谷川流・著、いとうのいぢ・イラスト、角川スニーカー文庫。
4月1日(日)読了。
速攻読了もいいところですが一気に読み切ってしまいました。
なるほど『分裂』とはそういう意味か、と納得しつつ次巻と上下巻となる構成となるため月並みにあと二ヶ月が待ち遠しい。
今回もSF的手法としてはポピュラーではありますが、ちょっと凝った構造になっていますね。印刷自体にも工夫があります。あと技法という点で谷川流って何気に叙述トリックを多用してる気がしますが、ことごとくほぼ瞬間的に見破れてしまうのはミステリ好きの悲しい病でしょうか(;^^) いや、まぁ、普通に見破れる程度の叙述トリックを使ってるんでしょうが。
SOS団のそれぞれの立ち位置が安定、特にハルヒとキョンの関係も安定していたところで今回の新キャラというか新勢力の投入は妥当な展開ですな。地味に1巻の国木田の言葉の伏線が回収されてますし。ただ、話の展開上ジョーカーを無効化しないといけないのはキョン達も自覚していることで一種のセオリーとなって驚きも何もないってのはちょっと残念ですが。
とはいえ、まだ結末が見えていないというかまだまだ始まったところ。何せ、最初の100ページがプロローグでしたからねぇ。そんな訳で途中からの『分裂』を示すレイヤー化に至る過程がどうなるかが明かされて初めて全体としての判断を下せるので、この巻での所感はこんなところにして、物語としての所感は下巻にあたる『涼宮ハルヒの驚愕』を読んでから書きたいと思います。
てなところで、次は『撲殺天使ドクロちゃん9』です。