西尾維新・著、のがるわこ・イラスト、講談社ノベルス。
8月18日(土)読了。
西尾維新によるJDCトリビュート第二弾。
小説家の業というか、そういうモノを感じさせつつ、最終的には読者を最大限に騙くらかしてくれる気持ちのいいミステリ。まぁ、中で説明されているとは言え、ミステリの定石を知らないと若干解りづらい仕掛けなのは否めませんが、素直に「やられた!」と思える逸品でしたねぇ。

古い館。
開かずの間。
隠された宝。
親子姉妹の確執。
怪盗の予告状。
名探偵。

そんな素材を組み合わせて、一見オーソドックスとも見えるミステリになってると言えなくもないのですが、解決編は可成り予想を裏切る内容です。詳しくはネタばれるので語れませんが、そんなところにまで気を配るのは本当に偏執的ですな。とは言え、タイトルがヒントな気がする辺り、ギリギリフェアと言えなくもない…… とかそんなことを考えずに読むのが吉なんでしょうなぁ。まぁ、ある作品で1行目にその御華詩の根底にある真相書いちゃってた前科有りますしね。

とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ ぱれっと』です。