六塚光・著、カズアキ・イラスト、角川スニーカー文庫。
10月17日(金)未明読了。
バルヒーヨの奸計により博物館を追われたエルバ達。
だが、バルヒーヨの狙いはかつて一つの村を破滅へと追いやった『しろがねの悪竜』を現代に甦らせる鍵となる竜人のエイジだった。
エルバ達は帰るべき場所の奪還し、悲劇の再来を防ぐべく、地下に潜って力を蓄えていたが……
第一部、完。『しろがねの悪竜』という一つの大ネタの終結点で、元々そういった位置づけで書かれた内容でした。
また、区切りに相応しく、今までバラバラと出てきた人物のミッシング・リンクが繋がって八眼争覇の謎についても少し明らかにされてきました。この辺りは世界観がしっかりしてるんで安心して読めました。
ただ、今回、色々決着はついてはいるんですが何だか、間が抜けてる気がするのはどうしてでしょうか(;^^)
どうも、このシリーズは周囲の人間が盛り上がりすぎて中心となるべき人物が霞んでしまう傾向があるように思います。何というか、起きてしまった事件の解決は綺麗にまとまっているんですが、そもそも重大な事件の発端が「そりゃないだろう」ってお粗末さ。反則気味のミステリを読んだときの気分に似ていますねぇ。流石に他の部分はキッチリ締めてるのに、あの部分だけエルバ達は事件を起こすために行動していたようにしか読み取れなくて残念でした。そうでないと解釈しようとするとただの自殺願望にしか見えないですし…… う~ん、本当に周囲の人物が魅力的なだけに逆にそこが目立ってしまいますねぇ。クラヴリー、リデル、デイジーといった面々は大活躍なんですが、なぜに渦中の人物だけ……
まぁ、そんな感じではありますが続きも買ってあるので頃合を見て読みたいと思います。
そんなところで次は『聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス) 3』です。