野村美月・著、衣澄れい・イラスト、ファミ通文庫。
9月29日(金)、読了。
卓球場シリーズ最終巻。これは良いシリーズでした。
何というか、素朴で、素直で、色々と忘れていたことを思い出させてくれるというか、読後気持ちいい作品です。
今回で遂に朝香達は大学を卒業することになります。それぞれの進路に向かうことになります。ただ、朝香は卒業を控えて進路に悩んでいます。

就職は一応決まったけれど、それが本当にやりたいことなのか?
作家になる夢はどうするのか?
東京に残るべきか福島の実家に帰るべきか?

そんな悩みと向かい合い、最後には自分の道を見出す、そんな朝香の成長譚として非常に楽しめました。
まぁ、本筋は、これ以上異界の出来事に巻き込まないために一般人の朝香達から卒業と同時に卓球の巫女である華代子の記憶が消されて仕舞うことを、ロイヤル=ハーモニー=スペシャル=ボイス=オーケストラが知ってしまって云々…… といった内容ですが、やっぱり、朝香一人称なのでその事件を通して未来を見詰める姿が印象的でした。それと、やっぱり仲間っていいなぁ、と思います。

と、心に染みたところで、次は『神曲奏界ポリフォニカ~スパーティング・クリムゾン~』です。