海空りく・著、純珪一・イラスト、GA文庫。
10月20日(水)読了。
第2回GA文庫大賞優秀賞受賞作。

藤間大和が不吉な夢を見た日、彼のクラスに一人の転校生が現れた。
彼女の名は東雲静馬。
早速質問攻めに会う静馬だが、早々に冷淡な言葉でクラスメート達を遠ざける。
それを放っておけない大和は、彼女をなんとかクラスの輪に入れようと画策する。
こうして、大和の静馬への善意から始まった関係は、やがて、凄惨な事件へと繋がって……

『善意が招く悲劇』というテーマを根底に描かれる静馬と大和の物語。色んな伝奇物の要素を再構築してソツなくまとめたという風情で、ライトノベルをよく読む層にはとっつき易い御華詩といったところですな。
そんな舞台装置の中、物語を通して、大和の善意がヒロインの静馬の心情をどうこじ開けるか? その過程が上手いこと描かれていたと思います。最後のカタルシスはなかなかよいですな。
ただまぁ、伝奇部分でよくも悪くも類似のネタが色々と思いつき過ぎて、正直、特筆すべき点が挙げ辛くもあります。まぁ、確実に他とちょっと違うと感じたのはエロコメ部の描写の生々しさでしょうか。だからこそ、公式ページの紹介はああなるんでしょうねぇ…… あ、あと、眼鏡分が枯渇してると思うんだ、うん。

何はともあれ、発売おめでとうございます!

てなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ インタルード・ブラック』です。

断罪のイクシード -白き魔女は放課後とともに- (GA文庫)

海空 りく
出版社:SBクリエイティブ
発売日: 2010-10-14