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角川書店 のアーカイブ
ともだち同盟
森田季節・著、角川文庫。
8月16日(月)読了。
弥刀は自身が女性的であることにコンプレックスを持ち、上手く人付き合いが出来ず、友達と呼べる存在が居なかった。
そんな彼が、高校に入って千里《ちさと》と出会い『ともだち同盟』を結んだことで初めて友達と呼べる存在を得ることが出来た。
元々千里と『ともだち同盟』を結んでおり、弥刀と同じ部活に所属する朝日《あさひ》も交えた三人の関係を、弥刀は大切にする。
だが、そんな三人の関係がある日突然朝日が弥刀に告白したことで、大きく揺らぎ始めて......
ダークでありながら、純粋な物語、ですかね。千里、弥刀、朝日。男一人に女二人、という状況。単純な三角関係には堕ちず、その関係に自称『魔女』である千里の呪いが染み渡るとどうなるか? という御華詩。
これは、人を選びますが可成りいいですねぇ。ダークだけど、悪くない読後感。正直、読みにくい部分もあるのですが、その全てをひっくり返すように鮮やかな解決は、それまでモヤモヤしたものを綺麗に洗い流してくれました。『ベネズエラ・ビター・マイ・スイート』で感じたモノを更に突き詰めたような、恐らくは森田季節らしい作品、ということなのでしょう。今後は、一般文芸の方もチェックしてみようと思います。
てなところで次は『最強彼女黒髪めがね』です。
荻浦嬢瑠璃は敗北しない
元長柾木・著、目黒三吉・イラスト、角川書店。
4月8日(火)読了。
荻浦嬢瑠璃は世界を革命し勝利者の王国を築く。
主、飛鳥井全死のため。
≪人間≫たるため。
これは、日常の中に雌伏しつつ邁進する一人の少女の物語。
とまぁ、思わせぶりに書きましたが、まぁ、大枠ではこんな感じですなぁ。
『飛鳥井全死は間違えない』同様、個人的には非常に分かり易い内容で、読んでいる内にどんどん頭が冴え冴えとしてきました。
眠っていた様々な意識が呼び戻されるというか、そんな感じ。読後感は非常に爽快です。
なんでしょうな、これは『読むべくして読んだ作品』と言えましょうか。ア・プリオリに脳に染みこむというか、そんな不思議としっくりくる作品でした。語れば核心に触れるため、詳しくは語りませんが、荻浦嬢瑠璃は非常に魅力的なヒロインでした。眼鏡っ娘でもありますしね。
とまぁ、そんなところで次はどうせ毛色が違うところに進んだならということで「零崎を始めましょう」。
てな訳で今更ながら本誌で読み切れてない『零崎軋識の人間試験』です。勿論その次は『零崎曲識の人間人間』の方向で。
飛鳥井全死は間違えない
元長柾木・著、目黒三吉・イラスト、角川書店。
4月4日(金)読了。
殺害が日常である青年と域外者の飛鳥井全死。
全死がある日一人の少女を見初めたことからおかしな事態が始まる。
その少女、荻浦嬢瑠璃を自分のモノとするため、全死が取った行動は......
非常に好みの分かれる御華詩でしょう。そして、私には相当嵌る作品でした。
『美少女攻略ミステリ』などと銘打たれてる作品ですが、個人的にはその銘自体がミスディレクションに思えます。
ミステリはそこには無く、いや、ミステリでさえなく最初から核心が語られていてその方法論に従って読み解くのが楽しいと感じました。哲学科出身で元々メタな視点での考えは日常化している身としては『メタテキスト』の概念は非常に分かり易く馴染みやすいモノだったのでこの世界観は色々と示唆に富んだモノでした。
そんな物語が馴染み深い地域を舞台で語られたのも些末な部分を想像で補う必要性を軽減してくれて思索に耽る余裕を与えてくれたのも大きいです。語り部と全死が通う大学の風景については克明に映像が目に浮かびます。確かに下りなら阪急六甲まで15分ぐらいか、国際文化学部(旧教養部)からなら。
とまぁ、内容よりもメタな部分に惹かれたところで次は『荻浦嬢瑠璃は敗北しない』です。