ホーム

ktr の不定記というか何というか

神曲奏界ポリフォニカ~ジェラス・クリムゾン

  • Posted by: ktr
  • 2008年9月 8日 06:02
  • 2008 | 小説

 榊一郎・著、神無月昇・イラスト、GA文庫。
 9月8日(月)読了。

 神曲楽士の仕事の一環として、母校であるトルバス神曲学院の特別講師としてかり出されたフォロン。
 そんな中来る『トルバス・スピリット・フェスタ』の開催行事として学生達と共に模範演奏を行うこととなる。
 だが、その生徒達の中に、精霊嫌いを公言する異端とも言える女生徒が居て......

 かなり長く間が空いて途中読み飛ばしがないか不安になりましたが、大丈夫でした。
 今回のテーマはタイトルに有るとおり『嫉妬』、キーワードは『眼鏡・三編み』です。うん、これで間違ってない。

 そんなテーマの裏で『反精霊主義』というこの世界観の根底である『人間の善き隣人としての精霊』と真っ向から相反するモノが蠢いてこれまでに無い規模の事件が起きようとします。まぁ、まだ前編なので決着は後編ということでその辺りの顛末はまだまだ先のお楽しみのようですが、『反精霊主義』てのは確かにこの世界観ならあるべきモノなんですよねぇ。青の『精霊至上主義現実派』ってこの逆の立場の団体も有るわけですし。そう言えば、青、出ないですね......

 とまぁ、そんなところで次はアニメ化決定の『化物語』の後日譚『偽物語 上』です。

"文学少女"と神に臨む作家(ロマンシェ) 下

  • Posted by: ktr
  • 2008年9月 2日 21:47
  • 2008 | 小説

 野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
 9月2日(火)読了。

 すみれのような笑顔の先輩だった。
 困ったとき、苦しいとき、蹲る僕の手をそっと握って立たせてくれた。
 数々の物語を読み解いて、その闇を優しく照らす光を見いだしてくれた。
 そんな"文学少女"とその作家の御華詩......

 素敵な御華詩でした。
 この作品と出会えて本当によかったと思える、そんな作品でした。
 遂に完結して嬉しくもあり寂しくもあります。
 今は、この天から降り注ぐマナのように甘く優しい余韻に浸っていたい、そんな気分です。

 決して気楽に読める作品とは言い難い、でも、その重苦しく陰惨な中にも必ず暖かなモノを残してくれる、そんな"文学少女"の在り方。それは又『見立て』を美事に用いた良質のミステリとしての側面も示します。

 物語を様々な視点から深い奥まで見通し、登場人物の心情を読み解く。その時、すみれ色のリボンのセーラー服に長い三つ編みを揺らす"文学少女"は、鼻緒だけが赤い黒ずくめの拝み屋のようでもあります。そうして彼女が告げるのは、一見残酷な運命の中に秘められた優しさや思いやり、愛情といった暖かな感情を浮き彫りにし、事件の当事者達を絶望から救う福音。

 なんと残酷でなんと優しい物語だったのでしょう。
 この中には、人間の感情の闇と光がありありと浮かび上がっていました。
 今、私はただただその余韻に浸りたい。
 願わくば、狭い部屋の窓辺で、パイプ椅子に体育座りしながら、この本を手に......

続きを読む...

記事の一覧を表示する

ホーム

検索
Feeds

Return to page top