知念実希人・著、文春文庫。
2月2日(日)読了。
岳士は、家出をして東京を目指していた。
左手に宿った双子の兄、海斗を消さないためだ。
だが、その道中で、殺人現場に居合わせ、殺人犯の容疑を受けることとなる。
逃走を始めた岳士は、海斗の助言に従い真犯人を見つけて疑いを晴らそうとするが……。
左手に宿る双子の兄というちょっとしたファンタジーを含みつつ、内容的には半グレとドラッグ絡みの御華詩。
サスペンスではありますが、伏線が露骨なので上巻読み終わる頃には大体の真相とオチは見えてきますな。
海斗のキャラはオチに繋げるためにこういうキャラなんだろうという作劇場の意図は感じつつも、どうにもノット・フォー・ミーな感じで少々ストレスフルでしたね。高校生の割にモノを知りすぎというか、それでいて杜撰だったり。ご都合主義な印象でキャラの違和感が先に立ちました。
描かれたテーマは興味深く喪った家族への想いは共感する部分も多々ありつつも、ごく普通のサスペンスとして帯に書いているような感動なく読了。というか、むしろ帯の薄っぺらい煽りのせいで感動できなかったようにも思うので、ネタバレは避けて欲しいところ。
てなところで次は『ゴブリンスレイヤー外伝:イヤーワン4』です。