森田季節・著、文倉十・イラスト、 MF 文庫 J 。
1月13日(火)読了。
畠山チャチャはコミュニティの中では浮いた存在だった。
やたらと毒舌で、人の痛いところを突きまくる。二言目、いや、話し始めからして憎まれ口を聞く、そんな少女だった。
更には、家出癖があり、その都度男のところに転がり込んでいるというスキャンダラスな噂が付きまとっている。
だが、そんな彼女と幼い頃から共に過ごしてきた関屋晴之は毛嫌いすることもなく寧ろ……
今回もどうしようも無い喪失に立ち向かう御華詩と言えましょう。ですが、『イケニエビト』という『餌』としての立場を描いた前作とは対照的な立場からの御華詩。これで、世界観がはっきりしたというか、いい感じに広がったように思います。前作の読後の微妙な部分が補完されたというか。こういう必然的な悲劇を内包する構図は好きだったりして、可成り引き込まれるものがありました。相手の為に相手の為にと行う行動がどこかで対立してしまって上手くいかないというか。そんな状況が全体的に淡々とした雰囲気で描かれるのが良いですねぇ。だからこそ、最後の方の演出が聞いていたと思います。非常に好みの世界観なので、続きが出たらまた是非読みたいと思います。
とまぁ、そんなところで次は『緋弾のアリア2』です。