日日日・著、エナミカツミ・イラスト、角川スニーカー文庫。
5月21日(月)読了。
前巻ラストの諸々の事情で殻蛇怪造高等学校に間借りすることになった古頃怪造高等学校の生徒達。しかし、伊依達が辿り着いた殻蛇怪造高等学校は何か様子がおかしくて……
てな御華詩で第二部開幕編ですが、のっけからすげぇ。新キャラのインパクトというか殻蛇怪造高等学校書記の眼鏡娘な巴已己巳(ともえいこみ)とか、影文&血影の暗躍というか血影の一人称が新鮮だったりとか、構成が面白かったりとか色々ありますが、単純に『よかった』と言える作品でした。今までに積み重ねてきたたモノを一気に萌芽させて、良い具合に盛り上げていますねぇ。
根底にあるテーマは、この世界では人間にとって『便利な道具』と扱うのが一般的な『怪造生物(モンスター)』(一般的な用語を使えば使い魔とか召還獣に近い異界=『虚界(アンダカ)』の生物)を『友達』とする主人公、空井伊依(すかいいいより)が「人間と怪造生物が仲良く暮らせる世界」を目指すというモノ。周りに笑われ、奇異に観られ、虐げられても、例え自分の身に危険が及ぼうとも、人間も怪造生物も分け隔て無く救おうとしてきた伊依の努力。それが、ようやく実を結び始めます。いやぁ、もう、詳しくはネタばれるので控えますが、後半は泣けました。涙もろくなってるなぁ…… でも、心地よい涙です。
そんな訳で、もう止まらない。次は予定を変更して『アンダカの怪造学Ⅴ 嘘つき魔女の見つめる未来』です。