木野裕喜・著、コバシコ・イラスト、このライトノベル文庫がすごい!文庫。
8月11日(木)読了。
遂に訪れた夏休み!
せっかくなので友人達とどこかへ出かけようという話になる。
ファミレスに集まって海に行くことになったのだが、その日程が決まった際、武瑠が微妙な反応を示していた。
後から、善一はその日が武瑠の誕生日だと知って……
『このライトノベルがすごい!』大賞のページに公開されている書き下ろし特別短編の番外編! と言うのは半分程度冗談ですが、前巻でクリスが加わったり白柳と未実の関係に進展が合ったりで、各キャラの動きが安定してテンポも良くなってますねぇ。その中で、今回は原点回帰とも言える武瑠の御華詩。
友達を求めつつも、心の底ではちょっとした切っ掛けでその関係性は脆く崩れ去るかもしれないという恐怖を抱き続けている彼女の心情が、よく出ていていいですねぇ。確かに、善一だからこそ、それを受け入れられている、とも言えます。そこに気付いて貰えれば、というか気付きつつも踏み出せない、ってところですかねぇ。根底にあるのは、この武瑠の内面的な成長譚なのでしょう。
で、笹瀬先生も美味しい役割を果たしていますが、この本の中で語られなかった番外編こそが彼女の本編! だから、全国一兆人(妄想的観測)の笹瀬綾子先生好きは『このライトノベルがすごい!』大賞のホームページで公開されている書き下ろし特別編を本編として楽しむと良いと思います。破壊力抜群でありました。
とまぁ、そんな感じで次は『花物語』です。