明月千里・著、 mebae・イラスト、GA文庫。
2月5日(金)未明読了。
第1回GA文庫大賞奨励賞受賞作。
都築初の復学したというクラスメートは車椅子の傍若無人な少女だった。
彼女は探偵を名乗り、初に協力を求めると共にゲームを持ちかける。
犯人を殺して自らが犯人に成り代わって生き残る、権謀術数を駆使したネットゲーム『探偵殺人ゲーム』。
それをリアルに行う趣向だった。
初は、その条件を呑まざるを得ない状況に置かれるのだが……
ふむ、非常に評価が難しい作品でありますな。独自性というか、インパクトの強い作品ではありました。
ただ、探偵とタイトルに入っていますが、これはフェイクでどっちかというと某狼探しゲームのノリにもう少し広い日常に潜む虚実を絡めた、そんな御華詩ですな。正直、ミステリとして読んでしまうとアンフェアにも程がある酷い内容ですが、ライトノベル的にはこういうゲーム仕立てにしてしまう方がいいんでしょうねぇ。でも、それでいてキャラにここまで感情移入できないライトノベルも珍しいですな。この辺りは個人差でしょうが、ミステリを期待して読んでしまったのが失敗だったんでしょうが全部装置にしか見えずに辿り着く結末も予想の範囲で意外性も無く。
ですが、登場人物の心情の描き方というか、歪みを生むプロセスとその後の辿る道といったモノはよく描かれていたと思います。まぁ、それが生々しいから余計に感情移入しがたかったのかもしれませんが(;^^) なので、評価が難しい作品でした。面白いとも面白く無いとも言えません。ただ、興味深い作品ではありました、とだけ。この作者が今度何を書くかは気になりますね。
てなところで次は『ささみさん@がんばらない』です。