日日日・著、エナミカツミ・イラスト、角川スニーカー文庫。
2月19日(日)、読了。
第8回角川学園小説大賞・優秀賞受賞作。
くるさだんちゅらっ!
という訳で『蟲と眼球と~』に続いて日日日の大量受賞作品の一つを。
結論から言うと抜群に面白かったですね。面白味の要素をしっかり押さえているというか。空井伊依(すかいいいより)という少女の夢とそこへ向かう為の道のり。安易な綺麗事とならず、どうしようもない背負うべきものは背負っている。その中でまた、『旧態依然とした状況とその閉塞状況を打破する天才』というモチーフが説得力を持って描かれています。色々なモノに投影して考えられるテーマで、それはやはり今の若者の視点という利点が生きているのかなぁ、とか少し偉そうに分析してみたりもします。
ただ、正直なところ、やはり同じく日日日ほどではないにしろ若くしてデビューした某氏との類似点を感じてしまいます。まぁ、『蟲と眼球と殺菌消毒』のは作風も近いので少し鼻についたのですが、こちらについてそれは飽くまで似た方法論を採っているだけの話で瑕疵と見なすほどのことはないと感じます。でも主人公の名前が x/y の人を思い出してしまうのは同じ方法論に基づいた故の必然に基づく偶然のように感じます。
とまぁ、ここまで来たら、折をみて色々日日日作品は読んでみたいと思います。

で、次は『オーパーツ・ラブ』です。