内山靖二郎・著、朝未・イラスト、 MF 文庫 J 。
3月11日(火)読了。
人の災いを予言して『死ぬ』と言われる牛頭人身、もしくは人頭牛身として描かれる『件』。
その力を持つクダンという少女が居た。
彼女は、哀しい宿命から逃れるため、ある存在を求めていた。
今回の舞台は北海道。
果たして、彼女はその宿命から逃れられるのか……
シリーズ2作目。いきなり舞台が転換してますが、前回の話を絡めつつ、北海道の先住民族のコロポックル伝承も交えた中々よい御華詩でした。やっぱり、派手さはないんですが、視点を変えた幾つかの連作短編のような形式で描かれる登場人物達の心の動きはいいですねぇ。また、そこに関わることでより哀しいことになってしまうけれども関わらずに居られないクダンも切ないけれども幸せになって欲しいと思わせる魅力的なキャラです。爆発的に人気が出るようなタイプの作品ではないんですが、引きつけるモノがあります。『神様のおきにいり』がちょっと迷走気味だったんで、このシリーズは現在の路線で突き進んで欲しいものです。あと、何気にタイトルが秀逸だと思います。
とまぁ、そんなところで次は『魔女ルミカの赤い糸2』です。ちょっと溜まってしまったので暫く MF 文庫 J が続きます(;^^)