結城充孝・著、KEI・イラスト、電撃文庫。
3月30日(水)読了。
『第11回電撃小説大賞<銀賞>受賞作』。
何というか、陰のある御華詩でした。抗争で妻子を失い自身も体の大半を失いサイボーグとなった裏組織のボス。親に捨てられ修道院で神の奇蹟を信じて信仰に生きる少女。この二人が中心となる物語。雰囲気というか世界観がしっかりしているのは好感が持てたのですが、ちょっと予定調和が過ぎる気がしないでもなかったり。ストーリー上の無駄を排除して主要登場人物に描写を絞った結果とも取れるのですが、何人か書き込みが足りなく感じられる登場人物が居たのが主たる原因でしょうね。
しかし、読み終わってから考えると中々粋なタイトルですね『奇蹟の表現』。