野村美月・著、竹岡美穂・イラスト、ファミ通文庫。
3月13日(土)読了。

心葉を想う菜乃は、思い出作りの為に文芸部で文化祭に出ることを提案する。
しかし、心葉は首を縦に振らない。
それでも菜乃がしつこく食い下がっていると、合唱部の部長の十望子が訪れる。
何でも、文化祭で合唱部が上演する音楽劇のシナリオを心葉に頼みたいと言うことだった。
心葉は渋ったモノの、十望子の言葉に翻弄する内に引き受けることとなる。
だが、その音楽劇には怪物の陰が見え隠れしていて……

あのラストの空白期間を埋める御華詩第二弾。
今回は菜乃だけではなく、ななせの物語でもありました。
やっぱり、淡い水彩画の挿絵とは裏腹に心の底の綺麗な部分も汚い部分もさらけ出すような物語ですが、本当に解り合うためにはそこまで踏み込まないといけないのも事実。今回の物語の主要人物達は勿論のこと、心葉が抱え、乗り越えようとする闇にも見立ての物語がシンクロしていてそういう部分も非常に興味深い御華詩でした。本当、こうして新たな”文学少女”の物語が読めるのは嬉しいですねぇ。次で終わりなのが寂しいような気もしますが、変に引っ張られるよりは清々しく追われそうにも想います。まぁ、まだ先みたいですが楽しみにしておきます。

てなところで次は『ノブレス・オブリージュ2~成瀬春水の艱難~』です。

DVD付特装版"文学少女"見習いの、傷心。(ファミ通文庫)

野村 美月
出版社:エンターブレイン
発売日: 2009-12-26