三浦勇雄・著、屡那・イラスト、MF文庫J。
10月18日(金)読了。
三人の魔剣の使い手との戦いも乗り越え、傷も癒えた頃。
セシリーが守るべき独立交易都市に災厄としか言いようのない事件が発生する。
正体不明の人外が街を突っ切ったのだ。
多数の死傷者を出し、無力感に苛まれつつも魔剣を持って追うセシリーは灰かぶり森まで至る。
先方に捉えた人外に魔剣が生み出した一閃を浴びせるのだが、なんとその先には……
熱い。本当に熱い御華詩ですねぇ。世界観も違って当然人のあり方もそれに合わせた形なんですが、その根底にある熱さってのは変わらんのですな。また、主人公が女であることも最大限に武器にしていますな。本人は大変ですが。挫折と超越。そうして人は更に先に進んでいける。セシリーのそんな姿勢に周りが感化されていくノリは非常に心地よいです。
それと、一方ではルークの成長というかその閉ざした心が開かれていく物語でもありますな。少しずつ少しずつ厭世的な部分が抜けてきて。前回の事件で過去と向き合って、また、セシリーに感化されて。今回、最後の方の彼は本当に格好いいですなぁ。
少しずつ世界の仕組みが明かされて徐々に物語は核心に迫っていますが、ここからどこへ進んでいくのか? セシリーはその道を貫けるのか? また、ルークは? リサは? アリアは? もう本当に目が離せないシリーズであります。
とまぁ、そんなところで次は『かのこん11~アイはぼくらをすくう!~』です。