星家なこ・著、藤原々々・イラスト、 MF 文庫 J 。
1月22日(火)読了。
第三回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞佳作受賞作。
思いを寄せる少女に突然謎の捜し物の手伝いを頼まれた平凡な高校生、神崎輝幸。
これは、そんな彼が体験する不思議で切ない物語……
ってドク●ちゃんの導入みたいなあらすじになりましたがいや、ネタバレしないで説明がし辛いのでこんな感じです。
読み終わってみると、内容ではなく技法の方で受賞について「なるほどなぁ」と感じました。
前半・後半で視点を違えることで全体を見せる技巧的で手堅い印象の作品でした。ただ、そっちに意識が行きすぎて話の筋立てはありふれてるので印象に残りにくいようにも思います。キャラクタは魅力的に描けてますし、話の根幹を成す設定も穴埋め的に無理やり詰め込んだ感はありますが最低限の筋は通ってますし、先の技巧もうまく使えてるんですが、なんというか『上手い』けど『旨く』ないというか、色々持て余してるのか全体的にもうひとつ印象が薄いですねぇ。全体的に淡々と伏線を張って伏線を回収した、そんな感じ。もう一声サプライズが欲しかったところ。
とはいえ、技術面は中々のものと感じたので今後の作品に期待です。
そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ レオン・ザ・レザレクター』です。