日日日・著、エナミカツミ・イラスト、角川スニーカー文庫。
5月23日(水)未明読了。
おおおおお、盛り上がってきたと言いますか一気に展開しましたねぇ。つか、えらい大物投入してきたなぁ。そして、本当に第二部は布教編ですな。

今回はここまでの諸々の事情により学生数が減ってしまった三大怪造学校が統合した新生古頃怪造高等学校の学祭、古頃大祭が舞台。なんでも企画一位になれば校長にして世界に七人の怪造学教授の一人、宇宙木氷蜜(うつぎひみつ)がその能力と権力を最大限に活用して何でも願いを一つ叶えるとか言い出したモノだからさぁ、大変。しかも、そこに虚界の権力者、悲哀大公と憤怒大公の争いも絡んできて……

とまぁ、要するに古頃大祭が虚界の代理戦争となる御華詩なのです。まぁ、そっちの顛末はネタばれるので置いといて、根底のテーマ部分について。統合して他校の生徒も混ざって新しい出会いもあり、伊依の理想でしかなかった、現状を変えるだけで満足していた思考は、更なる未来への道を模索し始めます。その中で繰り広げられる問答が非常に興味深い。ちょっとご都合主義な部分もあるけれど、大筋で説得力のある理論を構築しています。それは、きっと、怪造生物と人間なんてフィクションの世界だけでなく、この世界にも通用するものなんでしょうね。そんなことを感じさせられてしまいました。

どうしても日日日作品読んでると根底の深いモノのに目がいきますが、勿論、トンデモ無いことをされて久々にぶち切れた伊依やら、トンデモ無い格好をさせられた舞弓とか見所も沢山ありました。

その裏で、この世界の根幹に関わる事実も徐々に見え隠れし始めて、先が楽しみです。

そんな訳で引き続き次は『アンダカの怪造学Ⅵ 飛べない蝶々の鳥かご迷路』です。