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新風舎文庫 のアーカイブ
ピーターパン・エンドロール
日日日・著、新風舎文庫。
11月9日(木)、読了。
これは、非常に心に染みる作品でした。いや、本当にいろんなことを忘れてしまってますね。
タイトルにあるとおり、永遠の子供の象徴であるピーターパンのエンドロールが主題。
虚構と現実。
その稜線が曖昧となってしまった少女の視点で描かれる、本当に些細なことに気づくまでの物語。
その課程が、本当に素朴でよいのです。
作者自身の言にもある通り、彼の他の作品に比べれば相当に地味な御華詩ですが、だからこそ持ち味がよく出ています。
その上、何でしょう、作者自身に引っかけている部分もあるからか妙に説得力のある内容でした。だからって私小説ではあり得ないのですが。悲しくも暖かいモノも残る、そんな素敵な物語でした。
ほとんどのシリーズに触れてますが、日日日の真価は新風舎の一連の作品にこそあると感じてる今日この頃です。
さて、次はもう完膚無きまで雰囲気を変えて『かのこん5~アイをとりもどせ』です。本気でえらいギャップです(;^^)
うそつき~嘘をつくたびに眺めたくなる月~
日日日・著、新風舎文庫。
9月19日(日)読了。
これは、まぁ、ジャンル的には『恋愛小説』ですな。ただ、このタイトル通り素直には進みませんが。ただ、色々と考えさせられる内容でもあり、気が付くと一気に読んでしまってました。
以前から日日日の作品って『絆』がテーマのように勝手に解釈してるんですが、今回もそうですな。それも『絆』として最も解りやすいようで誰もさっぱり正しい答えなぞ見つけることの能わない『愛』とかういものです。高校生の恋愛を描いてこういう話になるのは彼の持ち味でしょうが、案外、今の高校生はそういう風に考えたりもするんでしょうか。私も答えを持たない身なので何とも言えませんが、この作品で語られる内容は非常に興味深いものでした。
そして、私はやっぱり日日日作品はライトノベルより一般文芸の方が好みですねぇ。ライトノベルの方も好きですが、『ちーちゃん』といいこの『うそつき』といい、ライトノベルで用いられる記号的な内容を使わずとも、これだけのものが書けるというのは実力だと思います。そういった意味で俄然『ピーターパン・エンドロール』も楽しみになってきました。順番的に読むのは来月ぐらいにはなりそうですが。その前に『私の優しくない先輩』も探し出さないと……
そんなところで、次は打って変わって『ゼロの使い魔3』です。
ちーちゃんは悠久の向こう
日日日・著、新風舎文庫。
7月14日(金)、読了。
第4回新風舎文庫大賞受賞作。
……なるほど悠久の『向こう』だわな。
そんな読後感な作品でしたが、「これが日日日本来の文体なんだろうねぇ」とか感じながら読んでいました。
今のところ『蟲と眼球と~』『アンダカの怪造学』の二作品を読んできた訳ですが、この作品は図抜けて自然な雰囲気がします。
聖書に準えた今風の二つ名が頻発する『蟲と眼球~』。
『怪造』という架空の学問を軸に展開する『アンダカの怪造学』。
それらに比べればジャーゴンを含まない、飽くまで日常を舞台にした文学の世界に属するこの作品。今まで読んだ日日日作品で、一番よい作品だったと思います。
学生だからこそ学歴社会に対する視点がシビアで説得力があるだとか、決して新しくない、一世紀以上も前の文豪が既に歩んだ道を今の視点で描くとこうなるのか、とかなんだとか、評論じみたことは書いても楽しくありません。そういうのは文章を自由に楽しむことを阻害する、作者でさえ作者の心情を間違えるような国語のテストででもやってください。性分としてついつい分析しまくりますが、綜合しないと新しいモノは出てこないので困りモノ、そんな自戒の意味も込めて。
なんだか、こんなことを書く気分にさせられたですよ。
さて、以下は結末についての私見。ネタバレる可能性があるので見たい人だけ反転させてどうぞ。
そしてオープン部分の最後に『ゼロの使い魔』と、次の予定だけは宣言しておきます。