扇智史・著、ワダアルコ・イラスト、ファミ通文庫。
殺人鬼の少女と不死の少女とあらゆることに無頓着な少年の三角関係の物語…… なのかなぁ?
思えば雰囲気のようなモノで衝動買いした作品ですがそれはつまり正解だったのですね。衝動を得られたという時点で。私の嗜好に非常にマッチした作品でした。読む人は選びそうですが、『殺人鬼と不死者』という図式が上手く生きた作品ですね。また、『意味』というものの意味、『現実』と自分の関係とか『嘘』と本当とか、様々な概念を錯綜とさせながらも結局は『日常』。そんなややこしいようで誰しもが考えてしまうような虚無感じみたモノが感じられる物語でした。

何か抽象的に過ぎるかも知れませんがそういう読後感の作品でした。面白い面白くないとかではなく、ただ『読んで良かった』と思いました。この雰囲気の中で『殺人鬼と不死者』のテーマが出てくる『月姫』をパロったシーンは笑えましたが。

最後に、上条理保はよく解った眼鏡っ娘でした。殺人鬼ですが。

さて、次は血腥いのは同じだけど全然雰囲気が違う『撲殺天使ドクロちゃん7』です。