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講談社ノベルス のアーカイブ
不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界
西尾維新・著、 TAGRO ・イラスト、講談社ノベルス。
12月28日(日)読了。
入院により欠員の出た私立千載女学園に一人の臨時教師が訪れた。
その直後、不可解な状況の死体が現れる。
装飾過多な、死体。
警察に任せておけばいいモノだが、残酷なのが運命である。
この学校には、よりにもよって倫理教師をしている串中弔士が居て。
臨時教師の名は、病院坂迷路といったのだ。
こうして14年前の『推理ごっこ』が再び始まり......
いやはや、怒る人は怒りかねない、色々とギリギリアウトなことを確信犯的に行っているアンチミステリ、いや、敢えて言うなら『幼稚』ミステリというべきか、そんな御華詩。フェアとかアンフェアとか気にしたら負けです。あくまで『ごっこ』と明記されているのですから。ミステリ読み慣れた人だったら流石にオチには途中で気づくと思います(そういう意味ではフェアな気もしますね)が、それでもシニカルで自己言及的にミステリの範疇でミステリを揶揄するようなそんな雰囲気は楽しいですねぇ。しかし、事件云々より『あの串中弔士が倫理教師』というのが一番の見所です。彼のあり方を今回の語り部が客観的に分析しているのが非常に興味深いです。まぁ、やっぱりネタバレを極力排除しようとするとどうにも抽象的になりますがこんな感じです。
とまぁ、そんなところでミステリ続いて次は『 SHI-NO -シノ- 過去からの招待状』です。
きみとぼくが壊した世界
西尾維新・著、 TAGRO ・イラスト、講談社ノベルス。
7月27日(日)読了。
修学旅行券卒業旅行として、病院坂黒猫と櫃内様刻は二人でロンドンへと向かうこととなる。
しかしそれは、黒猫の親類の笛吹という男の依頼を兼ねてのことだった。
それでも存分に観光を楽しもうとする黒猫と様刻は思いも掛けない事件に遭遇することとなった……
いやはや、確かに、これは本格ミステリ、と行ってもよいのでしょうな。ですがそれだけに、非常に楽しい作品ではあったのですが、内容は全く持って語りようがないです。というか、ネタバレずに語るのが非常に難しい作品と思います(;^^) 古典的な手法を敢えて今使ってみたような実験的な作品というか、2作品ほど有名どころを想い出しますが、それを上げた時点でネタバレでしょうから語りづらい……
しかし、黒猫ってこんなに魅力的なキャラでしたっけ? もう『きみとぼくの壊れた世界』読んでから大分経つ上にこの作品の特殊な性質のためにすっかり分からなくなってしまいました(;^^)
そんな訳で次は予定を変更して急遽半ば記念購入だった『きみとぼくの壊れた世界』(ハードカバー版)です。
零崎曲識の人間人間
西尾維新・著、竹・イラスト、講談社ノベルス。
4月15日(火)読了。
殺し名の中でも忌避される零崎一賊の中の異端。
唯一の『菜食主義者《ベジタリアン》』で『少女趣味《ボルトキープ》』の零崎曲識。
これは、表舞台にほとんど現れることの無かった彼の物語……
……悪くない。いや、これはいいですな。
まぁ、誰も彼も零崎は変わり者揃いと言えばそれまでですが、彼の場合は在り方が面白いですねぇ。彼の二つ名の数々でどういう異端かは予想がついていましたが、その辺りの理由付けが今までの流れを考えると非常に珍しいモノでした。うん、そうか、西尾維新がこれを書くとこうなるんですねぇ。
また、時系列が飛んでいるのでそれによりオールスター登場的な部分もあって戯事シリーズ読者もニヤリとさせられます。
ネタバレを避けると書けないことだらけなんですが、いよいよ人間シリーズ最後となる次の人識の御華詩が楽しみです。
とまぁ、そんなところで次は『 MAMA 』です。
零崎軋識の人間ノック
西尾維新・著、竹・イラスト、講談社ノベルス。
4月12日(土)読了。
一賊の『敵』を屠る為、零崎軋識と人識が単純なに赴いたとある高級マンション。
簡単な仕事に思えたところで彼らを狙う不測の敵。
それは、殺し名序列三位の『零崎一賊』に対する策師の罠だった。
殺し名の中でも特に忌み嫌われる『零崎』に手を出す策士の意図は……
とまぁ、どうにも『策士』の方に意識が行きがちなんですが、この話の主役はタイトルロールの『愚神礼賛《シームレスバイアス》』こと零崎軋識です。ただ、彼の立ち位置が若干特殊で、零崎としてはちょっと変わっているような、しかし、零崎とはそう言うモノだとも思えるようなそんな御華詩でした。
しかし、狙って付けられた名前とは言え、ついつい策士の名前の読み方を間違えるのはそれだけでなく直前に読んだ本の主人公の名前もありますねぇ。
内容的には殺人鬼とか殺し屋とかばっかりで殺伐としたモノなんですが記号化された登場人物達のあり方で大分緩和されてノリよく読めるのがよいですねぇ。あと、策士の趣味は面白かったです。そうか、ヤムチャか(謎 それと、あの人も眼鏡か…… いいことです、うん。
とまぁ散文的ですがこんなところで次も引き続いて『零崎曲識の人間人間』です。
不気味で素朴な囲われた世界
西尾維新・著、 TAGRO ・イラスト、講談社ノベルス。
10月21日(日)読了。
もう、およそ4年前に発売された『きみとぼくの壊れた世界』と世界観を同じくする御華詩。
学校を中心に過ごす日々を囲われた世界と感じる中学一年生の串中弔士。
姉の串中小串と、崖村牢弥、童野黒理で構成される三年生の奇人三人衆や、二年生の奇人、病院坂迷路、そして普通のクラスメートの伽島不夜子と繰り広げられる平凡な日常。そんな中に不意に飛び込む殺人事件。こうして、病院坂迷路と串中弔士の『探偵ごっこ』が始まった……
まぁ、ミステリと言うことで特に慎重にネタバレ避けて内容にはあまりふれませんがそんな感じの物語。ストーリー以外では『化物語』の時と同様のテンポのよい漫才に何度も笑わせていただけました。その辺のセンスは流石ですねぇ。あと、嘘しかつかないとか逆に人間嘘発見器とかキャラも強烈なのですが、中でも病院坂迷路のキャラ付けが印象的でした。一応、詳しくは伏せますが、私の思いつくところでは『 To Heart 』の来栖川芹香先輩、『涼宮ハルヒ』シリーズの長門有希なんかの系統のキャラを徹底して行き着いたキャラ付け。でも、本当にここまでやっちゃうと凄いですねぇ。
……あ、方向性が全く違いますが本質部分では『バッカーノ!』に類似のキャラはいますね。非常に限定的ですが。
とまぁ、あまり書くとネタバレ書いちゃいそうなんでさらっと済ませて、次は待望の、いや、むしろ『耐望』と言ってもいい15年ぶりの学生サイドアリスの新作『女王国の城』です。
トリプルプレイ助悪郎
西尾維新・著、のがるわこ・イラスト、講談社ノベルス。
8月18日(土)読了。
西尾維新によるJDCトリビュート第二弾。
小説家の業というか、そういうモノを感じさせつつ、最終的には読者を最大限に騙くらかしてくれる気持ちのいいミステリ。まぁ、中で説明されているとは言え、ミステリの定石を知らないと若干解りづらい仕掛けなのは否めませんが、素直に「やられた!」と思える逸品でしたねぇ。
古い館。
開かずの間。
隠された宝。
親子姉妹の確執。
怪盗の予告状。
名探偵。
そんな素材を組み合わせて、一見オーソドックスとも見えるミステリになってると言えなくもないのですが、解決編は可成り予想を裏切る内容です。詳しくはネタばれるので語れませんが、そんなところにまで気を配るのは本当に偏執的ですな。とは言え、タイトルがヒントな気がする辺り、ギリギリフェアと言えなくもない…… とかそんなことを考えずに読むのが吉なんでしょうなぁ。まぁ、ある作品で1行目にその御華詩の根底にある真相書いちゃってた前科有りますしね。
とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ ぱれっと』です。
新本格魔法少女りすか 3
西尾維新・著、西村キヌ・イラスト、講談社ノベルス。
3月29日(木)、読了。
本誌持ってるのに読んでなかった御華詩(;^^)
最新の西尾維新作品を色々読み漁ってると忘れそうになりますが、根源的にはミステリ畑でデビューされた訳で、こうして読むとこの『新本格魔法少女りすか』はミステリーらしい作品ですね。確信犯的にミステリ手法に言及する辺りメタっぽい感じですが。まぁ、『新本格』って用語自体がミステリ用語ですし(;^^)
あらすじは『小学五年生の供犠創貴が魔法使いの力を使って夢を叶える過程を描いた御華詩』で間違っていないはず。うん、野望も夢には違いない。
今回はなんというか、とある場面で創貴とりすかの関係の壮絶な純粋さが出てたのが印象的でした。ある意味、冷徹ということなのかもしれないのが純粋なのです。最もやってはいけないのがブレることなのだから必要なことがそれなのです。で、そのもう一人の仲間であるところの、見た目は子ども、中身は化け物なツナギさんの立場が何だかなぁ。
あと、ネタとしてはさりげに『家庭教師ヒットマン REBORN! 』ネタを混ぜる辺り西尾維新はジャンプ好きですね。講談社ですが、この本(;^^)
とまぁ、そんなところで次は『サクラ上等。』です。
新本格魔法少女りすか2
西尾維新・著、西村キヌ・イラスト、講談社ノベルス。
12月15日(木)、読了。
えと、えらく早いのは一応読了はしてますが、今回読んだのは第六話「出征!」だけというオチ。まぁ、「敵の敵は天敵!」は2004年7月20日に、「魔法少女は目で殺す!」は2004年12月8日にそれぞれ本誌で読了してるので時間を省略してしまいました(;^^) だから、これは目標達成への数にはいれません。
そして、内容ですが創貴の家族観が面白いですね。まぁ可成りぐちゃぐちゃな家庭ですが(;^^) 親父との駆け引きとかは面白かったですね。ある意味伏線の強調という意味合いの強い話ですな。そんな訳で具体的な事件がある訳でもないですが、改めて西尾氏のネーミングは凄いなぁとか思いました。
さて、では次は「戦う司書と恋する爆弾」です。
ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯事遣い
西尾維新・著、講談社ノベルス。
11月13日(日)昼前読了。
戯言シリーズ、完結。
私の Web ページの現在全力開店休業中の掲示板の名称は「戯言掲示板」。開設は 1999 年。戯言シリーズが産まれるよりも前から、私は「戯言」という言葉に縁があったようです。(「たわごと」と読まれないように注意書きまであります)
だからこそ、発売から程無い、 2002 年 3 月 2 日(土)(※日本橋散財記参照)というまだまだ世に知られず、「戯言シリーズ」などという呼称さえ産まれる以前から、何か心惹かれるものを感じて、「ジュンク堂書店 難波店」で手に取ったのでしょう。買った動機は「語りのページ」の玖渚友の欄を見ていただければ分かるように「なんとなく」だったのですが、そんなことは『どちらでも同じこと』なのでしょう。今、ここに産まれ出でた結果を換えることは出来ないのですから。
だから、原点に帰る意味で、まだ私がK太郎と名乗っていた頃の思い出、同じサブタイトルを持つシリーズ第1弾に対しての読書日記を発掘して引用します。
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クビキリサイクル~青色サヴァンと戯事遣い
西尾維新(講談社ノベルス)
清涼院流水氏が煽りを書いていたこと、印象的な表紙に釣られて何気なく買った一冊。しかし、これが大当たりです。「コズミック」以来の衝撃的な作品でした。
この御華詩には沢山の「天才」が出てきます。そして、殺されていきます。
殺人事件の解決云々が軸にはなりますが、その中で、天才になり損ねた語り部であり戯事遣いを自負する「ぼく」の視点で描かれる「天才」とはなんなのか? という部分が非常に興味深い作品です。
因みに、この作品の主人公の一人、「青色サヴァン」こと天才技術屋の玖渚友が印象的でした。今まで色んな一人称を見てきましたが「僕様ちゃん」は初めてです、はい。
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こんな感じで、やはり心に強く残ていたのです。当時怠けていたので読了日が分かりませんが、玖渚の追加日から換算して恐らく 2002 年 4 月 7 日前後と思われます。
2002 年 4 月 7 日読了として第 9 作読了の今日まで 3 年と 7 ヶ月 と 6 日 = 1316 日。これだけの月日、自分の中で大きな位置を占めてきて、これからも占めていくだろう作品です。
最初は、特徴的な登場人物。その一筋縄でいかないキャラクターの魅力に惹かれる。
それでいて最後の最後にご都合主義を否定する解決。特に『クビシメロマンチスト』のラストは秀逸でしょう。「助かる奴は助かるし、助からない奴は助からない」「なるようにしかならない」そんな生々しさ。幾ら非現実的な登場人物であってもその部分だけはどこまでも現実的だったりして、そこから得られるカタルシスが人の心を掴んだという見方も出来るように思えます。戯言ですが。
また、冒頭で私の Web ページの掲示板タイトルを挙げましたが、その意図は「この Web ページの内容なんて戯言に過ぎない」ということ。在る意味、私はいーちゃんの資質を持っているのでしょう。ですが、明言しないまでもそれは誰もが持っているモノだと思うのです。全てを戯言として安心したい。そんな気持ちが全くないと言う方が不思議にさえ思えます。そんな部分も多くの人にこの作品が受け入れられた要因に思います。
そして、『ヒトクイマジカル』以降、つまり西東天の登場当たりから始まった『物語』の概念。そこから次のステージであった訳です。その直後の『ネコソギラジカル』で収束する『物語』の物語。こう書くとメタ物語になってしまいます。確かにそれらしい雰囲気はありますが、語られる『物語』はあくまで登場人物達の現実解釈。世界を物語として捉える見方。非常に興味深いモノがありました。登場人物が自覚的に登場人物として自身を捉え、役割を意識し、道に惑う。それはまた、作者の苦悩の表れでもある。だから、どっちと解釈してもいい。どちらでもいい。それが正解でも間違いでも同じこと。それが真理に近しいと思えます。
最終巻ということでシリーズについての総評となりましたが、この巻に絞っての感想としては「まぁ、そんなもんなんだ」ということになります。これはネガティブな意味ではなく、行き着いた結論として自分の中で気持ちよく響く類のものです。「すっきりしないからすっきりした」とかでもいいのです。なんというか物語が透徹されたことが気持ちよかった。だからそんなもんだと感じることが出来たのが最良のラストだったと私は思う訳です。
蛇足。今回初登場のキャラも「眼鏡」装着。しかも文学少女的容姿で黒縁眼鏡。いや、これはやられましたよ。眼鏡方面からも侮れない作品であったことを最後に付け加えて、この『物語』への感想を締めたいと思います。
ネコソギラジカル(中)紅き征裁VS.橙なる種
西尾維新・著、講談社ノベルス。
6月11日(土)何故か神戸のゲーマーズ横休憩コーナーで読了。
いよいよ、ラストから2冊目。終わり前の盛り上がりは如何に!! ってことですが、いやぁ、流石西尾維新。意表を付いてくれます。それなりに想定内のことと全く想定外のことが入り乱れて非常に楽しい作品となっていました。色んな事実が明らかになったり肩すかし喰らったりやっぱり死んだり予想通り出てきたり。余り言うとネタバレるのでこの辺にしときますが、私はこの作品は今までの西尾作品の中で最高峰の眼鏡作品であったと賞賛いたします(謎
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ネコソギラジカル(上)十三階段
西尾維新・著、講談社ノベルス。
2月20日(日)読了。
戯言シリーズ最終エピソードの上巻。読後感はもう次が気になって気になって仕方がないとしか言えないです。ホントに、センスのいい文章書く人ですねぇ、西尾維新って。
ネタバレ避けようと思うと余り語れないですが、闇口崩子が結構ええ感じでした。何か、今回、萌え要素が色々と追加されているのも見所の一つでしょうか。絶対に忘れてはならない眼鏡分もちゃんとフォローされているのが嬉しい限りです。余談ですがジョジョ分も補強されている気がします(;^^) それと、べとべとさん分は難しいと思います。せめて見上げ入道ぐらいなら知ってる人も多いかと思うのですが(謎
って、小ネタだけ拾うと何か『ネギま!』とかみたいな萌を前面にだした小説と思われそうですがそんなことは全然ありません。どちらかというと殺伐としています。殺し屋とか殺人鬼とか暗殺者がポンポン出てきますし。それに、何やら哲学的なテイストが前作から登場していて非常に興味深いのです。最終的なテーマは『物語論』となるのでしょうか?
まぁ、そんな感じで。最後に清涼院流水氏が書いた一作目『クビキリサイクル』の帯の煽りを、ここに書いておきたいと思います。
西尾氏イチオシ。
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