親友宛の人違いのラブレター。
それを取り返すためにやってきた不法侵入者。
空腹で倒れたそのクラスメートにチャーハンを食べさせたところから全ては始まった。
大河が虎で、竜児は竜で、虎と竜は並び立つ。
最初は互いの恋を応援するための共同戦線。
しかし、それは次第に形を変えていく。
多くの友人達と時にぶつかり、時に助けられ、遂に、それぞれの本当に気付く。
そうして、ふとした切っ掛けで、冬の街中で逃避行を始めた竜児と大河。
その先には何が待つのか……

超弩級ラブコメ、完結! まぁ、後半は「ラブコメ?」って感じシリアス展開でしたが(;^^)
うん、あっさりしてたようにも思えますが、日常の物語として綺麗にまとまった印象ですねぇ。気持ちよく読み終えることが出来ました。
総じて、アニメの前期主題歌『プレパレード』の歌詞、

恋は甘くて苦いモノ
単純明快複雑怪奇な代物
どうでもいいことばっかり気にしたりするの
どんな感じ?

って、本当にそんな感じですねぇ。読み終えた今も、よくテーマを捉えたよい歌詞だったと思います。まぁ、壊れそうなシルクのハートでもあった訳ですが(;^^)

大河の抱えていたモノ、竜児の抱えていたモノ、近くに居ても、解らないこと、解らないけど踏み込んではいけないのではないか? と躊躇われること。人は別々の存在だけれど求め合う気持ちはあって、でも、だからと全てを知ることは出来なくて、結局すれ違ったりもするけれど思いを貫けば辿り着ける場所がある。そんなことに子供だった竜児が気付いていく成長の物語、だったと言えるかもしれません。決着を付けるべきには完全ではないけれど折り合い程度は付けて、新しい日々を迎える。そんな大団円でした。
これで完結というのは少し寂しいモノがありますが、まだ、短編とかはあるようなので、そちらで竜児と大河の友人達の御華詩も読んでみたいですね。特に、北村のその後は気になります。

とまぁ、そんなところで次は『とある魔術の禁書目録17』です。

とらドラ10! (電撃文庫)

竹宮 ゆゆこ
出版社:アスキーメディアワークス
発売日: 2009-03-10