日日日・著、エナミカツミ・イラスト、角川スニーカー文庫。
2月4日(月)読了。
憤怒大公の襲撃から三ヶ月。
”最終兵器”としての責務に悩む伊依。
友人を巻き込まないよう、一人、部屋に籠もり研究を重ねる日々が続いていたが……
世界の様相が大きく変わってしまった後の御華詩。今回は遂に、このシリーズの一つの怨念とも言えるアレとの決着の御華詩でもあります。
前回の事件を機に、伊依には世界の”希望”としての大きな役割が与えられます。彼女の夢に近づくための力を得たとも言えますが、やはり、一人の少女が背負うには大きなモノで。でも、持ち前の責任感でどうにかしようと行き詰まって。
そんなこれまでの繰り返しが、ようやく一つの形になった感じですねぇ。彼女の言ってることは、はっきり言って綺麗事に過ぎないんですが、その為の代償を払っているのも事実。綺麗事を実行するにはどれだけの対価が必要かを身を以て示しているからこそ、説得力があるのでしょうね。ただ、一部で心を抉られる伊依の気分を何か追体験してしまって若干精神力が必要だった気もします。
それと、キャラ紹介が極度のネタバレのような伏線のような中々に考えさせられるモノだったのも侮れませんね。全体の流れの裏で、沢山のキャラの動きも見えてきて、次はアレが相手みたいですし、どうなるか気になります。
あと、何気に蟻馬先生が教師としていい仕事してます。今まで、遊が定着してから、彼の存在は中途半端で結構気になってたんですが、そのモヤモヤを美事に払ってくれました。もっと大きな動きがあるんですが、それ以上に印象的でしたねぇ。
とまぁ、そんなところで次は久々の富士見ファンタジア文庫『生徒会の一存』です。