野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
11月1日(日)読了。
反町亮太は男子生徒に人気の琴吹ななせのファンだと周りには思われていた。
しかし、彼が本当に好きなのはその友人の森(名前はNG)だった。
自分の気持ちを素直に伝えることも出来ず、当の森にも琴吹が好きだと勘違いされて応援されてしまう始末。
思い悩んだ彼は、中庭のポストについつい悩み相談の手紙を投函してしまう。
かくして、彼は”文学少女”天野遠子と関わることになって……
いやぁ、いい裏話ですねぇ。あのとき、クラスメート達はこんな動きをしていた、というか。本編で描かれた心葉が遠子先輩と出会ってから彼女が卒業してしまうまでの間のエピソードを、美事にまとめていますねぇ。正直、琴吹ななせというヒロインは非常に厳しい役回りに思えますが、確かに文学作品ではよくある立ち位置とも言えますな。多くの悲劇を内包したシリーズの裏側で、こういった人間模様があったというのはちょっとホッとします…… でも、これ読んでから最終巻を流し読みしてみたら端々のななせや森や亮太の想いが過ぎってより切なくなりました。いい、挿話集です。何だかんだで、まだ”文学少女”の世界を楽しめるのは本当に嬉しいことですねぇ。見習いの方も続きが楽しみです。
てなところで、次は『灼眼のシャナⅩⅨ』です。