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角川文庫 のアーカイブ

退出ゲーム

 初野晴・著、角川文庫。
 7月28日(水)読了。

 わたしはこんな三角関係を絶対認めない。
 高校生になって九年ぶりに幼馴染みのハルタと再会したチカ。
 とある事情で引きこもるハルタを引きずり出したのは、彼の明晰な頭脳を借りるため。
 時は文化祭前。
 毎年ジョークで届く文化祭中止を求める脅迫状が、今年は洒落にならない自体となっているようで......

 久々にミステリに回帰。青春ミステリという煽りに引かれて読んでみましたが、これは大当たり。
 根底には、吹奏学部の部員を増やしてコンクールの大舞台を目指すという分かり易い目的があり、事件が解決すると部員が増えるという全体を通してのテーマを持つ、連作短編。学園モノとして取り扱われるのは一癖も二癖もある学生達が繰り広げる事件の数々であり殺人事件は起こりませんが、基本は本格。日常に紛れ込んだ謎が意外性を持って解決されるカタルシス。特に、最後の『エレファンツ・ブレス』の後半はぞくっとしましたねぇ。こういう驚きがミステリの醍醐味ですな。

 と、やっぱりミステリが好きと確認しながらラノベに戻り次は『狂乱家族日記 拾参さつめ』です。

全死大戦2~少女覚醒~

 元長柾木・著、 BUNBUN ・イラスト、角川文庫。
 7月18日(日)読了。

 『敗北鑑定』の能力を持つ荻浦嬢瑠璃は飛鳥井全死の奴隷である。
 出会いの後、行方不明扱いとなっていた彼女は、主の命により復学する。
 主の意図を把握できずに戸惑いながらも、勝利者の王国を気付くべく日常を過ごす嬢瑠璃。
 そうして、彼女が辿り着いたのは......

 単行本『荻浦嬢瑠璃は敗北しない』の加筆修正による文庫化。
 この世界観に触れるのは、やはり刺激的でした。自走性システム、内面化の否定、可能性マトリクスなどなど、登場する概念も前巻に比べて更に分かり易くなっていますし。まぁ、相変わらず大仰な表現なだけで大したことないんですがね、嬢瑠璃の言ってることって(;^^)
 こうして、文庫化されたのを機に続刊が出ると期待しつつ、続きを待ちます。

 てなところで次は『末代まで!  LAP2.丑三つトライアングル』です。

全死大戦1~サイレント・プロローグ~

 元長柾木・著、 BUNBUN ・イラスト、角川文庫。
 7月13日(水)読了。

 平穏を重んじ、日々のルーティンをこなすことを幸福とする香織甲介。
 彼のルーティンには、しかし、殺人が含まれていた。
 特に理由無く、習慣としての殺人を繰り返す。
 そんな彼に、安全な対象を提示する飛鳥井全死。
 ある日のルーティンの帰り道。
 電車に乗り合わせ全死に見初められた為に、一人の少女が塗り替えられ......

 『飛鳥井全死は間違えない』の加筆修正を加えた文庫化。
 既に、単行本は既読ですが大分記憶が古くなっていたのでここで補完できたのは有り難いことです。
 やはり、私の性分には合いますねぇ。物語でもキャラクターでもなく、正にこの作品の文脈《コンテクスト》が。
 恐らく、この場合のコンテクストは文脈という字義よりも、 Web アプリケーションなんかの Context に近いんでしょうねぇ。
 そう捉えれば、システマティックに解釈も可能でしょう。まぁ、メタテキストの書き換えをインジェクションのすり替えのように捉えたりとかはちょっと格好を付け過ぎて微妙なんでしょうが、そういった思考実験的な楽しみがありますな。
 まぁ、そんな内容であるが故に、可成り人を選ぶ作品だとは思いますが、私は存分に楽しめる作品でありました。

 てなところで引き続き『全死大戦2~少女覚醒~』です。

時をかける少女<新装版>

 筒井康隆・著、貞本義行・イラスト、角川文庫。
 8月3日(木)、読了。

 アニメ映画が余りにも素晴らしかったので劇場で購入して一気読みです。『かのこん4』は次です。

 感想としては正統なジュブナイルですね。というか、もう40年も前の作品というので時代を感じつつも、普遍的なモノがあるというか。因みに表題作『時をかける少女』以外にも『悪夢の真相』『果てしなき多元宇宙』という短編も収録されているのですが、どれも古くて新しいというか、勉強になりました。ちょっと登場人物のお行儀が良すぎる印象もありますが、SFとしての普遍的な部分は抑えられていますね。
 『時をかける少女』と言えば、私の世代ならやはり原田知世版を思い出すかと思うのですが、確かに過去も未来も星座も越えて現代に甦っていますね。映画を観て、先ず『ラベンダー』というキーワードを探してしまった自分がいましたから。愛は輝く船なのですね。っと小説と関係ない話から戻すと、実は『果てしなき多元宇宙』が結構ツボったり。こちらも『時をかける少女』と同程度の普遍性を持つ作品に感じました。

 とまぁ、そんなところで、ゆよんゆやよんな小説に戻ります。

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