高橋弥七郎・著、いとうのいぢ・イラスト、電撃文庫。
8月6日(土)未明読了。
今回は番外編。そんな訳でお笑い短編二編と、悠二と出会う直前のシャナのお話という変則的な構成でした。最初の短編二編は特に二本目の「しんでれらのしゃな」が女の戦いと優柔不断な男のシンデレラで楽しかったです。次のオーバーチュアと銘打たれた短編は、一転、存在の喪失とフレイムヘイズ本来の役目が描かれた切ない物語でした。本編では悠二の特殊能力の為に希薄になりがちな「存在の喪失」というものがもたらすモノが非常に明確に描かれていて、改めて本編での存在喪失の背後にある決して気づかれない絶対的な消滅が実感できました。うむ、これは怖い。そしてやはり、この作品の心理描写の絶妙さに感動を覚えます。

はてさて、これで現時点で発売しているのは全て読んだので次はいよいよインデックスなのですが、その合間に電撃hp短編小説大賞の前回受賞作も読んでおこうと思います。締切月末なのに暢気過ぎますが、思うところがあるもので。