田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
9月2日(木)読了。
武紀達の通う高校では、文化祭が近づいていた。
そんなある日、夏海のクラスメートである拓海がクラスの出し物で悩んでいる場面に遭遇する。
話しを聞いてみると、比較的おおらかな武紀のクラスと違い、どうやら夏海のクラスは熱心に取り組んでいるようだった。
そこで、武紀が自分のクラスの出来事を語ったことで、拓海は出し物のアイデアを得る。
それから数日後。
武紀のクラスに、四阿ちゃんが現れる。
珍しいこともあるものだと思ったら、武紀「責任を取ってください」と迫られて……
なるほど、こりゃ、確かに Fandisc ですねぇ。本編の隙間を埋めるような短編集。各短編のタイトルは、もしかしたらエ…… もとい、ギャルゲのタイトルのパロディなのかと思いますがどうなのか。まぁ、二つしか解りませんが(;^^) 短編集ということで、個別に簡単にまとめます。
・梅雨が明けるころに
1巻終盤の御華詩。1巻のラストに説得力を持たせる面もありますが、唯一の理解者として、ゆうきが如何に頼りになる存在かが見える御華詩ですな。
・いつか花咲く、愛もある
タイトルに絡められているように、咲と高橋さんの和解の切っ掛け。
高橋さんの語られなかった重要なエピソードが語られてたり、清々しい御華詩でした。
・姉のちときどき胸さわぎ
春姉の悩みの御華詩。なんというか、お色気分補強ですな。これも、まぁ、 Fandisc らしい御華詩ですね。
でも、そんな悩みは不要だと思うのです、うん。
・俺の妹のばあい
夏海と大変なことになる御華詩。色んな意味で成長したんですね。
・すくぅ~るメイド
今 Fandisc の本編です。表紙にも出てたから間違いありません。
四阿ちゃんが攻略対象じゃないのが間違ってたんです。致命的なバグです。
そのデバッグの成果が込められたパッチがこの御華詩。
とある事情で四阿ちゃんと秋葉に行くことになってしまう武紀。カップルと間違われる定番のイベントをこなしながら、最後に辿りつくのは……
四阿ちゃんが補完されたことで話にも広がりが出そうで、今後の四阿ちゃんの活躍が楽しみです。
・攻略仕様のアンチノミー
これは、作品の構造を活かした非常に面白い趣向の御華詩でした。
ゲーム内の存在が現実の存在となったことで生じる様々な齟齬が根底にありますが、その構図から導かれるメタな展開がいいですねぇ。
そして、通して読んでみると、 Fandisc と言いながら、何気に重要な情報もあったりして本編にも絡んできそうな予感がします。
何はともあれ、ここのところの立て続けの発売、おめでとうございます。もう、7冊なのですねぇ。
てなところで次は『理の守護神さま。 三.血塗れの統率者』です。