大泉貴・著、しばの番茶・イラスト、このライトノベル文庫がすごい!文庫。
2月11日(木)読了。
幼馴染みの少女と『物語』を巡る事件を経て、自らの進む道を決意したロゴ。
事件の後、ロゴと同じ”くるみの家”で生活を始め、他者の『物語』の共存に戸惑う由沙美。
新たな日々が新たな『物語』を紡ぎ出すからには、それは、安全なだけのものではない。
突如、巷を賑わせるダンス集団。
『言葉』を、『物語』を否定する彼らは〈破詞〉と呼ばれ……
いやはや、やっぱりこの世界観はいいですねぇ。『言葉』を『遺伝子』として捉えることにより生ずる、『生命』の営み。『言葉』により生ずる『物語』。
前回でようやくロゴの『物語』が始まった感じでしたが、今回はそれと共に由沙美の新たな始まりの『物語』でもありました。前巻で展開された『言葉』を巡る概念の津波による酩酊感が失われて大人しくなっているのは残念でもありますが、今回の主軸の観点も又、非常に興味深いモノでした。『言葉』に言及する『言葉』、即ち『メタ言語』。そういう視点の御華詩でもありますな。
あと、前巻で概念的な部分が何か近現代のフランス哲学っぽいと思ったら、今回モロその影響が見られる名前が(;^^) まぁ、学生時代に授業で習ったのはロラン・バルトがメインだったので詳しくはないんですがね、レヴィ=ストロース。
とまぁ、若干脱線しつつも、まだまだ可能性のある世界観だけに続きが楽しみです。
てなところで、次は『生徒会の九重~碧陽学園生徒会議事録9』です。