森田季節・著、深崎暮人・イラスト、 MF 文庫 J 。
3月4日(水)読了。
私立御伽坂学園は奇人の集う場所だった。
中でも突出した人間は十哲と呼ばれ、更にその上位三名が三奇人と称される、そんなライトノベル的な設定まであるぐらいだ。
その学園の警察機構である『当局』に身を置く、詩人志望の足利アキラは十哲に選ばれた微妙な能力の持ち主である幼馴染み、山崎章夫の監視任務を行っていたのだが、何故か不可思議な事件に巻き込まれ続けて……
むむむ、これは中々実験的な構成の作品ですな。色々と思い出す作品がありますが、そう言った先達の用いた技法を『ライトノベル』というジャンルに上手いこと昇華しているようにも思えます。ただ、それ故に早い段階で結末が読めてしまうのですが、それは致仕方ないこととも言えるでしょう。『先が読める』というのは押さえるべきを押さえているとも取れますし。
特筆すべき点としてはとにかくキャラクターが1冊の登場人物としては相当の多数で、冒頭のイラストで紹介しきれずにミステリの冒頭ページのようにキャラクター名と簡単な紹介の羅列が最初のページについてたのは新鮮でした。相当急ぎ足ですがそれぞれのキャラに何らかの解りやすい特徴も持たせてあります。それだけキャラを動かせたのは、この特殊な構成も手伝ってますねぇ。
正直、これは一発で終わった方が綺麗な気もしますがキャラクターが勿体ない気もするのでシリーズとなるかどうなのか気になるところです。まぁ、出たら買って読むのでしょうが。
とまぁ、そんなところで次は『かのこん12~ちずるメリーゴーラウンド!~』です。