高遠豹介・著、油谷秀和・イラスト、電撃文庫。
2月18日(月)読了。
第十四回電撃小説大賞<銀賞>受賞作。
人間界と似て非なる別世界『ハテシナ』の住人である神一郎と美琴。
二人は藤堂周慈という少年の護衛の為に人間界を訪れていた。
任務の為、強引に周慈と双子の姉の住む家に転がり込む。
両親を無くした藤堂家に、次第にとけ込む二人。
だが、狙うハテシナの勢力は周慈に迫り……
笑いあり涙あり、エンターテインメントかくありき。素晴らしくテンポのよい御華詩でした。
全体的にコメディ色の強い作品で神一郎と美琴を始め登場人物達の漫才のセンスは秀逸で何度も笑わされました。
それでいて、根底のストーリーラインはしっかりしていて、ホロリとくる要素も入って綺麗にまとまっています。
ギャグを繰り返すことでそれが普通になってシリアスな場面にもしっかり透過させているというか、その辺のバランス感覚が優れている印象です。
何より、文章がいい意味で軽い。文字通りテンポがよく読めます。その辺りが評価されての受賞でしょうねぇ。
ただ一つ謎なのが…… なんで表紙がこいつなんだ? ってこと。まぁ、それさえもネタっぽいですが(;^^)
そんなところで次も受賞作『 under ~異界ノスタルジア~ 』です。