森田季節・著、文倉十・イラスト、 MF 文庫 J 。
10月14日(火)読了。
第四回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞優秀賞受賞作。
佐女牛明海《さめうしあけみ》はある日、同学年の神野真国《こうのまくに》に呼び出された。
何事かと思う彼女に彼が語ったのは、自分が人殺しであることだった。
明海は、その話を聞いて、直ぐに動き出す。
そう、彼女もかつて……
『イケニエビト』と呼ばれる殺されるためにこの世に紛れ込んだ存在を巡る御華詩。
その運命に音楽で立ち向かう少年と少女の物語は構成も面白く引き込まれるモノで、納得の受賞作ですねぇ。
『人間の存在の拠り所』というモノを揺るがす事件に『イケニエビト』というルールが加わって、その中でどうやって生き残るか? 激しいバトルは無く、いっそ淡々としているとも言えるんですがそれがまた、タイトル通りのビターな味わいでよいですねぇ。甘さ控え目ですが、控え目なだけで、それはそれであったり。
若干、オチが微妙な気もしましたが、総じて印象的な御華詩でした。
とまぁ、そんなところで次は『レンズと悪魔 Ⅵ~魔神応報~』です。