日日日・著、エナミカツミ・イラスト、角川スニーカー文庫。
9月29日(土)未明読了。
いよいよ第三部開始! 物語は最終局面に向け急転直下の展開。
それは、戦争。
虚界と現界の戦争。
かつて、古頃大祭で行われた、代理戦争ではない、正真正銘の。
前回で心に大きな傷を負った伊依。打ちのめされた彼女を、しかし世界は求めます。唇を噛み、悔しさに顔を歪ませながらも、彼女に大きな役目が否応なく押しつけます。今までの自信はなく、少女の弱さを見せながら、彼女は戦争に巻き込まれていく……
そんな感じで一気に自体は深刻さを増していきます。力及ばぬ理想と容赦の無い現実の中で、伊依がどう立ち回るか? 彼女の『怪造生物は友達』という信念はどこへ向かうのか? その辺が見所ですねぇ。綺麗事ばかりもいってられないけれど、綺麗事も忘れてはいけないのです。
そして今回はそんな大きな転換点に当たる御華詩だった訳なんですが、その中で今までもずっと登場していながら常に第三者として事件の外に居たとある人物の成長が描かれています。そんな彼女の今後の活躍も楽しみです。間違いなく、今回の裏の主役は彼女でしょう。このまま行くとものすごく重要な役割担いそうな勢いですし。つか、その辺の持ってき方が上手いですねぇ。
これだけ大きな戦争の御華詩は、しかし『受験戦争』の隠喩であります。その壮絶な中に隠されたテーマも皮肉が効いていて中々よいですな。
あ、あと、まさか日日日作品で495年ほど閉じこもってた妹様の名前を見ることになるとは思いませんでした。どう出るかは読んでのお楽しみ。
とまぁ、とりとめなく書いたところで、お次は『姫宮さんの中の人 2』です。