハヤカワ文庫より桜坂洋『スラムオンライン』です。
マルドゥック・スクランブル The First Compression~圧縮~
冲方丁・著、寺田克也・カット、ハヤカワ文庫。
9月26日(月)未明読了。
これは、「冲方式ストーリー創作塾」で題材になっていたことを切っ掛けに読みました。よく考えるとハヤカワ文庫で初めて邦人モノ読みました。
これは内容云々よりも、上記の「冲方式ストーリー創作塾」で語られた「冲方丁が取った創作のプロセスが如何なる形を取っているのか?」という今までとはちょっと違った読み方になっています。何せ、プロット読んじゃってるんで読む前から物語の中核知ってるので、先を楽しむというよりは、こういう楽しみ方になってしまいます。
で、読んでみて、やはり興味深い作品でした。3分冊の作品の最初だけなのでまだまだキャラクター登場編のように感じて大きな動きは出て来ていませんが、これから大きく動き出す予感は感じられています。あとは続きを読んでのお楽しみでしょう。また、こういうタイプの話は久しぶりに読んだのでちょっと新鮮味を感じたりもします。
さて、次は何を読もうかと考えて、選んだのはMF文庫J「蟲と眼球とテディベア」。新人賞5つ同時受賞の日日日(あきら)氏の作品。インパクトありそうなので楽しみです。
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