松野秋鳴・著、 QP:flapper ・イラスト、 MF 文庫 J 。
3月19日(水)未明読了。

主人公の名前は砂戸太郎。
彼は、ごく普通の高校生の少年でした。
ただ一つ違ったのは、彼は、どMだったんのです……

いや、なんというかタイトルの『えむ』がオーストリアの作家の名前からきたあの言葉だったとは。しかも彼に語り部を任せてしまうとは。何とも野心的な作品です。更には他にも色々と問題のある性癖を持った登場人物達が出てきます。
それでも、『青葉くんとウチュウ・ジン』の頃に評価されてその路線で進んでいた通り、きっちりと伏線を張って回収する物語構成はよく出来ていました。ただ、そういう作風を意識して読むとちょっと展開が読めすぎたかなぁ、というのが玉に瑕。とはいえ、問題を抱えたことで生じる孤独とか心の傷とか、そういった部分もしっかり描かれててただただ殴られたり罵られたりして喜んでだけの作品ではないです、はい。色々と感じるモノがありました。

とまぁ、そんな訳で予定を変更して既刊を読もうと次も『えむえむっ!2』です。

えむえむっ! (MF文庫J)

松野 秋鳴
出版社:メディアファクトリー
発売日: 2007-02