榊一郎・著、神無月昇・イラスト、GA文庫。
1月29日(日)、読了。
新創刊のレーベルの割に何か設定に関して読者がある程度知っていることも想定されている雰囲気を感じていたら、既にキネティックノベルで展開している作品だったのですね。
骨子となる設定は『神曲楽士が奏でる音楽が精霊の力になる』というモノで、音楽にそれなりに長年関わっている人間としてはその辺りの考証が中々に興味深いですね。『単身楽団』で基本楽器以外は自動演奏させて……という辺りも面白いギミックです。
そんな世界観とかが語られる全編『導入編』という印象で、正直なところそれなりに長めの話の割に若干の物足りなさも感じる作品でした。色々と伏線もあったのですがことごとく未回収でお預け状態というか。まぁ、この話からすると前日譚となるキネティックノベルの宣伝も兼ねてるとこがありそうです。その辺りは色々大人の事情があるようなのですが、それを『あとがき』でぶっちゃける作者も楽しいです。
とはいえ、楽しめた作品ですので機会があればキネティックノベルにも手を出してみようかなぁ、と思います。

さて、次はMF文庫Jライトノベル新人賞第一回受賞作最後の出版である『ネクラ少女は黒魔法で恋をする』です。