水瀬葉月・著、藤原々々・イラスト、電撃文庫。
6月26日(火)読了。
相も変わらず絶望の中で必死に足掻く物語。読んでいて辛いものもありますが、この状況の中にあって『弱いからこそ強い』冥子の魅力がよく出ていますね。
今回は、前巻で託された使命を真摯に受け止めながら、それでいてその結果が招いた一種の最悪。
端的に描かれるのは『人外同士の闘いに介入する人間』。別々の理由で介入してくるわけですが、それがやるせない。救われるものと救われないもの。その選択は限りなく恣意的で。例え相手が人間であろうと殺さねばならない状況。
人外同士だからこそ諦められそうな状況に投じられた一石に、更に葛藤は深まります。

その中で、冥子と澪の本来的にはイレギュラーであり異質であり希有である在り方の意味合いが、少しずつ深化される様がほんの少し、あらゆる選択肢が絶望にしか繋がっていない未来に砂漠に落ちた一粒の涙程度の光が見いだせたかもしれない、そんな感じです。
まぁ、代替魔術師という存在になってしまった時点で、本来的には終わってしまっている。終わっているのに終わらないでいようとする、そんな状況の中で描かれる残酷な御華詩は、しかし、結構心の深いところを付いてきますねぇ。

これで終わったわけではないようですがこの作者は次は別シリーズということなので続きが読めるのがいつになるか解りませんが気長に待ちたいと思います。

あ、『ポステリオル・マギス』に戻ってましたね、そういえば。

とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ ふゅーじてぃぶ・ぶるう』です。って、前巻の次もルーファでしたね、そういや。メガネは続くよどこまでも(当たり前