早矢塚かつや・著、夕仁・イラスト、MF文庫J。
6月24日(火)読了。
小石川幌右(こいしかわほろう)、通称ホローは夜の学校で自称『死神』の少女ウォルナッツと出会う。
それからホローは毎夜、決まった教室に現れる少女と『部活』と称して何かしら遊んでいた。
ホローのクラスで席替えがあり、未来が夢で見えるという少女、嘉島詩夏(かしましいな)と席が隣り合った日。
夜の『部活』の後、川に流された何かを追っていた少女、星澄夜空(ほしずみよぞら)を手伝った日。
そこから世界の可能性が変わり始める。
その変化をホローが自覚し、ナッツに相談したとき、彼は詩夏と夜空の世界、どちらを選ぶのか究極の決断を強いられることになる……
『悠久展望台のカイ』から二年弱ぶりの個人的に待望の新作だったのですが、期待を裏切らない出来でした。
物語の構造がミソなのでネタバレしない程度に語るのは難しいのですが、量子論的な世界観とシュレーディンガーの猫を上手く取り入れて良質のSFとなっていたと思います。
登場人物も魅力的に描かれていて、それだけに最後まで気が抜けない御華詩となっていました。シリーズ物ではなく、こういった一冊で綺麗にまとまった作品と言うのは読んで安心します。この作家の次回作も楽しみにしたいと思います。
とまぁ、そんなところで次は『フレンズ×ナイフ』です。