火海坂猫・著、春日歩・イラスト、GA文庫。
9月24日(土)読了。
第三回GA文庫大賞奨励賞受賞作。
十夜は運悪く不良グループに目を付けられ、何かと暴力を受ける日々を過ごす。
その日も、彼は河川敷でリンチにあっていた。
不良達がエスカレートし、致命的な攻撃をし始めたとき、十夜の耳に届く声。
契約すれば助けるという声。
このままでは殺される。
命の危機にその声に縋る十夜。
結果、不良達は『いなくなった』。
そこに立っていたのは、一人の美しい少女。
だが、その手には。
何か。
スイカのような、物体が……
一介の高校生が毎月人喰いの化け物に一人の犠牲者を捧げねばならないという自体に陥ったら? そんな苦悩の日々を経て一つの決断に至るまでの物語。
なんというか、人喰いの化け物である黒依のキャラが全て、ですな。一種の舞台装置であり、その装置の元で追い詰められていく主人公。彼女を人喰いながら憎めないキャラとして描いたところがこの作品全体の魅力と言えましょう。ふむ、第三回GA文庫大賞後期最終選考を抜けただけはありますな。と、三次通過者の一つ下に並んでいた人間は謙虚に納得するしかありませぬ。
てなところで次は『 HAPPY DEATH DAY~自殺屋ヨミジと殺人鬼ドリアン~』です。