水鏡希人・著、すみ兵・イラスト、電撃文庫。
2月14日(木)読了。
第十四回電撃小説大賞<金賞>受賞作。

悪酔いをした夜。
公園でうっかり死にかけた私は、一人の青年に命を救われる。
その事件を切っ掛けとした出会いと別れ。
それが、物語の始まりだった……

いやぁ、これは納得の受賞作。大賞受賞作とは全く毛色の違う『物語で勝負』といった作品でした。

命の恩人となった奇妙な青年と私の物語なのですが、様々な出会いと別れを積み上げて、綺麗に収束するラストは美事。読後感の非常によい本当に完成度の高い物語です。普段ライトノベルを読まない人にもお勧めできるというか、内容的には海外の古典文学に近い雰囲気を漂わせていますねぇ。色々と心地よい仕掛けが施されていますが、それは読んでのお楽しみ。多くは語らないのが華でしょう。

そんなところで受賞作が続いて次は『藤堂家はカミガカリ』です。

君のための物語 (電撃文庫)

水鏡 希人
出版社:メディアワークス
発売日: 2008-02-10