嬉野秋彦・著、日向悠二・イラスト、ファミ通文庫。
1月25日(金)読了。
タイトルの通り、来月には2が発売する Nintendo DS 専用ソフト『世界樹の迷宮』のノベライズ作品です。
原作は、昨今では珍しくなった古風でストイックな3DRPG。主人公は自分で創ったキャラクター。彼ら彼女らは全く言葉を発しません。飽くまでプレイヤーの分身として無個性=プレイヤーに自由に想像の余地がある、そんなオールドゲーマーには懐かしささえ感じさせるシステムだけに、自由にキャラを設定できる分、こういうノベライズには向いていますね。
大雑把に言えば、それなりに名の知れたあるパーティーの人間模様。彼らが苦難を乗り越えて、第二階層の最深部に潜む『森の王』に挑む御華詩です。
ネタバレとかの関係もあって、内容的には序盤の物語ですが、プレイヤーには序盤でも登場人物達にはそこが序盤かどうかなど解らないわけです。常に死と隣り合わせの冒険を続けています。そんな「このとき、きっとキャラクター達はこんな境遇だったんだ」という部分が、パーティー内の人間関係を交えつつ上手いこと描写されてたなぁ、と感じました。プレイヤーキャラ以外は、ゲームのままなので、ギルド長やら酒場の女将、商店の店主などの想いなどが見れたのがよいですね。ただ、原作で描かれない人間模様に主眼を置いて丁寧に描写している分、アクションが不足気味で中々盛りあがら無いのだけが難点ですね。
とまぁ、そんなところで、次は『とある魔術の禁書目録15』です。