大迫純一・著、忍青龍・イラスト、GA文庫。
1月23日(水)読了。
夜の街。
響く女の悲鳴を無視出来るような存在では、彼は無い。
助けた女は奇しくも依頼人。
こうして、彼は一つの事件に巻き込まれる。
痛ましく、悲しい、事件の……
タイトルに有るとおり、ブラックシリーズに登場した精霊探偵、レオンことレオンガーラ・ジェス・ボルウォーダンがメインのスピンオフ作品です。作者もブラックと同じでシリーズ内の立ち位置が微妙な作品ということで、ポリフォニカにしては異例の色に関する語を持たない作品となっています。
レオンの一人称で語られるハードボイルドな物語、いいですねぇ。彼の存在は、精霊と人間のあり方としては異常とも言えるんですが、一面では理想とも言えます。契約した全ての女性楽士を愛し続けるという、彼の根底のあり方を軸にして描かれる内面は、精霊と人間のあり方の違いをより鮮明にします。そして今回の事件は、そんな彼のあり方の抱えうる問題の提示だったのかもしれません。
まぁ、小難しいことは置いておいて一言でまとめると、カッコイイ。そんな御華詩でした。
てなところで次は『世界樹の迷宮~去りゆくモノたちへの鎮魂歌~』です。